ソテツ(蘇鉄・そてつ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ソテツ(蘇鉄・そてつ)
- 学名
Cycas revoluta
- 英名
- Japanese sago palm
- 和名
- 蘇鉄
- 科名
- ソテツ科
- 属名
- ソテツ属
- 原産地
- 日本(沖縄、南西諸島)、東南アジア
ソテツ(蘇鉄・そてつ)の特徴
ソテツ(蘇鉄)は沖縄の南西諸島に自生し、5mほどになる常緑低木です。株元や幹の途中から芽を吹きますが、枝分かれは殆どありません。幹の先には束上になった長さ1mほどの厚くて艶のある羽状の葉をつけ、幹肌には葉が落ちた跡が模様となって残ります。雌雄異株で生長は極めて遅く、春に新葉を展開して1年にわずか2~4㎝の幹を伸ばします。雌花は幹の先につき長さ4㎝ほどの赤い種子が出来ます。雄花は葉の上に抜き出て50~70㎝ほど伸び、花粉を散らした後に枯れて折れてしまいます。暖地では庭木や公園、街路だけでなく記念樹として学校や寺院、官公庁などにもよく植えられます。
ソテツ(蘇鉄・そてつ)の詳細情報
園芸分類 | ヤシ・ソテツ類 |
---|---|
草丈・樹高 | 3~10m程度 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 黄褐色 |
開花時期 | 6月~8月頃 |
蘇鉄地獄とは
第一次世界大戦後の杏黄旗とそれに続く長期不況、砂糖の価値の暴落にともなって、沖縄県民が陥った極度の生活難をさす言葉です。有毒なソテツ(蘇鉄)の実を食べてでも飢えしのいだことから名づけられました。有毒なソテツ(蘇鉄)の種子ですが、皮をはいで時間をかけて十分に水にさらし発酵させ、乾燥させて処理をすれば食用になります。ただし毒抜きが不十分だと死にいたる危険があり本来は食用に適しません。
ソテツ(蘇鉄)の名前の由来
ソテツは漢字で蘇鉄とかきます。これは中国で木が弱った時に株元に釘を打ち込んだり根に金くずをやると樹勢が回復する、という言い伝えから名づけられました。中国では「鉄樹」という名でよばれます。学名の「Cycas」はヤシに似た植物という意味です。
化石植物、どうしてソテツ(蘇鉄)が生き残ったか?
ソテツ(蘇鉄)は1億5千万年以上前のジュラ紀に全盛をきわめ地球上を繁茂していたようで、化石が多く残っています。そのソテツ(蘇鉄)が(今では細々とですが)どうして今まで生き残ったか?という疑問にはいろいろな考え方がありますが、ソテツの仲間は年に数cm、葉が新しく展開した分だけしか伸びないので他の樹木と競争になると光のとりあいなどでは負けてしまいがちです。しかしそれでも現代まで生き延びているのは強風が吹く場所や他の樹木が生き延びられないほどのやせ地や、乾燥地でも生きられるように進化してきたからと考えられます。実際ソテツの根はシアノバクテリアが根に住んでいるため珊瑚のように根が太くなりました。このシアノバクテリアは空気中の窒素分を固定するのでソテツ(蘇鉄)にとっては肥料になり、やせ地でも生きていくことが出来ます。
ソテツ(蘇鉄・そてつ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
増やし方 | ||||||||||||
開花 |
ソテツ(蘇鉄・そてつ)の栽培環境
日当たり・置き場所
ソテツ(蘇鉄)は日当たりを好みます。日当たりのよい南向きの場所が理想的です。
用土
ソテツ(蘇鉄)は土質はあまり選びませんが、水はけのよい砂質土壌を好みます。鉢植えの場合は観葉植物として売られている土で良いでしょう。
ソテツ(蘇鉄・そてつ)の育て方のポイント
水やり
ソテツ(蘇鉄)は乾燥に強いので地植えではほとんど水やりの必要はありません。鉢植えの場合も土が完全に乾いて、鉢が少し軽くなって水やりをします。冬場の水のやり過ぎに注意しましょう。
肥料
地植えのソテツ(蘇鉄)は施肥の必要はほとんどありません。鉢植えのソテツ(蘇鉄)は4~5月ごろの生長期に緩効性の化成肥料を株元に少し施すほどで十分です。
病害虫
ソテツ(蘇鉄)は殆ど病害虫の被害は見られませんが、熱帯アジアに分布しているクロマダラソテツシジミが新芽に産卵し、その幼虫がソテツ(蘇鉄)の新芽を食害する事があります。
熱帯の地域にしか分布していなかったクロマダラソテツシジミですが、最近では分布の地域が広がり関東でもその被害が確認されています。
ソテツ(蘇鉄・そてつ)の詳しい育て方
選び方
ソテツ(蘇鉄)を選ぶ時は幹に傷のないものを選びましょう。葉先が変色していたり、粘土のような土に植わっているものはよい環境で育ったとは言えません。葉色が濃く全体にがっしりした苗を選びましょう。
種まき
ソテツ(蘇鉄)の種は一粒が大きいので種まき前に48時間は水につけておきましょう。種まき培土には底に排水用のゴロ石を入れてバーミキュライトを使用します。種は土に埋めてしまわず、土に置く程度にし発根するのが把握できるようにします。発根するまでは常に乾かさないように注意しましょう。
植え付け
ソテツ(蘇鉄)は日当たりのよい南向きの場所が理想的です。また水はけのよい場所を好みますので少し高植えにしましょう。大株の場合は根付くまで支柱をしておきましょう。
剪定・切り戻し
ソテツ(蘇鉄)は生長が遅いため、剪定するほど丈が伸びず、また枝分かれもしないため剪定の必要はありません。古くなって茶色く葉が垂れさがるのが気になる場合は変色した葉を付け根から切り取りましょう。
花
ソテツ(蘇鉄)は6~8月ころに黄褐色の花を開花させます。
夏越し
ソテツ(蘇鉄)は暑さに強い植物なので夏越しの特別な準備はありません。
冬越し
ソテツ(蘇鉄)は寒さに弱く、しっかりと防寒対策をしましょう。11月頃から藁などを幹にまくなどの防寒対策をしましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ソテツ(蘇鉄)は種子から増やすことができます。
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