海外で爆発的に繁殖!日本から持ち込まれた植物がすごいことになっている
小野寺葉月
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植物や魚、昆虫など外来種の問題について耳にすることが増えたと思うのですが、今回は海外からの外来種ではなく、日本から海外へ持ち込まれて大繁殖をしている植物をご紹介します。
目次
- 日本の「クズ」がアメリカで大繁殖!?
- グリーンモンスターの脅威
- 日本でもクズに困っている
- クズが繁殖してしまったら・・・解決方法はある?
- イギリスで嫌われるイタドリ
- イタドリで不動産価値に影響が出る!?
- 日本ではどうして広まりすぎないのか
日本の「クズ」がアメリカで大繁殖!?
クズってどんな植物?
クズはマメ科クズ属のつる性植物です。秋の七草にも入っており、日本では古くから親しまれている植物です。根は山芋のように肥大化し、それをくず粉や漢方薬(葛根)に加工したり、葛湯などでも親しまれています。
クズがアメリカに渡った背景
1876年のフィラデルフィア万国博覧会で、明治政府が日本館を出展した際に会場装飾として使用する為に初めてクズが持ち込まれました。それをきっかけに、東屋やポーチなどの装飾として人気になりました。また、家畜の飼料として1920年代ごろからよく輸出されてるようになりました。
1930年代には河川の土壌をせき止めるためや土砂流出を防ぐ目的でまたたく間に普及していきました。それが制御できなくなった結果、現在クズが地上を覆っている面積は3万㎢にもなると言われているそう。
3万㎢って全く想像がつかないのですが、日本の面積は38万㎢で、九州が3万6千㎢なので九州より少し狭いくらいの面積にクズがびっしり生えているということです!驚くべきクズの生命力ですね。
グリーンモンスターの脅威
クズの脅威はアメリカでグリーンモンスターと呼ばれています。さて、このグリーンモンスター、実際何か問題があるのでしょうか?繁殖力が高いということは、緑化が進んでいるということで、それはいい事なのでは??と思いませんか?しかし・・・このクズの大きな問題は、ほかの植物よりも格段に繁殖力が高いということです。
クズが巻き付いた木は、葛の葉が茂るため光合成が出来なくなります。地表であれば他の植物が繁殖することは難しく、葛しか生えないグリーンデザート(緑の砂漠)が出来上がります。林でクズが繁殖すれば、木に巻き付き光合成を妨げるだけではなく、蒸れさせて病気を引き起こしてしまいます。
日本でもクズに困っている
あまりニュースなどには上がりませんが、日本でもクズに困っている現状があります。それは太陽光発電所です。太陽光発電所の立地はクズが繁殖しやすい立地で、かつもし繁殖されてしまうと非常に困ります。実際、過去には太陽光発電所のパワーコンディショナーにツルが入り込み、発電が停止してしまったりしたこともあるんだそうです。日本の場合はかならず冬が来るので、そこで繁殖が一旦ストップします。
クズが繁殖してしまったら・・・解決方法はある?
クズが繁殖してしまったら、どうしたらいいのでしょうか。クズの根は葛根として生薬やくず粉になるのですが、その根っこを取り切ってしまえば、もう繁殖しないのではないか、と思いますよね。
地上に出ている部分だけを取り払うだけですと、地中の根からどんどん新しい葉が出てきてしまいます。冬寒い地域では、冬の間は地上部が枯れ死しますが、春先になるとまたツルを伸ばし葉を出して繁殖してしまいます。それと同じことになるので、地上部だけを刈り取っても繁殖は防げません。頻繁に刈り取れば繁殖を防げるかもしれませんが、かなりコストがかかってしまうのであまり現実的ではありません。
防草シートの使い方
防草シートは光を遮断して草が生えないようにするものです。まず地上部を刈り取りした後に、防草シートを敷きます。そのままシートが飛ばされたりしないように固定し、翌春になると新しく生えてくるのですが、そのまま防草シートを置いておくことで地中まで枯れ死します。
しかし、クズはかなり広範囲に広がるので、防草シートも範囲によっては難しい場合があります。除草剤の散布など他にも有効な手段がありますが、周辺状況によっても変化します。環境、状況にあわせて駆除方法を考えましょう。
\不動産価値に影響が!?/
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