赤紫蘇(あかじそ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
赤紫蘇(あかじそ)
学名

Perilla frutescens var. crispa f.purpurea

和名
赤紫蘇
別名・流通名
アカシソ
科名
シソ科
属名
シソ属
原産地
中国

赤紫蘇(あかじそ)の特徴

シソは、日本にも古くから自生している一年草。葉が柔らかく、とても爽やかな良い香りがします。中国の後漢末期の名医「華佗」が、食中毒を起こしていた人を紫の葉のシソを使って治療して蘇らせたことから、紫の蘇る薬草ということで「紫蘇」と名付けられたと伝えられています。漢字で紫蘇と書くように、本来はシソと言えば赤紫蘇のことでしたが、最近はシソというと青紫蘇(大葉)のことを想像する方の方が多いようです。

青紫蘇は、葉を一枚単位で収穫するのに対して、赤紫蘇は梅干しや紅ショウガの色付け、シソジュースの材料など、ある程度まとめて収穫するのが一般的です。

草丈約70~80cm位まで育ち、たくさんの葉が茂り、次々と脇芽が出てきます。8月~9月頃にはピンクの小さな花が咲き、花がらを摘まないでいると種ができます。翌年以降はこぼれ種でも育つので、思いもよらない場所から芽が出ることがあります。育てやすいため、家庭菜園でも定番人気です。

赤紫蘇(あかじそ)の詳細情報

園芸分類 野菜
草丈・樹高 70~80cm
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
花色 ピンク
開花時期 8月~9月頃

赤紫蘇(あかじそ)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
収穫

赤紫蘇(あかじそ)の栽培環境

日当たり・置き場所

赤紫蘇は日当たりの良い場所から半日陰まで栽培可能ですが、光が足りないと徒長したり、葉の色、香りなどが悪くなります。基本的に光が必要ですが、強い日差しだと葉が固くなります。

温度

赤紫蘇の生育適温は20~23℃です。

用土

プランターで栽培する場合は、野菜用の培養土で育てましょう。赤紫蘇は湿った土を好み、乾燥するとしおれ、葉が傷む原因になるので水切れに注意しましょう。

畑栽培の赤紫蘇は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。

窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。

なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。

赤紫蘇(あかじそ)の育て方のポイント

水やり

赤紫蘇は乾燥した土地を嫌い、やや湿り気のある土壌を好みます。

畑栽培は、地面が割れるくらいの日照りが続いた場合は水やりが必要ですが、基本的には降雨に任せて問題ありません。

プランター栽培は、鉢の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。

肥料

肥えた土なら無肥料でも育ちますが、肥料が切れると葉が固く香りが弱くなります。また、化学肥料が多く有機質が不足している土だと、窒素分が多すぎて香りが弱くなることがあります。

病害虫

新芽の部分は、アブラムシに食べられやすいため、窒素肥料の与えすぎには注意しましょう。

赤紫蘇の生育期は、ベニフキノメイガの活動期となるため、葉の上に小さな黒いフンが落ちていないか、葉が食害されていないか観察しましょう。見つけ次第捕殺して、被害が広がらないようにしましょう。

また、葉の液を吸うハダニにも注意が必要です。特に梅雨明けの乾燥した日が続くと、ハダニが発生します。適度に葉水を与え、ハダニを予防しましょう。

日頃から風通しを良くすること、虫に食われていないかを日々チェックすることが大切です。

赤紫蘇(あかじそ)の詳しい育て方

選び方

葉の色が美しく、株がしっかりして虫食いのない苗を選びましょう。

赤紫蘇の葉の形は、葉の切れ込みが浅いものや葉の切れ込みが深いちりめん系があります。また、葉の表裏が赤のものをはじめ、葉の表は緑、裏が赤の裏赤紫蘇などいくつかの品種があります。好みの品種を選びましょう。

種まき

種まきの時期

赤紫蘇は充分地温が高くなってからでないと発芽しない可能性があります。通常発芽までに10~15日ほどかかります。種の皮が硬くて水分を吸収しにくいので、種を一晩水につけて吸水させてからまくと発芽しやくなります。発芽まで土を乾燥させないように注意して管理します。

種の性質

好光性種子のため発芽する際に光を必要とします。用土は軽くかぶせる程度にして光の当たる場所に置いておくと発芽しやすいでしょう。

植え付け

苗は5月頃に15~30cmくらいの間隔で植え付けます。日当たりの良い場所から半日陰まで栽培可能ですが、光が足りないと徒長したり葉の色、香りなどが悪くなります。基本的に光が必要ですが、光が強すぎると葉が固くなります。

5月の上旬に植えた青紫蘇や赤紫蘇が収穫できるようになるのは、早くても6月後半あたりからです。それまでは苗を育てる期間です。植え付けてすぐに摘み取ってしまうと、生育が鈍り、株の見た目も不格好になります。しばらくは育てることに専念しましょう。

摘芯(摘心)・摘果

青紫蘇で摘心のやり方をご紹介します。

葉菜類とハーブ類は(植物の性質や育ち方にもよります)、主に3~5節目くらいで主枝を摘芯します。

5節以上生長してきたら、収穫量を増やすために3~5節目で摘芯してわき芽の生長を促します。

 

シソ 摘心位置

節の両脇には脇芽があります。摘心する位置は脇芽の上をカットしましょう。

赤紫蘇の花

晩夏から秋にかけてピンクの花が開花します。赤紫蘇の花が咲いた状態の花穂は、花穂紫蘇(はなほじそ)という名で流通しています。

日本料理や刺身の飾りつけ、香りが良いため薬味として使われます。

収穫

青紫蘇は一枚単位利用するのに対して、赤紫蘇は、ジュース、梅干しや紅ショウガの色付けなどに使用することが多いため、株ごといっぺんに、もしくはある程度まとめて収穫することがほとんどです。

赤穂紫蘇は収穫の段階でそれぞれ呼び名があります。

紫芽(むらめ)
赤紫蘇の若芽(スプラウト)。薬味、刺身のつま、吸い口や料理の彩に使います。

花穂紫蘇(はなほじそ)
花穂にピンクの花がついた状態。青紫蘇の花は白ですが、赤紫蘇の花はピンクで「花穂紫蘇」の名で流通するのはもっぱらピンクの花の赤紫蘇です。

穂紫蘇(シソの実)
花が終わって実が熟す前の状態のもの。さわやかな香りがするので、刺身の飾りや醤油等に漬けてご飯のお供としていただけます。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

種で増やすことができます。

庭や畑に植えて環境に合えば、翌年以降はこぼれ種で大量に発芽する場合があります。必要な株を残し、残りは若芽として料理に利用しましょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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