ダメ元で育ててみるチャレンジ精神を持ってほしいと思います。
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プロフィール
山本花園
■名前:山本 拓也
■場所:千葉県佐倉市
■面積:ハウス900坪 露地1500坪
■主な生産品:サルビア(セージ)・ユーフォルビア・オレガノ
生産者さんの紹介
千葉県佐倉市でお父様の山本 茂登さんが、サルビア(セージ)をメインに栽培を始めたことで有名な山本花園さん。取り扱っている品種は160種類以上あり、ポピュラーなものから珍しいものまで幅広く扱っています。
ポット苗だけでなく造園材料となる大鉢での栽培もしています。現在の農場は息子さんの山本 拓也さんが担当しており、茂登さんは別農場「神虫館ナーセリー」で様々な植物を栽培しています。
最近では、素敵な色合いの葉ボタンの新品種も作出。
また植物本来の姿を知ってもらうため、栽培されている植物はなるべくわい化剤(植物生長抑制剤)を使わない苗づくりをされています。実際お庭に植えたら大きくなったり、姿が変わってしまったということが無いように薬は最小限または使わずに生産されているそうです。
大きく育つクレベラントセージは大鉢でも栽培しています。
生産者になったきっかけを教えてください
祖父の代から生産はしていましたが、花ではなく野菜や米をやっていました。そして父親が途中で花に切り替え、小さいころから父親の仕事姿を見ていたし水やりの仕事などを手伝っていたので、自然と将来は継ぐことになるんだろうなと思っていました。高校卒業して東京農大に進学し、卒業後に家に入る形となり現在に至ります。
サルビア(セージ)を生産しようと決めた理由を教えて下さい
父の話になってしまいますが、サルビア(セージ)を生産し始めたのは今から約30年近く前。その前は野菜苗や葉ボタン、パンジーを栽培しておりました。パンジーがよく売れ始めた時にそろそろ方向転換をしようかという時に目を付けたのがサルビア(セージ)でした。世界に900種類以上あり種類も豊富でそんなに色々面白い種類があるということから、サルビア(セージ)を主に集めだしたそうです。サルビア(セージ)→オレガノ→ユーフォルビアの順に栽培を始めました。
テラコッタに植えてあるチェリーセージの大きな株をみて一目ぼれしたそうです。それがうちがサルビア(セージ)を生産をはじめたきっかけですね。
ちなみにユーフォルビアはサルビア(セージ)を上回る1,500種類存在します。姿形も様々ありその分用途の幅もあることから栽培を始めました。栽培しているユーフォルビアは現在15,6種類あります。
ユーフォルビア “クラリスハワード”
ユーフォルビア“ピチューサ”
仕事をするうえで特に大変だったこと、苦労されたことはなんですか?
夏場の水管理ですね。植物は、その場から動けない「生き物」ですので、ちゃんと目を光らせておかなければ油断するとあっという間にダメになります。
今はパートさんもいますが僕一人で水管理をしていた時は特に大変でした。早朝から灌水しますが早ければいいというわけでなくて、その分早く乾いてしまって1日に2回あげなければならなかったりとか。だけど夕方にたくさん水を与えると今度は伸びすぎてしまうので量を調整したりと、夏場はとくに苦労しますね。ほぼ1日水です。
でもそこはどうしても苦労のしどころですが、逆にしっかり手間をかけてあげることで植物はきちんと応えてくれるのでやりがいにもなり頑張れます。
特にやりがいを感じる時はどんな時ですか?
しっかり作ったものが自分の売りたいタイミングと思い描いた値段で出荷できた時ですね。まあ滅多にないんですけどね(笑)
一般的には外れた株姿だけど、自分的には素敵だと思ってる植物を「これいいじゃないか」と直接買い付けに来てくれた方に共感を得たときは「よしっ!」と思いますね。
あとは普段管理をしていて今まで気が付かなかった性質に気が付けた時ですね。実はこうしたほうがいいのでは?と思って実際してみたら調子良くなったり、考えたことがうまくハマった時は気持ちいいです!
おすすめの生産している植物はなんですか?
数年前種苗登録したコバルトセージの色変わりの「パープルレディー」という品種です。薄い優しい色のムラサキのコバルトセージです。
あと神虫館ナーセリーの方の植物になってしまうのですが、「ブラックサファイヤ」というハボタンです。白っぽいブルームがかった色と細葉の葉が特徴です。
もう一つハボタンですが「ガーデンルビー」というハボタンです。こちらもブルームがかった色合いが特徴です。
どちらも鑑賞期間が長く、10月頃植えて春頃まで楽しめます。そして白っぽい色が地面に植えたときに映えるので、カラーリーフとしても楽しめます。
これから栽培してみたい植物はありますか?
んー、それは中々難しくて色々な植物に触れないととは思っているんですが、今栽培しているので手いっぱいで…サルビア(セージ)やユーフォビアの新しい品種を見つけて栽培するというのはありますが、自分の興味がある植物をシリーズで栽培するというのはまだ先の話ですね。細葉マウンテンミントやガウラなど1品種だけ導入した商品はありますが、サルビア(セージ)、ユーフォルビア、オレガノと続く4本目の柱としてシリーズを考えているのは今のところないですね。これは今後の課題でもあります。
プライベートではどんな植物を育てていますか?
特にはないんですよ。ネットでかわいいなと思って購入したサルビア(セージ)やビオラ、宿根草を新しい商品として試したけど栽培は難しかったからそのまま育てている、というのはありますけど…これはプライベートと言っていいものか(笑)
最後にひとことお願いします!
サルビア(セージ)に限らずどの宿根草にも言えることですが、一般に流通量の少ない珍しい商品の場合、植える場所について聞かれます。せっかくの宿根草、何年も楽しみたいですからね。ただ、日当たり良く水はけのいい場所といっても実際の環境はもっと複雑です。例えば冬、最低気温には耐えられても空っ風や霜でダメになってしまう、などです。なので一概に絶対とは言い切れません。
ただ植えて綺麗ねというだけではなくて、自分でどうなのかしら?と調べてみて色々な植物をダメ元で育てて失敗を楽しむチャレンジ精神を持ってほしいと思います。
うちは大量に作ってたくさん売るような商品ではなく、ホームセンターなどの量販店ではメインじゃない場所にありますが、苗売り場に行った際は是非宝探しのように楽しんで探してみてください!
今回お邪魔した山本花園さんには初めて見た品種もたくさん。こんなにサルビア(セージ)を多く取り扱う生産者さんは珍しいのではと思い今回取材させていただきました。基本市場卸になってしまいますが首都圏の園芸店やインターネットの通販で購入することができます。メインの花材にはあまり登場しない植物ですが、葉が香る品種、花の咲き方が面白い品種、大株でボリュームの出る品種ととにかく色々あります。その分用途も幅広く利用できる植物ですのでお庭に植えて楽しんでみてください! このラベルをお見掛けしたら是非チェックを♪
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