松ぼっくりがバラの形になる!「シダーローズ」のアレンジや活用方法
LOVEGREEN編集部
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リースやアレンジ材料で人気の「シダーローズ」。今回は、シダーローズがどのようになっていくのか、経験をもとにお伝えします。またシダーローズの活用方法も合わせてご紹介。
目次
シダーローズって何?
アレンジメントでも大人気の「シダーローズ」。このバラの花ような形の「シダーローズ」、実は、「ヒマラヤ杉」の松ぼっくりなのです。
松ぼっくりとは、マツ科マツ属の植物が付ける球果と呼ばれる果実のこと。松かさ・松傘・松笠松毬とも呼ばれます。
シダーローズはヒマラヤ杉の松ぼっくり
横浜市アメリカ山公園にて撮影
【科名】マツ科
【学名】Cedrus deodara(「deodara」は神の木という意味)
【属名】ヒマラヤスギ属 別名「ヒマラヤシーダー」
【原産】インドのヒマラヤ地方・アフガニスタン
【花期】10~11月
【用途】庭木、公園・街路樹、建築・土木・器具材等
雌雄同株、雌雄異花(雄花も雌花も短枝につく)の常緑針葉樹
美しい円錐形の樹形で、世界3大造園木のひとつ(あとは、アロウカリア・コウヤマキ)と言われています。樹高は40m~50m、時には60mにまで生長し、幹の直径は3mに達します。
ヒマラヤ杉の花言葉
「たくましさ」「あなたのために生きる」。
ヒマラヤ杉の実(球果)
横浜市アメリカ山公園にて撮影
ヒマラヤ杉は、秋になると雄花と雌花を咲かせ、その後球果を、枝の上に直立してつけます。
球果(きゅうか)とは、マツ科、スギ科、ヒノキ科などの樹がつける卵型の実のこと。雌花が受粉して球果になります。
ヒマラヤ杉の開花期は10~11月。受粉して球果ができるのは翌年の10~11月。それから成熟するのに一年。
雌花は小さくて高いところに上向きにつくので、観察が困難と言われています。しかも、樹齢30年を超えないと雌花(開花時は約5mm)を付けず、数も雄花に比べずっと少ないそう。開花期、雄花は花粉症の原因となる真黄色の花粉をまき散らします。花粉をまき散らした後は、樹下に落ちます。ヒマラヤ杉の球果は、成熟すると種子の入った種子鱗片(しゅしりんぺん)、種鱗(しゅりん)が球果の軸から離れ、離散します。
自然界では、ヒマラヤ杉の実(球果)の鱗片の隙間にある種は風に飛ばされ、鱗片は重たいのでパラパラとヒマラヤスギの根元に落ちます。球果の先端は、バラバラにならずそのまま落ちてきます。これが『シダーローズ(Cedar rose)』です。また、シダーローズが拾える時期は、11月末~1月末ごろです。台風の後は、比較的発見率が高いかと思います。ただし、落ちてからすぐ拾わないと、虫が住み着いてしまう可能性があります。虫退治はやっかいです…。
シダーローズができるまで
ヒマラヤ杉の球果
大きさは、約10cm。重さは量りませんでしたが、ずっしりとしてかなり重かったです。これが頭上に落ちてきたら危ないですね…。
どんぐりと大きさを比べてみました! どんぐりの大きさは、約2cm。
作業工程
松ぼっくりを自然乾燥(天日干しや室内干し)にします。(私は、虫対策と乾燥期間短縮のために、天日干しにしました!)外で乾燥させた場合、夜間は室内に取り込みます。
徐々に乾燥してかさが開いていく様子を観察するのも楽しいです!球果には松やにがべっとりついているので、素手で触らないようにしましょう。
途中経過のシダーローズの様子
乾燥が進むと、画像前方の部分がぽろっと取れます。
1ヶ月ほど自然乾燥させると、松ぼっくりの鱗片が次第に開いていき、種子の入った鱗片が球果の軸から離れ、先端部分を残し、パラパラと離散します。先端部分の薔薇の花のような形をした部分は、まとまったまま、ぽろっと取れます。これが、待ちに待った「シダーローズ」です!
直径約6cmのシダーローズ。
鱗片と種子
扇形の鱗片と種子(種袋のある左の鱗片は内側、右の鱗片は外側)
鱗片の幅は約6cm、種の大きさは約1.5cm。画像の種子は、「種翼」が欠損しているので、遠くへは飛べません。
※種翼とは、羽根状の付属物。 種鱗の組織がはがれて種翼になります。
球果は、種子鱗片(種鱗)が組み合わさって形成され、種鱗の基部には、種翼の付いた種子が2個ついています。種鱗から離散した種子は、種翼により、風に乗って散らばります。画像にある種は、ただ1つだけ残しておいたもの。(マンション住まいなので、種を植えて大きくなったら困るなと思いつつ…念のために採っておきました!)春になったら、植えてみようかなと思っています。
シダーローズの活用方法
リースやアレンジメントでも多用される「シダーローズ」。手軽にできる活用方法をご紹介。
クリスマスリースにシダーローズをアレンジ
昨年のクリスマス時期には、「シダーローズ」を使って、自己流で玄関とリビングに飾るものを作りました。両方とも、シダーローズ以外に他の種類の松ぼっくりやどんぐり、コットンやフォックスフェイス(観賞用のナス)、100円ショップで購入した花資材(ピック)を使用しました。
季節に合わせてアレンジ
お正月にはプリザーブドの古代米・ユーカリ・千両・高野槙等の花材を束ね、その上に100円ショップで買った水引きをかけました。
シダーローズのオーナメント
星形リースにシダーローズ・ヒノキとヒノキの松ぼっくり・染色した松ぼっくり・コットン・100円ショップで買った「寿」ピックを飾りました。
リビングの窓にエアプランツと一緒に!
剥離(はくり)防止処理
シダーローズの形が崩れないように、グルーガンを使用して根本を固定します。
ワイヤーを使用して、シダーローズをリース土台に固定する。(不安定な場合は、グルーガンを使う。)
自宅近所にある公園にも、樹齢が長そうなヒマラヤ杉があるのですが、公園事務所の方によると、今まで実をつけたことがないそうです。同じ種類の木でも、環境や樹齢等によって性質が違ってくるのですね。ヒマラヤ杉の実は、成熟するのに2年越し、シダーローズができるまで長く待たないといけないですが、また実をゲットできますように!
シダーローズについての豆知識やアレンジはいかがでしたでしょうか。ぜひリース作りの際に、シダーローズを入れて楽しんでみてはいかが。
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