保存してあるお米・家庭菜園の野菜は要注意!「メイガ」の種類と予防・対策
LOVEGREEN編集部
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メイガという保存してあるお米や、家庭菜園などで栽培している野菜につきやすい虫の防除と駆除についてご紹介します。
目次
そもそもメイガとは?
メイガ類はチョウ目メイガ科に属する昆虫です。その種類は大変多く、種類によって好む食べ物も変わってきます。「メイガ」として一般的なのはコクゾウムシとともにお米につく虫として知られている「ノシメマダラメイガ」ではないでしょうか。インターネットで「メイガ」で検索するとこのメイガがたくさん出てきます。しかし、メイガ科の中には農業害虫として知られているものも少なくありません。
ここでは、メイガ科を
①穀物などの加工品を食害するもの
②葉を食害するもの
③実を食害するもの
以上の3つに大きく分け、メイガの防除と駆除についてご紹介します。
穀物などの加工品を食べるメイガ
ノシメマダラメイガはノシメコクガとも呼ばれ、全世界に分布しています。夏にお米をシンクの下などに置いておいたら、中から虫が出てきた!なんて経験はないでしょうか。それがこのメイガの幼虫です。メイガはお米だけではなく、小麦粉や米ぬかなどの穀類や、ドライフルーツからコーヒー豆、果てはチョコレート、ペットフードにも発生することがあります!
食害するのは幼虫のみで、成虫になってしまえば口が退化しているため食害することはありません。餌をとらずに交尾・産卵します。年に3~4回発生し、幼虫で越冬します。
発生を予防するには
・乾物、穀類は高温多湿を避けて冷蔵庫へ入れてなるべく早く使い切ること
・お米は2Lペットボトルに入れ替えて、野菜室に入れるようにします
・穀物を冷蔵庫から出し入れする際はすばやく行います。
※温度差で結露したりしないようにしましょう。カビが発生してしまうことがあります。
未開封のお米でも発生する場合があります!!
発生してしまったら!?
・洗米中に気がついたら浮いてきた幼虫をすくって捨てて、お米はそのまま炊いて食べても大丈夫
・お米は新聞紙などに広げ日光を当てて虫が逃げていくまで天日干しする
・お米が置いてある場所にこぼれていたりする糠やかすなどを除去する
基本的には虫の発生源を絶つ!ことが絶対です。
農作物を食べるメイガ
葉を食べるタイプ→外から見つけやすい!
■ワタヘリクロノメイガ(ウリノメイガ)
対象作物:ゴーヤ・メロンなどウリ科の作物、オクラなどのアオイ科作物
メロンやゴーヤなどのウリ科植物につく。英語でもMelonwormという。幼虫は体長25mm前後。緑の体に白い2本の縦線が入っている。幼虫が葉、果実の表皮などを食害します。ひどい場合には葉脈を残すのみになったり、果実表面を食害されて商品価値がなくなってしまいます。終齢幼虫になると糸を出しながら葉をつづり合わせて部屋を作り、その中で食害しそのまま蛹になります。年3~4回発生するが、発生は秋季に多いとされます。比較的低温に弱いため、幼虫で越冬できる地域は関東より西と考えられています。また、このメイガは他のメイガとは異なり、成虫は昼間活動します。
■ハイマダラノメイガ(別名ダイコンシンクイムシ)
対象作物:コマツナ、ミズナ、ダイコンなどアブラナ科の野菜
幼虫は体長が15㎜ほどで頭部が黒く体に7本の赤黒い縦線がある芋虫。アブラナ科の野菜を好み、小松菜や水菜につくと芯部分まで食べ進んでしまうため、株自体が枯れてしまったりと深刻な被害になることも。キャベツやダイコンでは幼苗期は注意が必要だが、ある程度大きくなれば芯部までもぐりこむことはないので、被害は大きくはならないでしょう。
農作物を食べるメイガ(内側から実や茎を食べる)
■アワノメイガ
対象作物:トウモロコシ、スイートコーン
トウモロコシの最悪・最強の害虫!!
幼虫は黄白色で体5mm~20mm程度。トウモロコシの茎に潜り込んで髄を食べる。茎を見たときに茶色のゼリー状の粉(フン)があるところは幼虫が穴をあけてもぐりこんでいる可能性が高いでしょう。
葉も食べますが、葉の被害は無視できるくらいのもの。また、雄穂・雌花を糸をだしてつづりながら食害し、枯死させてしまいます。最大の被害は、せっかく育ってきたトウモロコシの実部分にもぐりこんで食い散らかしてしまうこと。もし雄花が折れているのを見つけたら、幼虫がその中にいるので雄花の茎を縦に切って見つけ出し捕殺しましょう。
■アズキノメイガ、フキノメイガ
対象作物:ナス、アズキ、インゲン、オクラなど
幼虫の体長は15mm前後で、茎に穴をあけて髄を食べてしまいます。被害にあった作物は食入部分から上が枯死してしまったり、穴が開いてしまった部分から風などで折れてしまったり。幼虫が茎に入っていると、外側から糞が出ているのが見えるので、気づく場合があります。幼虫で越冬し、年に1~3回発生します。5月中旬に葉裏に産卵し、7月中旬に成熟幼虫は葉を丸め、吐糸し薄い繭をつくり中で蛹化します。7月下旬に羽化を開始します。
■シロイチモジマダラメイガ
対象作物:枝豆、大豆、エンドウなどマメ科の野菜
枝豆の最大害虫!!5月以降成虫になり、エニシダ等に産卵し、次いでエンドウやダイズに寄生し、9月までに3~4回発生します。卵は1粒ずつサヤの表面に産卵されます。幼虫はふ化後、サヤの中にもぐりその実を食害します。終齢幼虫はサヤに穴を開けてサヤの外に脱出し、土のなかにもぐって繭を作り蛹になります。
庭木につくメイガ
■マエアカスカシノメイガ
対象木:キンモクセイ、ネズミモチノキなどモクセイ科の木
幼虫は体長17mmほどの黄緑色の芋虫。幼虫の間、糸を吐いて葉をつづり合わせて食害します。葉以外にも花が咲く前に花序についたりもし、体から糸を出しながら蕾などを食害し、花が咲かないようにしてしまいます。最終的に葉の中に繭をつくり蛹化。夜行性で明かりが好きなので、街灯などによく見られます。成虫は羽を広げると3cmほど。半透明の白い羽をもち、きれいな姿をしています。
■ツゲノメイガ
対象木:ツゲ(ボックスウッド)、マツツゲ、ヒメツゲ
体長35mmほどの芋虫。ツゲ類につきます。新しく伸びた枝(新梢)によく出て、葉や新梢を食害する。蜘蛛の巣のように白い糸を出しながら葉をつづり合わせていきます。
被害にあうと、葉が一気に減り透けて中が見え、さらに部分部分に蜘蛛の巣とは違う白い糸が張られているのが見えます。だいたいその真ん中にいるのがツゲノメイガの幼虫です。成虫はダーグブラウンの縁取りにシャイニーな白い羽がきれいなガです。
メイガの被害まとめ
メイガ類の成虫はほぼ無害ですが、孵化した幼虫は幼苗の中心葉や茎・果実を食害します。苗が小さい時に幼虫に成長部付近を食害されてしまうと、株が枯死したり、生育不良になったりします。果実を加害されると実の成りが悪くなるばかりか、トウモロコシや枝豆などでは食用にならなくなります。株がある程度大きくなれば被害はそれほど大きくなりませんが、ベランダで少量作っている場合や、成長があまり良くない株の場合は最悪枯死することもあります。
メイガの発生源・条件
発生時期はだいたいどの種も4月~11月頃
メイガ類は春から秋まで1年を通して発生する害虫で、その年により発生量には差があります。影響が大きいのが降雨量と気温で、雨が少なく高温の年はメイガ類の発生が多くなる傾向があるようです。
メイガは、作物の収穫後、畑に残った残渣(ざんさ)で幼虫もしくはさなぎ状態で越冬します。そして翌年の春に成虫になったものが飛来して野菜に集まります。成虫は葉の裏側や、サヤの外側に卵を産み付け、孵化した幼虫は茎の中や実を食べて作物に大きな被害を与えます。成虫は夜行性のため基本的に葉夜間に飛来して卵を産みつけます。ですので成虫の駆除は非常に難しいと言えるでしょう。
メイガ類の被害に遭わない為の予防と対策は?
・幼苗期はトンネル掛けや誘蛾灯、フェロモントラップなどで成虫の飛来を防ぐ
・ハウスや室内、施設栽培の時は換気窓を防虫ネットなどで覆い、成虫の飛び込みを防ぐ
・野菜は摘葉、植木はすかし剪定を行って見えにくい幼虫や卵の発見を早期に行いましょう
・収穫を終えた残渣は幼虫・さなぎの越冬場所になるので、焼却/廃棄処分しておく
・トウモロコシは受粉が終わったころに、雄しべを切りとっておく
・トウモロコシは実にみかんネットなどをかけて物理的にガード
メイガを農薬を使わないで駆除するには
葉を食害する種類(ワタヘリクロノメイガやハイマダラノメイガ、ツゲノメイガ)は幼虫を発見するのは比較的簡単です。新梢や株の芯部に近い部分を探すようにし、見つけたら捕殺します。実を食害する種類(アワノメイガ・アズキノメイガ・シロイチモジマダラメイガ) などは茎や果実の中に入ってしまうため、なかなか見つけにくいですが、被害部より先端は枯れたり萎えたりする場合が多いので、そのような個所を発見したら中を確認するようにしましょう。
メイガ類は7月ごろから発生数が増える傾向にあり、次から次へと成虫が他の畑から飛来してくることになります。
孵化したての若齢幼虫のうちに発見して、大量発生につながらないように適時駆除していきたいものですね。
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