秋にも咲く「たで(蓼)食う虫も好き好き」の蓼の食べ方や増やし方。
峰亜由美
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「蓼(タデ)食う虫も好き好き」ことわざでもお馴染みのタデという植物をご存知でしょうか?
このことわざの中の蓼は柳蓼(ヤナギタデ)という種類で、鮎を頂く季節に欠かせない蓼酢(タデス)の材料になります。今回は夏の風物で有名な柳蓼ですが、秋になり、少し暑さが落ち着くと、葉が紅葉したりピンク色の可愛い花を再び咲かせます。秋風にゆれる蓼の姿を野原や公園で探してみて下さいね。
目次
タデ(蓼)ってどんな植物?
- 和名 柳蓼(ヤナギタデ)
- 別名 本蓼(ホンタデ)真蓼(マタデ)
- 学名 persicaria hydropiper
- 英名 smart weed
- 分類 一年草
蕾は小さく淡いピンク色で白色の小さな花が7月~10月に開花。タデ(蓼)は湿地に生え、草丈30㎝~80㎝程の高さになり、葉の形は披針形をしていています。
草全体、茎や葉に辛味があり「たで食う虫も好き好き」という、ことわざがあるように辛みのある葉を好んで食べる、蓼虫(タデムシ)と呼ばれる虫だけしか食わない事からこのことわざが生まれたようです。
新芽を使い蓼酢(タデス)や刺身のツマ等にも使われます。
ことわざの中では、辛いタデを好んで食べる虫もいる、、、という個性的な味に対する内容ですが蓼虫だけではなく人間も蓼を食すところがユーモアを感じて面白いですね。
タデ(蓼)の花はこんな形
タデ(蓼)の花は小さな粒々が集まり、一つ一つはよく見ると三角の形をしています。花が終わると花がはじけて、花の形と同じ形の種が実ります。
鮎とタデ(蓼)、タデ(蓼)の食べ方
タデ(蓼)は日本では古くから薬味として親しまれ、平安時代から魚を食す際に魚の生臭みを消すといわれ使用されたり、殺菌作用がある事から川魚にいる虫などを殺菌すると考えられ使用されたと言われています。
その知恵と食文化は現在まで1000年以上も続き、鮎の料理には欠かせない薬味として愛され続けています。
タデ(蓼)は独特の香りと辛味が塩焼きにした鮎の内臓の苦みや鮎の独特の香りと相性が良く、夏を感じる料理として風物になっています。
平安時代に鮎と蓼を一緒に食した初めての人は、川で釣った鮎を持ち帰る際に河原に生えていた蓼を偶然にも合わせてみたのだろうか?と平安時代の鮎とたで(蓼)との出会いに思いを馳せてしまいますね。
蓼酢を作ってみよう
■蓼酢(タデス)の作り方
1.タデ(蓼)は若芽を摘み、細かく刻みます。
2.すり鉢で擦る、或いはみじん切りにする。
3.酢と出汁をお好みで合わせます。
タデ(蓼)の増やし方と育て方
1.タデ(蓼)をグラスや花瓶水にを入れて水につける。(水耕栽培)
2.水耕栽培で季節にもよりますが、3~10日くらいで根が出てきます。
種での増やし方
1.タデ(蓼)の種は花の中に花と同じ形をした、三角の種が実ります。種になる頃、手で触れるだけでポロポロと種が落ちて来ます。
2.種は培養土などに撒き、土はかぶせず発芽を待ちましょう。
3.種は一週間ほどで発芽します。
たで(蓼)まとめ
タデ(蓼)は夏になると河原などに生い茂る馴染みの草花です。
鮎の料理で添えられてくる時には、調理され蓼酢となって器に入れられて形を変えて出てくるので、タデ(蓼)がどんな形の植物なのか?知らない方が多いのではないでしょうか?タデ(蓼)は河原や湿地帯に生い茂っていて花が咲く姿を見たら、あれがタデかぁ!と今までお馴染みだった植物と鮎に添えられるタデが結びつく気づきもまた素敵ですね。
日本のハーブはこうして、季節の中に潜んで暮らしに彩を与えてくれます。
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