自分で何かを作りたい、オンリーワンのものを作りたい。

大曽根百代

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普段聞けない生産者さんの現地の声をお届け!ボタニカルピープルの生産者さんを紹介する企画「生産者に聞く」。

今回は、花の生産とお人形の生産で有名な埼玉県鴻巣市で花苗を栽培されている『飯塚園芸』さんにお話を伺いました。主にフォーチュンベゴニアや花壇苗、最近では食香バラ®を生産されています。みんなが沢山生産している品目はなるべく生産せず、常に新しいもの、消費者が求める花苗づくりをしている生産者、『飯塚園芸』さんを紹介します。

プロフィール

飯塚園芸

■名前:飯塚 勝志
■場所:埼玉県鴻巣市
■生産歴:22年
■面積:鴻巣農場2000坪、長野農場(夏場のみ)1500坪
■主な生産品:フォーチュンベゴニア、食香バラ®、その他花壇苗

 

人気の「フォーチュンベゴニア」

秋から霜が降りる前まで楽しめる見事な色合いのフォーチュンベゴニア。中でも飯塚さんの栽培されるものは人気があり問い合わせも多数くるほど。

 

注目され始めている「食香バラ®」

香りはもちろん栄養価も高く食べられるバラとして注目され始めています。関東では飯塚園芸さんでしか栽培されていません。

 

お台場のシンボルプロムナード公園で花と緑のおもてなしプロジェクトが開催されており、植物関係の業者さんが東京オリンピックが開催される7月~9月下旬の東京の夏に適応できる植物を植栽、生育状況の審査しています。そちらで飯塚さんも自身の生産されている植物を使い植栽をされています。

2015年のおもてなし花壇の様子


夏の植物が終わった冬~春はパンジー・ビオラを中心の植栽がされます。
2016年冬のおもてなし花壇の様子。

 

2017年今年のおもてなし花壇の様子です。現在も元気に成長中!お台場に行った際はぜひご覧になってください!東京テレポート駅から東京レジャーランドに向かう途中で様々な植物をご覧いただけます。

 

3代目を継ぐと決めたキッカケを教えて下さい。

子供の頃から農家の環境で育ってきたので都会への憧れがあって、実は農家にはなりたくはなかった。親たちが休みなしで働いてるのも知ってるし、何にしろ“農家”というのが嫌でした。心の中では「3代目として継がなければならない」という思いはあったけど、ネクタイを締めた仕事がしたくて就活もそのような職場に面接を受けていましたね。

当時うちはシクラメンで有名だったこともあり、最終面接では「飯塚園芸の息子さんだよね?家継がなくていいの?」と何社にも言われる始末。そんな時、大手の会社に勤めている先輩より花農家の先輩達のほうが羽振りがいい生活をしているのを見て、正直農家でも悪くないなと思い始めました。ちょうど就職氷河期の時期でしたし、実際なってみたらやりがいのある職業というのがわかり3代目を継ぐことに決めました。

 

現在生産されている植物を生産しようと決めた理由とは?

飽きっぽい性格から常に新しいものが気になって、いいと思ったらすぐ栽培します。昔は作れば売れる時代だったので、これが売れる!とわかると集中してみんな栽培し始めるというスタンスというか、同じものを作って人と勝ち合ってくのが嫌なんです。

だからといって独占しようとも思わない。みんながちょっとずつよくなってほしいと思っています。例えばフォーチュンベゴニアもそうだけど、独占しても自分のキャパシティーがあるからそれを越えると品質が悪くなってしまう。高品質のものを作るために、信頼のおける他の農家さんにも栽培してもらうことはしているね。自分で何かを作りたい、オンリーワンのものを作りたい、その思いで生産しています。

 

仕事をするうえで特に大変なことは何ですか?

夫婦喧嘩しても仕事場は一緒になるし生活と仕事がどうしても一緒になってしまう所もそうだけど、子供たちをどっかに連れていくこともできない。生き物を扱っているから農家の宿命になってしまうんだけど家族のプライベートな時間はちゃんとしなければとは思ってますね。栽培ももちろん失敗したこともあるけど、それよりも家族の時間が取りづらいという点が大変かな。

最近ではマルシェに出店したときや都内などに直接苗を届ける時に、一緒に連れていってレジャーも兼ねてますね。

 

特にやりがいを感じる時はどんな時ですか?

自分がしてきたことを他人が評価してくれた時ですね。ブログを見てくれてる人がわざわざ買いに来てくれたり、イベント後にお客さんが直接うちに来てくれたりすると嬉しいですね。この間のイベントに出店した時は、ブログを読んでいるお客さんが「あなたが来るから来たのよ」と遠方からわざわざ足を運んでくれたんです。そういう形で共感してくれるとやりがいを感じるし嬉しいですね。お酒が進みます(笑)

 

オススメの生産している植物は何ですか?

うちはやっぱりフォーチュンベゴニアですかね。自分はフォーチュンベゴニアのことを娘だと思っています。

 

周りから「あんなもの売れないよ」と当初は言われ、余計に絶対売ってやる!という気持ちが強くありました。ダメな状態から種苗会社の方や市場の方の3人で、どうにか売れるように頑張って来たので、より愛着があります。フォーチュンベゴニアのおかげで色んな所に連れてってもらったり、色々なお仕事を頂いたりしました。

フォーチュンベゴニアは、他の球根ベゴニアに比べて雨に強く短日感応しづらい植物です。普通の球根ベゴニアは雨に当たると花びらが傷んでしまい、短日反応してしまうので日照時間が短くなると花が咲かなくなってしまいます。

それらの長所を兼ね備えているので、秋口から霜が降りるまでの期間も屋外で楽しめます。

 

直売店「アトリエohana」も近くに!

生産されているハウスのすぐ近くに、「アトリエohana」という直売店もあります。飯塚園芸さんで生産している色々な花苗を販売しているほかに、その場で寄せ植え等を作って楽しめる場となっています。

 

これから栽培してみたい植物はありますか?

ペチュニアなどのメインとなる植物はもう出きっているので、メインは他の人に任せて、僕はその横に寄り添うコンパニオンプランツというかメインを引き立てる役の植物の栽培を考えています。あとは白い花だけを全て育ててみようという案も出ています。白は他人を引き立てる色で嫌味もないし調和しやすいですしね。

既存のもので日本の気候にあった植物でもう一回リバイバルを試みるのもいいのかなと思いますね。追っかけるのも大変なので。

↑数年前に飯塚さんが販売をしていた『八重咲ワーレンベルギア』。リバイバルを試みています。

 

プライベートではどんな植物を育てていますか?

このような環境にいると無機質なものを求めてしまい、コンクリートの打ちっ放しの所に憧れます。あと生産量の5%~10%程度を趣味程度に、新しい植物や新品種をお試しで生産していたりということはしていますね。生産とは関係なしに育て始めたバラがあって、先日出店させていただいた「国際バラとガーデニングショー」で購入した“絆”というバラです。次男と同じ名前ということを知った時から探していて、やっとそこで見つかったので購入しました。

 

最後に読んでいる方々に一言お願いします。

苗を購入するときに、色々な情報に惑わされないで自分の信頼のおける人を見つけてほしいですね。難しいことだけど、お店の人にどんどん突っ込んでよく聞いてほしいな。きちんと答えてくれる人を探して下さい。あと鮮度を重視してほしいですね。苗販売の回転がいいお店は苗の鮮度も違いますし、鮮度のいいもの悪いものはよく見ればわかるので注意して見てほしいと思いますね。

それと土に触れることも心に良いそうですよ。子供がよく泥遊びをしていますが精神面を落ち着かせる効果があるようです。大人も仕事で疲れている方など、ガーデニングをしながら土に触れてリフレッシュ効果を得られるかもしれません。そういった面からガーデニングを始めるのもいいと思います。

 

——飯塚さん、ありがとうございました。

実際に食香バラを見させてもらいましたが、香りは本当に良く見た目も可愛いお花でした。取材に伺ったこの日は、寄せ植え教室をしにいらした方、食香バラをお求めのお客さんがみえていました。いつも笑顔の飯塚さんと飯塚さんの奥さん。立派な花苗だけでなく、その人柄を求めてこうして実際にお越しくださるお客さんやブログを楽しみにしている方が沢山いるのだと感じました。鴻巣にお越しの際は、ぜひ飯塚園芸さんに立ち寄って新鮮な花苗をお買い求めください♪

 

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大曽根百代
大曽根百代

千葉大学園芸学部を卒業後、園芸店に勤め、販売だけなく植物をきちんと理解したいと思い、千葉大の苗生産部にて植物の生産業(花苗)に従事。その後、多肉植物の生産を経験。現在は多肉植物の販売サポートやバラの管理業務をしています。多肉だけでなく植物全般好きで、宿根草なども育てています。最近はマイクロ胡蝶蘭とバンダにも挑戦中。より植物の魅力を感じ、皆様にもその魅力と生産者情報を記事としてこれからも発信していきます。

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