ナメクジ対応策!生態や予防、駆除の方法は?
LOVEGREEN編集部
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雨が続くとナメクジが大量発生して、大切に育てている花植物に影響が出てしまうことがあります。被害が出る前にできるナメクジ対策と、被害が出てからでも遅くない、駆除の方法をご紹介します。
目次
そもそもナメクジって虫なの?
ナメクジは、巻貝の仲間で昆虫といわれる虫とはまた違う種類の生き物です、貝殻が退化してこれを「ナメクジ化」と呼び、そのような形になったものがナメクジ科に分類されています。
日本に生息しているナメクジで、花壇やお庭によく出るナメクジは、ナメクジ、チャコウラナメクジ、ヤマナメクジ、ノハラナメクジの4種類が代表的です。
ナメクジが害を及ぼす植物
ナメクジによる被害
植物の葉や茎、つぼみ、花などを夜間や雨の日に出てきて害を及ぼします。
バラ
つぼみの内に丸い穴を開けながら花の内側まで食べ進み芯の部分まで食べてしまいます。花びらや葉も食害されます。
アジサイ、アサガオなど花全般。
紫陽花は花と新芽を食害されます。アサガオは花びらやつぼみ等、柔らかい花びらを持つ植物は花を食害されます。
野菜・果物全般
野菜は全般的に多くの種類がナメクジの食害を受けます。キャベツやレタス、白菜などの野菜は葉の中央部まで侵入して食害したり、イチゴやキュウリなども丸い穴を開けて食害します。
この写真はナメクジがキュウリを食害した跡です。
苔類
苔も苔の中に入り込んだり、苔の上を歩き回り食害します。
多肉植物
葉や花芽、新芽を食害されます。
サボテン
花芽や株が食害されます。
ナメクジに触ったら
ナメクジやカタツムリには寄生虫がいる可能性があるため、触ったら必ず手を洗いましょう。また、レタスやキャベツなどナメクジの食害にあいやすい野菜を生で食べる時は、ナメクジが這ったあとの粘液にも寄生虫がいることがあるため、流水でよく洗いましょう。ナメクジにいる寄生虫の一つに広東住血線虫(カントンジュウケツセンチュウ)があります。オーストラリアやアメリカ、日本では沖縄でも感染による死亡例が報告されています。ナメクジやカタツムリの生食、ナメクジが這ったあとの野菜を食べたことなどから感染し、数種類のナメクジ、カタツムリ(アフリカマイマイ。東南アジアから沖縄、小笠原、奄美大島等にかけて生息する大型のカタツムリ)、貝ではスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)などから感染することがわかっています。
日頃からナメクジ、カタツムリなどに触った後は必ず手を洗うことを徹底しましょう。
ナメクジはどうやって増えるのか
梅雨時期になるとどこから湧き出るように出てくるナメクジですが、どうやって繁殖しているのでしょうか。
ナメクジは卵を産む
ナメクジは卵で繁殖します。透明のビーズのような、水滴のようなきらきらした小さな卵を土の中に産み付けます。雌雄同体(しゆうどうたい)なので、2匹のナメクジが交尾をしてお互いに精子を相手に注入し、お互いがどちらも産卵することができます。単体でも生殖は可能ですが、卵が少なくなったり、孵化することができない場合があるようです。一度に50個ほどの卵を産み付けます。一生のあいだに200個ほど産むそうなので、4回ほど産卵します。
※雌雄同体とは・・・雄と雌の性別がなく一つの個体の中に雌の生殖器官と雄の生殖器官を持っている生物。
ナメクジの産卵時期
繁殖期が冬から春にかけてなので、春ごろから羽化が始まり、一番目にする梅雨時期には生まれた個体も含めたくさんのナメクジが地上に出てくるサイクルとなります。
害が出る前に!ナメクジ予防
葉にナメクジが這った後がないかチェック!
ナメクジが這った後は筋のように白く光って濡れています。這った跡があったら、ナメクジがどこかに潜んでいます。夜行性なので、暗くなった夜に見つかりやすいです。こまめに夜も見回りが大事です。
ジメジメした場所をチェック!
ナメクジはジメジメした多湿な場所を好むので、鉢やプランターの下や裏などをこまめにチェックしましょう。そっと潜んでいることもあります。落ち葉の下も要注意です。
ナメクジの予防には何がよい?
コーヒー殻を撒いておく
ナメクジはカフェインが嫌いなので、コーヒー殻を鉢やプランターに撒いておくとナメクジが寄ってこなくなるよう。
竹酢液や木酢液を利用する
水で薄めた木酢液や竹酢液には、ナメクジ駆除や忌避の効果があります。
椿油粕を土に混ぜ込む
園芸用品店やホームセンターなどで販売されている、椿油の粕を鉢の土などに混ぜ込んでおくと、ナメクジを硬化させる効果があるようです。椿油粕に含まれている成分は、皮膚の薄い虫や線虫にも効き、ミミズにも効くため、畑などの場所でミミズを殺したくない場合は、使用する量や頻度に注意して実施しましょう。
ナメクジを駆除しよう。農薬を使った駆除
大量に発生したり、頻繁に発生した場合は薬品を使って退治するのもひとつの手です。直接植物に農薬をかけるのに抵抗がある場合には株元の土にばらまいて、ナメクジを誘引して食べさせて退治する殺虫剤もあります。
ナメクジ駆除におすすめ!「ナメトール」
夜行性で見つけにくいナメクジ対策には、ナメクジ専用の薬剤「ナメトール」がおすすめ。「まくだけ」で簡単にナメクジ退治ができます。雨や湿気に強く効果が持続し、優れた誘因作用で夜行性のナメクジを夜の間に引き寄せて食べさせます。ナメクジが巣や目立たないところに戻ったころに死ぬので、死骸を目にすることが少ないです。有効成分は天然の土壌中にも存在する成分なので、環境にやさしく、犬、猫などにも安心!土に分解される成分だから残っても徐々に土に還ります。
ナメクジを駆除しよう。農薬を使わない駆除
1匹でも見つけたら即駆除
ナメクジは、地中に卵を産み付けます。たとえ1匹でも、どんどん卵で増殖していきます。見つけたらすぐに捕殺しましょう。
雨の日に発生することが多いので、雨の日に畑などを見て回る際に見つけたらすぐ捕殺。また、鉢の植え替えをする時期など、根の周辺などをチェックしておきましょう。
野菜は果物にはあまり薬品は使いたくない…その場合は自宅にあるものでナメクジ駆除をする方法を試してみてはいかがでしょうか。
ナメクジに熱湯をかける
よくナメクジ退治で塩をかけるというのを耳にしますが、庭に塩を撒くわけにはいきません。熱湯をかけるのは塩と同じ効果があるそうです。ちなみに塩をかけると溶けるわけではなく、浸透圧の関係で体積が減るのです。
少数なら箸やピンセットでつまんで捨てる
対策をするよりもつまんで捨ててしまった方が少数の場合は確実ですし手っ取り早いです。
ビール+殺虫剤
ナメクジは実は嗅覚が鋭いので、においに吸い寄せられます。ビールはナメクジを誘引する効果があるので、その習性を活かして、ビールの中に殺虫剤を混ぜておくと効果的です。
すべて退治できた!と思っていても、越冬した卵が残っていると、そこからまた発生することも!春に再度確認するといいですね。大事な植物を守るために、気をつけて観察するようにしましょう。ナメクジは普段姿が見えなくても、土の中や地際に多く潜んでいます。
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