縁起のいい植物42種。理由や風習、海外の言い伝えも

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山田智美

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縁起のいい植物を42種類紹介します。それぞれの伝承や由来を交えているので理由もわかります。贈り物やガーデニング、インテリアの参考にしてください。

目次

縁起のいい植物とは?日本の風習

縁起のいい植物とは?日本の風習

縁起のいい植物とは、昔から魔除けや幸せを呼ぶ、金運が上がる、邪気を払うなどと信じられ、愛されてきた植物のこと。縁起がいいと言われる理由は神話、伝承、花言葉など様々です。

私たち日本人の生活の中で、植物は古来より身近な存在でした。お正月に縁起木として松などの常緑樹を飾ったり、端午の節句にはショウブ湯に入り、重陽の節句には菊を愛でる風習があります。また、引っ越し祝いには幸福を祈願して植物を贈り合うような習慣もあります。縁起のいい植物は今でも私たちの生活の中に息づいています。

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縁起のいい植物|お庭におすすめ14種

ヨモギ

縁起のいい植物|ヨモギ

ヨモギは日本古来の薬草。全草に芳香があります。ヨモギの香りには邪気を払ったり、魔除けの効果があるとして、古来より好まれてきました。今でも端午の節句には菖蒲湯にヨモギを入れたり、ヨモギ餅を食べる習慣が残っています。

ショウブ

菖蒲湯

ショウブはショウブ科の多年草。花が咲くショウブとは別物です。ショウブは葉にも根にも芳香があることから邪気を払う力があると信じられ、端午の節句にショウブ湯に入る習慣ができました。

ムベ

縁起のいい植物|ムベ

ムベはアケビ科の常緑のつる植物。秋に果実を実らせます。ムベの葉は幼木のころは3枚、生長するにしたがって5枚、7枚と増えていくので、七五三の縁起木と言われています。

カラスウリ

縁起のいい植物|カラスウリ

カラスウリはウリ科のつる植物。秋にオレンジ色に熟す果実は、割ると中に数粒のタネが入っています。カラスウリのタネはそのフォルムが大黒様のお腹を連想させるとか、打ち出の小づちに似ているという理由から、お財布に入れておくと金運が上がると言われています。また、ラスウリの種を麻袋に入れて誰にも知られないように床下に隠しておくと、お金持ちになれるという言い伝えもあります。

カラスウリ(烏瓜)

  • カラスウリ(烏瓜)は秋に卵型をしたオレンジ色の果実を実らせる、ウリ科の多年生つる植物です。カラスウリ(烏瓜)の花は雌雄異株です。夜になると開き翌朝には閉じてしまいます。白い花の縁は糸上に裂けていて、レースのように花びらの周りに広がります。開花期は夏、7~9月くらいに咲きます。 カラスウリ(烏瓜)は根が特徴的で、塊根を成します。冬は地上部が無くなり、翌春また、この塊根から芽吹きます。通常山野や藪を好みますが、街中でも見かけます。生育旺盛で、夏の生育期にはフェンスや他の樹木に絡みつき、繁茂します。非常に強健で、地面に着いた枝からも発根し増えていきます。 カラスウリ(烏瓜)の果実は、熟すまではグリーンに薄い白の縦じまが入っています。秋が深まるにつれ、模様はなくなり濃いオレンジ色へと変化していきます。カラスウリ(烏瓜)は特に秋に熟す果実の中の種子が個性的です。種子の形状が打ち出の小槌に似ていることから、縁起物としてお財布に入れておくと良いとも言われています。  

南天(ナンテン)

縁起のいい植物|南天

南天はメギ科の常緑低木。秋から冬に真赤な果実を実らせます。南天はその名前から「難を転ずる」とされ、昔から縁起のいい木として好まれ、お正月飾りなどに使用されます。

南天(ナンテン)

  • 南天(ナンテン)は、赤い実がお正月の花材として欠かせないメギ科の常緑低木で、古典園芸植物の一つです。日本では関東以西で自生し、栽培も容易です。初夏に白い花が開花しますが、一般的には赤い実の季節の冬が鑑賞期で、もっとも目立つ時期です。 南天(ナンテン)は、冬でも濃い緑が茂る様子や赤い実をつける特徴から縁起物として好まれ、古くから魔除け、厄除け、無病息災を願い、多くの家庭で栽培されてきました。 和名の「南天」は、難を転じる「難転」や「成天」の意味合いで、不浄をはらうために玄関やお手洗い、鬼門と呼ばれる方角に方位よけとして植えられるようになりました。 南天(ナンテン)は観賞するだけでなく、実を焼酎、氷砂糖とともに漬け込んだ南天酒は咳止めや喉の痛みなどの民間薬として利用されてきたほか、「南天のど飴」として販売されています。 お赤飯や煮物、魚など、料理の上に乗せられる南天(ナンテン)の葉は、縁起物としてだけではなく、防腐や殺菌を目的として使われています。

万両(マンリョウ)

縁起のいい植物|万両

万両はサクラソウ科の常緑低木。晩秋から冬に真赤な果実を実らせます。万両という名前がお金を連想させるということから、富を招き寄せる、金運が上がるなどと言われ、縁起のいい木として好まれてきました。

万両(マンリョウ)

  • つややかな赤い実と常緑の濃い緑色の葉がお正月の縁起植物として定番のマンリョウ(万両)。千両(センリョウ)と並んで古くから庭木として愛されています。 よく似た両者ですが、万両(マンリョウ)の方が実が大きいため、額の多い万両と名づけられました。 マンリョウ(万両)は日本の暖地に自生しています。寒さにそれほど強くないので、関東地方以西であれば庭植えで育てられます。 樹高1mほどとコンパクトにまとまり、剪定はほとんど必要なく、葉が落ちて間延びした枝を切り詰める程度です。やや日陰でも生長し、とても育てやすい植物です。

千両(センリョウ)

縁起のいい植物|千両

千両はセンリョウ科の常緑低木。晩秋から冬に赤や黄、オレンジ色の果実を実らせます。千両は万両と同じく名前がお金を連想させるということから、富を招き寄せる、金運が上がるなどと言われ、縁起のいい木として好まれてきました。

センリョウ(千両)

  • センリョウ(千両)は、山林の湿った半日陰地に自生し、晩秋に赤い実をつけるセンリョウ科の常緑低木です。極端な乾燥には注意が必要ですが、丈夫で育てやすい樹木です。 初夏に新梢の先端に穂状に小さく黄緑色の花が咲いたあと、直径5~6mmのツヤツヤした実をつけ、晩秋に赤く熟します。別名「草珊瑚(クササンゴ)」と呼ばれるほど鮮やかな色合いの実は、花が少なくなる冬に、庭木として明るい彩りを添えてくれます。 古くからナンテン(南天)やマンリョウ(万両)とともに縁起の良い木として親しまれ、お正月用の生け花の花材にも使われてきました。全国の花の卸売市場では、12月の半ばごろ、年に一度「千両市」というセリが行われ、そこで仕入れたセンリョウ(千両)が12月後半から店先に並びます。 センリョウ(千両)は、もともと仙蓼(センリョウ)と呼ばれていましたが、江戸時代に千両へと変わりました。その理由は、同じ赤い実をつける縁起の良いマンリョウ(万両)に似ているものの、マンリョウ(万両)より実つきが少ないためセンリョウ(千両)と呼ばれるようになったと言われています。

クロガネモチ

クロガネモチ

クロガネモチは秋から冬の間、真赤な実を付ける常緑高木。名前が「苦労のない金持ち」を連想させるとして、縁起のいい庭木として人気があります。

クロガネモチ

  • クロガネモチは関東以西の山林に自生する常緑高木です。公園や街路樹、庭などあらゆる場所で利用されています。秋から冬にかけて、たわわに実る真っ赤な実の季節はとても目を引きます。色彩の少なくなる冬に真赤な果実を付けることと、葉が常緑であることのほか、名前が「苦労のない金持ち」を連想させるとして、縁起の良い庭木としても人気があります。 クロガネモチの葉は5~10㎝と大きめで光沢があり、よく繁ります。初夏に小さな白、あるいは薄紫色の花を咲かせますが、高木で上のほうの枝に咲くため目立ちません。雌雄異株なので実の観賞を楽しむのであれば雌株を選ぶ必要がありますが、市販のクロガネモチは一つの木に雌雄の枝が接ぎ木されていることがほとんどです。購入前に確認するようにしましょう。

縁起のいい植物|松

松はマツ科の常緑高木。冬でも緑を絶やさない常緑樹であることから、長寿を象徴する木とされてきました。また、神様が宿っていると信じられ、古来より神聖視されてきた樹木です。お正月には玄関に松を飾る習慣があります。

竹

竹はイネ科の多年草。真直ぐ上に伸び、さらに生長が早いことから、真っすぐな心と生命力の象徴と考えられてきました。今でもお正月の飾りつけや祭事に使用されます。

ユズリハ

縁起のいい植物|ユズリハ

ユズリハは新しい葉が出てくる前に、場所を譲るように古い葉が落ちていくことから、子孫繁栄、代々家が続く、などの意味があるとされています。

裏白(ウラジロ)

ウラジロ

画像:PIXTA

ウラジロはシダ植物の仲間です。葉の表はグリーンで葉裏が白いことから、「後ろ暗い事がない」という意味を持ち縁起がいいと言われています。また、邪気を払うなどの意味もあると信じられてきました。鏡餅の飾る際に利用されます。

縁起のいい植物|梅

梅はバラ科の落葉高木。まだ寒い早春から香りの良い花を咲かせるので、希望を連想させることから縁起のいい木として好まれてきました。他にも紅白の花を咲かせることから縁起がいいとされています。お正月の花に好まれます。

梅(ウメ)

  • 梅(ウメ)は、初春のまだ寒い時期に香りのよい花を咲かせる落葉高木です。日本には中国からかなり古い時代に薬用として渡来しました。梅(ウメ)の樹高は10mに達しますが、3~5m程度で管理され、古くから花、香り、果実の3拍子揃った春を告げる落葉花木として全国各地で植栽され広く親しまれています。 梅(ウメ)の枝は広く張り、葉は長さ5~8cm程度で二重鋸歯があります。花は2年枝の細く短い枝に2.5センチ程度の花をつけます。梅(ウメ)は品種によって開花期に違いがあります。性質上、野梅性・緋梅性・豊後性・杏性の4系統に分けられますが園芸上は花を観賞する梅と果実の収穫を目的とする梅に分けられます。 果樹としては各地に産地があり、観賞樹としては庭や公園に春を告げる木として好んで植えられます。また、梅(ウメ)は花もの盆栽の代表格です。

桃

桃はバラ科の落葉高木。桃は昔の中国では霊力のある木とされていました。日本でも桃の果実がお尻を連想させるということから、安産、多産の象徴としてひな祭りに飾られたという説もあります。また、黄泉の国でイザナギノミコトを救った木だとも言われています。

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縁起のいい植物|玄関におすすめ5種

オモト(万年青)

オモト

オモトはユリ科の多年草。万年青という和名の通り、一年中グリーンの葉を絶やさないことから、縁起のいい植物とされてきました。さらに冬に真赤に色付く実は、子孫繁栄、富の象徴とも言われています。引っ越し祝いや玄関に飾る植物として好まれます。

万年青(オモト)

  • 万年青(オモト)は日本で古くから、主に青々とした葉を観賞する目的で育成されてきた植物です。江戸時代から続く品種改良によって多彩な葉の形状、模様が生まれ「葉芸」と呼ばれています。 品種改良の技術が「芸」として高く評価されているのは万年青(オモト)だけで、植物の中では特別な価値を見出されている植物です。多年草で葉を落とさないことから長寿を象徴する縁起物としても大切にされてきました。 「縁起草」「辛抱草」の別名もあります。乾燥と多湿も嫌うのですが、基本的には初心者にも育てやすく丈夫な植物です。霜が降りず、-5℃以下の気温にならなければ屋外越冬可能です。昼間の日が出ている時間帯は外に出し、夜は玄関にしまうなどをしてもよいでしょう。 引っ越し祝いに万年青を贈る日本の文化 万年青(オモト)は1590年、江戸時代に徳川家康が江戸に移る際に3種類の万年青(オモト)を贈られ、家康は大変喜び城にその3鉢の万年青(オモト)を持ち込みました。その後、城が大繁栄したというエピソードがあり、そこから日本中に引っ越し祝いとして万年青(オモト)を送る風習が広まったようです。江戸時代から現在まで引っ越しの際は縁起を担ぎ、引っ越し先に一番最初に万年青(オモト)を入れる習わしが続き邪気を祓うため鬼門の方角に置かれるようになりました。

サンスベリア

サンスベリアはキジカクシ科の観葉植物。空気清浄能力が高く、さらには金運をアップさせる開運植物として売られることもあります。引っ越し祝いや玄関に飾る植物として好まれます。

サンスベリア・トリファスキアタ・ローレンティ

  • サンスベリア(サンセベリア)はキジカクシ科サンスベリア属に分類される熱帯アフリカが原産の観葉植物です。 和名はチトセランで、トリファスキアタ・ローレンティは覆輪斑であるためフクリンチトセランとも呼ばれています。しかし、ローレンティもフクリンチトセランもあまり一般的ではないようで、流通する場合はサンスベリアやトラノオ(虎の尾)という名前が多いようです。 トラノオはそのままの意味で、見た目が虎の尾に似ているからそう呼ばれるようになったそうです。 サンスベリアは空気清浄能力が高く、さらには金運をアップさせる開運植物として売られることもあります。 葉に水分を蓄えることが出来るため、乾燥に強く、逆に蒸れに弱いです。

ローズマリー

縁起のいい植物|ローズマリー

ローズマリーはシソ科の常緑低木。全草に爽やかな芳香があります。この香りには魔除けや浄化作用があると信じられ、ヨーロッパでは浄化のハーブとして好まれてきました。屋外で育てる植物なので、玄関周辺に植えると香りが良く、見た目にも美しいハーブです。

ローズマリー

  • ローズマリーは、地中海沿岸地方が原産の常緑性低木です。ローズマリーは食用から化粧品まで幅広く利用されているハーブです。清々しい香りが特徴のハーブで、煮込みからグリルまで色々な料理に使われています。 ローズマリーは非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。また強風にもよく耐える性質なので、非常に育てやすい植物です。ローズマリーには真っ直ぐ上に伸びる木立性と地面を這うように伸びるほふく性があります。ほふく性のローズマリーはグランドカバーとしても人気があります。ローズマリーは春から秋にかけて、青から青紫、またはピンクの小さな花を咲かせます。ローズマリーの花は環境さえあえば四季咲きです。

アジサイ

縁起のいい植物|アジサイ

アジサイアジサイ科の落葉低木。「一家団欒」という花言葉を持っています。また、アジサイを玄関に植えておくとお金が貯まるという言い伝えがあります。

アジサイ(紫陽花)

  • アジサイは、日本原産の落葉低木です。日本原産のガクアジサイが西洋に渡り品種改良を重ねられ、西洋アジサイとして日本に逆輸入されてきました。 最近は西洋アジサイ、ガクアジサイともに、品種、形、色の種類が豊富にあります。次々に新品種が登場してくるので、追いつけないほどです。アジサイの育て方は、翌年も花を咲かせるための剪定にコツがありますが、基本的には簡単です。一度植え付ければ、長い間花を楽しめる寿命の長い植物で年々花数が増えて見事な株になります。 最近ではアジサイは鉢花、切り花の他、ドライフラワーとしても人気があります。

オリーブ

縁起のいい植物|オリーブ

オリーブはモクセイ科の常緑高木。地中海地方原産の植物で乾燥と風に強く、シンボルツリーとしても人気です。旧約聖書に出てくるノアの箱舟伝説で、洪水が引いた後に鳩がオリーブの枝を咥えて来たことから、平和を象徴する木とされています。

オリーブ

  • オリーブは常緑の高木です。太陽と温暖な気候、水はけの良い土壌とたっぷりの水が大好きです。 オリーブは初夏に白や黄白色の小さな可愛い花をたくさん咲かせます。その様子は同じモクセイ科のキンモクセイとよく似ています。その後、丸くて可愛らしいグリーンの実をつけ、その実は赤、紫、黒へと成熟します。実はそのまま食べるととても渋いのですが、加工することで美味しいオリーブオイルやピクルスなどになります。 そのように家庭の食卓でも日常的に利用されているオリーブですが、植物としてのオリーブの魅力は何といっても樹形と葉の形です。葉の表面は光沢のある緑色、裏面には白い細毛が密生していて、風が吹くときらきらと銀灰色に輝きます。 「平和の象徴」としてハトが葉を口にくわえているデザインをラッキーモチーフなどで見たことがあるかもしれませんが、あの葉はオリーブです。「平和のシンボル」とされるのは「旧約聖書」のノアの箱舟のエピソードに由来します。ハトがくわえてきたオリーブの枝を見て、ノアは洪水が引いたことを知ったのです。 また、オリーブは萌芽力にも優れ、樹齢もとても長く、地中海沿岸地域では1000年を超える老木が今だに実をつけるそうです。 オリーブグリーンと言われる色もありますが、他の植物にはなかなかないような葉色や、スモーキーで乾いた感じの枝や幹の色など、様々な魅力があります。 オリーブは違った品種を2本以上植えた方が実がつく確率が俄然アップします。

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縁起のいい植物|観葉植物おすすめ5種

パキラ

パキラ

パキラはアオイ科の観葉植物。手のひらのようなフォルムの大きな葉が印象的です。「快活」「勝利」という花言葉から幸運を象徴する木とされ、開店祝いや引っ越し祝いに好まれます。

パキラ

  • パキラは原産地では熱帯の日当たりが良い場所に生育する常緑高木です。その高さは20mにもおよびます。大きく育った樹木には果実が実り、その種子は焼いて食用にされています。手を広げた様に放射状に広がる葉は5~7枚くらいのボート型をしており、つやがあります。棍棒状に肥大する幹がポイントで、観葉植物として流通するパキラは実生繁殖による細い幹のものと、挿し木による太い幹のものがあります。複数のパキラをよじって仕立てたものなど樹形のバリエーションも豊富です。

ガジュマル

観葉植物の水やり

ガジュマルはクワ科の常緑高木。沖縄ではキジムナーという精霊が住む霊木とされています。また、「多幸の木」とも言われ、幸福を象徴する木として贈り物やインテリアとして好まれます。

ガジュマル

  • ガジュマルは人気の観葉植物です。沖縄地方では「キジムナー」と呼ばれる精霊が宿るといわれています。ガジュマルは熱帯~亜熱帯地方に分布する常緑高木なので暖かくて日光のある場所を好みます。日光にあてること、水のやり方には気を配る必要がありますが、基本的には育てやすい観葉植物です。 また、ガジュマルは、幹の途中から気根という根を出しています。気根が地中に付くと太くなり、ガジュマルの木を支える支柱根となります。地植えにされているガジュマルはこの気根が多く、風に揺れる気根は不思議な雰囲気を醸し出しています。 ガジュマルのその太い幹とまるく厚みがある濃い緑色をしている葉は生命力を感じさせ、独特な形をしているので人気があります。鹿児島県沖永良部島の国頭小学校の校庭には樹齢100年を超える日本一のガジュマルが植えられています。 ガジュマルには尖閣ガジュマルやパンダガジュマルなどの種類があり、葉の形などが違います。

ユッカ

ユッカ

ユッカはリュウゼツラン科の観葉植物。別名を「青年の木」と言い、その生長の早さから縁起のいい観葉植物として人気があります。

幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)

ドラセナ・マッサンゲアナは、「幸福の木」という別名からも縁起がよいため、引っ越し祝いのプレゼントとしても人気があります。

幸福の木はキジカクシ科の観葉植物。ユッカと同じく生長が早いことから縁起のいい観葉植物として人気があります。また、その名前から贈り物にも好まれます。

幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)

  • 幸福の木はドラセナ・フラグランスの枝変わりによって生まれたマッサンゲアナという種類の観葉植物で、祝い事の贈答品として胡蝶蘭と共に親しまれています。また、幸福の木は愛知県渥美半島にあるナーセリーが日本で初めて輸入し、国内に流通させたと言われており強健な性質も相まって現在も人気の高い観葉植物です。 コルジリネ(コルディリネ)と見た目が似ていますが、幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)はコルジリネ(コルディリネ)と違って根茎を形成しません。 一般的に流通している幸福の木(ドラセナ・マッサンゲアナ)は生長点が切られて、防腐用に黒や茶色の薬品が塗られています。横から出ているのが脇芽でになります。

金のなる木

金のなる木 カネノナルキ 花言葉 花

金のなる木はベンケイソウ科の観葉植物。新芽が開く前に五円玉を通していくと木にお金がなっているように見えることから「金のなる木」と呼ばれるようになりました。金運が上がる植物として人気があります。

金のなる木(カネノナルキ)

  • 金のなる木(カネノナルキ)はベンケイソウ科クラッスラ属の多肉植物。その名から縁起の良い植物として、新築祝いなどのギフトにも用いられます。 南アフリカが原産で、低い木のように育ちます。強健で育てやすく、挿し葉や挿し芽で、簡単に増やすことも可能です。大株になると花を咲かせ、星形の白やピンクの小さな花が密集して咲きます。 金のなる木という名は、丸い葉がまるで硬貨のように見えることから付けられました。金のなる木やカゲツ(花月)という名で出回っていますが、和名では縁紅弁慶(フチベニベンケイ)と呼ばれます。

ベビーティアーズ

ベビーティアーズはイラクサ科の多年草。地中海地方原産の小さな葉がかわいらしい植物です。花期には葉よりもさらに小さな白い花を咲かせます。この花を見つけられたら幸せになれるという言い伝えを持つ植物です。

ベビーティアーズ(ソレイロリア)

  • ベビーティアーズ(ソレイロリア)は地中海沿岸原産のイラクサ科の多年草。ベビーティアーズという名は、赤ちゃんの涙のように小さくて可愛い葉(3㎜ほど)の姿から付けられました。天使の涙とも呼ばれています。葉はとてもやわらかく、横に這うように生長し、花期にはその葉よりさらに小さな花を咲かせます。咲いていることが誰にも気付かれないことが多いくらい小さい花です。葉色は緑や明るいライム色、斑入りなど様々な種類があります。 ベビーティアーズ(ソレイロリア)は日本では室内で楽しむ観葉植物として扱われることが多いですが、温暖地では周年屋外で育てることもできます。庭のグランドカバーとして用いると、室内で育つ姿よりワイルドに力強く生長し、しっかり根付くと簡単には枯れません。葉や根がやわらかいので庭で増えすぎても剥がしやすい利点があります。真夏の直射日光や乾燥、高温多湿の蒸れに弱い性質があるので、適した環境に置き、水やりのコツをつかむことが大切です。

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縁起のいい植物|花おすすめ9種

福寿草

縁起のいい植物|福寿草

福寿草はキンポウゲ科の多年草。早春に明るい黄色の花を咲かせます。福寿草という名前は縁起がいいとされ、お正月の花や贈り物に好まれます。

フクジュソウ(福寿草)

  • フクジュソウ(福寿草)は、北海道から九州までの照葉樹林の林床に自生している草丈15~30cmほどの宿根草です。根茎が短く、やや太い根を持ちます。早春に芽を出して開花しその後、葉をのばしますが、晩春になると葉が枯れて秋まで休眠します。 フクジュソウ(福寿草)の花色は黄色ですが江戸時代から花の美しさが着目され園芸品種が多数選抜育成され、白、黄褐色、紫褐色、橙紅色などがあり花形も一重~八重、万八重と変化に富みます。鉢植えで栽培されるほか日本庭園の石組に添えられています。 フクジュソウ(福寿草)の別名はガンジツソウやガンタンソウといい、正月用に本来の花期よりも促成栽培されて出荷されています。花言葉や花の名前から、お正月の寄せ植えなどに縁起の良い植物としても使用されています。

アイリス

縁起のいい植物|アイリス

アイリスはアヤメ科の多年草。花言葉は「恋のメッセージ」「吉報」。アイリスはギリシャ神話に登場するヘラの侍女。古代ギリシャではアイリスが女性の霊魂を虹の橋を渡って天国へ連れて行くとされ、女性が亡くなるとアイリスを捧げたとか。古代エジプトではアイリスの3枚の花びらを「信仰」「知恵」「勇気」の象徴としていました。

アイリス

  • アイリスはアヤメ科アヤメ属の総称です。アイリスの仲間は世界に約170種あり、その中の何種かは日本にも自生しています。アイリスは地下に球茎を作るという特徴があり、球根植物として扱われる多年草です。 通常アイリス(アヤメ)というと春から初夏にかけて湿地に咲く花というイメージですが、一概に湿地に咲くものばかりではありません。日本に自生するアイリスの中でも有名なアヤメ(Iris sanguinea)や、ジャーマンアイリス(Iris germanica Hybrid)などは、やや乾燥した草地を好みます。アヤメとよく似たカキツバタ(Iris laevigata)は浅い水辺を好みます。 アイリスというと、アヤメ(Iris sanguinea)、カキツバタ(Iris laevigata)、ジャーマンアイリス(Iris germanica Hybrid)など、様々な種類があり、その性質や特徴も多様です。    

藤(フジ

縁起のいい植物|藤

藤はマメ科のつる性落葉高木。昔から日本人に好まれてきた花です。薄紫色の優美な藤の花は女性の美しさに例えられ、身分の高い女性を象徴する花でした。また、藤色は高貴な身分の人しか身に着けられない色だったこともあるほどです。

フジ(藤)

  • フジ(藤)はマメ科の落葉性のつる植物です。春になると薄紫や白の花を咲かせます。庭園や公園で目にする藤棚のイメージが強く、自宅での育て方は難しいように言われていますが、実は鉢植えでも楽しめます。根の生長が制限されることから、むしろ鉢植えの方が花付きがよくなるほどです。 フジ(藤)には大きく分けて2種類あり、ノダフジ(野田藤) Wisteria floribunda はつるが右巻き、ヤマフジ(山藤)Wisteria brachybotrysは左巻きという特徴があります。 「ノダフジ(野田藤)」の由来となった大阪市福島区の野田はフジ(藤)の名所として有名。毎年4月には「のだふじめぐり(ふじ祭り)」が開催されます。樹齢1200年を越え、天然記念物に指定されている埼玉県春日部市の「牛島の藤」もよく知られています。

スズラン

縁起のいい植物|スズラン

スズランはキジカクシ科の多年草。春に香りの良い白い花を咲かせます。「幸せが再び訪れる」という花言葉が有名で、贈り物に好まれます。フランスでは5月1日を「スズランの日」といい、この日にスズランを贈ると、贈った人も贈られた人も幸せになれるという習慣があります。

スズラン(鈴蘭)

  • スズラン(鈴蘭)は、春から初夏にうつむきがちに純白の花が開花するキジカクシ科の多年草。漢字で書くと「鈴蘭」ですが、蘭の属性ではありません。香りの良い純白の可憐な花は、多くの人に愛されています。 スズラン(鈴蘭)は、北海道でも育つほど寒さに強く頑健です。自生するものでは、中部地方より北側の涼しい高原によく見かけます。栽培されているものの多くは、ヨーロッパ原産のドイツスズランです。 スズラン(鈴蘭)の花は、名前の由来にもなっているように釣鐘型でうつむいて咲きます。葉の長さは10cmほどで、茎は葉に包まれるようにして伸びて20cmほどになり、10個ほどの花を咲かせます。

ボタン

縁起のいい植物|ボタン

ボタンボタン科の落葉低木。昔の中国ではその優美な花姿から「花の神にして百花の王」と言われ、高貴な花として城中で育てられていたそうです。邪気を払う、縁起のいい花とされています。

牡丹(ボタン)

  • 牡丹と芍薬の花はよく似ていますが、芍薬は草本、牡丹は木本の落葉低木です。春になると新芽が芽吹き、先端に花径15~40cm程の花をつけます。花形は一重、八重、千重、万重、獅子咲きなど、種類が多い植物です。 一般的には春咲きの春牡丹ですが、春牡丹より小ぶりで、春と初冬の年二回咲く寒牡丹という種類もあります。その他、冬牡丹と呼ばれている牡丹は、春牡丹を温度管理によって人工的に冬に咲かせたものです。 牡丹の花色は白、桃、紅、朱赤、黄、絞りや複色など種類が豊富です。中国原産の花木で、奈良時代に薬用木として渡来し、その後改良が進んだ結果、中国の品種とは異なる独自の品種群がつくりだされました。欧米で改良された品種群にフランスボタン、アメリカボタンがあります。

蓮(ハス

縁起のいい植物|蓮

蓮はハス科の水生植物。泥の中から上がってきた茎の先に大輪の美しい花を咲かせることから、「不浄の花」「清らかさの象徴」と言われ、仏教では神聖視されてきました。仏像を安置する蓮華座も蓮の花です。

蓮(ハス)

  • 蓮(ハス)は東南アジア原産の草本性水生植物です。観賞用にも食用にもなるため世界中で育成されています。 蓮(ハス)は早朝に開花し、昼には閉じる花が美しく、世界中で愛されている花です。特に仏教では、泥の中から出てきて美しい花を咲かせるところから汚れのない花とされています。その他の宗教でも象徴的な意味合いを持つ花として愛されています。 蓮(ハス)の葉は円形または楕円形で薄く、長い葉柄をもち水面上1.5m以上になります。光沢は無く水を弾く特性があります。蓮(ハス)は、葉よりさらに上まで花茎を伸ばして咲きます。花色は桃色、白、黄色などがあります。チャワンバスと呼ばれる小型種は鉢栽培で親しまれています。 蓮(ハス)の根茎は日本人にも馴染みの深い蓮根(レンコン)です。日本では蓮(ハス)の食用部分と言えば主に蓮根(レンコン)ですが、他国では葉から茎まで食用とされます。蓮(ハス)の花の雄しべを緑茶と合わせた蓮茶も有名です。 日本で有名な蓮(ハス)の一つに大賀蓮(ハス)があります。大賀蓮(ハス)は2000年以上前に土の中に落ちた種を大賀一郎博士が発芽させたものです。2000年もの長い間発芽しなかった理由は蓮(ハス)のタネの外皮が非常に厚く、自然に発芽することがあまりないからと言われています。

フジバカマ

縁起のいい植物|フジバカマ

フジバカマはキク科の多年草。フジバカマは葉に桜餅を思わせるような芳香があるのが特徴です。この香りには邪気を払う力があると信じられ、貴族が乾燥させた葉を着物に忍ばせたり、蘭のように高貴な花とされていたと言います。

フジバカマ(藤袴)

  • フジバカマ(藤袴)は、東アジア原産のキク科の多年草で、秋の七草のひとつです。日本にも古くから自生し、万葉集、源氏物語、徒然草の中にも登場します。もともと自生していた地域が低地の川沿いの草地に多かったため、近年、洪水を予防するための河川改修や護岸工事がされたことにより、自生地の土壌が変化したことから自生できる地域が激減し、現在は環境省の準絶滅危惧種に指定されています。現在フジバカマとして流通しているものは、絶滅危惧種のフジバカマではなく、育てやすい近縁種です。 フジバカマ(藤袴)の花は、小さなピンクのつぼみが密集するようについていて、開花すると白い花になります。細長く密集しているため、咲き方はまるで線香花火の様にも見えます。

蘭(ラン)

気品あるコチョウラン。特に白のコチョウランは、その色から誠実なイメージがあり、相手への敬意と感謝の意味を込めて贈るのにピッタリです。

蘭はラン科の多年草。昔から高嶺の花として、手の届きにくい高級品でした。お正月に蘭を飾るのは、お正月には高級な花を飾って繁栄を祈願することに由来しているようです。特に胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」という花言葉から贈り物に好まれます。

コチョウラン(胡蝶蘭)

  • 胡蝶蘭(コチョウラン)は、名前の通りランの仲間で、花の色は白、ピンク、黄色などがあります。 熱帯地域が原産のため、寒さに弱い植物になります。そのため育てる際には注意が必要です。鉢植えと切り花の両方の楽しみ方がありますが、本来は着生植物です。根が出ているのは、湿度の高い地域で生育し、空気中から水分を吸収しようとしているためです。本来は2月~3月頃に開花しますが、現代では温室の利用により、年中花を咲かせることができます。「幸福が飛んでくる」を意味する花言葉を持つため、お祝い事や引っ越しなどに贈り物としてよく用いられます。

菊(キク)

縁起のいい植物|菊

菊はキク科の植物。お正月の花、仏事、祭事に欠かせない花です。その昔、中国では菊を不老長寿の薬草としていました。それが日本に渡ってきて、長寿や若返り効果を祈願する縁起のいい花と言われるようになったと言います。今でも重陽の節句に菊を飾ったり、菊酒を飲んで楽しんだりします。

キク(菊)

  • キクは皇室の紋にも使われている日本を象徴する花のひとつです。中国から奈良時代に伝わり、江戸時代に入ってから盛んに品種改良されるようになりました。こうしたキクを「古典菊」と呼び、「江戸菊」「嵯峨菊」「美濃菊」など地名を冠してカテゴリー分けされています。スプレーギク、ピンポンマムなど、イギリスを中心に欧米で生み出された小輪でたくさんの花をつけるキクは「洋菊」と呼ばれています。花弁の形状は様々。伝統的な白、黄色にはじまり赤、ピンク、オレンジ、複数の色を合わせたものなど数多くの品種があります。古典菊、洋菊どちらも丈夫で育てやすいのが特長。品評会を目指すもよし、色とりどりの寄せ植えにしてもよし、様々な楽しみ方ができます。

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縁起のいい植物|海外おすすめ9種

アマランサス

アマランサス

アマランサスはヒユ科の一年草。ヨーロッパにはアマランサスの花で作ったリースを身につけると姿が見えなくなるという伝承があるそうです。また、昔のギリシャでは不老不死の象徴とされ、お墓にアマランサスの花をまく習慣があったとも言われています。

アマランサス

  • アマランサスは、ヒユ科ヒユ属(アマランサス属)の夏から秋に開花する一年草です。花の咲き方は、垂れるように咲くユニークな形をしています。アマランサスと言ってもたくさんの品種があります。品種にもよりますが、背丈が高い花なので、自然に咲いている姿はとてもワイルドです。 アマランサスは、別名「ヒモゲイトウ」とも呼ばれ名前にケイトウがついていますが、ケイトウはヒユ科ケイトウ属、アマランサスはヒユ科ヒユ属(アマランサス属)なので、ケイトウとは植物分類が違います。 最近ではたくさんの園芸品種が流通していますが、元々はインカ帝国の時代から種を穀物として食用にされてきました。日本では最近の健康ブームにより、たくさんの栄養素を豊富に含む「スーパーフード」としてメディアに取り上げられる機会も増え、食材としても人気があります。

ヤドリギ

縁起のいい植物|ヤドリギ

ヤドリギはヤドリギ科の常緑半寄生植物。冬、落葉樹たちが葉を落とし、あたりが真白な雪景色になった頃、ヤドリギのグリーンは輝きます。冬の間も緑を絶やさないヤドリギは、生命力と永遠の命を象徴する植物でした。今でもクリスマスにヤドリギの枝を飾る習慣があります。

ヤドリギ(宿木)

  • ヤドリギ(宿木)は、樹木の枝に丸く球のように付着する、常緑の半寄生植物です。高木の枝の途中に30㎝~100㎝くらいの緑色の球体となって寄生します。冬に公園やゲレンデなど広い場所で落葉した樹の枝にグリーンの大きなマリモのような塊を見たことはありませんか。冬の落葉樹に寄生している姿が有名ですが、常緑樹にも寄生します。 ヤドリギ(宿木)はそんなに珍しい植物ではありません。国内では、沖縄以外の至るところで見かけられます。落葉樹の葉がなくなる冬に、高木の上の方の枝で見かけることが出来ます。ヤドリギ(宿木)は街中の公園や街路樹にも寄生しています。少し注意深く周りを観察すると、意外なところに生えています。

セイヨウニワトコ(エルダーフラワー)

縁起のいい植物|エルダーフラワー

セイヨウニワトコはスイカズラ科の落葉高木。昔からヨーロッパでは万病に効くとされ、珍重されてきました。生長が早いことから、「精霊が住む木」と考えられ、不死の象徴ともされてきたそうです。エルダーフラワーの花を煎じてお茶にしたり、秋に熟す実でシロップを作ったりと、今でも利用されています。

エルダーフラワー

  • エルダーフラワーは、5~6月頃になると白色の花を咲かせます。花は枝先に咲き、3~4mm位の大きさです。葉は卵型で、縁はギザギザになっています。背丈が高く、10mくらいに生長することもあります。 エルダーフラワーは、7月頃から9月にかけて黒い実がなります。エルダーフラワーの花には、マスカットのような香りがあり、秋に収穫した実はジャムなどを作ることができます。また葉、枝、根は薬としても効果があるのでハーブとしても利用されています。

アーモンド

縁起のいい植物|アーモンド

アーモンドはバラ科の落葉高木。桜が咲く頃に枝いっぱいにピンク色の花を咲かせます。その昔ヨーロッパでは聖なる木とされ、宝物を探すときなどはアーモンドの枝で占ったと言います。また、「不滅の愛」や「幸せな結婚」を象徴する木ともされてきました。

アーモンド

  • アーモンドは樹高5m程になるバラ科モモ属の落葉高木です。アーモンドの花は葉よりも先に展開し、3~4月にかけて桜に似た3cmほどの花を枝いっぱいに咲かせます。花色は濃いピンクから白色で花びらの先に小さな切れ込みがはいっており、アンズや桃の花によく似ています。 アンズやウメ、モモの近縁種ですが果肉は薄く食用にはできません。私たちが通常アーモンドと言って食べているのは種子の殻の内側の「仁」と呼ばれる部分です。 日本で流通しているアーモンドのほとんどがアメリカのカリフォルニアから輸入されています。アメリカ以外では地中海沿岸の国々やオーストラリアでも栽培されています。アーモンドは湿度が苦手で乾燥を好む植物です。栽培地は開花から収穫までほとんど雨が降らない乾燥した環境なので、木についたまま成熟、収穫できます。 アーモンドの実は梅雨や台風が多い日本の気候ではあまりたくさんは収穫できません。ほとんどの実が落ちたり腐ったりしてしまいます。うまく8月中旬ごろまで木に付いたものがあれば、徐々に果肉部分が割れてきますので果肉を取り除いて殻付きのまま4~5日陰干しします。アーモンドは果肉部分が割れたらすぐに収穫しないと、カビが生えたり虫が入って食べられなくなるので注意しましょう。アーモンドの食べ方は、硬い種子の殻を割って中の仁を取り出し、フライパンで炒って食べます。

マートル(ギンバイカ)

縁起のいい植物|マートル

マートルはフトモモ科の常緑低木。古来より神聖視されてきた木で女神アフロディーテの神木とされ、花嫁たちはマートルの葉で衣装を飾り付けたそうです。また、「権威」と「名誉」の象徴とされ、昔のアテネの裁判官はマートルを身に着けたと言われています。

ギンバイカ(マートル)

  • ギンバイカ(マートル)は地中海沿岸原産の常緑低木です。春に花びらが5枚の梅に似た花を咲かせるところから、和名を銀梅花(ギンバイカ)と言います。ハーブとして扱われる場合は「マートル」という名前で流通しています。 冬にはオリーブに似た黒い果実を付けます。光沢のある明るいグリーンの葉には芳香があり、ハーブとして肉料理などに利用される他、ギンバイカ(マートル)の精油も人気があります。ギンバイカ(マートル)は古代ギリシャを始め、ヨーロッパでは昔から神聖な樹とされてきました。「祝いの木」とも言われ、ヨーロッパでは昔から結婚式で使用されてきました。日本でも枝もの花材として流通しています。 常緑で葉の密度も高いことから生垣としてもよく利用されます。斑入りの品種「バリエガタ」は、より柔らかい印象を与えます。また、樹高が1mほどで、葉も小さく比較的コンパクトに栽培できるヒメギンバイカ(姫銀梅花)という品種もあり、別名ドワーフマートルとも呼ばれています。 同じフトモモ科の植物にギンバイカ(マートル)と名前が似ているレモンマートルがありますが、ギンバイカ(マートル)はギンバイカ属、レモンマートルはバクホウシア属の別の植物です。

月桂樹

縁起のいい植物|月桂樹

月桂樹はクスノキ科の常緑高木。月桂樹は花や葉に芳香を持つことから、ヨーロッパでは魔除けや浄化の力を持つ木とされ、昔から神聖視されてきました。またアポロンが好んだことから葉で編んだ月桂冠は勝者に送られる象徴ともなりました。

月桂樹(ゲッケイジュ・ローリエ)

  • 月桂樹(ゲッケイジュ・ローリエ)は株元から枝分かれして株立ち状になり、10mを超えることもある常緑の高木です。葉は厚くて硬くつやがなく、花後に新枝がぐんと伸びます。雌雄異株ですが日本で見かけるのは雄株が多いようです。春にポンポンのような薄黄色の花を咲かせ、秋には紫色の8~10ミリくらいの実をつけます。葉は独特の芳香があるので、ローリエやローレルの名で料理の香味料として特に煮込み料理などに使用されます。月桂樹(ゲッケイジュ・ローリエ)は排水性がよい肥沃な暖地でよく育ちます。耐陰性もあり刈り込みにも耐えるので庭園や公園などにも広く植えられています。

セイヨウボダイジュ(リンデン)

縁起のいい植物|リンデン

セイヨウボダイジュは昔からヨーロッパで霊力を持つ神聖な木と信じられてきました。裁判や誓いを立てる儀式、結婚式などがこの木の下で行われたと言われています。

ブドウ

縁起のいい植物|ブドウ

ブドウはブドウ科の落葉つる性木本。歴史の古い果実で多くの伝承があります。昔から、豊穣、祝祭の象徴として扱われてきました。また、モーゼの約束の地を象徴する植物ともされています。

柳はヤナギ科の落葉樹。春に一斉に芽吹く様子が生命力の強さを感じさせるとして中国では邪気を払う霊木として神聖視されてきました。柳の枝を玄関に飾ったり、旅立つ人に持たせたそうです。

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好みの縁起のいい植物は見つかりましたか。植物にまつわる伝承とともにご紹介しました。何かの参考になれば幸いです。

 

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山田智美

植物が好きで好きで、植栽設計、ガーデナー、生花店勤務を経て現在は、フリーランスの花屋「花や蜜」として活動中。「てのひらに森を」がテーマの花屋です。森の中にいるような、見ているだけで力が抜けていくようなお花を作り続けたいと思ってます。街中で突然お花を配る、「花ゲリラ棘」というゲリラ的花配り活動も不定期決行しています。

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