ブーケガルニとは?作り方や使い方、意味、ブーケガルニになるハーブ
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ブーケガルニについて、意味、作り方、使い方、レシピ、ブーケガルニに使用されるハーブの種類を紹介します。
目次
ブーケガルニとは?
ブーケガルニとは、ハーブや香味野菜などを束ねたもののこと。肉や魚と一緒に煮こんで、料理の香り付けや、臭み消しとして使用します。フランス語で Bouquet は花束、Garni は、Garnish の略で、飾りや付け合わせという意味を持ちます。
ブーケガルニには細かな決まりはなく、季節や住んでいる地域で手に入るハーブを使用することが多いようです。フレッシュのハーブをタコ糸などを使って小さな束にしたものや、ドライハーブを小さな布袋に入れたものなどがあります。
ブーケガルニの作り方
フレッシュハーブで作るブーケガルニ
庭やバルコニーで採れた、季節のハーブで作るフレッシュハーブのブーケガルニの作り方です。香り付けや臭み消しに使用するなら、ほんの少しのハーブで十分。あまり欲張って大きな束にすると、香りが強くて食べづらくなってしまう心配があります。欲張らないように束ねましょう。
材料
- コモンセージ 2節(葉4枚くらい)
- コモンタイム 5cm程度の枝を3~4本
- ローズマリー 5cm程度の枝を1本
- セロリの葉と茎 10cm程度を2つに折る
- タコ糸
作り方
・すべてのハーブと香味野菜を大体同じくらいの長さになるようにカットする
・ぎゅっと束ねたら、タコ糸を巻きつけ、きつく縛ったら出来上がり
花束にするわけではないので、下の方の葉を取り除く必要はありません。煮込むと茎の水分が抜けて細くなり、ばらけてしまう心配があるので、タコ糸はきつく巻くようにしましょう。
タコ糸の端を長く取っておいて、鍋の取っ手に括り付けておくと、行方不明になることもなく、取り出すのが楽になります。
ドライハーブで作るブーケガルニ
ドライハーブで作るブーケガルニは、縛るとパラパラと壊れてしまうので、袋に入れて作ります。
材料
- ローリエ 2枚
- セージ 小さじ1/2
- タイム 小さじ1/2
- 不織布や布の袋
作り方
・すべての材料をお茶や出汁ようの不織布の袋に入れて、口を閉じたら出来上がり
肉料理には欠かせないローリエを入れて、シチューやポトフのような煮込みに使用します。ドライハーブは季節を問わず、安定して流通しているので、手に入りやすいというメリットがあります。
少しずつ色んなハーブの組み合わせを試して、家庭オリジナルのブーケガルニを編み出すのも楽しみになりそうです。
エスニック料理に合うブーケガルニ
ちょっとアレンジして、エスニック料理に合うようなブーケガルニはいかがですか。
材料
- パクチーの茎と根 1束
- ミント 1枝(葉4枚程度)
- レモングラス 5cm程度を4~5本
作り方
・すべての材料を長さを揃えるようにカットして束ね、タコ糸できつく結んだら出来上がり
魚介をナンプラーで煮込むようなときに使用します。パクチーの根や、レモングラスをブーケガルニして煮込めば、取り出すのも簡単。食べるときに口に入った嚙み切れない葉に、もごもごすることもありません。
ブーケガルニの使い方
ブーケガルニは、料理の風味を引き立てたり、肉や魚の臭みを消すために使用します。ブーケガルニが活躍する料理と使い方を紹介します。
カレーやシチュー、ポトフなどの煮込み料理
肉や魚を使用した煮込み料理に欠かせないブーケガルニ。使い方は、煮込むときに一緒に入れるだけ。使用するハーブにもよりますが、水からコトコト煮込むと、より香りが出るので、玉ねぎやジャガイモなどの根菜を鍋に入れるタイミングでブーケガルニも入れて、ゆっくり煮込むようにしましょう。
蒸し料理
蒸し料理でも、ブーケガルニは活躍します。水で煮込まないと香りが出ないように思われがちですが、蒸気で温められただけでも十分に広がります。無水調理にもおすすめです。使い方は、鍋に並べた具材の上にブーケガルニを置いて一緒に蒸すだけ。鍋の蓋を開けた時に広がる香りにうっとりします。
野菜だけのスープ
ブーケガルニの役割は、臭み消しだけではありません。野菜だけのシンプルなスープも、香りが加われば、味に奥行きが出るというもの。使い方は、鍋に水と根菜類を入れるタイミングでブーケガルニも加え、ゆっくりと周りの野菜の香りとブーケガルニの香りをなじませるように煮込みます。野菜スープが一気においしくなる魔法です。
ブーケガルニを使ったレシピ
鯛と野菜のオイル蒸し
材料
- ブーケガルニ 1束
- 鯛の切り身 2切れ
- 玉ねぎ 1個
- ミニトマト 6個
- マッシュルーム 1パック
- オリーブオイル たっぷりと
- 白ワイン 1/2カップ
作り方
・鯛は水気を拭き取り、塩を振っておく
・玉ねぎは¼に切る
・ミニトマトはヘタを取って洗っておく
・マッシュルームは石づきをとっておく
・鍋にすべての具材を入れ、ブーケガルニを上に乗せたら、白ワインを加える
・オリーブオイルをぐるりと1周回しかけるように入れて、蓋をして弱火で加熱する
・10~15分経って蓋を開け、玉ねぎがしんなりして火が通っていれば出来上がり
最後に味をみて、物足りなければ塩を足してください。食べるときに各自好みで塩を振ってもよいでしょう。作り方はいたってシンプルなのに、鯛と野菜から出た出汁と、オリーブオイル、ブーケガルニの香りが合わさって、深く奥行きのある味わいの1品です。
ブーケガルニに使われるハーブ
イタリアンパセリ
イタリアンパセリは、葉が縮れていないパセリ。地中海地方原産の二年草(一年草)で、葉茎に独特の香りがあります。茎の固い部分をブーケガルニに、柔らかい葉はサラダにしたりという使い分けもできます。
コモンセージ
コモンセージは、葉茎に芳香のある多年草。セージには多くの種類がありますが、食用にできるのは、このコモンセージです。ソーセージの臭み消しに使用されていることでも有名なハーブです。乾燥させて保存することができます。
コモンタイム
コモンタイムは、葉茎に芳香のある常緑低木。低木といっても20~30cmほどの樹高なので、鉢植えでも育てやすいハーブです。ブーケガルニ以外にも料理の香り付けとして活躍します。乾燥させて保存することができます。
セロリ
セロリは、ハーブというよりも香味野菜に分類される野菜です。主に茎の部分を食用にすることが多く、葉は捨てられがちですが、葉をブーケガルニに使用すれば余すことなく活用できます。
バジル
バジルは、香りの良い葉が人気の一年草。夏の間中ぐんぐん生長する、丈夫で育てやすいハーブです。ブーケガルニの他にもグリルやサラダ、フライにして楽しめます。バジルとにんにくで作るジェノベーゼソースも有名です。
ローズマリー
ローズマリーは、濃いグリーンの細い葉と爽やかな香りが魅力の常緑低木。生食はできませんが、煮込みやグリル、刻んでお菓子やパンに入れたりと、活用法の多いハーブです。
ローリエ
ローリエは、葉に芳香のある常緑高木。葉の密度が高く、常緑であることから、庭木としても人気があります。フレッシュの葉はあまり流通がなく、葉を乾燥させたものが販売されています。
ブーケガルニは、料理の香り付けに使用するハーブの束で、数種類を少しずつ集めて束にすることで、香りに奥行きを出すというもの。お庭やベランダでハーブを育てていれば、ブーケガルニの材料に困ることはありません。ハーブのある暮らしを楽しみましょう。
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