4月の庭で楽しめる花や花木とやっておきたい春の庭仕事
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4月の庭は、一年草から多年草、花木まで、花が咲き乱れる美しい時期。4月の庭で咲く花たちと、やっておきたい庭仕事を紹介します。
目次
4月に花を楽しめる一年草
オルレア
オルレアは、真白な花を咲かせるセリ科の植物。多年草ですが、高温多湿が苦手で夏越しが難しいため、一年草として扱われています。コリアンダーの花を大きくしたようなフォルムが特徴です。
ヤグルマギク(矢車菊)
ヤグルマギクは、コーンフラワーやセントーレアという名前でも親しまれているキク科の一年草。ハーブやエディブルフラワーとしても有名です。ブルーや白、ピンク、ボルドーカラーの花が印象的です。
ワスレナグサ(勿忘草)
ワスレナグサは、水色の小花がかわいらしいムラサキ科の一年草。苗の流通は1月頃から始まりますが、花の最盛期は4月~6月です。
4月に花が咲く多年草と球根
アジュガ
アジュガは、草丈低く茂り、たくさんの花を咲かせるシソ科の多年草。半日陰でも花を咲かせるので、シェードガーデンのグランドカバーとしても人気があります。4月に地面を埋め尽くすように花を咲かせる姿は見事です。
オオアマナ
オオアマナは、白い星のような花を咲かせるキジカクシ科の多年草。オーニソガラムの仲間です。草丈が低く、他の草花の間から真白な花をのぞかせる様子がかわいらしい春の花です。
オダマキ
オダマキは、後ろに距が突き出した独特のフォルムが印象的な、キンポウゲ科の多年草。花色は、紫のほかにピンクや黄色、白などバリエーションが豊富です。花びらの多さが魅力のセイヨウオダマキや花が小ぶりなヒメオダマキなどの種類があります。
カウスリップ(プリムラ・べリス)
カウスリップは、サクラソウ科の多年草で、ヨーロッパ原産の原種のプリムラの1つです。1本の茎にたくさんついているつぼみは鍵束に見立てられていたようで、天国の門番である聖ペテロが落とした鍵束だとか、山の女神が住む宮殿の鍵だとか、多くの伝説が残っています。
キャットミント
キャットミントは、爽やかな芳香のあるシソ科のハーブ。4月~5月に淡い紫色の花を咲かせます。この花の香りに猫が酔ったようになるのが名前の由来です。
クナウティア
クナウティアは、スカビオサによく似た花を咲かせるスイカズラ科の多年草。草丈が高く、よく分枝して、たくさんの花を咲かせます。大きく広がった株の中に、小花をたくさん咲かせる様子は、宙に花が浮いているような幻想的な美しさです。
ケマンソウ(タイツリソウ)
ケマンソウは、弓なりにたわんだ茎にハート型の花を咲かせます。この花が咲く様子を釣り竿に下がったタイ(鯛)に見立てたのが、タイツリソウという名前の由来。ずっと眺めていたくなるような、不思議なフォルムの花です。花色は、ピンクや白があります。
スズラン
スズランは、香りの良い真白な花を咲かせるキジカクシ科の多年草。スズランの香りは、精油の抽出が難しく、人工香料であることが多いのが実情です。お庭にスズランを植えていれば、毎年4月に本物の芳香を楽しめます。
スミレ
スミレは、紫色の小花がかわいい、春を代表するようなスミレ科の多年草。草丈低く、半日陰を好み、落葉樹の足元でひっそりと咲いているようなかわいらしい花です。こぼれ種で増えるので、気が付くと群生しているというようなこともあります。
ティアレラ
ティアレラは、半日陰でも花を咲かせるユキノシタ科の常緑多年草。冬には葉を減らしますが、枯れることはないので、日陰のお庭のグランドカバーとして人気があります。
ヒヤシンソイデス
ヒヤシンソイデスは、ベルのような小花がかわいらしいキジカクシ科の球根植物。淡いブルーや白、ピンクの花を咲かせます。イングリッシュブルーベルやスパニッシュブルーベルという名前でも流通しています。
4月が美しい花木や庭木
カラタネオガタマ
カラタネオガタマは、モクレン科の常緑高木。4月に咲く花には、フルーツを思わせるような甘い香りがあります。花は葉に隠れて見えづらいのですが、香りで花が咲いたことに気づくくらいです。
ジューンベリー
ジューンベリーは、初夏に熟す甘い実が魅力のバラ科の落葉高木。4月に、桜を小さくしたような白い花を咲かせます。
ニセアカシア
ニセアカシアは、アカシアとも呼ばれているマメ科の落葉高木。4月に白いフジのような花を咲かせます。花には芳香があり、蜜源植物として有名です。
フジ
フジは、花を下垂させて咲かせる姿が優美なマメ科のつる性木本。日本では藤棚が一般的ですが、海外では壁につるを誘引して、建物を覆うように花を咲かせている様子を見かけます。こちらもまた、美しい花の楽しみ方です。
ベニバナトチノキ
ベニバナトチノキは、ピンク色の花を咲かせるトチノキ科の落葉高木。木の上の方の枝に咲くはっきりとしたピンクの花は、春の青空によく似合います。
モクレン
モクレンは、濃いピンクがかった紫色の花を咲かせるモクレン科の落葉高木。ハスを思わせるような花は優美で、いつまでも眺めていたくなるような魅力があります。
ライラック
ライラックは、香りの良い小花を咲かせるモクセイ科の落葉高木。淡い紫やピンク、白などの花色があります。花が咲いていない時期でも、スペード型の柔らかい葉がかわいらしい花木です。
4月の庭仕事
4月の庭は花盛り。一番の庭仕事は、花を愛でることです。その他のやっておきたい庭仕事を紹介します。
ハーブの苗の植え付け
4月になると、本格的にハーブの苗の流通が始まります。ハーブには様々な種類がありますが、夏の蒸れや冬の寒さに弱いものが多いので、気候の良い4月に植え付けて、しっかりと根付かせると、その後の生育が良くなります。
春咲き球根など終わった花の手入れ
4月は、初春から咲きだした球根花たちが終わりを迎える頃。花が終わったら、花茎を根元から切り取り、残った葉に光合成をさせます。球根を太らせて、翌年また花を楽しむための大切な庭仕事です。
春植え球根の植え付け
春植え球根は、夏や秋に花を咲かせます。春植え球根を植え付けて、これからやってくる季節にたくさんの花を楽しむための準備を始めましょう。
病害虫対策を始めましょう
4月になると、アブラムシを始め、多くの害虫たちの活動が活発になります。また、やがて来る梅雨時にはウィルスも暴れだします。被害を最小限に抑えるためにも、4月からこまめに木酢液を散布するなど、病害虫対策を始めましょう。
雑草駆除
まだ芽吹き始めのうちに雑草駆除をすれば、後々が楽になります。芽吹き始めは、雑草と言えども根が浅く、抜くのは容易です。特に雨の後や、水やりのあとなど、地面が湿っているタイミングで行えば、おもしろいくらいにするすると抜けます。梅雨を越して、雑草が繁茂する前に手を打つことをおすすめします。
4月は、花木も果樹も、草花、ハーブまで、花が咲き乱れる時期。どこからともなく、花の甘い香りが漂ってくる幸せな時期です。まずはお庭に出て、花を愛で、香りに酔い、新緑に触れ、それから次のシーズンに向けての庭仕事を楽しみましょう。
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