毒のある植物一覧。日本や世界の有毒植物を花言葉とともに紹介

山田智美
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毒のある植物を23種紹介します。身近な場所で見られるもの、食べてはいけないものや誤食の注意点、花が美しいもの、日本ではあまり見ることのできない海外のものなど。毒のある植物がわかっていれば安心です。
目次
毒のある植物とは
毒のある植物、有毒植物とは、人間や動物の健康や生命に害を有する成分を持った植物のことです。触れたり、食べたりすることで、具合が悪くなり、最悪の場合は命に危険が及ぶようなこともあります。
ただし、これらの成分は人間にとっては毒であっても、植物にとっては自らの生命維持のためなどに必要なものだと理解しておきましょう。
毒のある植物は決して恐ろしく危険なものばかりではありません。美しい花を育てて、楽しむのは自由です。毒性や扱い方を理解しておけば問題なく付き合えます。
日本で見られる、身近にある毒のある植物5種
日本の身近な場所で見られる毒のある植物を、花言葉とともに紹介します。
スズラン(鈴蘭)
- 学名:Convallaria majalis
- 科名:キジカクシ科
- 花言葉:再び幸せが訪れる、純粋
スズラン(鈴蘭)の毒性
春に香りの良い真白な花を咲かせるスズラン(鈴蘭)。
このかわいらしい花は全草に毒を持っています。有毒成分はコンバラトキシンなど、強心作用のあるもの。
過去にはスズラン(鈴蘭)の切り花が生けてあったコップの水を飲んだ子供の死亡例もあります。注意すべきはスズラン(鈴蘭)を口にしないことです。眺めて、香りを楽しむ分には何の問題もありません。
アジサイ
- 学名:Hydrangea
- 科名:アジサイ科
- 花言葉:一家団欒、冷酷
アジサイの毒性
アジサイの毒性ははっきりわかっていません。ただし、アジサイの葉を食べて中毒症状を起こしたとされる事故が発生しています。飲食店で料理の皿に飾りとして添えられていたアジサイの葉を食べたことが原因だそうです。
アジサイの葉は大葉に少し似ています。誤食や飾りつけに使用しないように注意してください。
キョウチクトウ(夾竹桃)
- 学名:Nerium oleander
- 科名:キョウチクトウ科
- 花言葉:注意、危険、用心
キョウチクトウ(夾竹桃)の毒性
夏になると高木に色鮮やかな花を咲かせるキョウチクトウ(夾竹桃)。強健な植物で、庭木の他、公園や街路樹などにも多用されています。
キョウチクトウ(夾竹桃)は花を含む樹木全体にオレアンドリンという強い毒を持っています。海外では、バーベキューでキョウチクトウ(夾竹桃)の枝を串代わりに使用し、中毒症状を起こした事例もあります。眺めて楽しむだけにしておきましょう。
- 夾竹桃(キョウチクトウ)は、江戸時代の中期にインドから中国を通って日本へ渡ってきた常緑樹です。高さ3~6m程度の株立ちの樹形になり、横に広がるように生長します。 夾竹桃(キョウチクトウ)の開花は7月〜9月。痩せた土壌でもよく育ち丈夫な植物で、花は4cm程の筒状をしていて、先が5枚に裂け少しねじれたプロペラのような花びらをしています。夾竹桃(キョウチクトウ)の花の色は白、ピンク、赤、黄色があり、形は八重咲きと一重咲きがあります。葉の形は長細くボート型をしていて先が尖っています。葉の色は濃い緑色と斑が入ったものもあり、夾竹桃(キョウチクトウ)の葉の裏側は小さな窪みがあり、その内側には毛が生えていてフィルターの役割をしています。これは、外から来る排気ガスなどの有害物質を防ぎ公害に強く街路樹や公園、高速道路、工場等の緑化に植えられる事が多い植物です。 樹木全体に強い毒を持っているため、直接肌に触れないように注意し、剪定枝の処分などもお住まいの自治体に確認しましょう。
ダチュラ(チョウセンアサガオ)
- 学名:Datura
- 科名:ナス科
- 花言葉:偽りの魅力
ダチュラ(チョウセンアサガオ)の毒性
ダチュラ(チョウセンアサガオ)は昔に薬草として渡ってきたもので、現在は園芸植物として栽培されています。ダチュラ(チョウセンアサガオ)の毒性はトロパンアルカロイドなど。食べると強い中毒症状を起こします。
ダチュラ(チョウセンアサガオ)は実がオクラに、根はゴボウに似ているという理由で、間違って食べてしまうことがあるようです。中毒症状の事例があるので、間違って食べることのないように気をつけてください。
ダチュラ(朝鮮朝顔)
- ダチュラは、朝鮮朝顔(チョウセンアサガオ)と言う別名を持つ、ナス科の一年草あるいは多年草です。草丈1m程度で、ラッパ状の特徴的な花を上向きに咲かせます。ダチュラの花は、近くで確認すると柔らかい芳香があるのが特徴です。果実の表面にはトゲがあります。 エンジェルストランペットと呼ばれるキダチチョウセンアサガオ属とは別種になります。キダチチョウセンアサガオの仲間は樹高2m程度で、ダチュラとよく似たラッパ状の花を下向きにぶら下げるように咲かせます。 ダチュラは、もともとは薬草にするために輸入されたと言われています。ダチュラ属もキダチチョウセンアサガオ属も毒性が高く、食べると中毒症状を起こしてしまうこともあります。口に入れないように気をつけてください。
クリスマスローズ
- 学名:Helleborus
- 科名:キンポウゲ科
- 花言葉:いたわり、慰め、追憶、私を忘れないで
クリスマスローズの毒性
クリスマスローズは冬から早春に可憐な花を咲かせる植物。冬のガーデニングの強い味方です。クリスマスローズはヘレボレインを始めとする有毒成分を持っています。全草に毒があり、特に強いのは根です。
クリスマスローズの毒は口にしなければ問題ないので、植え替え等で神経質になる必要はないでしょう。気になる場合は手袋をして作業してください。
クリスマスローズ
- クリスマスローズは、クレマチス、ラナンキュラス、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物です。クリスマスローズは、冬の花が少ない時期に花を咲かせる常緑の植物です。 日本ではヘレボルス属を全てひとくくりにクリスマスローズと呼びますが、本来のクリスマスローズはクリスマスの頃に開花する「ヘレボルス・ニゲル」を指す名前です。 他には咲き方や色が豊富な「ヘレボルス・オリエンタリス」や、グリーンの特徴的な花の形状が面白い「ヘレボルス・フェチダス」等、たくさんの種類があります。 クリスマスローズにはグリーンの葉を低く繁らせた中から茎を長く伸ばす有茎種と、茎の低い無茎種があります。 クリスマスローズ・ニゲル
誤食に注意!食べちゃいけない毒のある植物9種
スイセン(水仙)
- 学名:Narcissus
- 科名:ヒガンバナ科
- 花言葉:自己愛、神秘
スイセン(水仙)の毒性
スイセン(水仙)は冬から春に香りの良い花を咲かせる球根植物。庭や公園など様々な場所に植えられています。
スイセン(水仙)は全草にリコリンなどの有毒成分を含みます。花が咲いていないときの水仙の葉をニラや、球根を玉ねぎと間違えて誤食し、中毒症状を起こした事例が多くあります。花と香りを楽しむだけにしましょう。
水仙(スイセン)
- 水仙(スイセン)は、早春に花を咲かせる春を告げる球根植物のひとつです。白と黄色以外にピンクや緑、オレンジなど、色とりどりの花が咲きます。水仙(スイセン)の園芸品種の数は数万品種もあり、とても種類が豊富です。品種によって一本の茎から一本の花が咲く種もあれば、日本水仙のような房咲き種もあります。最近では八重咲種など、新品種の水仙(スイセン)が毎年のように登場します。水仙(スイセン)は、主に冬咲きと春咲きの品種が多いですが、中には秋に咲く品種もあります。 水仙(スイセン)は、数年間は植えっぱなしで管理でき、環境が合えば球根が年々増えていくのでガーデニング初心者にはおすすめの球根の花です。球根をまとめて植え付けておくと、年々分球し、とても見事な空間となります。日本全国には、たくさんの水仙(スイセン)の群生スポットが存在します。
スノーフレーク
- 学名:Leucojum aestivum
- 科名:ヒガンバナ科
- 花言葉:純潔、汚れなき心
スノーフレークの毒性
スノーフレークは春に白い花を咲かせる球根植物。スノーフレークの毒性はリコリンなどです。スイセン(水仙)と同じく花が咲いていない時期にニラと間違えて食べてしまうケースがあるようです。ニラとスイセン(水仙)やスノーフレークを近くに植えないようにしましょう。
スノーフレーク
- スノーフレークは、学名の「Leucojum」はギリシア語で「白いスミレ」を意味しスミレのような芳香を放つ事に因みます。スノーフレークは、3月~5月頃、春本番ともいえる時期に花を咲かせます。スノーフレークの花は鈴蘭に似た丸い形、花びらの先はフリルのようなかわいらしさ。釣鐘状の花がスズラン、細長い葉がスイセンのようなので鈴蘭水仙とも言われています。白い花びらの縁に緑の水玉のような斑点が入り愛らしい春を告げる球根の花です。スノーフレークは可憐な花姿ですが、性質はとても強く、数年間は植えっぱなしでも問題なく開花します。スノーフレークは、ぱらぱらと植えるより、群植して植えると年々見事な風景となります。
フクジュソウ(福寿草)
- 学名:Adonis amurensis
- 科名:キンポウゲ科
- 花言葉:幸せを招く、永久の幸福
フクジュソウ(福寿草)の毒性
フクジュソウ(福寿草)は春に黄色い花を咲かせる多年草。フクジュソウ(福寿草)にはシマリンなどの有毒成分が含まれます。特に早春のフクジュソウ(福寿草)の新芽をフキノトウと間違えての誤食の心配があります。むやみに食べないようにしましょう。
フクジュソウ(福寿草)
- フクジュソウ(福寿草)は、北海道から九州までの照葉樹林の林床に自生している草丈15~30cmほどの宿根草です。根茎が短く、やや太い根を持ちます。早春に芽を出して開花しその後、葉をのばしますが、晩春になると葉が枯れて秋まで休眠します。 フクジュソウ(福寿草)の花色は黄色ですが江戸時代から花の美しさが着目され園芸品種が多数選抜育成され、白、黄褐色、紫褐色、橙紅色などがあり花形も一重~八重、万八重と変化に富みます。鉢植えで栽培されるほか日本庭園の石組に添えられています。 フクジュソウ(福寿草)の別名はガンジツソウやガンタンソウといい、正月用に本来の花期よりも促成栽培されて出荷されています。花言葉や花の名前から、お正月の寄せ植えなどに縁起の良い植物としても使用されています。
コンフリー
- 学名:Symphytum officinale
- 科名:ムラサキ科
- 花言葉:保護、修復、安全
コンフリーの毒性
コンフリーはムラサキ科の多年草。淡紫色の花を咲かせるハーブです。
以前は健康に良いとされ、健康食品に使用されたり、コンフリーの花を天ぷらにして食べたりしていた時期もありました。現在ではコンフリーには若干の毒があり、健康被害が生じるおそれがあることから、厚生労働省では摂取を控えるように促しています。誤食ではありませんが、食べないようにしましょう。
グロリオサ
- 学名:Gloriosa
- 科名:イヌサフラン科
- 花言葉:栄光、勇敢
グロリオサの毒性
グロリオサは独特のフォルムが美しく、切り花として人気の植物。
全草にコルヒチンという有毒成分を含みます。グロリオサの球根が山芋に似ていることから誤食による中毒症状の事例があります。切り花や観賞目的で楽しむ分には問題ありません。
グロリオサ
- グロリオサはイヌサフラン科の多年草です。旧分類ではユリ科とされてきました。地下茎は球根になります。 グロリオサは葉の先端が巻きひげ状になり、他の植物やフェンスなどに絡み付いて生長する特性があります。グロリオサは支柱やフェンス、トレリスなど、絡ませてよいものの側で育てましょう。 グロリオサの花は、6枚の細長い花びらがすべて反り返ったように咲く、独特のフォルムをしています。グロリオサの花びらは厚みがあり、ちょっとした刺激で折れたり傷ついたりしやすいので、気を付けて扱うようにしてください。 花色は赤や黄色、オレンジやピンク、白、グリーンなどもあります。明治の末期に渡来したころは花形が独特なためかほとんど人気はありませんでしたが、近年ではクリスマスや正月を中心に通年切り花として人気があります。切り花用に品種改良がおこなわれ、特に高知県での生産が有名です。
シキミ
- 学名:Illicium anisatum
- 科名:マツブサ科
- 花言葉:猛毒、援助、甘い誘惑
シキミの毒性
シキミはマツブサ科の常緑高木。秋に実る果実はスパイスの八角(スターアニス)に似ています。
シキミは花や葉から根まで全草にアニサチンなどの有毒成分を含みます。特に八角(スターアニス)に似ている果実は猛毒とされていますので、誤食に注意してください。シキミは庭木、公園、神社やお寺に植えてあることがあります。むやみに摘んで食べないようにしましょう。
コルチカム(イヌサフラン)
- 学名:Colchicum autumnale
- 科名:イヌサフラン科
- 花言葉:私の最良の日々は過ぎ去った、危険な美しさ
コルチカム(イヌサフラン)の毒性
イヌサフランは秋にサフランに似た淡紫色の花を咲かせる球根植物。
花が咲いていない葉をギョウジャニンニクなどと間違えたり、球根を食べてしまったりして中毒症状を起こした事例があります。食用となるものの近くに植えないようにしましょう。
ヨウシュヤマゴボウ
- 学名:Phytolacca decandra
- 科名:ヤマゴボウ科
- 花言葉:野生、元気、内縁の妻
ヨウシュヤマゴボウの毒性
ヨウシュヤマゴボウは秋に黒いブドウのような果実をつける多年草。雑草としてあちこちに生えているのを見かけます。
ヨウシュヤマゴボウは根と果実にサポニンなどの有毒成分を含みます。漬物として販売されている「ヤマゴボウ」は、モリアザミの根です。モリアザミの根と誤解して食べた結果中毒症状を起こした事例があります。ヨウシュヤマゴボウは食用にはなりません。
ヒガンバナ
- 学名:Lycoris
- 科名:ヒガンバナ科
- 花言葉:あきらめ、独立
ヒガンバナの毒性
ヒガンバナは秋に印象的な花を咲かせる球根植物。
全草に有毒成分であるリコリンが含まれます。花の後に出てくる葉はニラと間違えやすいので、誤食に注意してください。
彼岸花(ヒガンバナ)
- 彼岸花(ヒガンバナ)は夏の終わりから秋にかけて咲く球根の花。お彼岸の頃に開花するLycoris radiataの他、夏に開花する品種もあります。最近はたくさんの園芸品種があり、学名のリコリスという名前で流通していることがあります。 1本の真っ直ぐな緑色の茎の先端に、直径約10cm前後の花を咲かせます。花びらの色は品種改良が進み種類によって違いますが、日本で多くみられるのは赤。田んぼなどのあぜ道に咲いている風景をが印象的です。 彼岸花(ヒガンバナ)の花弁は他の花に比べて独特です。幅は5mm程度、長さは4cm程の花びらを6、7枚放射状に付けます。茎の長さは30~50cm。成人の膝丈程に伸びます。葉っぱも茎と同様細長く30~50cmになります。彼岸花(ヒガンバナ)は面白い事に花が咲く時期に葉っぱはありません。花が枯れた後ににょきにょきと生長する特徴があります。花と葉が同時に着かないことから「葉見ず花見ず」と言われています。 一般的に彼岸花(ヒガンバナ)で流通しているものは、秋の彼岸の頃に赤い花が咲く、リコリス・ラディアータと呼ばれる品種です。白花の彼岸花(ヒガンバナ)はリコリス・アルビフローラと呼ばれる交配種です。
花が美しい毒のある植物7種
ジキタリス
- 学名:Digitalis
- 科名:ゴマノハグサ科
- 花言葉:不誠実、隠されぬ愛
ジキタリスの毒性
ジキタリスはキツネノテブクロという愛らしい和名を持つ二年草。春にすっと伸びた茎に縦に連なるように花を咲かせます。
ジキタリスはジキトキシンなどの有毒成分を含みます。ジキタリスの毒は猛毒で、強い中毒症状、最悪の場合は死に至ることもあると言われています。花を観賞したり、育てたりして楽しむようにしましょう。
ジギタリス
- ジキタリスはイングリッシュガーデンの定番として人気の花です。ベル状の花が穂状についた花穂がすっと伸びて咲く姿は存在感抜群です。ジギタリスはバラと開花時期が同じなので、バラに合わせる草花としてもよく使われます。花の色は紫を中心に、白、ピンク、イエローなどがあり、次々に新色が登場しています。ジギタリスは本来は宿根草ですが、日本では暑さに弱いため春まきの二年草として扱われます。夏越ししやすい東北から北では、秋に種まきして2年越しで立派に生長させることができます。丈夫なので環境に合えば毎年、こぼれ種が発芽して開花します。 ジギタリスは品種がとても豊富で、品種によって背丈も様々です。高性のものは2m近く、矮性のものは30cm程度と品種によって背丈が様々です。ジギタリスと言えば、花にブロッチ(斑点、斑紋)があるものが一般的ですが、最近はブロッチがない品種も登場しています。
トリカブト
- 学名:Aconitum
- 科名:キンポウゲ科
- 花言葉:騎士道、栄光
トリカブトの毒性
トリカブトは秋に紫色の独特のフォルムの花を咲かせるキンポウゲ科の多年草。
トリカブトは根のアコニチンを始め、全草に有毒成分を含みます。トリカブトの毒は食べたり、飲んだりしなければ問題ありません。
トリカブト(鳥兜)
- トリカブトはキンポウゲ科トリカブト属に分類される北半球の温帯~亜寒帯原産の植物です。日本には約30種類ほどのトリカブトがあり、いずれも有毒です。 トリカブトは日本三大毒草(トリカブト、ドクゼリ、ドクウツギ)の一つで、根を始めとした全草に毒があります。 このように毒を持つ植物の代表格として知られるトリカブトですが、実は生け花で広く用いられる、ポピュラーで育てやすい園芸種でもあります。 そのため、毒草と聞いて栽培できるの?と思う方もいらっしゃると思いますが、トリカブトは花や葉の美しさから園芸品種が多くあり、売買も育てるのも問題ありません。 漢方では附子(ぶし)としてトリカブトの根が使われています。 開花時期は8月~10月で、湿度が高い森に主に生えています。 多年草で、冬は地上部を枯らして越冬します。20cmほどの矮性種から1mを超えるものまで、種によって草丈は様々です。 名前の由来にもなったように、兜のように見える独特の袋状をした花を咲かせます。 これはミツバチなど虫たちが奥まで入り込むことで効率的に授粉できるようにした工夫です。 ただし、花粉にも毒があるので、トリカブトが咲く季節になると養蜂家たちはミツバチを巣箱から出さないようにするそうです。
キケマン
- 学名:Corydalis heterocarpa var. japonica
- 科名:ケシ科
- 花言葉:祈りある生活
キケマンの毒性
キケマンは春に黄色の花を咲かせる越年草。葉茎を傷つけると独特の臭いがします。
全草にアルカロイドを含む毒草です。花を観賞するだけにしておきましょう。
ムラサキケマン
- 学名:Corydalis incisa
- 科名:ケシ科
- 花言葉:喜び、あなたの助けになる
ムラサキケマンの毒性
ムラサキケマンは春に紫色の花を咲かせるケシ科の越年草。
キケマンと同じく全草に有毒のアルカロイドを含みます。ムラサキケマンの毒は口に入れなければ問題ありません。
ムラサキケマン
- ムラサキケマンは春に紫色の花を咲かせるケシ科の越年草です。山野や道端の明るい半日陰でよく見かけます。春先まだ周囲の草が生い茂る前にムラサキケマンの鮮やかな紫色は人目を引きます。 葉茎は明るく瑞々しいグリーンで、細く華奢な印象です。葉先には細かい切れ込みがあり、芹の葉に似ています。細い茎を20~30㎝程度伸ばし、その先に鮮やかな紫色の花を縦に房状に咲かせます。花の形状は特徴的で、ラッパ状の花の先端は避けるように開き、基部を後ろに突き出すような形をしています。この部分に蜜が入っています。花後マメによく似た果実が出来ます。この果実は熟しても色が変わりません。 ムラサキケマンの名前は、ケマンソウに似ているというのが所以です。ケマンとは漢字で華鬘と書き、寺院や仏堂で使用されている装飾具のことです。ケマンソウはこの華鬘に似ているということからケマンソウの名が付きました。ムラサキケマンはケマンソウに似ているというところから、ムラサキケマンの名が付いたようです。 ムラサキケマンは少量ではありますが、ケシ科特有の毒性を持っています。口には入れないように気を付けましょう。
カロライナジャスミン
- 学名:Gelsemium sempervirens
- 科名:ゲルセミウム科
- 花言葉:素直、気立てのよさ、甘い囁き
カロライナジャスミンの毒性
カロライナジャスミンは春に香りの良い花を咲かせるつる植物。明るい黄色と香りの良さが人気で、庭や公園など様々な場所に植栽されています。
このカロライナジャスミンは全草に有毒のアルカロイドを含んでいます。ジャスミンと名前につきますが、ジャスミン茶のジャスミンとはまったくの別種。カロライナジャスミンを飲用するようなことはしないでください。かわいらしい花と香りを楽しむ植物です。
カロライナジャスミン
- カロライナジャスミンは、北アメリカ南部から中央アメリカに分布する常緑のつる性植物で、細いつるでからみつきながら6mほどに伸びます。ろうと型の香りのよい濃黄色の花を株全体が覆われるほどたくさんつけ、次々と長期間咲かせます。日当たりの良いフェンスなどに向き、庭に植えて大きく伸ばすと株いっぱいに花をつけ見ごたえがあります。鉢植えのカロライナジャスミンは支柱を立てて育てます。耐寒性が強くマイナス10度まで耐えますが寒い地方では落葉します。葉は光沢のある濃い緑色で、気温が下がると赤褐色に紅葉します。カロライナジャスミンは、ジャスミンと名前がつきますが全草に毒があるのでハーブとしての利用はできません。
エンジェルストランペット
- 学名:Brugmansia
- 科名:ナス科
- 花言葉:愛敬、愛嬌
エンジェルストランペットの毒性
エンジェルストランペットはキダチチョウセンアサガオという和名もある、ナス科の花木。ラッパ上の大きな香りの良い花を咲かせます。
エンジェルストランペットはダチュラと同じ、有毒のアルカロイドを全草に含んでいます。エンジェルストランペットを口に入れないようにしてください。手入れの際に気になるようであれば、手袋を着用してください。
キキョウ
- 学名:Platycodon grandiflorus
- 科名:キキョウ科
- 花言葉:永遠の愛、変わらぬ愛、気品、誠実
キキョウの毒性
キキョウは秋に青紫色の花を咲かせる多年草。秋の七草に数えられる和の花ですが、絶滅危惧種に指定されています。
キキョウは全草にサポニンなどの有毒成分を含みます。むやみに食用にしないようにしましょう。
桔梗(キキョウ)
- 桔梗(キキョウ)は、キキョウ科の宿根草。近年、自生種は個体数が減少してしまい、絶滅危惧種に指定されています。初夏から秋に風船のようなつぼみがはじけると星形の美しい花が開花します。秋の七草のひとつとされている桔梗(キキョウ)ですが、初夏から秋までと開花期間が長く、暑さにも強いため夏のガーデニングに利用されています。 自生種は絶滅危惧種に指定されていますが、園芸品種の桔梗(キキョウ)には多くの種類が出回っています。江戸時代から品種改良が重ねられ、現在までたくさんの品種が生み出されてきました。 花の色は、紫や青の他にピンクや白もあり、咲き方は一重咲きの他に八重咲き、大輪種、花が最後まで開かない袋咲きの品種もあります。色や咲き方のバリエーションが多い上に、草丈が高いものから矮性種まであるので、庭植えのほか、鉢植えで栽培することも可能です。 桔梗(キキョウ)の英名「Balloon flower」は、蕾が風船のように膨らんでいることが名前の由来です。
世界の毒のある植物2種
マンドレイク
- 学名:Mandragora officinarum
- 科名:ナス科
- 花言葉:珍しいこと、希少性、恐怖
マンドレイクの毒性
マンドレイクはヒマラヤから中国を原産とするナス科の多年草。聖書や伝承に多く登場する架空の植物のように思われていますが実在します。
実際のマンドレイクは、グリーンの葉をロゼット状に広げ、その中心から複数の花を咲かせます。引き抜いても悲鳴も上げなければ、根も人間の形はしていません。
マンドレイクは有毒成分であるアルカロイドを含みます。昔はマンドレイクを媚薬としたり、魔女や錬金術師と結び付けられていたようです。
ベラドンナ
- 学名:Atropa belladonna
- 科名:ナス科
- 花言葉:虚偽、静けさ、孤独、沈黙、警告
ベラドンナの毒性
ベラドンナは紫色の花を咲かせるナス科の多年草。「ベラ・ドンナ」とはイタリア語で美しい女性を意味します。
その昔、瞳を大きく輝かせて見せるためにベラドンナの抽出液を目に塗ったことが由来とされています。ベラドンナはアトロピンなどの有毒成分を含有しています。間違っても目に塗ったりしないでください。
毒のある植物と一口に言っても、食用にしなければ人体に害をなすことはありません。ケガをしているときは手袋するなどの注意をすれば、ガーデニングだってできます。
植物の持つ個性を理解して、見て、触れて、香りを楽しんで、上手に付き合っていきましょう。
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