消石灰(しょうせっかい)ってなに?使い方や注意点、酸度調整以外の使い方
LOVEGREEN編集部
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土の酸度調整に使われる石灰のうちの一種「消石灰」は、以前学校のグランドでラインを引くときに使用されていたこともありますが、目に入ると失明の恐れがあるため、現在では炭酸カルシウムがラインを引きに使用されています。
今回は正しい消石灰の使い方や注意点、意外な使用目的をご紹介します。
目次
消石灰(しょうせっかい)とは
消石灰(しょうせっかい)とは、元々は石灰石からできており、以下のように加工をされて作られています。
消石灰(しょうせっかい)が出来るまでの3ステップ
1 石灰石を粉砕したものが重質炭酸カルシウム(CaCO3)。
2 砕いた重質炭酸カルシウムを炉で焼成したものが生石灰(CaO)。
3 生石灰に加水して消化、熟成させたものが消石灰(Ca(OH)2)。
石灰の種類
園芸で使われる石灰は主に3つあります。
消石灰(しょうせっかい)
石灰石を砕いたものを炉で焼成し、加水して消化・熟成させたもの。
苦土石灰(くどせっかい)
アルカリ分だけでなく肥料の5要素の中の一つ「マグネシウム(苦土)」を含みます。
有機石灰(ゆうきせっかい)
牡蠣殻などの貝殻化石を原料とする石灰肥料のことです。使用されるものによってアルカリ分が異なります。消石灰や苦土石灰よりもアルカリ分が少なく、効果も穏やかなため速効性はありませんが、有機石灰を撒いた後すぐに種まき・定植ができるため石灰を使い慣れていない初心者さんにはおすすめの石灰です。
消石灰(しょうせっかい)の使用目的
illustration:小野寺 葉月
雨が多い日本では土の中の石灰(カルシウム)や苦土(マグネシウム)が流出してしまうため、とても酸性に傾きやすいといわれています。
しかも、ほとんどの野菜はpH6.0~6.5の弱酸性を好みますので、消石灰などを使用して酸性に傾いた土壌を改良する必要があるというわけです。
消石灰(しょうせっかい)の使い方
園芸における消石灰は酸性に傾いた土壌の酸度を弱酸性に整える働きがありますが、冒頭でも紹介した通り取り扱いには注意が必要です。
酸度チェック
酸度とは、単位はpH。酸性・中性・アルカリ性を数値によって表します。この土の酸度は環境により変わりますので、実際に石灰を施す前に酸度を測る必要があります。
PH測定に挑戦
準備するもの
蒸留水…バッテリー補充液1Lで200円前後、なければ水道水でもある程度の精度で測定できます。
測定液…700~2000円、もしくはpH試験紙…300~800円
測定する土は、地面から5~10cmの深さを移植ゴテで採取し、土:蒸留水=1:2.5の割でよく混ぜ、30秒後上澄み液で測定液やpH試験紙で測定します。
その他に、土に水を含ませて酸度を測定する機器もありますので、お近くのホームセンターでお買い求めください。
畑の雑草で酸度を見分ける
酸度を測るのはちょっとハードルが高いと感じている方には、下記の雑草が生えていると酸性に傾いていることが考えられるそうなので、ご自身のお庭に生えている雑草に注目してみてください。
スギナ
オオバコ
その他にも、ハハコグサ、カヤツリグサ、スイバ(イタドリ)などがたくさん生えていたら、酸性に傾いているかもしれませんね。
酸性土壌の改良
illustration:小野寺 葉月
さて、いよいよ酸性に傾いた土壌を改良するために消石灰を投入します。この時注意したいのは、消石灰の入れすぎ。
例えば、ジャガイモはアルカリ性に傾きすぎると「そうか病」にかかりやすくなります。極端な消石灰の入れすぎには注意しましょう。
スコップ・クワ・レーキを使って30cmほど土を掘り返します。
通常の目安は1㎡当たり100g程の消石灰を投入します。使用する消石灰の使用量を参照ください。
分量に自信のない方は牡蠣殻のような有機石灰をおすすめします。有機石灰は多少入れすぎてもアルカリ性に傾きすぎることなく、それ以上は土壌中に溶け出さない性質を持っているので初心者の方に安心です。
また、有機石灰以外の石灰は肥料・堆肥(肥料込)と一緒になると窒素がアンモニアガスとなって消失してしまうので、遅くとも肥料・堆肥(肥料込)を投入する1~2週間前には消石灰を入れ土に馴染ませておきましょう。
\消石灰の利用方法や注意点をチェック!/
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