石灰の種類や使い方、石灰を使うタイミング【家庭菜園編】
LOVEGREEN編集部
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家庭菜園初心者の方にとって「石灰」と聞いただけでレベルが高いと尻込みしてしまいそうになりますが、じつは容量と入れる順番さえ間違わなければ簡単に使用することができます。
そんな家庭菜園をしている方に欠かせない石灰について種類や使い方をご紹介します。
目次
石灰の種類
雨が多い日本ではどうしても土壌が酸性に傾きます。その酸性に傾いた土壌を弱酸性に矯正するために使用されるのがアルカリ性の性質をもつ石灰です。
この石灰の主な原料は、太古のサンゴや貝殻などが堆積して作られた石灰石です。石灰石を原料に様々な形で生成したものを園芸用の石灰として使用しています。
生石灰~園芸用としては使用しない
生石灰は水を加えると高温になる性質から園芸には不向きの種類の石灰です。生石灰の読み方は「せいせっかい又はきせっかい」。読み方によっては「しょうせっかい」とも呼べるので、消石灰(=しょうせっかい)と混同しないように注意しましょう。
生石灰(せいせっかい、きせっかい)が出来るまでの2ステップ
1. 石灰石を粉砕したものが重質炭酸カルシウム(化学式で表すとCaCO3)。
2. 砕いた重質炭酸カルシウムを炉で焼成したものが生石灰(化学式で表すとCaO)。
消石灰~園芸で使用する際には注意が必要
消石灰(しょうせっかい)は生石灰に比べて高温になるようなことはありませんが、目に入ると失明する恐れがあるので風の強いとき、小さなお子さんやペットがいる環境での使用は控えましょう。
消石灰(しょうせっかい)が出来るまでの3ステップ
1. 石灰石を粉砕したものが重質炭酸カルシウム(CaCO3)。
2. 砕いた重質炭酸カルシウムを炉で焼成したものが生石灰(CaO)。
3. 生石灰に加水して消化、熟成させたものが消石灰(Ca(OH)2)。
苦土石灰~一般的な園芸用石灰
「苦土」はマグネシウム「石灰」はカルシウムのことを指します。一般的に家庭菜園に使用される石灰がこの苦土石灰です。
苦土石灰とは、「ドロマイト」と呼ばれる岩石を使いやすいように粉状や粒状にした肥料です。炭酸カルシウムと酸化マグネシウムが主な成分です。
石灰以外の土の酸度を調整する資材
じつは石灰以外にも土壌の酸性を矯正する資材があります。石灰に比べて緩やかにアルカリ性に傾く特性があります。
有機石灰
有機石灰とは牡蠣殻や貝殻を焼いて粉砕したものです。上記の石灰と違い、効果が緩やかなので石灰を入れるタイミングを気にせず使用することができるため、家庭菜園初心者の方におすすめな酸度調整資材です。
もみ殻くん炭
もみ殻くん炭は、もみ殻をいぶして炭化させたものです。アルカリ性をもっているので各種石灰や有機石灰と同じように酸性土壌を矯正することができます。
土壌改良材としても使用されるので酸性に傾いた土壌を矯正するだけでなく、通気性や排水性を向上させる一石二鳥の植物質堆肥です。
\家庭菜園をやる時は常備しておくと◎/
石灰を使うタイミング
酸度調整する時に有機石灰やもみ殻くん炭以外の石灰を使用する際、投入する順番が重要になります。というのも、窒素分を含む肥料は石灰と合わさることでアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。そのため、石灰と肥料を合わせて使用する際は最低でも1~2週間ほど日数をあけましょう。
また、この場合の石灰とは消石灰や苦土石灰をさします。牡蠣殻などの有機石灰やもみ殻くん炭ではそのような化学反応は起きないので、どうしても酸度調整のための十分な日数が足りない場合は、有機石灰もしくはもみ殻くん炭の使用をおすすめします。
石灰を投入する順番
1. 土を耕す
2. 土壌改良材(ピートモス・腐葉土・バーミキュライト・バークなど肥料分を含まない堆肥)を土に投入
3. 石灰を投入(消石灰・苦土石灰は肥料の前の1~2週間前に施しましょう)
4. 肥料を投入(元肥)~緩効性肥料
\石灰を使った酸度調整をご紹介!/
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