モッコウバラとは?基本の育て方から剪定や誘引、冬越し、花色や香りまで
山田智美
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モッコウバラの育て方、剪定、誘引、花色や種類、香り、冬越しまで紹介します。春、桜が終わった頃にカスタードクリームのような淡黄色や白の可憐な花を咲かせるモッコウバラ。モッコウバラの魅力と楽しみ方のお話です。
目次
- モッコウバラとは?モッコウバラ基本情報
- モッコウバラの花の色と種類、香り
- モッコウバラの育て方
- モッコウバラの剪定のコツ
- モッコウバラの誘引のコツ
- モッコウバラは挿し木で増やせる?
- モッコウバラの冬越し
モッコウバラとは?モッコウバラ基本情報
モッコウバラの特徴
モッコウバラは中国南部原産のつるバラです。大きくなると5mを越します。全体にトゲはなく、病害虫の被害が少ないのも特徴です。葉は3~7枚の小葉で明るいグリーン、葉裏はグレーがかったグリーンをしています。
モッコウバラの花は一季咲きで、春に開花します。花色は白か淡黄で、一重咲き、または八重咲き。枝の先に直径2~3㎝の可愛らしい花を房状に咲かせます。
モッコウバラはとても花付きが良く、満開の時期には枝をしならせるほどたわわに花を咲かせるので、遠くからでも人目を惹くほど見事な姿になります。
モッコウバラの花言葉
モッコウバラの花言葉を紹介します。
- 純潔
- 初恋
- 素朴な美
- あなたにふさわしい人
- 幼い頃の幸せな時間
▼モッコウバラについて詳しくはこちら
モッコウバラの花の色と種類、香り
モッコウバラの花には白花と淡黄花の2種があります。それぞれの色の花と、香りについてお話します。
モッコウバラの花の咲く季節
モッコウバラが咲く季節は春、4月~5月です。桜が咲き終わった頃にカスタードクリームのような淡黄や白の小ぶりの花を、枝いっぱいにたわわに咲かせます。
黄色い花のモッコウバラの種類
モッコウバラ・ルテア
- 学名:Rosa banksiae’Lutea’
八重咲きの黄花のモッコウバラです。キモッコウとも呼ばれます。花色はカスタードクリームのような淡いクリームがかった黄色をしています。花付きが良く、強健で育てやすいので人気の品種です。
白い花のモッコウバラの種類
モッコウバラ・アルバ
- 学名:Rosa banksiae’Alba’
八重咲きの白花のモッコウバラです。真白な花を咲かせます。真白な花を枝をしならせるくらいにたっぷりと咲かせます。
モッコウバラ・ノルマリス
- 学名:Rosa banksiae var. normalis
一重咲きの白花のモッコウバラです。モッコウバラの野生種と言われています。花色は真っ白で花びらは5枚、イチゴの花に似ています。
モッコウバラの香りは?
モッコウバラは原種のバラです。人為的に作出されたバラには香りのないものもありますが、モッコウバラは原種ならではの芳香があります。
モッコウバラの香りは紅茶のような甘い香りで、あまり強くは香りません。花に顔を近づけて確認できる程度の芳香です。
モッコウバラの香りについては、白花の方が強い、黄花の方が強い、などとそれぞれの主張があるようですが、どちらの色も強くはないけれど優しく甘い芳香があります。
モッコウバラの育て方
植え付け、用土
モッコウバラは水はけが良く、肥沃な土壌を好みます。土が瘦せてていると花付きが悪くなります。庭植えは植え付け前に堆肥をすき込み、土壌を豊かにしておきましょう。
鉢植えのモッコウバラは市販のバラ専用の培養土で問題なく育ちます。
場所
庭植え、鉢植え共に日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。
水やり
鉢植えのモッコウバラは表土が乾燥して白っぽくなったら、鉢底から流れ出てくるくらいたっぷりと水やりします。
庭植えのモッコウバラは、植え付け後しばらくは表土が乾いたらたっぷりと水やりします。根付いてからは乾燥が続いた時以外は、特に水やりの必要はありません。夏の水やりは午前中か夕方の涼しい時間に行いましょう。
肥料
肥料は早春の芽が動き始めるころと花後に緩効性肥料を与えます。過肥は花付きが悪くなったり、病害虫の被害にあいやすくなるので気をつけてください。
病害虫と対処法
モッコウバラは病害虫の被害が少なく、とても育てやすいバラですが、アブラムシやハダニの被害にあうことがあります。ハダニは夏に乾燥すると発生しやすくなるので、こまめに葉水をかけるなどして防ぎます。
病害虫の発生を防ぐためにも剪定を行い、風通し良く管理しましょう。
モッコウバラの剪定のコツ
モッコウバラの剪定には時期とコツがあります。翌年にまたたくさんの花を楽しむために上手に剪定を行いましょう。
モッコウバラの剪定の時期
モッコウバラは生長が早く、翌年の花芽の準備を始めるのも早いので、花が咲き終わったら早めに剪定します。遅くとも7月には剪定を済ませるようにしましょう。
モッコウバラの剪定のコツ
モッコウバラの剪定のコツは、花が終わったら枝ごと剪定することです。花が咲いていた枝を主幹の付け根からカットします。
さらに大きく生長することを考えて、植え付けているスペースに合わせて大きさを整えます。花が咲かなかった枝や、混み合った枝などの不要な枝もこの時にカットしましょう。
大きくしたい場合には不要な枝を整えるだけで十分です。
モッコウバラの誘引のコツ
モッコウバラはつるバラですが、自分で絡みついていくことはありません。モッコウバラをフェンスやアーチに絡ませるには、誘引が大切です。誘引の時期とコツをお話します。
モッコウバラの誘引の時期
モッコウバラは夏の間に枝を伸ばして生長します。モッコウバラの誘引は生長が落ち着いた秋に行いましょう。
モッコウバラをフェンスに絡ませる
モッコウバラの枝は太陽を求めて上へ上へと伸びていきます。フェンスに絡ませるなら、横や斜めに大きく誘引するようにしましょう。誘引後に伸びた枝が上に向かって縦方向に伸びていくことを考え、大きな枝は横に誘引します。
昨年の誘引も解いて仕立て直すと、形を整えることができるので、翌春もまんべんなく花に覆われた美しいフェンスを楽しめます。
たくさんの花を咲かせるための誘引のコツ
モッコウバラを誘引する時のポイントは、枝を直立させるのではなく、横向き(地面に対して水平気味に)に誘引していくことです。直立させると茎先にしかつぼみがつかないので、花数が少なくなってしまいます。横に誘引することによって、誘引した枝の複数個所から花茎が立ちあがり、それぞれの花茎の頂点に花が咲くため花数が多くなります。
モッコウバラのアーチ
モッコウバラの枝は太陽を求めて上へ上へと伸びていきます。モッコウバラをアーチに仕立てるには、アーチの下側にも枝をしっかりと誘引しましょう。
アーチの両側にモッコウバラを植えると、偏りの少ないアーチに仕立てやすくなります。アーチの上方に飛び出した枝も、折れない程度にしならせるようにして誘引します。
モッコウバラは挿し木で増やせる?
モッコウバラは挿し木で増やせます。簡単な挿し木の方法を紹介します。
モッコウバラの挿し木の方法
- 挿し木に向いている時期:5~6月
- モッコウバラの枝を花から2~3節下で10㎝程度切り取る
- 葉を半分残してカットする
- 2~3時間切り口を水に浸けて十分に給水させる
- 十分に湿らせた赤玉土小粒やバーミキュライトなどに挿し、土が乾かないようにたっぷりと霧吹きで水やりをする
- 直射日光を避けた明るい半日陰で土が乾かないように管理する
- 2ヶ月程度でポットの裏から根が確認できたら挿し木の完成
根が確認できたら、培養土をいれた鉢に植え替えて、通常通り育てます。
▼バラの挿し木について詳しく紹介しています。
モッコウバラの冬越し
モッコウバラの冬越しや、冬にできる手入れについてお話します。
モッコウバラの冬の剪定
モッコウバラの冬の剪定は枯れた枝や、暴れている枝、不要な枝を整理する程度にします。モッコウバラは夏に枝を伸ばし花芽の準備を始めます。冬の剪定は翌春の花芽を切り落としてしまうことのないように控えめにし、姿を整えるようにしましょう。
モッコウバラの冬の水やり
庭植えのモッコウバラは、特に水やりの必要はありません。降雨に任せましょう。鉢植えのモッコウバラは表土が乾いたらたっぷりと与えます。
気温が寒い時期の水やりは日中に済ませましょう。夕方以降に水やりをすると、土の中の水分が凍ってしまい、根を傷めることがあります。
モッコウバラは冬に枯れる?
モッコウバラは常緑低木です。そうは言っても冬の寒さには弱く、関東でも葉を減らし、葉の色が赤銅色になることもあります。寒冷地では落葉するところもあるようです。
落葉したからと言って枯れたと思わず、翌春の芽吹きを待ってみましょう。
モッコウバラは桜が咲き終わった頃に、さらなる春を感じさせてくれる可愛らしい花です。原種ならではの控えめで小さな花がまた可愛らしく、枝いっぱいにたわわに花を咲かせる姿は、いつまでも見ていたくなるほど魅力的です。
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