イエソト空間の達人たち②|緑とヴィンテージに囲まれた、家族の物語を感じる空間
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住まいの形にとらわれずに、室内やインナーバルコニー・ベランダなどで自分なりの「庭」空間の楽しみ方を紹介する取材連載「イエソト空間の達人たち」。
今回は、埼玉県深谷市で植物のある暮らしを家族と楽しむ、まゆさんのご自宅を訪ねました。
お気に入りの植物やインテリアに囲まれて過ごす家族だんらんのひとときや自分時間は、とっておきのご褒美。
「“物語”という言葉が心に浮かぶものを暮らしに取り入れています」とのこと、ヴィンテージのインテリアとグリーンが美しく調和したイエソト空間とは?
ファミリーで楽しむ、緑のある暮らし

完全分離型の二世帯住宅で、義理の両親・夫と子ども2人・ペットと暮らすまゆさん。
大小たくさんの観葉植物が並ぶリビングは、子世帯の生活拠点であり、家族が集う憩いの場所です。

ーー初めて植物をお迎えしたのは7年前とのこと、何かきっかけがあったのでしょうか?
育児と家事で精一杯の毎日を過ごすなか、当時はインテリアも必要最小限のものしかなくて。長男が2歳になるまでは会社勤めもしていたので、植物を育てる心の余裕もありませんでした。一時期の記憶は今でもすっぽ抜けているほどです。
もともと植物が好きだったこともあり、その環境になんとなく寂しさを感じていたのですが、ふとホームセンターで見つけた観葉植物から目が離せなくなり、気づけば手に取っていました。

ーー今では50〜60株ほど育てていらっしゃるとか。お子さんの植物に対する反応はいかがですか?
植物を迎え始めたころ、次男はまだ3歳。最初はいたずらして鉢を倒してしまったこともありました。ですが長く一緒に暮らしているからか、いまではそんなこともなく自然に共存しているなと感じます。子どもたちも植物が大好きです。

ーーきっとお子さんにとっても植物は身近な存在なんですね。
中学生の長男は、自分の部屋で10鉢ほど観葉植物を育てています。かっこいいのが好きみたいで、シュッとした見た目のものやガジュマルを置いて楽しんでいます。自分でお世話することを約束しているので、水やりなども頑張っています。
小学4年生の次男もインテリアが好きで、テレビを見て「お母さん、これ好きそうじゃない?」と勧めてくれたり、新しい植物や家具を迎えると一緒に喜んでくれたりします。
ーーたくさんのペットたちとも一緒に暮らしているとか。
1番長く一緒に暮らしているのはカメのソルテくん。排泄の時間が終わったら基本的に家の中で放し飼いにしています。
2匹のトカゲは子どもたちが好きで飼い始めました。

そして昨年、保護犬のナナちゃんをお迎え。より家が賑やかになりましたね。ソルテくんとナナちゃんはよく2匹並んで窓辺で日向ぼっこをしています。

好きなものに囲まれる幸せ

ーーハンギングを活用して、空間全体をバランス良く植物で彩っているように感じます。植物のセレクトや配置のこだわりを教えてください。
空間全体に緑をバランス良く散りばめることで、森のようなナチュラルな空間になるよう意識しています。横一列にならないよう、上下高さを変えて飾るとメリハリが生まれます。
基本的には自分が「素敵」と感じたものを持ってきて、直感的にどこにハマるか考えていますが、ヴィンテージの家具や雑貨と植物の組み合わせがとても好きなので、どちらかが主役になる事なく混ざり合うように配置しています。
前は緑一色の植物しか置いていなかったのですが、最近は斑入りのものやカラーリーフも選ぶようになりました。

鮮やかな斑が美しいドラセナ
ーーセレクトしているヴィンテージのインテリアも素敵です。

常に「物語」というキーワードが心に浮かぶものを選んでいる気がします。
子どもの頃から本が身近な環境だったこともあり、物語に出てくるような世界観が大好きでした。ジブリとかシルバニアとか……。

特にジブリは、ラピュタの地下室や、魔女の宅急便に出てくるキキのお母さんの仕事場、アリエッティの部屋など、作品に出てくるお家の雰囲気が好きなんです。植物もいっぱい登場しますし、ちょっと独特で生活感のある、人が生活する感じが残っているところに惹かれます。我が家のインテリアに多かれ少なかれ影響を与えていると思いますね。

壁一面に、挿し木で少しずつ増やしているポトスを
ーー自然素材を用いた温かみのある雰囲気や、そこで暮らす家族の気配をほんのり感じることができる心地良さ……。まさに「物語」という言葉に納得です。
インテリアに関しては、アフリカの民族が手がけた藁のタペストリーや、インドの木を切り出して作ったキャンドルスタンドなど、海外のものから日本のものまで、いろんな国のアイテムが混ざっています。
購入先はバラバラですが、どれも本当に気に入ったものたちなのでチグハグ感もなく馴染んでいるかなと思っています。直近では、ジモティーで足踏みミシンを買いました。よく見ると植物の柄が施されていてお気に入りです。

運命的な出会いをした足踏みミシン
ーーちょっとしたデスクとしても使えそうですね。

1日1回は本を開く時間を設けるように心がけているのですが、ここで読書すると気持ちが落ち着きます。あとは、マクラメやビーズなどの手仕事をすることも多いです。

家族に背を向けるレイアウトなので、おこもり感がありますね。アーチのように植物がくるっと周りを囲んでいるのもお気に入りのポイントです。

グリーンに囲まれた癒やし空間
ーー植物グッズも素敵で見入ってしまいました。
真鍮のものが好きで集めているのと、植物以上に存在感を発揮しないような、土の色に近いナチュラルなカラーを選ぶよう心がけています。

育成ライトはBARREL(バレル)のものを2つ設置しています。植物好きな方は持っている率が高いかも。デザイン性の高さはもちろん、照らす範囲が広いので、あるのとないのでは全然違います。

BARRELの育成ライト
失敗を経て分かる植物を育てる醍醐味

ーー植物を育て始めてから7年。振り返ってみていかがですか?
最初の頃は、今思えばとんでもないところに置いていましたし、土も適当に選んでいたので虫がたくさん湧いてしまったこともありました。最初はその虫にすらびっくりしてしまって(笑)。
たくさん枯らしましたし、失敗もしたのですが、育てていくうちに植物の状態を理解してコントロールすることができるようになったと思います。いまでは虫もほとんど出なくなりましたね。
ーー虫対策は多くの人が悩むポイントでもありますよね。
土を良いものに変えるだけで全然違います。カイガラムシはどうしても付いてしまったりするので、対策として風を回すとか、見つけたら早めに取るとか。買うときに必ず葉っぱを覗いて虫がいないか確認するのも有効です。

ーー植物を選ぶときの基準があれば教えてください。
私の性格や我が家の環境に合う植物がだいぶ分かるようになったこともあり、自分の中での相性を考慮したうえで選ぶようにしています。ただ、育ててみたいと思うものがあれば、相性に関わらず1度はチャレンジしてみます。
ーーまゆさんのご自宅と相性が良い植物・悪い植物とはどのようなものなのでしょうか?
この辺りは、群馬県の赤城山から吹き下ろす「赤城おろし」の影響で冬はとても冷え込むんです。一応、石油ストーブを使いつつ加湿するなどの対策は取っているのですが、耐寒性の低い品種は、室内状態の悪化により枯れてしまうことも多いので、明らかに向いていないなと思う植物は我慢するようにしています。
冷暖房をどれくらい使っているか、日当たりや風通しは良いかなど、それぞれお家の環境には特徴があると思うので、まずは育成環境を理解することが大切です。

ーーずばり、たくさんの植物を上手に育てるコツは?
会話を重ねるように日々観察することです。葉のしなり具合で「そろそろ水やりが必要だな」とわかる植物もあれば、土の乾湿の程度で判断するのがベストな植物までいろいろです。
でもそれは毎日見ていないと気づけないと思うんです。
私の場合は、純粋に眺めるのが楽しくて習慣として観察を続けていたら、だんだんとコツを掴めるようになりました。たとえば、ランの場合はバルブのシワの寄り方で水の適量を判断したり……。
やはり自分の手で「ああでもないこうでもない」とトライアンドエラーを繰り返していくことが必要だと思います。

植物がもたらしてくれた暮らしの前向きな変化

ーー自宅に植物を取り入れることで、毎日の生活にどんな変化がありましたか?
自分の機嫌を取ることが上手になりました。水やりしたり植え替えをしたり、生長具合をチェックしたりと、実際に土や葉、水に触れている時間もストレス解消になってるんです。
おしゃれでやっているというより、私にとっては趣味そのものなので、水やり自体も楽しいですし、そこまでのお世話を含めて大好きなんですよね。

ーーまゆさんの人生にとって、植物とはどんな存在なのでしょうか。
無いなら無いで生きていけるものではありますが、それだと毎日にハリと色がないというか、なんかちょっと考えるだけでキツイなと思いますね。多分生きていけないだろうな。
植物から受ける恩恵って、たぶん人が思っているよりすごく大きくて。たとえばお部屋に入ってくる光の量は、植物を育てる前と後でとくに変わらないですが、夕方に入るオレンジ色の光に、外の木と室内の植物両方の影が動くことで壁が波のようになるんです。まるで水面を見ているような美しい影の動きは、植物があってこそ。
家族との会話のきっかけにもなりますし、子どもたちからの「お母さん見て!」みたいなやり取りも増えたと思います。

ーー植物のある暮らしをしてみたいと考えている方に向けて、ぜひアドバイスなどのメッセージをいただきたいです。
よく「水やりが大変なのでは?」「虫はこない?」といった質問をいただきますが、まずは自分にとってちょうど良い、やりやすいと思う範囲で始めていけば、自然と日々移ろい行く植物の変化に喜びや楽しみが見つかっていくと思います。
まゆさん プロフィール

埼玉県深谷市在住。ヴィンテージのインテリアと観葉植物が調和する丁寧な暮らしをInstagramで発信中、フォロワー数は10.8万人。中学生と小学生の子育てをしながら、ペットと共に植物や好きなものに囲まれた生活を楽しんでいる。







































