「河野自然園」「球根屋さん.com」井上まゆ美 / 球根と多肉植物と草花の魅力
とまつあつこ
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横浜市港北区にある㈱河野自然園の代表取締役社長、井上まゆ美さんをお訪ねしました。
井上まゆ美さんといえば、ハンギングバスケットマスターを目指す人や、ガーデニング好きが憧れる「園芸家」であり「ガーデニング講座の先生」ですが、井上まゆ美さんの肩書きはそれだけではありません。球根や多肉植物の生産者でもあり、その他多岐にわたってご活躍されている井上さんをインタビューしてきました。
プロフィール
■名前:井上 まゆ美
■職業:園芸家、㈱河野自然園代表取締役社長
■出身:東京都世田谷区
■居住地:横浜市都筑区
■ボタニカル歴:幼い頃から現在まで(高校、大学時代を除く)
写真提供:㈱河野自然園
井上まゆ美さんは、球根や多肉植物の生産者でもあり、珍しい球根や多肉植物、宿根草などを取り扱うサイト「球根屋さん.com」の代表も務められています。また、井上まゆ美さんが提案された寄せ植えは、雑誌や書籍に多数掲載されています。
井上まゆ美さんは毎月、自社農園でガーデニングやハンギングケットなどの各種園芸講座を開催されているほか、カルチャーセンターでも定期講習会を開催されています。井上先生の下で厳選された植物たちに出会える講習会はとても人気があり、いつも熱心な生徒さんの楽しそうな声でにぎわっています。
著書「小さな球根で楽しむナチュラルガーデニング」家の光協会、「ジュエリープランツのおしゃれ寄せ植え」講談社ほか、河野自然園のスタッフの方々も、次々に本を出版されています。
井上まゆ美さんはガーデン・植栽デザイナーとしてもご活躍されています。
2017年は横浜異人館の庭、掃部山公園、新横浜駅ペデストリアンデッキ、
まず、河野自然園のオフィスにおじゃましてインタビューさせていただきました。
入口のモルタル造形は、スタッフの研修としてみなさんで作業されたそうです。とても雰囲気のあるきれいなオフィスでした。
そして、こちらが河野自然園の農園です。
広いハウスの中には、厳選された季節の草花、珍しい多肉植物などが辺り一面に並んでいます。
植物や花との出会い、好きになったきっかけを教えてください。
母親が高校の教師だったので自宅には様々な分野の図鑑があふれていて、私は幼い頃毎日植物図鑑を見て過ごしていました。小学2年生の時には、「小豆」から芽が出る観察をし、その苗を育てて植え替え、最後は小豆を収穫するところまでしてしまう「植物おたく」少女で、その頃の夢は「園芸研究家」でした。(笑)
この仕事をしたいと思った、することになったきっかけを教えてください。
将来を心配する親の反対もあり農業高校進学を断念し、高校、大学時代はソフトボールに熱中しました。でも、大学時代に大病を患いとても暗く悲しい時期を過ごしました。その時に気持ちを明るく強く持ち上げてくれたのは植物でした。球根が寒い季節を越えて春にぐっと生長し美しい花を咲かせる姿に自分を重ね希望を持ちました。
大病を克服し、住宅関係に就職し結婚、その後は父が残してくれた店舗を使って自然食品の店をはじめました。販売していた残り物のパンジーやビオラの苗を使って作ったハンギングバスケットが有名になり、地元の園芸センターで講師をすることになりました。
そして、「河野自然食品店」はとても自然な流れで「河野自然園」へと変わり、植物専門で仕事をすることになりました。
生まれ変わっても同じ仕事を選ぶと思いますか?
はい、選びます。天職だと思っています。いつも植物と一緒にいられることは、この上なく幸せです。
収入はね、決して高くはないけれどね。(笑)
おすすめの多肉植物を教えてください。
パープルヘイズ:ベンケイソウ科セダム属
葉の粒が大きく、寒さと日によく当たると紫色に色づきます。
こちらが、少し色づいてきた感じの色合いです。
オレガヌム:ベンケイソウ科セダム属
紅葉が美しいグラデーションになっています。
プルケルム:ベンケイソウ科セダム属
葉が小さなバラのようでとってもかわいいです。
このようなピンク色の繊細な花が咲きます。
おすすめの草花を教えてください。
和ペチュニア「あずき」
力を入れている花は、ペチュニアです。個人の育種家さんとタッグを組んで和ペチュニアを生み出しています。
代表作は「あずき」です。5年ほど前から取り組んでいて、4月~5月頃に販売しています。
アンティーク調の寄せ植えや、少し大人っぽさを出すハンギングバスケットを作る時のアイテムとしても大変人気があります。
ガイラルディア「グレープセンセーション」
今、美しく咲いているおすすめは、ガイラルディア グレープセンセーションです。
キク科の半耐寒性多年草で、花期は5〜10月頃です。茎を長く伸ばして咲いて、花びらが落ちた後の丸いポンポンもかわいいです。ナチュラルなガーデンづくりにおすすめです。
河野自然園のオフィス入口にも植えているお気に入りの花です。
おすすめの球根を教えてください。
アリウム「シルバースプリング」
花芯がローズピンクの細かな白花が集まってボール状になる珍しい
イキシア「ビリディフローラ」
他に類を見ない琥珀色の花色は、宝石のようです。
チューリップ「バヤコンディオス」
細かなフリンジの重なりのある花びら。咲きはじめは黄色ですが…
次第にオレンジ色に変わります。
秋植え球根を使った寄せ植えの紹介をお願いします。
これから春咲き球根を植える季節ですね。球根を使った寄せ植えデザインを井上先生に教えていただきました!
寄せ植えのポイント
ピンク系の濃淡にシックな赤黒で引き締め、甘いだけにならないように植えた寄せ植えです。
11月にチューリップと春咲グラジオラスを植え込み寄せ植えを作りました。
寄せ植えに使った球根
写真真ん中の淡いピンク色のチューリップが「サンネ」、写真手前の濃い紫色のチューリップが「ジャックポット」、写真真ん中のラッパ状の白い花が春咲グラジオラス「トリステス」です。
その他の植物名
写真左から手前に、ブラキカム、リシマキア「シューティングスター」、八重咲ジュリアン、ニューサイラン「サーファーブロンズ」を植えました。
寄せ植えのポイント
チューリップ「フレミング スプリンググリーン」のフラッシュのように入る赤とビオラを繋げ、回りは丈夫なヘレボルスとカラーリーフで固めました。楕円形のブリキの器でカジュアルに演出しました。
寄せ植えに使った球根
写真真ん中がチューリップ「フレミングスプリンググリーン」、写真左がチューリップ「ホワイトハート」です。
その他の植物名
写真左から手前に、羽衣ジャスミン「ミルキーウェイ」、クローバー、ディコンドラ シルバー、ビオラ、ヘレボルスを植えました。
寄せ植えのポイント
バタフライスイセンのひらひらした形と壺のようなフリチラリアを合わせて、
フォルムのコントラストを付けました。
ワイヤー製の軽い器に植えて持ち運び自由に飾ります。
寄せ植えに使った球根
写真真ん中がバタフライスイセン「パルマレス」、写真奥がフリチラリア「ウババルピス」です。
その他の植物名
写真左奥から手前に、ヘレボルス、シロタエギク、ネモフィラ「クレオパトラ」、アイビー「ゴールデン・ジッタ」を植えました。
植物がきれいなお気に入りの公園があったら教えてください。
横浜イングリッシュガーデンが好きです。
植物にかかわる好きな曲があれば教えてください。
「花は咲く」、「世界に一つだけの花」が好きです。
植物以外の趣味を教えてください。
最近は、たまにスポーツジムやゴルフに行きます。スポーツが好きです。
最後に何か一言お願いします。
ここ何年か、スタッフの育成にも力を入れています。河野自然園のスタッフはそれぞれ個性があり、得意な分野で活躍しております。
ハンギングバスケット講座などの卒業生たちも、様々なコンテストで受賞したり、それぞれの場所で力を発揮しています。
スタッフや卒業生達の活躍する姿を見る事は、本当に幸せなことです。
これからもさらに河野自然園を盛り上げていきます。皆様、どうぞ農園に遊びに来てくださいね。お待ちしております。
——井上まゆ美さん、ありがとうございました。
井上先生のお話の中で「とても自然の流れの中で植物を専門として仕事をすることになりました。」とありましたが、「園芸研究家」を夢見る「植物おたく」の少女が一度夢をあきらめた後に、大人になって再びその夢を目指すチャンスに恵まれて夢をかなえた経緯を聞き、先生の人生そのものが素敵だと思いました。
ぜひ、球根、多肉、草花の魅力あふれる河野自然園に皆様もお立ち寄りください。開園日など詳しくは、ホームページをご覧くださいね。
▼「球根屋さんドットコムのプレミアムガーデンby河野自然園」はこちら
こちらのサイトではガーデニング講座の紹介のほか、球根や多肉植物、宿根草などの販売、球根の植え方や育て方、寄せ植えの仕方など、球根を楽しむヒントなども紹介しています。
▼「井上まゆ美のお仕事日和」ブログはこちら
http://kararifu.exblog.jp/
▼「井上まゆ美さんのFacebook」はこちら
https://www.facebook.com/profile.php?id=100002879799180&fref=ts
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