巨大カトレア・マキシマに遭遇!ラン園で開催の人気イベントSeedpot autmn fairをレポート!
土屋 悟
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カトレアに強いラン園、Seedpotで秋に開かれるAutmn fair。毎年この時期に咲くカトレア・マキシマの鑑賞会と、雨林植物やランの販売イベントをレポートします。
目次
- 見応えアリ!のカトレア・マキシマの大株
- カトレア・マキシマってどんなラン?
- カトレア・マキシマの見どころは「リップ」
- 様々な植物に出会えるのもSeedpotの楽しみ
- Seedpot Autmn fair 出展者紹介!
- Seedpot見つけたラン
見応えアリ!のカトレア・マキシマの大株
最近、ティランジアやビカクシダなどの着生植物を育てていた人の中から着生ランを育て始める人が増えています。
そうした、ランを育て始めた人の中でも人気のカトレア。
大きく、華やかな花が咲くのがカトレアの大きな魅力ですが、そんな花を咲かせてみたい人が多いようです。
茨城県・取手にあるSeedpotは、長年にわたりカトレアの栽培を手がけてきた小島研二さんが営むランと植物のお店。Seedpotでは例年、秋に咲く大輪のカトレア・マキシマの開花に合わせて、鑑賞会を開いています。
この鑑賞会では、大株のカトレア・マキシマが展示されるほか、ランをはじめ、雨林植物やアリ植物、シダなどの展示販売が行われ、植物好きが集まるイベントとして人気です。
カトレア・マキシマってどんなラン?
カトレア・マキシマは南アメリカ大陸原産のランです。マキシマmaximaという学名は「大きな」という意味で、その名の通り、草丈50cmほどにもなる大型のランです。
マキシマ自体は原種なのですが、白、ピンク、青、濃い赤紫色などのカラーバリエーションがあり、それらをもとにマキシマの交配品種が作られています。
マキシマの交配品種は、大きな花が咲く個体をもとに交配、選抜が行われ、最大直径15cmにも及ぶ品種もあります。日本では秋から初冬にかけて開花し、ランのシーズンの訪れを告げるカトレアといえます。カトレア全体の中では秋に咲くものは少ないので、カトレア好きには嬉しい種です。
Seedpotではカトレア・マキシマ ダークプリンセスを長年栽培しており、直径65cmの鉢からあふれるほどの大株に育っています。ここ数年は130輪に及ぶたくさんの花を咲かせるほどの充実した株になっています。
カトレア・マキシマの見どころは「リップ」
マキシマは白〜濃い赤紫、青などの花色がありますが、いずれもリップに葉脈のような筋模様が入るのが特徴です。リップとはランの花の花弁の一つです。ランの花は、6つのパーツからできています。
上の写真は白がベースのマキシマですが、手前に伸びている濃い赤紫色の模様が入っているのがリップです。
ラン以外にも様々な植物に出会えるのもSeedpotの楽しみ
Seedpotはランを中心に扱うお店ですが、パルダリウム向けの資材や苔テラリウムなど、最近人気のインドア園芸も扱っています。
また、今回のような年に数回行われる販売イベントでは様々な出店者が集まり、なかなか手に入らない植物にも出会えます。
Seedpot Autmn fair 出展者紹介!
カトレアが充実の小島舎
Seedpotの小島研二さんが営む小島舎は、カトレアを得意とするラン園。
カトレアは春咲き、夏咲き、秋咲き、冬咲きと各季節に咲くタイプがありますが、そうしたバリエーションも豊富に揃った充実のラインナップはさすが。
カトレアは産地によって生育のサイクルや育て方のポイントが異なりますが、原種、交配種問わず栽培に詳しい小島さんがいるので、相談に乗ってもらいながら選ぶことができます。各季節に咲くタイプの中から、好みの花色や花の形、育てる環境に合ったサイズなど、様々なバリエーションの中から好みのカトレアを探すことができます。
雨林植物が人気の「熱帯草屋LA」
BORDERBREAK!!、天下一植物界などを主催している長谷圭祐さんのブース。
アグラオネマ、ホマロメナなどをはじめ、シダやベゴニアなどの雨林植物が人気でした。初日は長谷さんのアグラオネマ目当ての来場者が開場前に行列を作るのは今や恒例の風景です。
エッジの立ったセレクションが楽しい「はちのへ洋ラン園」
タイなどのナーセリーから密に情報を集め、ユニークなランを集めているはちのへ洋ラン園。首都圏で開かれるラン展に積極的に参加していますが、出店のたびに変わる品ぞろえが楽しみでつい見に行ってしまう人も多いのでは。
Seedpotでは毎回バーベキューが行われますが、はちのへ洋ラン園はいつも新鮮な青森の海産物を提供してくれて、こちらを楽しみにしている人も少なくありません。
今回はちのへ洋ラン園が持ってきていたトリコセントラム・セボレタ。吊して楽しめる多肉植物のようですが、こちらもランです。
アリ植物が充実の「STRINGPLANTS」
珍奇な姿だけでなく、アリと共生するという特殊な生態のアリ植物。最近注目を浴びることが増えてきましたが、様々なアリ植物を一度に見られる機会はなかなかありません。
アリ植物に強いSTRINGPLANTSは、今回ヒドノフィツム、レカノプテリス、ミルメコディアなど多種多様なアリ植物がずらりとラインナップ。
ヒドノフィツムなどもホームセンターで出回ることがありますが、なかなか育て方を知っている人から話を聞ける機会はありません。育て方を相談しながら買えるのはなかなか貴重な機会といえそうです。
フィリピンの雨林植物がずらりと並ぶ「葉風空間」
フィリピンに自生する植物を中心にシダやアリ植物、サトイモ科植物、最近人気のコンニャク類など多種多様な植物が並ぶのが葉風空間の魅力。
何度となく現地に赴き、植生や環境をよく知ったオーナーとの植物談義を楽しみにして訪れる人も少なくありません。大株の植物も多く、迫力満点の雨林植物は見ごたえあり。
ボタニカルアートのグッズが人気の「mog2」
雨林植物などのボタニカルアート作家のmogさん。
mogさんは大阪で開催されるBORDERBREAK!!の常連出店者で、精細に描かれた植物画をステッカーやキーホルダーなどのグッズは、新作が発表されるのを楽しみにしているファン多数。グッズに加工する前の原画も展示され、丁寧な筆致を原寸大で観賞することもできました。
ブラジルのランが充実の「ベラビスタオーキッド」
ブラジルの農場から入るカトレアやクロウェシアなど、人気のランを集めているベラビスタオーキッド。クロウェシアやカタセタムなどの、いわゆる「タケノコ系」のランはアジア諸国からの注文も入るほどの充実の品ぞろえ。
今回は、カトレア・マキシマの観賞イベントということで、ブラジル直送の原種カトレア、ロックレリアなどを目当てしてきた来場者も多かったようです。
▼「ベラビスタオーキッド」の過去の記事はこちら
おなじみ!Seedpotのバーベキュー
Seedpotのイベントは、毎回美味しいご飯が出るので、それを楽しみに来場する常連も多数。はちのへ洋ラン園が青森から持ち込む海産物や、前日に手づくりで仕込まれた肉料理など、ボリュームも味も抜群です。食事をしながら、同じテーブルになった人たちと植物談義が始まるのがいつもの光景です。
Seedpotで見つけたラン
①バルボフィラム・フレッチェリアナム
画像中央のバスケットから、1mにも及ぶ巨大な葉を伸ばすランです。
同じ仲間に、バルボフィラム・ファレノプシスがありますが、よく似た株姿をしています。
②バルボフィラム・モニリフォルメ
バルボフィラム・モニリフォルメは、フレッチェリアナムと同じバルボフィラム属のランですが、こちらは極小というか、ごく小粒のランです。直径5mmほどの極小のオレンジ色の花を咲かせます。
③カトレア・ミレリ
こんな小さな株ですが、立派なカトレアの仲間。華やかなカトレアを育ててみたいけれど、大きな株を育てる場所がないなんて方は、こういった小さなカトレアを選んでみるとよいかもしれません。
ネットで検索すると出てくる雨林植物は、流通が少ないためなかなか目にする機会がありませんが、そうそうたる出店者がやってくると聞いて、初日の朝から大勢が詰めかけた今回のSeedpot。ラン園でのイベントは、比較的来場者の年齢層が高いことが多いですが、10〜30代の若い世代の来場者も多数。ネットでしか見たことがない植物やランをとりあえず見てみたくて来たというビギナーの姿も見られました。
また、余り情報が出てこない植物についても、育て方を相談しながら選んだり買ったりできるということで、今まで育てたことがない植物に挑戦してみようという人も多かったようです。自宅の栽培環境を説明して、それに応じた育て方や管理方法を教えてもらうには、ネット越しよりもリアルで対面しての方が情報量が多いのは当然のこと。ビギナーの人も、植物イベントに足を運ぶメリットが大きいのではないか?と思わせてくれるイベントでした。
ちなみに今年のカトレア・マキシマは秋の天候不順で開花が遅れていたのを、温室の気温を上げるなどして開花を進ませたのだそう。来年はさらにたくさんの花を咲かせることを目標にしているそうで、今から次の開花が楽しみですね。
▼Seedpot(小島舎)さんの詳細はこちらをどうぞ
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