初夏の草花・ニゲラ・アフリカンブライド
金子三保子
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ニゲラは開花時期が春から初夏にかけて咲く一年草の草花です。花も葉も独特なフォルムで小さめの花ながら、その雰囲気はとても存在感があります。品種も色々あって、苗ものとしても切り花としても出回っていますが、今回はたくさんあるニゲラの中で最近、切り花でも出回っている「アフリカン・ブライド」という花をご紹介します。
目次
ニゲラAfrican Bride
ニゲラの和名は、クロタネソウ。
なぜこんな名前が付いたかというと、花の後につく種の色がゴマのように真っ黒なことからついたようです。また、ニゲラという名はラテン語の「Niger ・黒い」からきています。ニゲラの品種はたくさんありますが、園芸や切り花で多く見かけるのは「ペルシャンジュエル」という品種で、ブルー、白、ピンク色のニゲラです。
アフリカン・ブライドは、花弁と中心の色のコントラストが素敵な、ニゲラの中ではちょっとシックな雰囲気のニゲラです。花色は白黒と表現されることが多いですが、写真を見るとわかるように、細かく言うとネイビー・・・でしょうか。シックさとさわやかさの感じられる色合いです。
ニゲラは花びらがない花
ニゲラは花びらがない花です。私たちが花びらと思っている部分は「萼片」。花びらは、退化して蜜腺となっておしべの周りにあります。同じキンポウゲ科のクリスマスローズも花びらと思っている部分は「萼片」です。
ニゲラのつぼみ~開花~花のあと
かわいいボール状のつぼみ
つぼみがはじけて開花します!
花の後、白い萼片が落ちた後は、ユニークな姿に変身するニゲラ。
この状態でドライフラワーにすることもできます。根がついている状態だと、このあと中心がぷっくりと膨らんできて、中に種をつけます。
ニゲラは、日毎に変わる表情がおもしろい花です。
ニゲラ・生けるときのポイント
ニゲラは特別に扱い方が難しい花材ではありません。
水に生ける場合は、水に浸かる部分の葉っぱは取り除いて生けましょう。葉っぱがもさもさしているので、あまりにも葉っぱが多い場合は、少し取り除いてあげたほうが花もちが良くなります。切り口を新鮮な状態に保ち、新鮮な水に生けていれば、たくさんのつぼみが時間差で開きます!
ニゲラ・ガーデニング編
今回の品種に限らず、ニゲラを園芸で取り入れる場合のポイントをご紹介します。ニゲラを育てる場合は、種まきか、春に出回る苗ものを購入する2通りとなります。
種まきは、9月~10月に蒔いて、4月ごろ~7月に開花します。
苗は年明けくらいから5月くらいまでの出回りです。花丈は、品種にもよりますが、40~50cm以上になる、植物を低・中・高の3つに分けるとすると、中サイズに分類される植物です。茎は細くて風にそよそよと揺れる姿はとても魅力的です。蒸れには弱いですが、乾かし気味に育てて、花がらをまめに摘み取るとたくさんの花が咲きます。たくさんの花を楽しむためには、種をつけないほうがよいのですが、花のあとの種も独特な形をしているので興味がある方は種を取ってみてください。種はドライフラワーとしても流通しています。
ニゲラの性質で2つ覚えておいた方がよい性質があります。
ニゲラは嫌光性
ニゲラの種まきで知っておいたほうがいいことがあります。それは、ニゲラは「嫌光性」という性質を持ちます。「嫌光性」の種は、光が当たっていると種が発芽しない性質のため、種を蒔いたら必ず土をかぶせて光を遮らせる必要があります。同様の性質を持つ植物として、ワスレナグサやルピナスも「嫌光性」です。
ニゲラは直根性
ニゲラは直根性の植物なので移植を嫌う性質です。一番いいのが、種による直播ですが、苗として購入した場合は根を触らないようにしてポットから苗を取り除いて植えこみます。
一度植栽してしまえば、あとは育て方は簡単です!
切り花、苗ものとして流通しているニゲラ。花屋さんや園芸店で探してみてくださいね。
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