ローズマリーとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ローズマリー
- 学名
Salvia rosmarinus
- 英名
- Rosemary
- 和名
- マンネンロウ
- 科名
- シソ科
- 属名
- アキギリ属
- 原産地
- 地中海沿岸
ローズマリーの特徴
ローズマリーは、地中海沿岸地方原産の常緑性低木のハーブ。全草に爽やかな芳香があり、薬用、料理やお茶、化粧品、香料として幅広く利用されています。
ローズマリーは、肌のターンオーバーを促す効果や疲労回復、血行促進などに効果があると言われています。体調を崩した中世ハンガリーのエリザベート王妃がローズマリーのハーブチンキを使用したところ、元気と若さを取り戻し、ポーランド王に求婚されたことから「若返りの妙薬」「若返りのハーブ」などの別名があります。
近年は、ローズマリーの香りが脳を活性化し、認知症予防に効果的であることがメディアで紹介され、介護の現場などでも使われています。
性質は非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。刈り込みにも耐えるため、生垣などにも利用されます。ハーブの花の中では比較的開花期間が長い部類で、品種によって多少違いがありますが、晩秋から初夏に枝先に小さなかわいらしい花を咲かせます。花の色は青紫のほか、ピンクや白があります。そのほか葉を楽しむ品種として斑入り種も流通しています。
ローズマリーの詳細情報
園芸分類 | ハーブ |
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草丈・樹高 | ~2m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 青~紫系濃淡、ピンク、白 |
開花時期 | 11月~5月(品種によってはそれ以外の時期にも開花する) |
ローズマリーの花言葉
ローズマリーの選び方|用途に合った品種を選ぼう
木立性ローズマリー
ローズマリーは非常にたくさんの品種があり、同じローズマリーでも生長の仕方もいくつかの種類に分けられます。植え付ける場所や用途に合わせて品種を選びましょう。
生長タイプでローズマリーを選ぶ
左・ローズマリー木立性
右・ローズマリーほふく性
ローズマリーの生長タイプは大きく分けると木立性、ほふく性、その中間的な半ほふく性の3つに分類されます。上の写真のように木立性とほふく性では、見た目がかなり違います。木立性は上に伸び、ほふく性は地を這うように伸びるので、グランドカバーや花壇の縁などにも利用されています。
また、品種によって花色や耐寒性も違います。生長の仕方と花色の好み、お住いの地域の耐寒性を考えた品種選びが大切です。
ローズマリーを用途で選ぶ
料理やお茶など、食材として利用するためのローズマリーが必要な場合は、品種名と利用用途(食用か観賞用か)がきちんと書かれている苗を選ぶと安心です。香りや香りの強さも品種によって微妙に違います。
ローズマリーを花色、葉の色で選ぶ
観賞用の庭木としてローズマリーを植栽する場合には、花の色や葉の色をよく見て、好みの品種を選びましょう。最近は斑入りのローズマリーも流通しています。
ローズマリーの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け・植え替え | ||||||||||||
開花(品種によってはこれ以外の時期にも開花) | ||||||||||||
収穫 |
ローズマリーの栽培環境
日当たり・置き場所
ローズマリーは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。半日陰程度なら栽培可能ですが、日当たりは花つきに影響します。
温度
耐寒性は品種によって若干違います。寒冷地は、耐寒性の強い品種を選びましょう。
用土
水はけの良い土が適しています。ローズマリーは酸性土壌を嫌うため、土が酸性に傾いている場合は有機石灰などで酸度調整をしましょう。
鉢植えのローズマリーは、市販のハーブ用培養土で問題なく育ちます。
ローズマリーの育て方のポイント
水やり
地植えは、根付いてからの水やりは降雨に任せます。
鉢植えは、土の表面が乾いてきたらたっぷりと与えましょう。完全に水を切らしてしまうと、葉がぽろぽろと落ちて枯れていきます。
肥料
ローズマリーはやせ地でも育つ植物なので、肥料はほぼ不要です。植えつけ時に元肥を控えめに施す程度で十分です。生長の様子を見ながら、与えるか判断しましょう。
なお、培養土を使用する場合は、最近は元肥入りの商品が多いため、肥料が入っているかを確認してから元肥を入れるか判断しましょう。
ローズマリーの詳しい育て方
植え付け
ローズマリーの植え付けは、真夏と真冬を避けた春か秋が適時です。苗は、ポット苗サイズから流通しています。3号ポット苗で購入した場合は、最初の数年は鉢植えで栽培し、少しずつ鉢を大きくして苗木を育ててから地に下ろしましょう。
仕立て方
ローズマリーの生長タイプは、 生長タイプが木立性とほふく性、半ほふく性の3種類があります。
木立性のローズマリーは上に生長しますが、ほふく性のローズマリーは、這うように生長します。この性質を利用して、花壇の縁取りや斜面などに植えると効果的です。また若い苗のうちは、ハンギングなどに植えても見栄えがします。
剪定・切り戻し
ローズマリーは過湿や蒸れが苦手です。梅雨や長雨の時期は、混み合っている枝は剪定し、風通し良く管理しましょう。
剪定した枝は料理に使ったり、リースやスワッグなどのクラフトに利用できます。また、水挿しでも発根するので増やすこともできます。
ローズマリーの剪定のポイント
剪定するときは、必ず新芽が芽吹いている上をカットしましょう。この新芽が次の枝として生長します。
株元の木質化した部分からは新芽は出てきません。木質化した部分で剪定すると次の芽が出ないので注意しましょう。
植え替え・鉢替え
ローズマリーは移植を嫌います。一度植えたら植え替えはしないようにしましょう。
鉢植えのローズマリーは、2~3年に1回、根詰まりを起こしているようであれば1~2回り大きな鉢に植え替えます。
花
ローズマリーの花は品種によって開花時期が違いますが、主な開花時期は晩秋から初夏にかけてです。ハーブ類の中では、開花期間が長いもののひとつです。
収穫
ローズマリーは通年収穫可能です。生で利用する場合は使うごとに摘み取りましょう。
生でも乾燥しても使うことができますが、それぞれ香りに違いがあるため、料理の内容や好みで使い分けられています。また、複数のハーブを組み合わせたブーケガルニやハーブソルトの材料としても使われます。
冬越し
耐寒性があるため特別な対策は必要ありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ローズマリーは、挿し木と水挿しで増やすことができ、春から初夏と秋が適時です。
挿し木は、土に挿す部分の下葉は取り去り、挿し木用の土に挿して土を乾かさないように管理すると簡単に発根します。
水挿しは、水に挿す前に下葉は取り、水に挿して直射日光の当たらない風通しの良い場所で管理するとしばらくすると発根します。
発根した挿し木・水挿しとも、すぐに地面に下ろさずポットに植え付けて育苗しましょう。
楽しみ方がいっぱい!ローズマリーの利用法
ローズマリーは、料理やアロマ、掃除、お風呂、クラフトなど、暮らしの様々なシーンで利用できるハーブです。枝が混みあわないように適度に剪定しながら、剪定枝を上手に利用してみましょう。