ひっつき虫とは|種類とユニークな性質

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とまつあつこ

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ひっつき虫の種類や性質をご紹介!ひっつき虫とは、昆虫などの虫ではなく、人や動物にひっついてくる植物のタネのこと。秋冬に野山を歩くと、知らないうちに服にタネがついてきたことがありませんか。ひっつき虫がたくさん付いてしまった時の簡単な取り方や、つかないようにする方法についてもお話しします。

目次

ひっつき虫とは

ひっつき虫 ヌスビトハギ 性質 種

秋から冬にかけて野山や川沿いなどを歩いてふと気付くと、服や靴ひもに草のタネがくっついてくることがありますよね。一緒に散歩していた犬にもタネが付いてしまい、愛くるしい姿ではあるけれど、なかなか取れなくて困ったこともあるのでは。そんなタネのことを、種類を問わずに総称したものが「ひっつき虫」です。

植物にとって一番大切なことは、自らのタネをいろんな場所に残して次の世代につなげること。でも植物は動くことができないので、様々な方法でタネを遠くに運ぼうとしています。ひっつき虫はその方法の一つで、人間や動物にひっついて運んでもらい、広くまき散らしてもらおうとしているのです。本当に賢いなと思います。ひっつき虫はタネの毛先がフックのように曲がっていたり、ベタベタした液を出す毛のようなものがあったり、種の形もひっつく仕組みもそれぞれ違っていてとても面白いです。

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ひっつき虫の種類

先日、公園や野原を散歩していた時に見かけたひっつき虫を紹介します。

メナモミ(雌ナモミ)

ひっつき虫 メナモミ 性質 タネ

キク科メナモミ属の多年草。9月~10月頃に黄色い花を咲かせます。茎が枝分かれしていくつかの花をつけ、花の周りに緑色のヘラのような苞があるのが特徴的。タネには粘つく液を出す毛のようなものが生えていて、枯れて茶色くなってもくっつきます。

メナモミ(雌ナモミ)の名前の由来は諸説ありますが、「ナモミ」という部分については、引っかかるという意味のナズム(泥む・滞む)が変化したと考えられています。そして、メナモミ(雌ナモミ)と似ている名の植物で、オナモミ(雄ナモミ)があるのですが、メナモミ(雌ナモミ)の方が見た目が優しい雰囲気であることから、それぞれ雌と雄に区別されるようになったのではと言われています。オナモミ(雄ナモミ)は、今では数が減っていてほとんど見かけられなくなってしまっているそうです。

キンミズヒキ(金水引)

ひっつき虫 キンミズヒキ 性質 種

バラ科キンミズヒキ属の多年草。夏から秋に黄色の花が咲き、その後長い穂にコロコロとした実を下向きにつけます。実には毛がブラシのように生えていて、毛の先はくっつきやすいように曲がっています。

キンミズヒキ(金水引)の名前の由来は、黄色い小さな花をつける穂が金色の水引に似ているからと言われています。

チヂミザサ(縮み笹)

ひっつき虫 チヂミグサ 性質 種

イネ科チヂミザサ属の多年草。秋にピンクの花が咲き、ブラシのような毛の途中から粘る液を出してくっつきます。毛は紫色を帯びていて、日光が当たってキラキラしている姿は美しいです。

チヂミザサ(縮み笹)の名前の由来は、葉が笹に似ていて、縮むように波打っていることから付けられたと言われています。

ヌスビトハギ(盗人萩)

ひっつき虫 ヌスビトハギ 性質 種

マメ科ヌスビトハギ属の多年草。7月~9月頃に紫色の花を咲かせます。タネは扁平な半円形が二つ並んだ二節からできていて、その姿はサングラスやメガネにも見えます。表面はザラザラしていて、天然のマジックテープのような感じです。

ヌスビトハギ(盗人萩)という名前の由来は、タネの形が盗人の忍び足の足跡に似ていたり、タネが知らない間にこっそりと服につくことから付けられたのではと言われています。

アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)

ひっつき虫 アレチヌスビトハギ 性質 種

マメ科ヌスビトハギ属の多年草。9月頃に紫色の花を咲かせます。タネは平べったい豆のような形をしていて可愛らしい雰囲気です。表面にかぎ状に曲がった毛が密生していてぺったりとくっつきます。

アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)の名前は、荒れ地に育つヌスビトハギ(盗人萩)に似た植物という意味で付けられたそうです。

ノブキ(野蕗)

ひっつき虫 ノブキ 性質 種

キク科ノブキ属の草本。8月~10月頃に白い花を咲かせ、タネは放射線状につきます。見た目、シックなドライフラワーのようで可愛いですが、タネには液を出す毛のようなものがあって触るとくっつきます。

葉がフキ(蕗)に似ていることからノブキ(野蕗)と呼ばれているそうです。

ヤブタバコ(藪煙草)

ひっつき虫 ヤブタバコ 性質 種

キク科ガンクビソウ属の草本。9月~10月頃、横に伸びた枝に黄色い花を下向きに咲かせます。小さな種の先には粘液がついていてくっつきます。

葉がタバコ(煙草)の葉に似ていて、藪地に自生していることからヤブタバコ(藪煙草)と呼ばれるようになったそうです。

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ひっつき虫の取り方・つかないようにする方法

ひっつき虫 ヌスビトハギ 性質 種

ひっつき虫の取り方

ひっつき虫は少しなら手でつまんですぐに取れますが、驚くほどたくさんついてしまった時は、ペットボトルを使うといいと聞きました。カッターを使って、ペットボトルの側面に長方形の穴を開け、穴のエッジ部分で布をこそぐ感じにするとひっつき虫が取れるそうです。穴を開けたエッジの部分で手を切ったりしないように、切り口にマスキングテープなどを貼ると安全ですね。ペットボトル以外では、ウェットティッシュでもだいぶ取れるみたいです。ペットについてしまった時は、スリッカーやコームを使って丁寧にとってあげましょう。トゲがあるタイプは刺さると痛いので注意が必要です。

つかないようにする方法

先日、私はナイロン製の上着を着て散歩に行ったので上半身には一つもひっつき虫がつきませんでしたが、ジーンズには気付かないうちに20個くらいついていました。それくらいであれば可愛いものですが、フリースやコーデュロイ生地を着ていたら大変なことになっていたかもしれません。野山や草むらに入るときは、ナイロン製などツルツルした生地の服を着るとひっつき虫対策になりますね。

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グリーンアドバイザー、ハンギングバスケットマスター、野菜ソムリエ、家庭菜園検定2級。園芸業界で植物全般を幅広く学び経験してきました。LOVEGREEN編集部では主に寄せ植えやリース作り、ボタニカルピープルなどの取材を担当。人が植物と心地良く暮らし、その幸せの連鎖が世界中に広がっていくことを願います。趣味はママさんサッカー。都大会優勝を目指して日々練習しています。

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