世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 –マダガスカル編9「ラナマインティー」
LOVEGREEN編集部
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今回は、フォールドーファンから車で約2時間30分のところに位置するラナマインティーという村での活動を書かせていただく。
目次
ラナマインティーへ
フォールドーファンを出発し、街中だけは道路が良い状態のためしばらくはスムーズに進める。
途中、鶏やフルーツを売っている村を通る。せっかくなので少し見学。ここではライチはちみつがペットボトルに入れて売っていた。はちみつ好きの私なので、かなり興味津々であったが、とりあえずここは我慢して次へと進む。
途中、ジャックフルーツが成っているところを見たり、
エレファンティフォノの群生を見たりしながら進んでいく。そしてこの辺りからの道路は、かなり昔に整備されたきりで、今ではほぼ舗装が崩れてしまっているため、まるでモトクロスの競技場かとも思えるぐらいの悪路である。そのような悪路をロデオ状態で進み、何度も車の窓ガラスに頭をぶつけながらフォールドーファンから約1時間30分でナショナルパーク付近まで到着。
ここでサザンクロスのRIVOさんの奥さんが作ってくれたサンドウィッチをいただく。中身は揚げ春巻き。日本ではあまり食べることのない組み合わせのサンドウィッチだが、中々美味しい!そしてパークを少し見学したのち、再び目的地をめざす。今、あまりパークは管理できておらず、ここだけを目的に訪れることはあまりお勧めとは言えない。
またしばらく車を走らせると途中アガベの花が、多く咲いているところを通る。ここでしか見られない光景ではないが、やはり園芸家としては心が躍る。
またネイティブプランツであるオペルクリカリア デカリーの群生も観ることもできる。
このオペルクリカリアの皮や樹液は現地では育毛の効能があると言われていて、産後で髪の毛が薄くなる女性は使用しているとのことである。又右衛門も興味がわく。実際に一昨年のブラマヨのTVに出演させていただいた時に紹介させていただき、ブラマヨの小杉さんがとても興味を示してくれていたのが記憶に新しい(笑)。
植林活動
悪路を再びひた走り、フォールドーファン出発から約3時間で目的地であるラナマインティーに到着。
そこにはすでに村長はじめ学校の先生や多くの村人が私たちの到着を待ってくれていた。彼らは私のことを「日本の木彫りを買ってくれる人」という風に覚えてくれていて再訪を大変よろこんでくれた。
そして早速、村人と一緒に、バオバブの植林へと向かった。その場所の名前は「子どもの森」。何故「子どもの森」なのかと言うと、単純に樹を植えるというためではなく、植林をする意味を子どもたちに伝えるために一緒に活動する場所だからとのことである。近藤先生や湯浅先生、サザンクロスの活動には頭が下がる思いである。
またこの「子どもの森」の中心には、以前に秋篠宮皇嗣殿下や眞子内親王殿下が植林されたバオバブがある。まずはそのバオバブの生長度合いを観るために計測を行った。しっかり生長をしていることが確認できる。
続いて再来の記念に村人の皆さんと植林を行った。通訳兼学生インターンとして参加させた娘も積極的に参加をしていた。
そしていくつかのバオバブを植林したのち、記念写真を一緒に撮って村へと戻る。
村では今つくられている木彫りを拝見する。以前より仕上がりが良くなっている。特に母子牛はよくできている。
その他村人と話をして、次回のオーダーなどのミーティングをさせていただいた。
また様々な素材となる木材も見せていただき、今後の有効利用について話をさせていただくこともできた。
その後出国前に湯浅先生から預かった届け物を村長と学校の先生にしっかり渡して、この村を離れる時間となったので名残惜しいが再訪を約束して、この村を後にした。
そして隣村のANTANIVINANKYに移動し、ここでも植林をさせていただくことになった。
私の到着を待っていてくれて、到着後すぐにどこに植えようか考えていると、この場所の中心にある岩に囲まれたところのシンボルの木が、以前のサイクロンで倒れてしまったので、是非その場所に植えて欲しいとリクエストをいただき、僭越ながらその場所に植えさせていただいた。
この村では、バオバブの他にコミフォラなどの木を合わせて10本を用意いただけており、皆さんと一緒にシンボリックな1本を植えさせていただけた。
そしてこの村でも再訪を約束して、時間が来てしまったのでこの地を後にした。
フォードファンへの帰路
またこの村から小一時間のところには雄大なサイザル畑がある。果てしなく広がっている。リュウゼツラン(学名:Agave sisalana)は、リュウゼツラン属の植物。実際には麻の仲間ではないが、歴史的に最も使われてきた繊維である麻にちなんでこの樹から取れる繊維を「サイザルアサ」と命名されたとのこと。ちなみに「サイザル」は、この繊維が以前よく船で積み出しされていたサイザル港にちなんでいるらしい。これから取れる繊維はロープなどに使われており、そういえば学生の時の地理などで学んだような記憶がある。
また村からフォールドーファンに戻る途中では、黄金に輝くユーフォルビアに魅了されたり、山から村へ炭を運ぶ人たちや、牛を連れている人たちとすれ違ったりすることができる。
以前に訪れた時には、ワオ・レムール(キツネザル)にも遭遇した。突然の予期せぬ出逢いのためスマホカメラしか用意がなく画像は悪いが、肉眼でははっきり確認することができた。それも家族なのか数匹の群れが私の前を行き来しながら、その愛らしい姿を見せてくれた。それも双子の子連れである。
ちなみに最近では保護区以外でサルたちと出逢えることがほとんどなく、出逢えた私たちはかなり幸運であるとのこと。もし皆さんも訪れることがあったら、ひょっとしたら日本からワザワザ来てくれたお礼にと姿を見せてくれるかもなので楽しみにされるのも良いのではと思う。
せっかくなのでフォールドーファンでの生活についても書かせていただく。ここでは比較的大きな港があるため、魚介類は豊富である。見た目の海の水もきれいではあるが、生食には少し注意が必要である。
特に牡蠣である。以前に訪れたときに生で食べた牡蠣で食あたりをおこし、夜中から朝まで悶絶し、救急搬送されそうになった経験がある。実際にこの時はパクパク数十の牡蠣をいただいたためか、かなり症状はきつかった。ただおかげさまで持参していたマリネックスゴールドの効果があったのかは定かではないが、何とか1日で復活することができ、あとの活動に支障をきたさなかった。私はこの時以来、アフリカでは生の牡蠣をいただくときは少量にしている。それでもまだ食べるのか?と言われそうだが・・・
是非皆さんは一個たりとも食べないことをお勧めする。でなければその時の旅程全てをフイにしてしまうどころか、帰国できないことになりかねないので。
いかがでしたでしょうか?見た目にシンボリックなバオバブが自生はしているわけではないが、村人との距離がとても近くに感じられる素敵なまちフォールドーファン。
マダガスカルに行かれた時には時間が許せば是非訪れていただき、素敵な村人、植物に触れていただき、来訪の記念に植樹をされるのも良いのではと思う。生涯の記念になりますよ!
PROFILE
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四代目金岡又右衛門
「世界の感動を日本に。日本の感性を世界へ。」 まだ見ぬ植物との出逢いを求め、世界を奔走する金岡又右衛門。世界各国に拡がるネットワークと持ち前の行動力を駆使し、希少性の高い植物を求め、自らの足で直接現地に赴き目利きをし、日本に紹介している。植物と大地への尊厳の念を持ち、植物の”生”へのこだわりを第一とする活動スタイルは、国内外の専門家から高く評価され、業界からの信頼も厚く、植物貿易の第一人者と評価される。
Facebook/人と人、国と国を繋ごう。
HP/緑匠・又右衛門
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