花オクラ(トロロアオイ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

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植物名
花オクラ(トロロアオイ)
学名

Abelmoschus manihot

英名
Aibika
別名・流通名
黄蜀葵(オウショッキ)
科名
アオイ科
属名
トロロアオイ属
原産地
中国

花オクラ(トロロアオイ)の特徴

花オクラ(トロロアオイ)は、アオイ科の半耐寒性多年草です。オクラは実を食べる野菜ですが、花オクラ(トロロアオイ)は花を食べるエディブルフラワーで、実は食用には不向きです。一日花のため、道の駅や産直のお店でわずかに流通する程度のため、家庭菜園ならではの野菜のひとつです。

花オクラの花の直径は、オクラの2~3倍ほどあります。オクラ同様、花には粘りがあり、生で食べるとシャキシャキ、ゆがくととろりとした独特の食感があります。ビタミン・ミネラルが豊富で、味は淡泊なので醤油、塩、ポン酢、ドレッシングなどで味付けをしていただきます。天ぷらや味噌汁、スープなどの汁ものの具材としても相性が良い素材です。

夏から秋にかけて開花し、ひとつひとつの花は一日花です。葉の形は、5~9裂の深い切れ込みのある目立つフォルムをしているため、庭に植えると花がない状態でも目立ちます。背丈が高くなり大輪の花が華やかなため、観賞用として育てられることも多いようです。本来は多年草ですが、日本では一年草として扱われることがほとんどです。

なお、花オクラ(トロロアオイ)の中国名は黄蜀葵(おうしょっき)ですが、紅蜀葵(こうしょっき)はモミジアオイ(Hibiscus coccineus)のことです。

花オクラ(トロロアオイ)の詳細情報

園芸分類 野菜
草丈・樹高 100~200cm
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
花色 淡い黄色
開花時期 7月~9月

花オクラ(トロロアオイ)の可食部分と茹で方

花オクラ

花オクラ(トロロアオイ)は花びらの部分のみ食べることができます。収穫したら、根元のガクの部分を取り去り、花びらだけにしてから調理しましょう。

茹で方

  1. 花オクラを洗って、ガクと花芯を取り去り、花びらだけにする。
  2. 鍋にお湯を沸かし、酢を入れて花びらを数秒ゆがく(しゃぶしゃぶ程度)。酢は色止めになります。
  3. ざるに上げて、冷水に取り、水気を切る。
  4. 味付け

花オクラ(トロロアオイ)の保存

できればその収穫した日に調理するのがおすすめですが、冷蔵庫の野菜室で2~3日程度なら保存可能です。冷凍保存もできます。

冷凍保存方法

ガクと花芯を取り除き、保存容器や保存用密閉袋に入れて冷凍します。 使用時は凍ったまま茹でて利用できます。(保存期間2週間程度)

ゆがいてから冷凍することも可能です。冷凍するとすべての花びらがくっついてしまうので、取り出しやすいよう小分けに離して冷凍することをおすすめします。

 

花オクラ(トロロアオイ)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
開花

花オクラ(トロロアオイ)の栽培環境

日当たり・置き場所

花オクラ(トロロアオイ)は日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。

温度

花オクラ(トロロアオイ)の生育適温は20~30℃です。

用土

プランター栽培は、野菜用の培養土で育てましょう。

畑栽培は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。

花オクラ(トロロアオイ)は酸性土壌が苦手です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。

窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。

なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。

花オクラ(トロロアオイ)の育て方のポイント

水やり

プランター栽培は、プランターの上の土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。 

地植えは、雨にまかせて問題ない場合もあります。土の状態を見て乾燥しているようなら与えましょう。

肥料

植え付け時に元肥を入れ、その後は緩効性肥料を置肥、もしくは液体肥料を10日に1回程度与えます。

葉の色が黄色くなるのは肥料が不足しているサインになります。株の様子を見ながら与えましょう。

病害虫

【害虫】

アブラムシ

【病気】

うどんこ病 植物の葉などに粉をまぶしたように白くなります。 5月~6月と9月~10月に発生しやすい病気で、はじめはぽつぽつと白く粉をふいている感じに見えますが、悪化してくると葉の全面が真っ白になっていき、植物全体に蔓延すると茎や果実にも発生し、とても厄介です。風通しが悪いとうどんこ病の菌が発生しやすくなります。うどんこ病が見つかったら、すぐに除去しましょう。

灰色かび病 葉や新芽、花などにカビが発生します。 湿度が高い時期に発生します。葉や新芽などに水がしみたような跡が発生し、褐色になりカビが発生し枯れる原因になります。広がる前に除去し対処しましょう。

花オクラ(トロロアオイ)の詳しい育て方

選び方

葉が濃い緑色の茎がしっかりとした元気な苗を選びましょう。オクラや花オクラの苗は、通常1つのポットに3~4本が植え付けた状態で流通します。1本植えだと樹勢が強すぎて株が暴れ、実が固くなったり曲がりが出たりするのを避けるためです。

種まき

花オクラ(トロロアオイ)の発芽地温は25~30℃と高いので、充分に地温が上がる5月以降に種をまきましょう。

株間30~40cmの点まきで、1か所に3~4粒まき5ミリ程度覆土し、発芽までは乾燥させないように水を与えます。硬実種子のため、発芽しない場合は1日水につけてから種をまいてみましょう。

もしくはポットにまいて発芽した芽から良い芽を3~4本残して育てるという方法もあります。

植え付け

ポットに種まきした苗は根が回ったら定植のタイミングです。大きくなるため、株間は広めにとります。直根なので根はいじらないようにしましょう。

購入した苗には3~4本植えられた状態になっています。それをそのまま植え付けます。

仕立て方

背丈が2m近くなることもあります。強風で倒れることのないように早めに支柱などで保護しましょう。

大きさ20~30cmほどの淡い黄色の花が夏から秋まで開花します。ひとつひとつの花は一日花で、午後になるにつれ花は閉じていきます。

収穫

花オクラ(トロロアオイ)は実ではなく、花を食べる野菜です。実は固くて食用には不向きです。一日花なので朝のうちに収穫しましょう。

つぼみが割れて花びらがのぞいた状態なら、1~2日前に収穫して、水に茎をつけておいても開花します。

花芯部分にアリがいることが多いので、収穫や調理の際にチェックしてから調理しましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

種で増やすことができます。種を採る場合は、花を収穫せずそのままにしておくと果実ができます。そのまま放置して、茶色くなった頃に収穫すると中に種ができています。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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