2/23(金)まで開催中の世界らん展日本大賞2018!「日本大賞」と会場をレポート

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峰亜由美

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世界らん展日本大賞実行委員会が主催する洋蘭、東洋の蘭、日本の蘭、世界各地様々な種類の蘭を一堂に集めた「世界らん展日本大賞2018」が2018年2月17日(土)~23日(金)までの7日間、東京ドームで現在開催されています。

 

会場の気配は南国か熱帯雨林か、、、思わずそんなイメージに想いを馳せながら、先ずは綺麗にカーブする壁いっぱいに絵画のように美しいグラデーションで埋め尽くされた蘭達と観葉植物に出迎えられ圧倒されてしまいます。

 

そして、その向かい側には素晴らしく仕立て上げられ見事に連なった胡蝶蘭が波しぶきの様に天から降りて来る大波をイメージしたオブジェとして、まるで舞台のように飾られ、その様子は北斎の浮世絵へ迷い込んだ様な大迫力な世界にしばし圧倒されながらエントランスゲートのオーキッドロードを通り抜けます。

目次

世界らん展 2018

今回の日本大賞大賞は?

展示エリア

販売エリア

 

世界らん展 2018

世界らん展日本大賞実行委員会が主催する洋蘭、東洋の蘭、日本の蘭、世界各地様々な種類の蘭を一堂に集めた「世界らん展日本大賞2018」が2018年2月17日(土)~23日(金)までの7日間、東京ドーム(東京都文京区)で現在開催されています。

今回のテーマは「ようこそ都会の楽園へ」

エントランスゲート「オーキッド・ロード」は沖縄美ら海水族館の色彩豊かな熱帯魚と蘭のコラボレーションを実現。假屋崎省吾さん、志穂美悦子さんによる作品展示、アフリカの神秘的な蘭の特集、動物に見える蘭が大集合するオーキッドパークなど見どころが盛りだくさん。展示だけではなく、多彩なステージイベントや販売ブース、限定商品の販売、公式グッズなども並びます。

21か国・地域の約3,000種、約10万株のランが展示され、国内外のラン愛好家などから7部門に計1,253点の蘭が集まりました。その中から大賞が選ばれます。


会場の様子を動画にもまとめました。

 

日本大賞

この度は茨城県つくば市の斉藤正博さん(60)の作品が最高賞の日本大賞に輝きました。

斉藤さんの同賞受賞は2008年2009年2013年、今年2018年と4度目で過去最多。今回の作品は「20年かけて育てた花。全体をバランス良く咲かせるのに苦労した」などと喜びを語られました。

 

作品名 グラマトフィラム マルタエ ‘マッシイズ’
種名 Gram. martae ‘Mass’s’

氏名 斉藤 正博 様

地域  茨城県つくば市

エリア別紹介

ドキドキワクワクと流行る気持ちとともに会場に足を踏み入れると、甘く上品な香りに出迎えられ期待を感じさせる場内。

そして東京ドームいっぱいに蘭!蘭!蘭!そして気分はいきなりマックスにランランラン♪と園芸好きにはたまらない気配に小躍りしてしまいます。

そして会場全体を見渡すと、どこから目を運べばいいのかわからなくなる程、色鮮やかに溢れる様な蘭達の存在に自然と満面の笑みになってしまいました。

これから拝見するこの大きな空間に期待に心を躍らせながら、いよいよ世界水準の蘭が集まる蘭の世界へ。

世界らん展は展示部門と販売エリアと大きく分けると2つのエリアになっています。

 

展示エリア

先ずは展示部門から。
展示は7部門と特別展示、パラダイスエリアに分かれています。

【部門1】個別部門
【部門2】フレグランス部門
【部門3】ディスプレイ部門
【部門4】フラワーデザイン部門
【部門5】アート部門
【部門6】ミニチュアディスプレイ部門
【部門7】ハンギングバスケット部門

【特別展示】【パラダイスエリア】【販売エリア】

【部門1】個別部門 【部門2】フレグランス部門

世界水準の作品の美しく個性的な蘭が展示された次の空間へ、どこへ行っても目が離せません。そこは甘く優しい香りが益々強く立ちこめて会場の香りの正体はこの空間に飾られている蘭達から運ばれてきている事がわかります。

香りだけではなくその姿もまた一鉢一鉢、違った個性と美しさです!ひとつひとつ丁寧に鑑賞し、またそれぞれが違った香りを放っている事にも気がつかされます。色々な香りが同時に混ざり合う空間ですが見事に調和しリラックスできるフレグランス部門。

また、その香りを放つ蘭と背中合わせに展示された蘭も人の顔より大きなカトレアの花や個性豊かな計41鉢の丹精込めて育て上げられた蘭の花の姿を愛でてその存在感を感じながらゆっくり鑑賞しました。 

香りと花々の造形に酔いしれながらその余韻に浸り、次へ進むと目の前に圧倒される2018年大賞に選ばれた斉藤正博さんの『Gram.martae `mass’s’(グラマトフィラム マルタエ マッシイズ)』というフィリピン原産の原種で独特の鮮やかな茶色の花を咲かせた蘭が飾られていました。その場の空気を変えてしまう程の風格と佇まいに思わず息をのみ、その素晴らしさは圧巻!花の持つ力を感じただただ感動の一言です。

【特別展示】

そして、まだまだ素晴らしい展示が続きます。流れるような展示で奥へ奥へ次に私が足を運んだのが、

■『日本いけばな三大流派』である池坊、草月流、小原流のダイナミックな生け花が飾られています。ここは特別企画展!こんなに一度に一流の華道家のいけばなを拝見させて頂いていいのでしょうか?とその贅沢さに思わず恐縮してしまう程、それぞれ蘭を美しく生けられた作品は大変勉強になりました。自分がそれを取り入れられるのかは?まだまだ先は長そうですが、それはさておきまして、それぞれの特徴的な生け方の違いを拝見させて頂き有意義な時間を過ごしました。

日本の美のコーナーには茶室が設けられ、畳の上にはお軸やお釜、お棚に水差し、お茶杓にお棗等の美しい茶道具が支度され、お着物姿のお手前さんがお抹茶を点てられている場面を拝見する事が出来ました。

凛と背筋が伸びたその姿にやはり日本の文化の奥深さや和やかさの調和にホッとする空間でした。

■世界の大使夫人のテーブルディスプレイ、各国のお国柄が特徴的に表現され華麗で上品なおもてなしをされた気分を味わえる温かな展示。

■華道家の假屋崎省吾さんの『〜蘭の世界〜』近未来と現在の花達との繋がりを想像させるような、天に伸びやかに向かう色鮮やかなオブジェに蘭の花がゴージャスに織りなされた作品でした。

■Flower Activistの志穂美悦子さんの『息吹き』は生命力!大地の恵や鼓動を感じるような火山を思わせる情熱的な作品です。

ここは撮影スポット、色々な表情の記念写真を撮影する事が出来ます。

【パラダイスエリア】

パラダイスエリアはリラックスな雰囲気に心が緩みます。柔らかな音楽が聞こえてきそうな…。沖縄からは『美ら海水族館』が!思わずコートを脱いでしまいたくなるような南国空間です。そこには蘭に負けない位、鮮やかな美しい熱帯の魚達が水槽いっぱいに元気に泳いでいます。ずっと眺めていたくなるその優雅な様子は会場の中でも優しく穏やかな南の島。水槽のまわりには、やはり蘭の花が美しく飾られ流石の沖縄です!花花花!1年を通して暖かで温暖な気候の花の県にふさわしく美しい海と熱帯の花の自然な繋がりを感じる穏やかな空間でした。

その他にも、隣接して不思議なアフリカの蘭達や記念撮影コーナーがあり、このコーナーはまるで会場内のオアシスそんなイメージです。

 

【部門3】ディスプレイ部門 【部門4】フラワーデザイン部門
【部門5】アート部門 【部門6】ミニチュアディスプレイ部門 【部門7】ハンギングバスケット部門

ディスプレイ部門は可憐な東洋の蘭と日本の蘭、海外からの出展作品、洋蘭がそれぞれのイメージを最大に膨らませ工夫を凝らした展示と蘭の美しさが目を引きます。

蘭を魅せる…その気持ちが真直ぐに鑑賞する私達に伝わってくるような展示でした。

アート部門、フラワーデザイン部門、ミニチュアディスプレイ部門、ハンギングバスケット部門と素晴らしい感性で作り出された作品達がまるで美術館の様に展示されています。こんな風に花を飾る事ができたら素敵だなぁと暮らしに取り入れたくなる沢山のヒントとアイディアを拝見する事が出来る見所もいっぱいな部門です。

どの作品も素晴らしくてあれこれ目移りしてしまうその展示に作品をつくられたアーティストの方々の表現力の奥行きや想いを感じる素敵な場所です。

会場中に溢れんばかりに咲く蘭の風景はどこで撮影しても夢の中の世界に来たような美しさでいっぱ!心身ともに癒され満たされます。今回のテーマ通り「ようこそ都会の楽園へ」を堪能する事まちがいなしです。

 

販売エリア

さていよいよ生産者さんがひしめき合う販売のコーナーへ。

世界らん展の見所のもう一つの主役は世界、日本中から集まった蘭や観葉植物等を作っている生産者さんが勢揃いしています。

なんと!その場でなかなかお目にかかる事が出来ない、珍しい植物達を購入する事が出来るのがまた魅力です。植物好きにはたまらない夢の様な場所。

生産者さんのブースは連なって並んでおりまして、それぞれに得意分野の植物達が一同に集まります。

子供の頃に血眼に眺めていた植物図鑑の植物が目の前にあるわけですから、もう大興奮です。

生産者さんが68店舗、園芸資材や雑貨を扱う店舗が23店舗。

今回は生産者さんを中心に取材させて頂きました。

 

椎名洋ラン園

今回は椎名洋ラン園さんが独自に開発された蘭専用のポットのお話を中心にお伺いさせていただきました。蘭を知り尽くした椎名洋ラン園さんは初心者の方に胡蝶蘭をより身近に、より育てやすく楽しんで頂きたいという思いで独自に蘭の特性に合せたポットを開発されました。

このポットはオーキッドタンブラーという商品名でお水を一ヶ月に一回いれてあげるだけで給水棒から胡蝶蘭がお水を吸い上げたいタイミングで吸い上げてくれるという蘭にも優しく育てる方にも優しいポットです。

また水が入っている所が外からも見えるようになっている所もわかりやすく、お水が無くなったら入れてあげられるので入れ忘れる事もなく安心して育てる事が出来ます。『胡蝶蘭はお水を吸いたい時にだけ吸うんですよ』という優しい口調に心から蘭を思いながら育てられている事が伝わってきました。

 

オリジナルに作られているオススメの新色の蘭をご紹介してもらいました。

今年は『パプリカ』という品種で綺麗なグラデーションがかったオレンジ色と中心部に向かってはピンク色の蘭。そのお名前はあのお野菜のパプリカからイメージして付けられたとの事、交配から5年の年月をかけて生まれたその蘭は株を太らせて几帳面に並ぶ葉の数も多く根もしっかりとし株に力を蓄えてから花を咲かせる事によって美しく沢山の花が咲いてくれるとご説明頂きました。

一押しの蘭をご紹介頂いたのですが欲張ってもう1種類!面白い蘭をご紹介頂きました。もうひとつは『バレルモ』という胡蝶蘭です。この胡蝶蘭はオランダの品種で花びらはグリーンとピンクの2色、なんとお花を咲かせてから8ヶ月も咲き続け長く楽しめる蘭。さらにバレルモ驚く事にだんだんと花の色が変化して美しい鮮やかなグリーンが濃くなってゆくのが特徴です。色変わりする胡蝶蘭は大変珍しく殆ど無いとの事。貴重なお話をきかせて頂きました。

椎名洋ラン園のサイトを見る

 

望月蘭園

望月蘭園さんは茨城でパフィオ中心に蘭を育てられている生産者さんです。もともとは切り花のパフィオを中心に作られて、現在は鉢を中心に生産されておられるという事でした。パフィオ界での有識者としてパフィオを知り尽くし、パフィオに限らず、蘭科植物全般に精通している望月蘭園。

今回は蘭の葉と根が人間でいうところの脳にあたる大切な場所で、その葉や根を丹念に大切に育ててこそ、美しい花が咲くというお話をして下さいました。個性的なパフィオというお花の形から、望月さん曰く、おもちゃ箱みたいな店内にしたいんだよねぇと、ユーモアも溢れる知的な笑顔が印象的な望月さん。ブースには存在感溢れる巨大輪のパフィオの陳列。それぞれに独特の色形は一度その姿を拝見すると忘れられないような造形をしている蘭です。

望月蘭園のサイトを見る

 

くろやなぎ農園

ブースに行くと小さくて珍しい蘭が目を引き、子供の様にコレは何ですか?コレは?と質問攻めにしてしまうくらい可愛らしく色鮮やかで独特な種類の蘭達がひしめき合います。植物図鑑がそのまま飛び出してきた様な、或いは宝石箱をのぞきこむ様な蘭達の姿に釘付けです。蘭好きにはたまらない個性的なくろやなぎ農園さんの蘭。是非一度ご覧になって頂きたい種類豊富なブースです。

それぞれの育て方を教えていただきながら、蘭と一言で言ってもそれぞれに育てる環境や水やりのタイミングが違うお話をしていただきました。「お花好きな方はね優しい方が多いから、ついお水をあげすぎて枯れてしまうんですよ」と蘭が求める環境と人が考える水やりのタイミングの違い等、勉強になるお話をして下さいました。

育て方が難しい蘭~初心者でも育てられる蘭まで、マニアックな蘭好きにはたまらないくろやなぎ農園さんです。

くろやなぎ農園のサイトを見る

 

仲里園芸

沖縄県糸満市で800坪の敷地にハウスを作り蘭を育てている生産者さんです。オススメの蘭をお伺いした所、ミニ胡蝶蘭をご紹介頂きました。育てやすく成長もはやいミニ胡蝶蘭は初心者の方でも楽しめる蘭です。

朗らかな優しい笑顔が印象的な仲里清さん。仲里園芸さんで中心に作っている蘭は胡蝶蘭が中心で苗を台湾から仕入れて沖縄のハウスで育ててられているそうです。育てるうえでは気候が温暖で暖かい事から蘭が好む環境なので特別な温度管理も自然のままが一番!と仰り、自然に育てられる事が沖縄のいい所と優しいご様子でお話下さいました。展示会場にも仲里園芸さんの蘭達は輝いていました。

仲里園芸のブログを見る

 

台大蘭園

本社は約1.2万坪の栽培面積を持ち、36年にわたり胡蝶蘭、カトレア、オンシジューム、デンドロビューム、シンビジューム、パフィオペディラムなどの育種、研究、開発及び生産、販売をされています。

 

今回はおすすめの蘭を2種ご紹介いただきました。一つ目はlittle monkey、イエローとオレンジ色が混ざり合う名前の通り可愛らしいおさるさんをイメージしてしまう温かみのある色合いの胡蝶蘭です。

2つ目はlittle zebra 白い花びらの脈をなぞるように鮮やかな紫いろのストライプが浮き上がる美しい花の胡蝶蘭。

台大蘭園が温室で育てられた蘭は、日本、アメリカ、ヨーロッパおよびシンガポールなどの東南アジア諸国に届けられています。

蘭園へは一般の方も見学でき、販売所で購入する事もできます。

台大蘭園のサイトを見る

 

世界らん展日本大賞2018

 会場  東京ドーム
 日程  2018年2月17日(土)~23日(金)
 開場時間  9:30~17:30(入場は17:00まで)
 スペシャルナイト  19日(月)、21日(水) ~21:00(入場は20:30まで)

 

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幼少の頃から植物に詳しい両親に育てられ自然と植物や昆虫に興味を持つ環境で育った私は自然に花の世界で仕事をするようになっていました。現在は各地にてワークショップを開いたりイベントなどで移動花屋を開いたり、帽子作家さんとドライフラワーを使ったコサージュ展や陶芸家さんとの2人展等、幅広く花に携わるお仕事をしています。自宅では野菜を作ったりガーデニングをしたり植物三昧な日々です。何よりお花と共に過ごして思う事はお花のある場所ではたくさんの笑顔に出会える事が幸せです。植物と共に暮らす素敵さをお伝えして行きたいと思っています。

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