- わさびは北海道から九州の山野に自生している日本原産といわれている植物です。
日本人は、古くから自生しているわさびを採取して使用していました。
わさびはアブラナ科の多年草で、春に芽を出し葉茎が伸びて、初夏に開花し、実を付けます。夏の高温期生長が衰え、秋に再度茎葉が生育して根茎が肥大し、冬に生育が止まる。このサイクルを繰り返しながら、年々根茎を肥大させていきます。わさびの栽培方法は、「沢わさび」と「畑わさび」と育てる場所によってわさびの状態が違います。
沢わさびは根茎がしっかり肥大しますが、畑わさびの方は根茎の肥大が少ないため、葉や茎を食する葉わさびとして野菜感覚で収穫されます。(こちらの育て方では、主に畑わさびの作り方をご紹介します。)
畑でわさびを栽培する場合は、1年目の秋に苗を植え、3年目の初夏に収穫するという長い間かけて栽培します。
このわさびの栽培で大切なのは、強い日差しを避けることです。木漏れ日程度の光と、気温は30℃以下にとどめます。涼しく、光が差し込む程度で湿り気があっても、排水性に優れた環境を好むのがわさびの特性です。
わさびを使う料理の代表格として寿司や刺身が有名ですが、わさびのピリリとした辛みがお醤油と共に魚の旨味を際立たせます。味だけでなく、わさびは強い殺菌力があることでもよく知られています。このわさびの強い殺菌力のおかげで生魚の腐敗を防ぐ効果があるのです。
- ワケギ(分葱)はネギによく似た形状をしていますが、ネギと玉ねぎ(エシャロット)の交雑種です。その証拠に根元の部分が少しふっくらとしています。
薬味として食卓によくのぼるネギ属の植物で、育てやすく何度も収穫できることから、野菜の栽培入門として初心者の方におすすめです。 秋に球根を植え付けておけば、あとはほとんど放置していてもどんどん生長してくれます。
一般的なネギは種で育ちますがワケギ(分葱)は鱗茎から増える野菜です。そのため、ワケギ(分葱)の名前の由来が株分けで増えていくことから「分葱」と名付けられられたようです。
ネギと同じように、ワケギ(分葱)も根に病原菌の拮抗微生物が共生しています。この拮抗微生物は、土壌における病害を防ぐことができるうえ、独特なワケギ(分葱)の臭気が害虫を遠ざけるため、コンパニオンプランツとして他の野菜と混植することができます。混植する作物の例として、ウリ科、アカザ科、ナス科などの野菜と相性が良いようです。
- ギザギザとした大きな葉の「わさび菜」は、九州の在来種「からし菜」から育成された品種です。
名前には「ワサビ」とついてますが、お寿司などに使われるワサビ属とは違う種類の野菜です。
ピリッと辛いワサビ風の味ですが、強い辛みはないため、風味のある葉物野菜として近年人気のある野菜です。生食でも、火を通しても美味しくいただけます。
一年を通して市場に出回りますが、長日条件でとう立ちすることから、栽培に適しているのは秋まきです。秋にまいて、外葉から収穫することで長い間楽しめます。
春にまいたわさび菜は、とう立ちしやすいために、丸ごと収穫することで品質を保てるでしょう。