植物は空気を読まない。だからこそ強く気高い|ぴーちゃんの植物雑記帳 #4
LOVEGREEN編集部
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こんにちわ。LOVEGREEN編集部です。ぴーちゃんからこの原稿が届く数日前、Instagramで「辛いことがありまして、落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です。近々、LOVEGREENさんに長文送ります。採用されるといいなあ」といった旨のストーリーを見かけました。
どうしたぴーちゃん!お腹痛いのかな?など、あれこれ心配している間、ぴーちゃんは「コミュニケーション」についての考察を深めていたようです。
マンションで観葉植物やベランダガーデニングを楽しむ様子がInstagramで人気。植物の育て方・飾り方から、インスタとは思えない長文の植物コラムまで、ネタが渋滞気味の「自称植物系アカウント」。最近はバラ沼にはまり中。第1期LOVEGREENアンバサダー。 |
目次
植物同士のコミュニケーションとは?
最近、人間関係で苦しいことがあった。
なんとか仕事には行けていたが、食事も睡眠も満足にとれず、人と会うのも億劫になり、無気力な日が続いた。
休日、リビングの床でゴロゴロぼーっとしていたら、いつも見ているはずの部屋の植物たちが窓から差し込む日差しを浴びて、やたら眩しくキラキラしているように見えた。
私がこんなにボロボロな状態でも、生育条件さえ整っていれば、植物たちは変わらず生きていけるのだ。
植物たちは声を発さない。
「水が足りないよ!」
「ここは暗すぎるよ!」
「風が欲しいよ〜」
なんて不満を人間にぶつけてくることはない。
育てる人間が気づかなければ、彼らは一言も文句を言うことなく、ただただ静かに枯れていく。
植物は人間に何かを訴えることはない。だが、植物同士はコミュニケーションをとっているという話は聞く。
「植物間コミュニケーション(talking plants)」と呼ばれるものだが、例えばある植物は虫の攻撃を受けると、周りの植物に危険を知らせる物質を発するのだという。それを受け取った植物は虫が嫌がる成分を分泌し、防御力を高めるのだとか。
これは確かに、植物なりの連絡手段のようにみえる。
トマトは植物間コミュニケーションでよく取り上げられる一例だ
人間社会におけるコミュニケーションとは?
でも私は、これは厳密には「コミュニケーション」とは言えないのではないかと思う。
私たちがコミュニケーションという単語を使う時、そこでは単なる情報の伝達以上の意味を含んでいる場合がほとんどだ。
なにか情報があり、それを伝えるべきか検討し、タイミングをみて相手に伝達する。そこには「相手のことを考える」というプロセスが存在する。
「コミュニケーションが下手な人」というのは、たいてい相手のタイミングを考えていなかったり、言わなくていいことを言ってしまったりする。受け取り手のことを考えず、自分の「これを言いたい!」という欲望だけで突っ走る。
私のことだ。
突然ですが早春のベランダより。ビオラさん
植物は相手の空気を読まないのではないか
一方、先に挙げた「植物間コミュニケーション」には、相手のことを考えるというプロセスが、おそらくない。
虫に攻撃された。
↓
危険を伝えるなんかを発する。
確証はないけれど、おそらくそういった植物は、虫に攻撃されれば毎回物質を発するのだろう。
「いま虫に攻撃されたけど、相手はだいぶ弱ってるし、もう大人しく虫にやられて枯れた方が相手のためだろう」………なんて考えて「今回は物質を分泌しないでおこう」という選択肢を取ることはないんじゃないか。
一定の刺激を受けたら、一定の行動をとる。
植物のこの動きに、人間の使う単語を当てはめるのならば、「コミュニケーション」よりもむしろ「反応」のほうが近いのではないか……と、個人的には思う。
植物たちは、おそらく相手のことを考えない。ただ自分が、自身の種族がいかに生存できるか、その目的のためにさまざまな反応をし、生きているように私には見える。
初夏のベランダより。イングリッシュローズさん
メンタルが弱った時に見えた、植物の気高さ
一方、1人では生きられない人間は、相手のことを考え、コミュニケーションをとることが不可欠だ。
でもそれができない相手というものがこの世には存在すると、どんなに努力しても理解できない相手が存在するのだと、私は先日身をもって知った。
逆に今までの人生でこういう機会がなかったことは、周りの人に恵まれていたことの証なのだろう。
この歳になって、初めて人が怖いと思った。もう攻撃されたくない。逃げてしまいたい。その事件があってから、しばらくそう思っていた。
夏前のベランダより アジサイ(ラグランジア)さん
そんな時、弱音も漏らさず、置かれた環境でなんとか生存しようとする植物のあり方が、やけに眩しく見えたのだ。
彼らは逃げない。逃げられない。だから自分の持っている全てを駆使して、その場でなんとか生きようとする。そんな彼らが気高く見えた。
今の私は何を持っているだろう?ここから逃げずに生きなければならないのなら、私の持っている何が使えるだろう?
植物たちの生き様から、新しい視点をもらえた気がした。
メンタルが弱った時に見えた、植物の気高さ
そこでふと思ったのですが、上手に植物を育てられる男の人って、絶対モテますよね。
植物の声なき声を聞き、まめにケアできる男性は、「察してよ」と無言の圧力をかける気難しい女心も上手に汲み取れると思うんですよね。植物好き男性は女性にモテる説を、私は提唱したい。
私の夫ですか?えぇ、私が無言でいると、なんで黙ってるの、とキレてくるタイプです。全然察してくれません。
植物のことも、そんなに好きでない、と言っていました。こんなに家の中にも外にも植物あるのに……。
植物ってほんといいですよね(ここで力尽きる)。
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