コンテスト金賞受賞!貝塚造園さんにお話を聞きました。都市緑化フェアよこはま

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小野寺葉月

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3月25日から6月4日まで横浜で開催されている都市緑化フェアのなかで、もてなしの庭というブースがあります。造園会社さんなどが出店されるブースにて今回は金賞と国土交通大臣賞をダブルで受賞された株式会社貝塚造園さんにお話をお伺いしました!

都市緑化フェアとは

緑の大切さや花や緑を守り、育てながら、知識を深めたり緑による快適さなどを啓蒙するために国土交通省提唱のもと、1983年からスタートしたイベントで、毎年全国各地で開催されています。今年は横浜での開催で、次回は八王子が予定されています。

横浜市は市を挙げて緑化に取り組んでおり、「みどり税」というものもあるそうです。会場も「みなとみらい会場」と「里山会場」とがあり、市を挙げての一大イベントとなっています。

今回は「みなとみらい会場」の象の鼻パークで開催されている「訪れた方をお出迎えする庭」をご紹介します。その中でいくつかご紹介させていただきます。

「横浜に暮らす~」株式会社 貝塚造園

場所:もてなしの庭 象の鼻パーク

 

金賞 国土交通大臣賞 受賞作品

 

コンセプト

「場所は横浜。横浜の歴史を語る庭。元町の西洋館、主力輸入品であった生糸や山百合、開港の時を見つめた玉楠、本牧のマンダリンブラフを山手地区特有のブラフ積みで表現。幾つもの横浜を融合したおもてなしの庭」

今回設計と施工を担当された株式会社貝塚造園の岸専務取締役にお話をお伺いしました!

 

館のイメージはエリスマン邸

 

作品の館は横浜の元町にある生糸の貿易商だったエリスマン邸をモチーフに建てられています。エリスマン邸はアントニン・レーモンドが設計した建物です。アントニン・レーモンドはフランク・ロイド・ライトの弟子として帝国ホテルの設計助手で1919年に来日しました。最近映画が公開されている「人生フルーツ」に登場する建築家の津端修二さんの師でもある方です。

館はサンルームのイメージと隣の応接室のイメージを合わせた作りになっています。奥にはエリスマンが主に扱っていた生糸のレリーフが飾られています。正面に飾っていあるユリのボタニカルアートは、現在エリスマン邸で働かれている方の作品だそうです。

 

山百合は横浜から海外へ輸出されていた商品で、象徴として飾ってあるそうです。テーブルセッティングはエリスマン邸の方にしていただいたそうです。

 

館までのステップはエリスマン邸のデザインをそのまま使用しています。

 

右端の石積みは山手地方特有の工法であるブラフ積みにしています。ブラフ積みというのは、大きい石と小さい石を交互に積む石積みの工法です。昔三渓園の裏手には崖があり、夕日を浴びてマンダリン色になることから、マンダリンブラフと呼ばれていました。横浜港に入港してきた船は、そのマンダリンブラフを目指してきていたそうです。マンダリンブラフをブラフ積みで表現しています。

 

ブラフ積みの工法は、セメントなどの接着剤等を使用しない「空積み(からづみ)」という積み方です。英国式伝統工法で英国で試験を受け、合格し資格を取得した方が現在日本に30人ほどいらっしゃるそうで、岸さんもその一人です。

左側の水辺は、横浜には海や池、川などの水辺が多いため、そのデザインを取り入れています。また、緑区などの緑豊かな里山をイメージしてデザインされています。

 

庭園の裏面は植木生産卸業を生業とするペイントアーティスト 横田圭一さんがステンシルでモミジを描いてあります。

 

お庭は「横浜のお庭」というイメージでデザインされています。使用した植栽は「流通していて手に入りやすいもの」。左回りで背の高い木は左手前にアオダモ、奥に玉楠、水場に斜めにかかっているのはアトラスシダー、その横はモミジ、一番右はベニバナトキワマンサクを植えています。煙突にはバラを絡めています。(ツルバラ・ジェネラスガーデナー)

他に使用した植栽たち

高木(約2.5~5m)

ベニバナトキワマンサク・タブノキ(玉楠)・アオダモ・ハナミズキ・イロハモミジ・ソヨゴ・常緑ヤマボウシ

左奥にあるタブノキ(玉楠)は、ペリーが来航した時に港近くに生えていた木として、「ぺリー提督横浜上陸の図」にも描かれています。

中木(約1.0~2.0m)

アトラスシダーグラウカ・アセビ・ナンテン・ツルバラジェネラスガーデナー・セイシカ・カルミア・マホニア青流・スカイペンシル

低木(約0.3~0.8m)

マホニアコンフューサ・矮性トキワマンサク・ビバーナムティヌス・ヒイラギナンテン・ロドレイア・アセビ・トベラ・ピットスポラム・カクレミノ

地被植物・花

ミヤコワスレ・ミヤマオダマキ・オーニソガラム・カーペットカスミソウ・リョウメンシダ・セキショウ・斑入りカキツバタ・トクサ・ツワブキ・フイリヤブラン・フッキソウ・タマリュウ・ハイゴケ・スナコケ・ヤマゴケ

いかがでしたか?会期は6月4日までなので、ぜひ一度足を運ばれてみて下さいね。

今回、貝塚造園さんでは新湊中央公園さんでも出展されています。次回はそちらをご紹介します!

 

企業情報

名称     株式会社 貝塚造園

本社所在地  〒224-0033 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎東2-12-8

電話     045-941-2318(平日 9:00~17:00)

FAX    045-941-9193

メール    [email protected]

HP     http://kaizuka.info/

 

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小野寺葉月

中高短で美術を学び、卒業後観葉植物も扱う雑貨店で店長、バイヤーを担当。産後LOVEGREEN編集部で季節や庭木、虫の記事担当しつつ、説明や挿絵などで再び絵を描き始める。Botapiiでもエディブルガーデン他のイラストを担当。縁あって現在はフィリピンのセブ在住。ダイビングリゾートで広報も担当している為、海の中やマクロダイビングの世界に夢中。魚より珊瑚やホヤ、海藻など植物寄りの世界が好き。勘と勢いで生きている。

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