イエソト空間の達人たち⑤|木陰リビングが心地良い、ビカクシダに囲まれた暮らし
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住まいの形にとらわれずに、室内やインナーバルコニー・ベランダなどで自分なりの「庭」空間の楽しみ方を紹介する取材連載「イエソト空間の達人たち」。
今回は、東京の戸建住宅でビカクシダ流木付けの魅力を発信する、BOTAKAさん・BOTACOさんご夫妻のご自宅を訪ねました。
植物でリビングに心地良い木陰をつくる、洗練されたイエソト空間とは?
ボタニカルな雰囲気のカフェに憧れて作った部屋

玄関を開けて階段を上り、2階にあるリビングに足を踏み入れると、ハンギングした大きなビカクシダやシンボルツリーのウンベラータがまず目に入ります。
窓からの自然光が優しく降り注ぐ開放感のある空間で温かく出迎えてくれたのは、BOTAKAさん・BOTACOさんご夫妻。愛犬・くぅちゃんと一緒に植物のある暮らしを楽しんでいます。
ーー植物を育て始めたのはコロナ禍がきっかけだったとか。
BOTACOさん
2021年の7月頃から育て始めましたが、庭に緑を迎えたのがはじまりでした。
もともと夫婦でカフェに行くことが多かったのですが、コロナで外に出かけられなくなってしまったので「外出できないなら自宅の庭をカフェのようにしよう」と考えて、ガーデンテーブルとチェアを置いたんです。オープン外構だったので、目隠しとしてホームセンターで買った植木をいくつか置きました。
ーー自宅の庭をカフェのように……とても素敵です。夫婦共通の趣味であるカフェ巡りが、暮らしと植物を繋ぐ存在になったんですね。
BOTAKAさん
妻と結婚してからよく行くようになった場所のひとつがカフェでした。僕はお酒が飲めないこともあり、夫婦で出かけるときにちょうど良い場所だったというのもあります。コロナ禍でも楽しみを見出したいと思って考えたのが、庭でお茶をするという新しい試みでした。

ーーそれから室内にもグリーンを取り入れようと思った転機は何だったのでしょうか?
BOTACOさん
コロナの規制が少しずつ緩やかになり、外でお茶しようと夫婦で訪れたガーデンカフェに魅了されまして。とても素敵な空間で、うちもあんな風にしたいと思い、少しずつ室内にも植物を取り入れるようになりました。
ーー最初にお迎えした観葉植物は?
BOTACOさん
エバーフレッシュです。前から欲しいと思っていたのですが、はじめは大きい鉢で育てる自信がなかったので、テーブルサイズのものを選びました。仕立て直したり、植え替えたりしてここまで大きくなった感じです。

大切に育てているエバーフレッシュ
ーーお部屋の中央にあるシンボルツリーのウンベラータはいつから育てているのでしょうか?
BOTACOさん
ウンベラータは5年前の結婚記念に、夫が買ってきてくれました。ずっと欲しいと言っていたので本当に嬉しかったのを今でも覚えています。
BOTAKAさん
買ったウンベラータを園芸店で借りた軽トラックに積んで頑張って運びました(笑)。
当時は150cmほどのサイズだったのですが、ここ数年でかなり大きくなったなと感じています。

家族の後ろにはシンボルツリーのウンベラータ
ーーインスタグラムで拝見したときから、お部屋の中央にシンボルツリーとして飾っているレイアウトが印象的でした。
BOTACOさん
高さのある植物の場合、みなさん端っこに置かれると思いますし、うちも最初はそうしてたのですが、光がうまく当たらず、エアコンの直風もあって葉っぱが落ちてしまったんです。
植え替えして、思い切ってダイニングテーブルのそばに動かしたら大きく生長してくれるようになりました。
BOTAKAさん
鉢の下にキャスターを入れておけば、自由に動かせて便利ですよ。部屋の中央に置くことで自然の中にいるような雰囲気も出せていると思います。
ビカクシダ本来の魅力を引き立てる流木付け

ーーお2人といえば、ビカクシダの流木付けが人気ですよね。
BOTACOさん
ビカクシダは室内の植物を増やし始めて少し経ち、植物のことをたくさん調べるようになってからその存在を知りました。自分の家にも迎える鉢を探し始めたのですが、気に入ったものに出会えなくて。じゃあ自分たちで作ろうと夫が流木付けを始めました。
ーービカクシダといえば板付けのイメージでした。あえて流木を選んだ理由を教えてください。
BOTAKAさん
ビカクシダは着生植物で、本来は岩や木にくっついているのが自然な姿です。植物本来の魅力を活かすよう、自然な雰囲気の木に付けたいと思い、色々調べて流木に辿り着きました。流木は板と違って同じ形のものがないので、唯一無二の作品ができるのも良いなと。
BOTACOさん
自宅のリビングは窓が多くて壁が少ない間取りなので、壁に掛けることが多い板付けを飾る場所がなかったのも理由のひとつです。流木であれば360度どの角度からも楽しめるなと思って採用しました。
ーー板付け未経験で流木付けを始めたそうですね。初めて作ったときの出来栄えはいかがでしたか?
BOTAKAさん
作ってみたら想像以上にカッコいい作品ができたんです。これは他の人も欲しいに違いないと思って販売を決めました。
BOTACOさん
販売を始めるにあたり、インスタグラムのアカウントを作ったのですが、当時フォロワーがほとんどいない状態だったにも関わらず、Creemaに出品したらすぐに売れたときは驚きました。SNSや口コミで評判が広まっていったことがとても嬉しかったです。

制作した作品1つひとつに型番を付けているそう
ーーリピーターの方が多いのも納得の、美しいデザインだと思います。制作はご自宅でされているんでしょうか?
BOTAKAさん
まず気に入った流木を海で採取して、洗浄とアク抜きをした後、庭で乾かしてニスを塗るというところから始めます。
仕入れたビカクシダと相性の良さそうな流木を選んで着生させ、活着して発送できる状態になるまでは制作専用の部屋で管理しています。テグス(糸)を見せないように付けるのが、個人的なこだわりポイントです。

庭にある流木のストックたち
BOTACOさん
これまでに彼は600以上のビカクシダを着生させてきました。手先が器用だなと、そばで見ていて思いますね。

スタイリッシュに見えるのはテグスが表から見えないから
葉の陰影で外の自然を表現

ーー大きなウンベラータやハンギングで飾るビカクシダなど、植物の配置にもこだわっていらっしゃる印象です。植物をお部屋に置く際に、レイアウトや高さなど、意識している点があれば教えてください。
BOTACOさん
狭いリビングなので、できるだけハンギングしていることです。鉢植えは圧迫感が出るので床に直置きはせず、台などに置いて少しでも浮かすか、家具の上に置くことを意識しています。あとは狭い部屋に大きいから置けないという先入観は捨てて、家の中に木陰を作るイメージで配置しています。
BOTAKAさん
ハンギングは場所も取らないですし、空間を広く使うことができるので本当におすすめです。あとは窓辺に植物を置く棚を自作したのですが、ここに鉢を等間隔に置いて、見せるディスプレイにしています。

植物が並ぶ窓辺の棚はBOTAKAさんの手作り
ーー自宅のなかで一番のお気に入りスポットがあればぜひお伺いしたいです。
BOTACOさん
キッチンから見たリビングの景色です。夫と愛犬が植物の下でくつろいでる姿を見るのが好きですね。

BOTAKAさん
我が家のコンセプトは「木陰リビング」。自然が好きなので、家の中にも木陰を作って緑を感じることができるようにしています。
あとはワークスペースにも植物を置いていて、パソコン作業をしながら視線の先に緑が見えるように飾っているのもこだわりのポイントです。

緑が目に入るワークスペース
ーーここまでお話を伺って、お2人から「自然体」を大切にする暮らしへの強い想いを感じました。
BOTAKAさん
子どもの頃、東京郊外の自然の中で育ち、小さい頃から自然が身近な環境で暮らしていたことも自然に惹かれる理由なのかなと思っています。
夫婦とも外に出かけるのは大好きですし、家の中でも外の自然を取り込む暮らしがしたいと思っています。その考えの延長で、いま実はバルコニーをリフォームしてインナーバルコニーに拡張する計画を立てています。完成したら屋外植物をもっと増やして、コーヒーを飲んだり日光浴をして楽しみたいですね。

拡張予定のバルコニー
BOTACOさん
私の場合は実家では母が大きなゴムの木とポトスを育てていて、ツルが家中の壁を覆うように這っていました(笑)。なので植物が身近といえば身近だったのかもしれません。あとは自然の中でもとくに海が好きなので、流木を探しに海に行くのも楽しみのひとつです。
ーーくぅちゃんとの日常も癒やされるなと思って拝見しておりました。犬と植物の共存で気を付けていることはありますか?

BOTAKAさん
もともとハンギングで飾ることが多いので、犬には手が届かないのですが、くぅちゃんが子どもの頃は葉が落ちる前に切ることを心がけていました。今は大人になり、自分の食べ物ではないことを理解しています。
BOTACOさん
くぅちゃんの場合は猫のように植物を食べてしまうということはあまりないのですが、それでも子犬のときは特に気を付けていました。
ちなみにですが、私たちの作品を迎えてくれる方は猫飼いさんがとても多いです。ビカクシダは一般的に犬や猫への毒性はないとされていますし、ハンギングで飾れることも理由なのかなと思います。
着生植物の良さを多くの人に広めたい

ーーたしかに、ビカクシダは、犬や猫と暮らす人にも向いている植物かもしれませんね。
BOTACOさん
そうですね。あとはもっと女性の方にも手に取ってもらえればと思い、日々ビカクシダの魅力を発信しています。
BOTAKAさん
ビカクシダはアガベなどと同様、どちらかというと男性マニアが多い植物なので。女性がインテリアとして飾りたいと思えるようなデザインになるように意識して制作しています。
ーー今まであまり考えたことがなかったのですが、男性のほうが好んで手に取る傾向にあるのですね。
BOTACOさん
女性の多くは最初、ビカクシダの茶色いところを見て「うわあなんでこんな枯れてるのに」ってなるんです。それが「これがカッコいいんだよな」と魅力に感じてもらえるようになると、私たちとしても嬉しいです。
BOTAKAさん
ビカクシダだけではなく、ウンベラータやエバーフレッシュなど、ナチュラル系の植物と一緒に飾るとインテリアとしてのバランスも取りやすいと思います。

ーーずばり、お2人が考えるビカクシダの魅力とは?
BOTAKAさん
もともとそこまで植物が好きだったわけではないのですが、ビカクシダはとにかくカッコ良くて。生長による変化がわかりやすいところも好きですね。着生植物という存在を知ってから自分自身がびっくりするくらい惹かれてしまいました。
BOTACOさん
家の中で植物を育てるハードルのひとつが、土だと思います。
土が重くて嫌だ、虫が湧きそう、床が汚れそうという声は実際に多いですが、流木付けは土を使わないのでそういった心配が無用です。
中には繊細な品種もありますが、水分や養分を蓄えながら育つ植物なので、比較的丈夫なところが最大の魅力だと思っています。
ーー最後に、日々のなかで植物はどのような存在で、暮らしにどのような変化が生まれましたか?
BOTACOさん
植物たちとの暮らしはいまや生活の一部になっていますし、緑が身近にあることで、心穏やかに優しい気持ちになりますね。
BOTAKAさん
植物がない頃は、朝起きてパパっと身支度をして出かけるだけの生活だったのですが、植物を迎えてからは身支度の前に水や肥料を与えたりと、お世話をする時間が増えました。そのひとときが、心の余裕や夫婦の会話にも繋がっていると思っています。
BOTAKAさん・BOTACOさんプロフィール

東京都在住。植物を育て始めて5年、現在は戸建て住宅で夫婦2人暮らしをしながら、ビカクシダの魅力や植物のある暮らしの楽しみ方を発信している。
BOTAKAさんが販売するビカクシダの流木付けは、インテリアのアクセントにもなる洗練された造形が魅力的。リピーターも多く、多くのファンから支持されている。






































