ボタニカルな素材を使ったアート~ Michel Blazy
LOVEGREEN編集部
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皆さんアートはお好きですか?
あまり日常アートに触れていない方でも、ボタニカルな素材を使ったアートならのぞいてみたいと思いませんか?
そんな植物を愛するLOVEGREENな方にボタニカルな素材を使ったアート作品をご紹介します。
2016年9月16 日(金)~ 2016年11月27日(日)「リビングルームII」 ミシェル・ブラジー展が銀座メゾンエルメス フォーラムにおいて開催されました。
ミシェル・ブラジー Michel Blazy
1966年、モナコ生まれ。フランス・パリ在住。
1990年代よりキッチンの日用品や自宅の庭で採取した植物などを用いた作品を制作。ユーモアを織り交ぜた詩的な表現で、自然とテクノロジー、有機物と人工物といった相反するものを調和させる世界を提案している。
主な個展
『Living Room』(ヌオーロ県立美術館、ヌオーロ、2016年)
『Pull Over Time』(Art : Concept、パリ、2015年)
『The Great Restaurant』(ル・プラトー、パリ、2012年)
『Post Patman』(パレ・ド・トーキョー、パリ、2007年)
フランスの主要な美術館での個展をはじめ、これまで各国で数多くの展覧会に参加していますが、日本では初の個展開催でした。
ミシェル・ブラジーは初期から一貫して、植物、野菜、果物、昆虫、微生物などを取り込みながら、身の回りの自然に息づく美と醜、生命のサイクルをありのままに、また詩的に問う作品を制作されています。
例えば…
こちらのシューズには、普段見過ごしている日常雑草や観葉植物などの植物が生育しています。
作品:オーレリーの靴
こちらの作品は型落ちしたゲーム機に植物が覆うように生育しています。
廃墟を覆いつくす植物のように、室内でもこのような生命のサイクルが繰り広げられていることを示しているようです。
このように植物を作品に用いることで、展覧会を見る私たちも湿度や温度による空気の変化を与えることで、実は作品に接触し、この作品に参加しているということになるとミシェル・ブラジーは言います。
彼はどのような形に変化していくのか作品に問い続けます。
光沢のあるライティング。これ何かわかりますか?
作品:かたつむりをはなつ
作品名からも分かるように絨毯の上にかたつむりを放って描かれた作品です。
彼の作る作品は、アート作品というよりもレシピに近いと語ります。いつでも新たに作り出すことが出来ますが、それは同じものではありません。しかし、永遠に尽きることなく何度でも甦ることが出来るのです。
タカキビという植物を使った作品をご紹介します。
その前に…タカキビはホウキモロコシといってイネ科 モロコシ属の一年草です。
科・属 | イネ科モロコシ属 |
和名 | ホウキモロコシ |
英名 | Sorghum bicolor |
原産地 | アフリカ |
草丈 | 2m |
用途 | 穂の部分が座敷箒(ざしきほうき)の材料 |
タカキビは江戸時代頃から職人たちが箒の素材として使用されていたものです。
作品:ほうきになるほうき
ミシェル・ブラジーは語ります。彼が作る作品は作り変えなければ「いつしか朽ちてしまうでしょう」と。しかし、その作品を残したいと思う人がいれば何度でも生き続けることができます。
植物も同じで、同じ品種で同じ植物からとれた種でも育つ環境や場所、育てる人、自然環境によって無数の植物の可能性があります。彼は美術の世界でこの植物の世界観で、前例のないまだ見ぬ方法で作品と歩み続けるのです。
ボタニカルな素材を使ったアートはいかがでしたか?
こちらの展示会は終わってしまいましたが、日々の生活で実際に触れている植物と生活における身の回りの空間をアートの視点で感じてみるのは、ボタニカルな生活として新たな視点を与えてくれます。
そして、実際に彼の「レシピ」のように身の回りの日用品と植物のコラボ作ってみたくなります。
植物が大好きな皆さんなら、よりミシェル・ブラジーの世界観を感じることができるのではないでしょうか。
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