吉岡麗子さんの山紫陽花(ヤマアジサイ)を訪ねて

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峰亜由美

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埼玉県にある花園地区と呼ばれる町へ、生産者の吉岡麗子さん(以下、吉岡さん)を尋ね、話をお伺いしてきました。

吉岡さんは、園芸好きな方なら一度は耳にした事があるお名前ではないでしょうか?

クリスマスが近づく頃、花屋さんの店頭を鮮やかに彩るポインセチア。

吉岡さんの作られるポインセチアは「麗子ブランド」として確立され、その華やかさと特別な魅力は見る人の気持ちを惹きつけて心を華やがせます。

今回は丁寧な仕立てと育成に定評がある吉岡さんが丹精込めて生産されているという山紫陽花(ヤマアジサイ)を取材してきました。

 

目次

吉岡麗子さんのご紹介

吉岡麗子さんの山紫陽花

吉岡麗子さんの生産ハウス

おわりに

 

吉岡麗子さんのご紹介

吉岡さんは埼玉県にある花園地区といわれる地域でポインセチアと山紫陽花を生産されていらっしゃいます。

花の生産という女性が少ない世界の中で、吉岡さんはご活躍中です。

 

この美しい名前の花園地区の由来もまた興味深く、戦国時代に「花園城」と名付けられた城があり、1889年に6つの村が合併された際、花園城の名前をとって「花園」という美しい地域の名前が生まれたそうです。

そんな花園地区で花を生産される吉岡さん。

女性ならではの感性と細やかさで美しく仕立てられた植物達を世に出しています。

20年前から情熱的な赤のポインセチアに魅せられポインセチアを生産し始めました。

吉岡さんのポインセチアは「吉岡麗子さんのポインセチア」として今では一大ブランドとなり名を馳せ、農林水産大臣賞も受賞した見事なポインセチアを生産されています。

ポインセチアの仕立てや株の美しさと色の鮮やかさは格別で、吉岡さんの作り出す色のマジックは奥深く、いつまでも眺めていたくなるような深い魅力を纏っています。

吉岡さんは10年程前から日本各地に古来から自生する山紫陽花を生産される様になりました。

山紫陽花の可憐さやしおらしい姿を初めて見た時に心動かされ、山紫陽花を生産する事を決心されたようです。

山紫陽花もまた格別で見事です。

中でも、昨年初めて吉岡さんによる品種改良された「うるは」という山紫陽花は品種登録出願をされ、昨年のジャパンフラワーセレクションでは、ベストフラワーデザイン特別賞を受賞されました。

名前の由来も吉岡さんの思いが伝わってくる様な、麗子さんの「麗」から「うるは」と名付けられた思い入れ深い山紫陽花となっております。

 

吉岡さんが生み出す独特の色彩に対する美意識と色使いは仕上がった山紫陽花を拝見しただけでも感じる事が出来る程、素晴らしい山紫陽花を作られます。

その植物が本来持つ魅力を存分に引き出し、より洗練され、その良さやイメージを引き出すような花作りをされています。

 

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吉岡麗子さんの山紫陽花

吉岡さんが10年前から作り始められた山紫陽花を初めて目にした時、こんなに可憐で柔らかい印象を纏う紫陽花を目にするのは初めてでした。

夕日を見て感動したり、海の美しさを見たり、木々の合間から届く木漏れ日を愛おしく思ったり、自然の中におとずれるささやかな美しさに出会た時の様な特別な気持ちを心の奥から引き出されます。

吉岡さんの山紫陽花は日本古来からある山紫陽花の交配種を女性ならではの気配りで丹精込めて作られています。その特色は柔らかい雰囲気を纏い楚々としていて上品。枝も繊細で細く、吉岡さんが生み出す柔らかな花色は見る人の心を清らかな気持ちと真夏の木陰で休息する様な優しさを感じます。

一鉢、置いてあるだけでその空間を優しい気配に変えてしまう特別な一鉢です。

 

「うるは」

この山紫陽花は吉岡さんが初めて品種改良と品種登録出願をされた、新たなるご発展を感じる山紫陽花。

昨年のジャパンフラワーセレクションでは、ベストフラワーデザイン特別賞を受賞されました。

名前の由来も吉岡さんの思いが伝わってくる様な、麗子さんの「麗」から「うるは」と名付けられた思い入れ深い山紫陽花となっております。

名前も可愛らしく、花の径が3㎝程と小さな花房を咲かせる愛くるしい姿が印象的です。

淡いピンク色は繊細で煌めく透明感があり優しい色合い。

咲き始めから少しずつ優しいグリーンに色変わりをして行き時間の経過とともに見どころも多い品種です。

 

「伊予獅子てまり」

女性らしい優しいピンク色をした小さな花房は、可憐で楚々としています。

てまりのような可愛らしさに思わず笑顔になってしまいます。

ピンク色から少しづつライトグリーンに変化し秋色に変化するまで、ゆっくりとグラデーションを楽しめる山紫陽花です。

 

「津江の小でまり」

ふんわり軽やかな花房と優しい水色は涼やかで清潔感があり、優しい気配の山紫陽花です。

花びらの様なガクも繊細で薄く小さめ。真夏に涼を感じる山紫陽花です。

 

「マルルー」

小さな花房で八重咲の品種です。お星様が集まった様な個性的な花の形をしています。

可憐で華やかな印象の山紫陽花です。

 

「藍姫(額咲き)」

花火の様な咲き方と洗練されたシックな青色が、夕涼みを思い起こさせる風情があります。

控えめで可憐な姿ですが色の鮮やかさが美しく個性的な山紫陽花です。

 

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吉岡麗子さんの生産ハウスへ

吉岡さんの紫陽花に対する思い入れや、たくさんの素敵なお話をいただきました。

山紫陽花は楚々としていて可憐。

一目をひく華やかさはないけれど、この繊細で優しく咲く様子や色彩のやわらかさや魅力を伝えていきたいといとお話されました。

この写真では初の品種改良品種「うるは」のお話を伺っています。

 

ハウスいっぱいに広がる山紫陽花はそれぞれが美しく、吉岡さん独特の色使いが虹色にグラデーションとなる空間に息をのみます。

 

施設面積は4000m2のハウスの中で山紫陽花を30000鉢栽培されこの季節は世に出されるそうです。

出荷された紫陽花が皆様のお手元に届く日が楽しみですね。

 

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おわりに

 

明るい笑顔が印象的な吉岡さんは、優しく心配りや気遣いが細やかな方で、日々小さな植物の変化を捉えながら過ごしていらっしゃるからこそのお人柄が滲み出ている、お名前の通り麗しいお気持ちを持たれる素敵な女性です。

取材中印象的だった事は、何よりもご自身が作られている山紫陽花を手に取る様子や仕草が優しく、花を見つめる表情や瞳の優しさでした。日々丁寧に山紫陽花に向き合い、一朝一夕ではこの繊細で美しい色合いや丁寧に仕立てられた一鉢が生まれない事が、凛とした実直さからも伝わってくる素敵な吉岡さんでした。

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幼少の頃から植物に詳しい両親に育てられ自然と植物や昆虫に興味を持つ環境で育った私は自然に花の世界で仕事をするようになっていました。現在は各地にてワークショップを開いたりイベントなどで移動花屋を開いたり、帽子作家さんとドライフラワーを使ったコサージュ展や陶芸家さんとの2人展等、幅広く花に携わるお仕事をしています。自宅では野菜を作ったりガーデニングをしたり植物三昧な日々です。何よりお花と共に過ごして思う事はお花のある場所ではたくさんの笑顔に出会える事が幸せです。植物と共に暮らす素敵さをお伝えして行きたいと思っています。

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