たんぽぽの綿毛の秘密|仕組みや楽しみ方を紹介
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丸くふわふわとしたフォルムと、摘み取っただけで崩れてしまうはかなさが魅力のたんぽぽの綿毛。そんな綿毛の「なぜ丸い形になるのか」「どうやって遠くまで飛んでいくのか」驚きの仕組みを解説します。また、ドライフラワーにする方法やリースの作り方など、楽しみ方も紹介します。
目次
たんぽぽの綿毛の秘密

たんぽぽの綿毛とは、たんぽぽの種に付いたガクが大きくなったもの。綿毛を遠くから見ると、外側は白くてふわふわで、中心近くは茶色くなっているのがわかります。この茶色い部分が種です。
綿毛と種は糸でつながったように付着していて、パラシュートのようなフォルムをしています。綿毛は鳥の羽のように軽いので、簡単に風に乗って飛んでいきます。できるだけ遠くに種を運ぶためです。
植物は、たくさんの子孫を残そうと努力をしています。例えば、スミレは種の周りを糖質でコーティングして、甘いものを好むアリに遠くまで運んでもらいます。カタバミは実が熟すとはじけて、種を遠くまで飛ばします。オオバコの種は水に濡れると粘つき、動物の体や人間の衣類にくっ付いて遠くまで移動します。同じようにたんぽぽの種は風の力を借りて遠い場所まで移動し、新しい場所で子孫を増やそうと芽吹きます。
たんぽぽの綿毛の仕組みを解説

茎の先にあるまん丸な綿毛は、ふーっと息を吹きかけると、散り散りになって飛んでいきます。ふわふわとしたひとつの球体のように見えるものは、100~200個の綿毛の集合体だからです。
この不思議なたんぽぽの綿毛の仕組みを、花の状態から解説します。
綿毛ができる花の仕組み

たくさんの花びらのように見えるたんぽぽの花は、小さな花が集まってできた集合花です。つまり1枚の花びらのように見えるものそれぞれが、おしべとめしべを持つ小さな舌状花です。この舌状花が100~200個集まってひとつの花のようなフォルムを作り上げています。花ひとつひとつが種を作るので、小さな綿毛が集まったふわふわの球体ができあがるという仕組みです。

小さな花を分解してよく観察すると、花の下のほうに綿毛のようなものが付いています。これが舌状花のガクで、綿毛になる部分です。綿毛は突然現れるわけではなく、花の頃から存在しています。ただし、ガクは付け根についているので、花が咲いているときには見えません。
たんぽぽの花は高確率で受粉して種を作ります。特に西洋たんぽぽは、自家受粉といって昆虫の手を借りずに単独で受粉して種を作ることができるので、舌状花のほぼすべてが種、つまり綿毛になります。
※舌状花に付いている小さな綿毛が花のガクで、集合花を支えているグリーンの部分は「総苞」といいます。
綿毛ができるまで

花が咲き終わると、それまで支えていた茎はいったん倒れたように横になります。この間に花びらはしおれて、種とガクが大きくなります。熟し始めると再び上を向いて起き上がり、完熟するとつぼみのようにきゅっと閉じていた綿毛が360度放射状に開き、きれいな球体を形成します。あの美しいフォルムは、それぞれの綿毛が平等に風を浴びることができるように計算しつくされてできた結果です。
綿毛が飛ぶ仕組み

綿毛はよく晴れた日に開いて、風が吹くと飛んでいきます。曇りの日は開きにくく、雨の日は閉じたまま過ごします。効率良く種を遠くへ飛ばそうという仕組みです。雨の日は綿毛が濡れてしまって飛ぶことができないので、無駄なことはしません。また、急に雨が降ってきたとしても綿毛を縦に細く閉じて、濡れるのを最小限に抑えるようにしています。同時に無駄に綿毛を飛ばすことのないようにという戦略です。

たんぽぽの綿毛は、風に乗って数m~数km飛んでいくといわれています。綿毛をよく見ると、放射状に広がっているのがわかります。たくさん空気をはらんで風の流れに乗りやすくするという仕組みです。
綿毛を使ってできるだけたくさんの種を遠くに飛ばそうというたんぽぽの戦略に感心するばかりです。
たんぽぽの綿毛の楽しみ方

風が吹いただけで飛んでいってしまうたんぽぽの綿毛をドライフラワーにして、手元に残してみませんか。
まず、開く前の綿毛を採取してきて、風のないところで開かせてからドライフラワーにしていきます。あまり摘み取るタイミングが早いと、きれいに開かなかったり、開いても見苦しかったりするので見極めが大切。総苞の先から白い綿毛が見え始めているようなものを選びましょう。摘み取ってから1~2日で開きます。開いたら、風のない場所で1週間ほど置いておくと完全にドライフラワーになります。そのまま吊るして飾っても良し、触ると崩れてしまうのでガラス瓶に入れて保管すれば長く眺めて楽しむことができます。
さらに、たんぽぽの綿毛を集めてリースを作って楽しむこともできます。ドライフラワーを作るのと同じ要領ですぐに開きそうな綿毛を集めて、リースベースに固定しましょう。綿毛は開くと大きくなることを想定して、間隔を取りながら接着剤などを使って貼り付けていきます。そのまま風のない場所に置いておき、完全に開いたらスプレーのりやヘアスプレーなどで固めて出来上がりです。
どちらもとっても簡単にできます。ぜひ、楽しんでチャレンジしてください。
※たんぽぽの綿毛は、お庭や許可を得た場所で摘み取りましょう。
風で飛んでいってしまうはかない印象とは裏腹に、とても強いたんぽぽの綿毛。これからは、ちょっと新しい角度から綿毛を観察して楽しんでください。
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