スイスチャードの美味しい食べ方|簡単レシピ5選

戸松敦子
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スイスチャードの食べ方や簡単レシピをご紹介!ホウレンソウの葉茎をカラフルにしたような「おしゃれ野菜」のスイスチャードは、いったいどんな食べ方をしたら美味しいのでしょう。畑でスイスチャードがたくさん収穫できたので、今回いろいろ試してみました。美味しかった調理法をお話しします。
(撮影協力/アグリス成城)
目次
- スイスチャードとは
- スイスチャードの栄養
- スイスチャードの食べ方・下処理
- スイスチャードのレシピ➀胡麻和え
- スイスチャードのレシピ➁韓国風ナムル
- スイスチャードのレシピ➂豚肉のオイスターソース炒め
- スイスチャードのレシピ➃おにぎり
- スイスチャードのレシピ➄ロールキャベツ風
- スイスチャードの保存方法
- スイスチャードを育てよう♪
スイスチャードとは
スイスチャードは、葉茎の形がホウレンソウに似たカラフルな野菜。ホウレンソウと同じアカザ科に属しています。アカザ科フダンソウ属のテーブルビート(ビーツ)と同じ仲間で、葉の色や形が似ていることから「リーフビート」とも呼ばれています。和名は「フダンソウ(不断草)」です。
スイスチャードは、葉柄や葉脈が赤やピンク、オレンジ、黄色、黄緑、白などさまざまな色をしています。日本ではあまり見かけないかもしれませんが、海外ではサラダなどによく用いられている野菜の一つです。
暑さ寒さに強く育てやすいことや、その彩りの美しさ・珍しさから家庭菜園でも人気があります。食用以外にも、寄せ植えや花壇植えのカラーリーフとしても用いられます。
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スイスチャードの栄養
スイスチャードは、β-タカロテンやビタミン、ミネラル、カリウムなどが多く含まれ、スーパーグリーンと呼ばれることもあるほど栄養価が高い葉物野菜です。あまり出回っていないので、家庭菜園で育てて積極的にその栄養を摂取できたら理想的だなと思います。
ビタミンカラーのカラフルなスイスチャードが元気に育っている姿を見るだけでも、ワクワクしたり元気がわいてきます。
スイスチャードの食べ方・下処理
スイスチャードは色がキレイなので、なるべくその色合いを活かした料理に使いたいですよね。基本的にホウレンソウが使える料理には代用できると考えて大丈夫です。葉が小さくて柔らかいときは生食用でサラダに、株が育って生食するのには固くなってきたら茹でたり、炒めたり加熱します。大きく育った株は外葉から収穫することもできます。
スイスチャードはホウレンソウと同じく「シュウ酸」という「あく」の成分を含みます。大きく育つにつれて「あく」も増えるので、小さいうちは生食用にして、大きく育ったら下茹でしてから料理に使います。
生食用として
葉が小さいうちは、ベビーリーフとしてサラダに使います。間引き菜ももちろん捨てずに食しましょう。ピザやパスタのトッピングにもぴったりです。
茹でる
スイスチャードは茹でるとかなりの色素成分や栄養分が流れ出てしまうので、茹でる場合はさっと茹でましょう。熱湯を沸かした鍋に塩を加え、硬い柄の部分を先に、葉の部分を後に入れて茹でます。柄と葉を切り分けて別々に茹でてもいいですね。その後冷水に取り、冷めたらすぐに引き上げて軽く水けしぼります。食べやすい大きさにカットして好みの味付けをしましょう。
炒める
食べやすい大きさにカットして炒めます。オリーブオイル、バター、ゴマ油、ニンニクなどによく合います。お肉やベーコンと一緒に炒めると、夕飯の立派な一品があっという間にできます。
煮る
和風の煮びたし、洋風のスープ、ロールキャベツのキャベツの代わりにも使えます。
スイスチャードのレシピ➀胡麻和え
材料
- スイスチャード 1束
- 砂糖 大さじ1
- 醤油 大さじ1
- すりごま 大さじ1
- かつお節 1パック
作り方
- スイスチャードを塩水でさっと茹でた後、冷水にとり、水けを軽くしぼります。
- 食べやすい大きさにカットします。
- スイスチャードに砂糖、醤油を合わせて混ぜ、すりごまとかつお節も加えて混ぜます。
作った感想
スイスチャードは何となく洋風なイメージがしたのですが、意外に和風にも合うことがわかりました!茹でた食感は、ホウレンソウよりもコマツナやフキに似ていて、味はホウレンソウに近いです。カラフルな和風の胡麻和えも面白いなと思いました。スイスチャードがたくさん収穫できた時の和食の定番副菜になりそうです。
スイスチャードのレシピ➁韓国風ナムル
材料
- スイスチャード 1束
- ニンニク(すりおろしたもの) 小さ目1片
- 塩 少々
- いりごま 少々
- ごま油 小さじ1
作り方
- スイスチャードを塩水でさっと茹でた後、冷水にとり、水けを軽くしぼります。
- 食べやすい大きさにカットします。
- スイスチャードにニンニク、塩、いりごまを合わせて混ぜ、最後にごま油を回しかけて混ぜます。
作った感想
韓国風にも合ってしまうスイスチャードに驚きました!写真の見た目は胡麻和えとあまり変わらないのですが(笑)、ニンニクとごま油がきいていて、食が進む味です。焼肉やお酒のおつまみにもピッタリで、やみつきになります。
スイスチャードのレシピ➂豚肉のオイスターソース炒め
材料
- スイスチャード 1束
- 豚肉細切れ 300g
- きのこ 1パック
- 塩 少々
- 酒 大さじ1
- 砂糖 大さじ2
- 醤油 少々
- オイスターソース 大さじ2
- コショウ 少々
- ごま油 大さじ1
作り方
- スイスチャードを塩水でさっと茹でた後、冷水にとり、水けを軽くしぼります。
- スイスチャード、豚肉、きのこを食べやすい大きさにカットします。
- 豚肉ときのこをごま油で炒め、塩と酒を入れます。
- 火が通ったらスイスチャードを加えて混ぜ、砂糖、醤油、オイスターソース、コショウを入れて味付けします。
作った感想
スイスチャードと豚肉の相性が良く、オイスターソースの濃い味でご飯が進むおかずができました。スイスチャードを初めて見た家族は「これ何?」と驚きましたが、食べ始めるとパクパク完食していました(笑)。
スイスチャードのレシピ➃おにぎり
材料
- スイスチャード
- ご飯
- お好みの具(例:甘辛く炒めた牛肉、鮭フレーク、いりごま、塩、ごま油など)
作り方(韓国風にする場合)
- スイスチャードを塩水でさっと茹でた後、冷水にとり、キッチンペーパーにはさんで水分をとります。
- 柄の部分をカットします。(柄の部分は細かく切っておにぎりの具材に使うこともできます。)
- 牛肉に酒、砂糖、醤油、すりおろしショウガを加えて、ごま油で甘辛く炒めます。
- 甘辛く炒めた牛肉といりごま、塩をご飯に混ぜ、俵型に丸めます。
- スイスチャードの葉の部分でご飯を巻いて完成です。
作った感想
私はスイスチャードが大好きなので、柄の部分も牛肉と一緒に炒めて具材に使いました。韓国のキンパに似た味付けで食が進み、パクパクいただいてしまいました。もしかすると、子どもさんやスイスチャードが初めての方は、柄の部分は使わずに作った方がお肉と葉のバランスが良く食べやすいかと思います。
具材は鮭フレークなどもいいですね!もし味が足りない場合は、ごま油と塩を混ぜたものをおにぎりに付けながら食べると美味しいです。
スイスチャードのレシピ➄ロールキャベツ風
材料
- スイスチャードの葉 10枚くらい
- A 豚ひき肉500g、パン粉大さじ3、牛乳大さじ3、塩小さじ1/2、コショウ少々
- B タマネギ(みじん切り)1個、塩少々、オリーブオイル大さじ1
- C カットトマト缶1つ、水400ml、トマトケチャップ大さじ3、コンソメ5g、塩少々、コショウ少々
- 粉チーズ 適量
作り方
- スイスチャードを塩水でさっと茹でた後、冷水にとり、キッチンペーパーにはさんで水分をとり、柄の部分をカットします。
- Bを混ぜたものを耐熱容器に入れ、電子レンジ600Wで2分ほど加熱した後、粗熱をとります。
- Aと、粗熱がとれたタマネギを加えて混ぜます。10等分に分けて俵型に丸めます。
- スイスチャードの葉で、俵型に丸めた具をロールキャベツのように巻きます。巻き終わりを楊枝でとめておくとくずれません。
- Cをフライパンに入れて混ぜ、その中にスイスチャードで巻いたお肉を並べ、蓋をして15~20分ほど中火~弱火で煮ます。
- お皿に盛り、粉チーズをかけて完成です。
作った感想
出来上がりの色のイメージからボルシチを連想したのですが、そういえばボルシチは、スイスチャードの仲間のビーツを使ったスープなので似ているはずですね。煮込むと葉のきれいな色が暗く変色するのが残念ですが、外国のおしゃれな料理感が出てカッコいいと思いました。スイスチャード特有のかすかな苦みとジューシーなお肉、トマトの酸味と粉チーズのコクがマッチして美味しくできました。
スイスチャードの保存方法
冷蔵保存
新聞紙でくるんでからビニール袋に入れ、袋の口を軽く閉じて冷蔵庫の野菜室に立てて入れます。
冷凍保存
スイスチャードは、ホウレンソウのように茹でてから冷凍することもできます。さっと茹でて冷水にとり、水けを軽くしぼってから食べやすい大きさにカットし、冷凍保存用袋などに入れて冷凍しておきましょう。
胡麻和えやナムルを作った後、写真のように小分けにして冷凍しておくこともできます。お弁当に入れて自然解凍させることを考えると、お弁当箱の中で汁が出てしまうことを避けるために、醤油などの汁気を軽くしぼってから冷凍すると安心です。解凍後に味が薄くなるので塩を軽くふると美味しいです。
スイスチャードを育てよう♪
スイスチャードの育て方はホウレンソウと同じです。ホウレンソウよりも暑さに強い性質があり、初心者でも種まきから育てやすい野菜と言えます。カラフルな姿が美しく、育てていると明るい気持ちになってワクワクしますよ。
一見どうやって食べたらよいかわからない感じもしますが、基本的にホウレンソウを使うメニューは作れるのでレシピも豊富です。ぜひ、今年は家庭菜園でスイスチャードを育ててみてくださいね。
▼スイスチャードの育て方はこちら
スイスチャード
- スイスチャードの和名である不断草(ふだんそう)という名は、真冬には生育は鈍りますが、ほぼ1年を通して育て収穫できることから名前が付いたといわれています。暑さ寒さに強いスイスチャードは、とても育てやすい野菜です。 スイスチャードの葉の軸は、赤・白・黄色・紫・オレンジなどカラフルな色合いがあり、サラダなどの彩りにもよく使われます。お洒落な野菜として、家庭菜園でも人気となっています。 日本では、まだ馴染みが薄い野菜かもしれませんが、最近では野菜として育てる以外にも、葉色の美しさからガーデニングのカラーリーフとしても育てられ、人気が出ています。 同じアカザ科のほうれん草が少なくなる真夏の時期にも収穫でき、淡白な味わいから、様々な葉物野菜の代用として料理に使われます。また、スイスチャードが小さいうちは、カラフルなベビーリーフとしても重宝します。
▼ホウレンソウの育て方はこちら
ほうれん草(ホウレンソウ)
- ほうれん草(ホウレンソウ)はアカザ科の野菜で、漢字では「菠薐草」と書きます。「菠薐」とはペルシャのことで、ほうれん草(ホウレンソウ)の栽培の起源の場所です。 ペルシャで始ったほうれん草(ホウレンソウ)の栽培が中国に渡り、そこで発達していったほうれん草(ホウレンソウ)は、葉がぎざぎざで株元が赤くなる東洋種になりました。 それとは別に、葉の厚みがあり、丸い形をしている西洋種というほうれん草(ホウレンソウ)の種類があります。この西洋種も東洋種と同じように、ペルシャから西洋へ伝わったものです。 この東洋種・西洋種の両方の長所をいかした品種改良も行われたことで、日本でもほうれん草(ホウレンソウ)が広まりました。 ほうれん草(ホウレンソウ)の種は硬実種子といって固い殻に包まれています。(ちなみに、ほうれん草(ホウレンソウ)の種は、殻の形が角ばった種と丸みのある種とがあります。)そのため、ほうれん草(ホウレンソウ)の発芽率が他の野菜と比べ低いため、ネーキッド種子といって硬い殻を取り除き、中の種を取り出した加工をされた種が売られています。ほうれん草(ホウレンソウ)の種袋を確認してみましょう。 冬に生育するほうれん草(ホウレンソウ)は、放射状に葉を広げて、まんべんなく太陽の光を浴びることができます。吹き付ける寒風にも耐えられるその形は、素晴らしい植物の進化を物語ります。 ほうれん草(ホウレンソウ)の花は、イチョウなどと同じように、雌株と雄株に最初から分かれています。しかし、ほうれん草(ホウレンソウ)は花が咲く前に収穫することから、そのほうれん草(ホウレンソウ)が雄株なのか、雌株なのか判断することは難しいです。中には雌・雄両性の花をもつ株もあるようです。
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