カイガラムシの予防・対策・基本情報

LOVEGREEN編集部
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ポピュラーな害虫の一種であるカイガラムシの基本情報をご紹介します。
目次
カイガラムシの基本
カイガラムシはカメムシ目に分類され、カメムシやアブラムシ、セミなどの仲間で樹液を餌にしている1mm~10mmほどの小さな昆虫です。漢字で書くと介殻虫となり(介殻=貝殻のこと)、その名の通り成虫になると身体を堅い介殻で覆い、植物にピッタリと張り付くようにして動かなくなる種類もあります。
よく見かけるのは、白くふわふわした綿や粉をまとっているコナカイガラムシ類、樹木などに発生しやすいロウムシ類、介殻が無く綿を吹かずに産卵するカタカイガラムシ類、堅い介殻を持つマルカイガラムシ類などでしょう。
水が当たらず風通しの悪い場所を好む傾向にあるため、日当たりと風通しの良い場所(その植物に適した環境)で栽培するようにしましょう。
カイガラムシの被害
カイガラムシなどの樹液を吸う害虫を吸汁性害虫といい、葉の退色や植物の衰弱を引き起こします。特にカイガラムシはお尻から甘露と呼ばれる甘い蜜を排泄する種類があり、葉などに付着するとスス病などの原因となります。ホコリなども付着して見た目が悪くなるので水で洗い流すか、甘露が付着した葉は取り除くようにしましょう。
カイガラムシの繁殖
カイガラムシの中には単為生殖(メスのみで繁殖する)が可能な種類もあり、繁殖スピードが早い害虫です。成虫を取り除く際に潰してしまうと卵が残り孵化してしまうので、カイガラムシを潰さないように除去する必要があります。
カイガラムシの駆除・予防
堅い介殻を持つカイガラムシは、成虫になると薬剤が効きにくくなります。そのため、まずはシャワーやブラシ、ピンセットなどを使って物理的に排除します。この際、卵を残さないようにしっかりと洗い流すのが重要です。
カイガラムシなどの害虫は植物が弱っていると寄生しやすくなるので、その植物に適した環境で健康的に育てることが一番の予防になります。周りに雑草が茂っていると、そこで発生したカイガラムシが風で飛ばされてくることがあるため、周囲の草刈りも大事な作業です。
カイガラムシに有効な薬剤
カイガラムシに有効な薬剤をご紹介します。
スプレータイプの使いやすい薬剤です。観葉植物や樹木類など幅広い植物に使用でき、成分が枝に浸透して約1か月間持続するのでしっかりと駆除することができます。
カイガラムシだけでなくアブラムシやハダニにも効果のあるスプレータイプの薬剤です。殺菌成分も含まれているので、とりあえず1本常備しておくと何かと重宝します。
粒状の水溶剤で、散布する面積が広い場合などに便利です。匂いも無く水にすぐ溶け、薬害も出にくい使い勝手の良い殺虫剤です。
野菜や果樹など薬剤を使用したくないときにおすすめなのが木酢液です。殺虫効果はありませんが、定期的に散布することで防虫効果が期待できます。燻製のような強い匂いがあるため、使用場所には注意しましょう。水で薄めて使用します。
木酢液と同じくオーガニックな忌避剤です。こちらも匂いが強烈なため使用場所には注意しましょう。水で薄めて使用します。
薬剤を散布するときのポイント
薬剤を散布するときは、薬害を起こさないように気温が高い日を避け、翌日が曇りになる日の夕方~夜間に散布するようにしましょう。晴天が続く場合は散布後に日陰で風通しの良い場所に植物を移動させましょう。
野菜や果樹など収穫物を食べる植物に散布するときは、薬剤の説明書の使用時期に記載されている収穫何日前まで使用可能かをよく見ましょう。
薬剤を噴霧して散布する場合は葉の表面だけでなく、葉裏までしっかりと薬剤がかかるように散布しましょう。
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