彼岸花(ヒガンバナ)の名前の由来や別名と植え付けから花が咲くまでの過程
LOVEGREEN編集部
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秋のお彼岸を象徴する花と言えば彼岸花(ヒガンバナ)。 お彼岸に田舎へ帰省すると畦に彼岸花(ヒガンバナ)が咲いているのを見かけた、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
目次
彼岸花(ヒガンバナ)とは
彼岸花(ヒガンバナ)はヒガン花科ヒガンバナ属に分類される中国原産の多年生草本で、路辺や畔、墓地、堤防などの日当たりの良い場所に生えていることが多いです。ラッキョウのような球根が地下に埋まっており、秋の彼岸(9月中旬ごろ)の頃に地中から花芽を出して赤い花を咲かせます。彼岸花(ヒガンバナ)は葉が茂る前に開花し、開花が終わった後に葉を出し、春が過ぎたころに葉を落として休眠状態になります。
なお、彼岸花(ヒガンバナ)は3倍体(染色体の数が3つ)であるため、種子はできずに分球によって増殖します。
彼岸花(ヒガンバナ)は園芸店ではリコリスと呼ばれて様々な種類の彼岸花の仲間が販売されています。また、一般的に彼岸花(ヒガンバナ)と言うとリコリス・ラディアータ(Lycoris radiata)という赤い花を咲かせるものになり、白花彼岸花(リコリス・アルビフローラ)と呼ばれているものはラディアータとショウキラン(ショウキズイセン)という黄花を咲かせる彼岸花(ヒガンバナ)の交雑種と言われています。白花彼岸花は株により花の色に差があり、黄色みを帯びたものや赤みを帯びたものなどがあります。ショウキランは種子ができますが、白花彼岸花は普通の彼岸花と同じく3倍体になるため種子はできずに分球によって増殖します。
彼岸花(ヒガンバナ)は全草にアルカロイド系の有毒成分を持っており、特に球根に多く含まれていると言われています。一部の地域では彼岸花(ヒガンバナ)の鱗片(球根の一部)を水にさらしてデンプンを採取し食用にしていたそうですが、むやみに口にすることはやめましょう。
彼岸花(ヒガンバナ)の名前と別名
彼岸花(ヒガンバナ)は各地にさまざまな呼び方があり数百~1,000程あるとも言われています。代表的な別名では曼殊沙華と言うものがあり、これは仏教の用語に由来するそうです。その他に死人花や捨子花、狐の松明などがあります。死人花など暗いイメージのある名前が付いているのは墓地などに多く生えていることや有毒植物であることが関係しているのでしょうか。
また、標準的な彼岸花(ヒガンバナ)と言う呼び名の由来は諸説ありますが、秋の彼岸の入りの頃に咲き始め、彼岸の終わり頃に咲き終わることから彼岸花(ヒガンバナ)という説があります。
彼岸花(ヒガンバナ)の役割
彼岸花(ヒガンバナ)は墓地や畔などに多く植えられていることが多いですが、これはモグラやネズミなどの土中を移動する害獣から稲や野菜などの作物、土葬された遺体を守るためであると言われています。これは彼岸花(ヒガンバナ)に含まれている毒や臭いに期待してのことでしょうが、残念ながらしっかりとした効果はあまり期待できないようです。
また、彼岸花(ヒガンバナ)の鱗片からデンプンを採取して食用としていたということから、飢饉などに備えて植えられていた救荒作物であるという説があります。
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