ザクロの育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ザクロ
- 学名
Punica granatum
- 英名
- Pomegranate
- 和名
- 柘榴、石榴
- 科名
- ミソハギ科
- 属名
- ザクロ属
- 原産地
- 地中海沿岸~ヒマラヤ地方
ザクロの特徴
ザクロは、ミソハギ科ザクロ属の落葉高木です。夏に咲くオレンジ色の花も、秋に熟す実も観賞用とされています。また、実は食用になり、生食ができる他、ジュースや果実酒にして楽しめます。
ザクロは、幹や枝が細く、灰褐色で、光沢のある明るいグリーンの小さな葉をつけます。枝に小さなトゲがあるのも特徴です。日当たりが良ければ花付きが良く、実もたくさん収獲できるので、昔から庭木として好まれてきました。八重咲きの花を咲かせるハナザクロと呼ばれる種類は、結実しませんが花が美しいので観賞用として人気があります。他にも、ヒメザクロや一才ザクロと呼ばれる樹高30~50cm程度の矮性種もあります。
ザクロの花が咲くのは初夏、肉厚なオレンジ色のガクの間から飛び出すように鮮やかな赤に近いオレンジ色の花びらを広げます。花後に雨が降ることが多く、木の周辺にタコウィンナーを思わせるオレンジ色のガクが落ちているのを見かけます。ザクロの実は、直径5~10cmほどの赤褐色やオレンジがかった赤色のボールのような果実で、熟すと果皮が裂けて果肉が見えるようになります。なかには半透明で赤紫色の果肉がたくさん入っています。この小さな果肉は一つの果実に多いと800粒も含まれているといわれています。
ザクロの詳細情報
園芸分類 | 果樹 |
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草丈・樹高 | 30cm~7m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | オレンジ、朱色、白 |
開花時期 | 6月~7月 |
ザクロの花言葉
長持ちするザクロの保存方法
ザクロがたくさん収穫できたら、上手に保存して、長く楽しみましょう。
ザクロは、果皮をむかずに、常温で保存できます。冷蔵庫などの涼しい環境で保存すれば2ヶ月近く楽しめます。果皮をむいてしまったものは、傷みやすいので、ジャムや果実酒に加工して楽しむようにしましょう。冷凍すると、せっかくの果肉の水分が抜けてしまうので、冷凍保存は避けてください。
ザクロの食べ方、楽しみ方
ザクロは生食できます。果皮をむいて、そのまま小さな果肉部分を食べます。甘酸っぱく、みずみずしい食感を楽しんでください。中の小さな種は飲み込んでしまって問題ありません。また、サラダに散らしたり、肉料理のソースに加えたり、彩りとして添えたりして使用します。他にもジャムやジュース、シロップ、果実酒に加工して楽しむことができます。
ザクロの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
ザクロの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通しが良い環境を好みます。
用土
水はけが良い土を好みます。痩せ地でも育つ強健な植物なので、用土はあまり選びません。
鉢植えは、市販の園芸用培養土で問題なく育ちます。
ザクロの育て方のポイント
水やり
地植えは、根付いてからは特に水やりの必要はありません。乾燥が続くようなときは、様子を見て水やりしてください。
鉢植えのザクロは、表土が乾いたら鉢底から水が出てくるくらいたっぷりと水やりしましょう。
肥料
特に追肥の必要はありません。ただし、何年も庭に植えたままで土が痩せているようであれば、有機肥料を適宜施します。
病害虫
風通しや日当たりが悪いと稀にカイガラムシが付くことがあります。
ザクロの詳しい育て方
選び方
ヒメザクロや一才ザクロのような矮性種や、結実しないハナザクロなどの観賞用の種類があります。好みに合わせて選んでください。
実の収穫を楽しみたい場合は、大実の品種を選ぶようにしましょう。
種まき
ザクロの種は、秋にとりまきします。発芽率は良いので、半透明の果肉部分は取り除かなくても問題ありません。本葉が2枚以上出てきたら間引き、細い木のような幹になってきたら鉢上げしましょう。
植え付け
植え付け適期は、厳寒期を避けた12月~2月です。休眠期の植え付けは、根を傷つけないように、根鉢を崩さずに植え付け、根と土がなじむようにたっぷりと水やりします。
仕立て方
主幹が細い樹木なので、まだ若木のうちは風で倒れてしまうこともあります。必要に応じて支柱を立てるようにしてください。
剪定・切り戻し
剪定は、休眠期である12月~2月に行います。ザクロは枝先に花芽をつけるので、あまり強い剪定はしないようにしましょう。ただし、枝が横に広がり暴れるので、数年に一度は強めの剪定をして樹形を整えます。
植え替え・鉢替え
植え替えは、12月~2月の休眠期に行います。根を傷つけないように気をつけて、植え替え後はたっぷりと水やりしましょう。
花
ハナザクロ
夏にオレンジ色、朱色、黄色がかった白の花を咲かせます。ハナザクロの花は一重咲きから八重咲きまであります。
実の収穫を楽しめるザクロの花は一重咲きです。
収穫
ザクロの果実は、秋に熟します。オレンジ色の硬い果皮の中に、数百粒の赤紫色の果肉が入っています。ザクロのオレンジ色の硬い果皮が不規則にひび割れてきたら食べ頃です。
夏越し
夏は生育期です。特に必要な夏越しの作業はありません。
冬越し
落葉して越冬します。特に必要な冬越しの作業はありません。寒冷地で霜が多いようであればマルチングを施すようにしましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
種まきでも挿し木でも増やせます。