イエライシャン(夜来香)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- イエライシャン(夜来香)
- 学名
Telosma cordata
- 和名
- トンキンカズラ
- 科名
- キョウチクトウ科
- 属名
- テロスマ属
- 原産地
- 中国南部、ベトナム
イエライシャン(夜来香)の特徴
イエライシャンは、キョウチクトウ科テロスマ属の常緑つる性木本。以前はガガイモ科に分類されていましたが、見直されて現在はキョウチクトウ科となっています。
イエライシャンの花は、直径1cm程、基部は筒状で花の先は5枚に裂けています。この小さな花を、葉の脇から伸ばした茎の先に複数個咲かせます。花の色は、咲き始めは淡い黄緑、咲き進むに従って黄色に変化していきます。葉は大きなハート型で、色ははっきりとしたグリーン、つるを伸ばして周囲に絡みつきながら生長し、株元に近づくにつれて木質化します。イエライシャンは熱帯アジア原産の花木で、日本の屋外での越冬は難しいとされており、多くは温室で育てられています。
イエライシャンは、香りの良い花を咲かせることで有名な花。イエライシャンの香りは特に夜に強くなり、官能的とも評されるほど甘く濃厚です。数個の花を置いておくだけで、部屋中が甘い香りでいっぱいになるほどです。中国ではこの花から精油を抽出するほか、食用にするそうです。また、イエライシャンという名前は、中国語の「夜来香(イエライシャン)」に由来し、夜になると香りが強くなることが理由です。
イエライシャンの学名の Telosma は、ギリシャ語の「遠い」「香り」に由来し、イエライシャンの香りが遠くまで香ることを意味しています。また、cordata はハート型という意味で、葉の形に由来します。
「夜来香」とよばれる植物は3種類あります。このイエライシャン(Telosma cordata)、イランイラン(Cananga odorata)、チューベローズ(Polianthes tuberosa)です。これらはすべて夜に香りが強くなることから「夜来香」とよばれるようになりました。正式な植物名としてイエライシャンというのは、このキョウチクトウ科テロスマ属のイエライシャン(Telosma cordata)です。
イエライシャン(夜来香)の詳細情報
園芸分類 | 熱帯植物 |
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草丈・樹高 | 2~5m |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 黄緑~黄 |
開花時期 | 8月~10月(環境による) |
イエライシャン(夜来香)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 |
イエライシャン(夜来香)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりの良い場所を好みます。夏は屋外でも育てられますが、夜間の気温が10℃を下回るようになったら日当たりの良い室内に取り込みます。
温度
10℃以下にならないように管理します。
用土
市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
イエライシャン(夜来香)の育て方のポイント
水やり
表土が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水をやります。
肥料
生育期は2か月に1度、緩効性肥料を施します。冬の休眠期は施肥の必要はありません。
病害虫
風通しが悪いと、葉裏にカイガラムシが発生することがあります。
イエライシャン(夜来香)の詳しい育て方
選び方
葉が黄色くなっていない、花芽が付いている株を選びましょう。
植え付け
植え付け適期は4月~5月です。
仕立て方
つるを伸ばして生長します。支柱を添えて行燈仕立てにすると、枝が暴れずに管理しやすくなります。
剪定・切り戻し
冬に地上部が枯れたら、大きく切り戻します。
植え替え・鉢替え
植え替え適期は4月~5月です。1~2年に1度、一回り大きな鉢に植え替えます。
花
イエライシャンは8月~10月に香りの良い小さな花を咲かせます。
冬越し
冬は地上部が枯れたようになって越冬します。イエライシャンの越冬温度は10℃です。10℃を下回らない、日当たりの良い室内で管理してください。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
イエライシャンは挿し木で増やせます。