プルーンとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
プルーン
学名

Prunus domestica

英名
Prune
科名
バラ科
属名
スモモ属
原産地
ヨーロッパ東部~アジア西部

プルーンの特徴

プルーンといえばドライフルーツのイメージが強く、黒くてシワシワのヴィジュアルを思い浮かべてしまいますが、実際の果実は楕円形で綺麗な紫色をしています。また表面には白い果粉(ブルーム)がついてマットな質感です。甘酸っぱくなめらかでやわらかい食感に、ドライフルーツのイメージが払拭されます。落葉性の中高木の果樹で春にさくらや梅に似た白い可憐な花を咲かせます。同じ花粉で結実する自家結実性のものと、結実しない自家不結実性のものがあります。日当りと風通しを好み、耐寒性、耐暑性のどちらにも優れていますが、雨に弱い果樹です。またドライフルーツ向きの品種と向かない品種があります。果実の分類としては核果果実です。

プルーンの詳細情報

園芸分類 果樹
草丈・樹高 2m~
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色
開花時期 4月

プルーンの歴史

プルーンの原産地は長寿の人が多いといわれるコーカサス地方ですが、その後ヨーロッパからアメリカやオセアニアに広がっていきました。日本に初めてプルーンが入ってきたのは明治初期の長野県と東北地方ですが、定着しませんでした。プルーンの栽培は、日本の多雨多湿の気候には合わなかったようです。その後、昭和初期に外国人宣教師によって長野県の軽井沢に植えられましたが、戦争で中断されてしまいました。昭和30年代後半になると、長野県で栽培が再開され、昭和45年には水田転作用の作物として本格的に栽培が広がったようです。最初は「ブドウ・スモモ」という名前だったそうですが、色が紫色のブドウに似ていますね。現在では、比較的に雨の少ない、長野県、青森県、北海道でおもに栽培されているようですが、雨よけのハウスの導入で全国的にも広がっているそうです。

 

プルーンの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
剪定
肥料
開花
収穫

プルーンの栽培環境

日当たり・置き場所

地植えの場合は、日当りと水はけがよい、風通しの良い場所を選んでください。鉢植えの場合、梅雨の時期は日当りのある軒下へ置きましょう。

用土

鉢植えは赤玉土小粒と腐葉土を混ぜた水もちと水はけのよい配合土を用います。基本的にあまり土を選びません。地植えの場合は掘り上げた土に腐葉土と堆肥を混ぜ込みます。

プルーンの育て方のポイント

水やり

鉢植えの場合は表面が乾いてから、鉢底の穴から水が流れ出るまでたっぷりあたえます。地植えの場合はとくに必要ありません。

肥料

鉢植えは2月・5月・10月に有機質性肥料か即効性化成肥料を施します。地植えの場合は、2月と10月に同じものをあたえます。

病害虫

プルーンの主な病気には、枝葉や果実を侵す灰星病や黒斑病、枝梢が枯れる胴枯病などがあります。害虫には、樹木の芯を食べるシンクイムシ、幹に食い入るコスカシバ、茎葉に付着して吸汁するカイガラムシ、茎や新葉に付着して吸汁するアブラムシ、幼果を落果させるチョッキリゾウムシがいます。

プルーンの詳しい育て方

選び方

接ぎ木苗のポット苗がおすすめです。幹は太くつやがよく、充実した芽が短い間隔でついているものを選んでください。

種まき

プルーンの種は市場には出回っていませんが、生の実を食べたあとの種から育てることができます。しかし、遺伝的な問題で同じ品種の美味しい果実をならせるのは難しいので、おすすめしません。接ぎ木や挿し木で増やすのが一般的です。種から育てる場合は、生の実から取り出した種を、水で湿らせたキッチンペーパーに包んだ状態で冷蔵庫で保管します。数ヶ月程度で芽や根が出てきますので、育苗ポットなどの容器に赤玉土小玉や種まき用の培養土を入れて1cmの深さにその種を埋めます。種まきの後はたっぷり水を与えます。その後、半日陰で土を乾かさないように管理します。

植え付け

11月~3月が植え付けの適期です。高さ50~60cmのところで切り返してから植え付けます。鉢植えの場合は水もちと水はけの良い用土に元肥を施して植えますが、7~8号の鉢に1株が目安です。地植えの場合は、日当りと水はけがよい、風通しの良い場所を選んでください。苗の大きさにもよりますが、直径50~100cm高さ50cmくらいの穴を堀り、腐葉土や堆肥を混ぜ込んで植え戻し、元肥を施してください。いずれも、植え付け後はたっぷりと水を与えてください。

剪定・切り戻し

冬の剪定と夏の剪定の年に2回行います。冬の剪定の適期は、12月~2月下旬に短い枝のほうがよく実がつくので、長い発育枝(葉芽だけをつけた一年生枝)を間引いたり、20~30cmに切り詰めます。夏の剪定の適期は6月で、今年、長く伸びた新梢の先端1/3を切り返します。短い果枝が出て翌年の実つきがよくなります。また、コンパクトに仕立てるための剪定もこの時期が適しています。

自家結実性の品種も自家不結実性の品種もどちらとも良い実つきのために人工授粉を行いましょう。雄しべの花粉を筆や綿棒の先端につけて雌しべにつけます。自家不結実性の品種のものは違う品種の花粉で人工受粉をします。5月〜6月上旬の果実が親指大になった頃、1枝に5〜10果程度残して摘果します。せっかく結実した実ですが、実がつき過ぎると株全体の栄養が足りなくなり、良い実がに育たないので必要な作業です。

収穫

プルーンの収穫の適期は、8月~9月初旬です。果実は裂果しやすく色の変化も判りづらいので、目視では収穫時期の判断が難しいため、軽く触って柔らかくなった時に収穫します。収穫間近に雨に当たると裂果しやすくなります。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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