ツツジとは?花言葉、咲く季節、育て方と剪定、サツキとの違いや見分け方
山田智美
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ツツジについて、花言葉や咲く季節、育て方と剪定、よく似た花サツキとの違いや見分け方を紹介します。さらにたくさんあるツツジの種類も。ツツジの魅力を見直して、今よりもっとツツジに詳しくなりませんか。
目次
ツツジ基本情報
- 学名:Rhododendron
- 科名・属名:ツツジ科ツツジ属
- 分類:常緑あるいは落葉低木
ツツジの特徴
ツツジとは、主にツツジ科ツツジ属の総称です。公園や庭園、街路樹など身近な場所で見かける常緑のツツジの他、ミツバツツジのような落葉するツツジもあります。一般的に「ツツジ」は、サツキと区別されて使用されることが多い呼称です。
ツツジは日本や中国など北半球の温帯に多くの種類が自生しています。花が大きく、色鮮やかで美しいので、たくさんの品種が作出されています。丈夫で花付きが良く、育てやすいのが特徴の花木です。
ツツジの花言葉
ツツジの花言葉を紹介します。
- 節度
- 慎み
色別の花言葉
- 赤:恋の喜び
- 白:初恋
ツツジの花咲く季節
ツツジの花の咲く季節は春、3月後半~5月です。花の盛りを迎えるのは桜が散り、新緑が美しく照り輝く頃、4月~5月です。
ツツジは、春と秋に咲く四季咲き種もあります。
こんなにある!ツツジの種類
オオムラサキツツジ
- 学名:Rhododendron ‘Oomurasaki’
オオムラサキツツジは花が大きく色鮮やかな常緑低木のツツジ。公園や街路樹などでよく見かけるもっともポピュラーなツツジです。花付きが良く、強健であることも人気の理由です。
花色は赤みの強いピンクの他に、白、薄紫、薄いピンクなどがあります。
レンゲツツジ
- 学名:Rhododendron japonicum
代表的なツツジの1種。落葉低木で、公園や庭園の植栽としてよく利用されるほか、山野にも自生します。明るいオレンジ色の花がきれいなツツジです。
サツキツツジ
- 学名:Rhododendron indicum
サツキツツジは「サツキ」の名前でなじみのあるツツジの仲間です。常緑低木で、花も葉も他のツツジより小ぶり。皐月(5月)に一斉に開花することから、この名前が付いたと言われています。
ミツバツツジ
- 学名:Rhododendron dilatatum
ミツバツツジは山野に自生する落葉低木。青みがかった薄紫色がなんとも美しいツツジです。3月頃から咲き始めます。葉が出るよりも先に花が咲くので、開花中は宙に薄紫色の花だけが浮かんでいるようで、幻想的な景色を楽しめます。
ヒカゲツツジ
- 学名:Rhododendron keiskei
ヒカゲツツジは常緑低木のツツジ。淡い黄色の優しい印象の花を咲かせます。日陰を好むように咲くことからこの名前が付いたとされています。
クロフネツツジ
- 学名:Rhododendron schlippenbachii
クロフネツツジは中国や朝鮮半島に自生する落葉低木。優しいピンク色の大きな花を咲かせます。優雅な印象のツツジで庭木として好まれます。
アケボノツツジ
- 学名:Rhododendron pentaphyllum var. shikokianum
アケボノツツジは高山に自生している落葉低木。淡く明るいピンク色の大ぶりな花を咲かせます。名前の由来は花色が曙(あけぼの)を思わせる色だからだということ。優しく上品な花色は花木として人気があります。
ゲンカイツツジ
- 学名:Rhododendron mucronulatum var. ciliatum
ゲンカイツツジは中国や朝鮮半島に自生する落葉低木。春に明るいピンク色の花を咲かせます。葉より先に花が咲くことや、枝の先に鮮やかな色の花をまとめて咲かせることから、華やかさが人気のツツジの仲間です。
ゴヨウツツジ
- 学名:Rhododendron quinquefolium
ゴヨウツツジは、ツツジ科の落葉樹です。5枚の葉が車輪状に生えていることから、五葉(ゴヨウ)ツツジと呼ばれています。
ツツジとサツキの違いと見分け方
ツツジとよく似ていることから混同されがちなサツキ。ツツジとサツキの違いを見ていきましょう。
ただし、ツツジもサツキも改良が進み多様な品種が作出されているので、一部例外もあります。以下にまとめたものがすべてではありませんのでご容赦ください。
ツツジとサツキの違い
開花時期
- ツツジの開花時期は3月~5月
- サツキの開花時期は4月後半~5月
常緑か落葉か
- ツツジは品種により常緑と落葉がある
- サツキは常緑
花のサイズ
- ツツジの花は4~6cm程度
- サツキの花は3~4cm程度
葉のサイズ
- ツツジの葉は品種にもよるがおおむね3~5cm程度
- サツキの葉は1~2cm
ツツジとサツキの見分け方
開花時期
- ツツジは3月~5月
- サツキは4月後半~5月
花のサイズ
- ツツジの花は4~5cm
- サツキの花は2~3cm
花のおしべの数
- ツツジは5本以上
- サツキは5本
葉のサイズ
- ツツジの葉は3~5cm
- サツキの葉は1~2cmと小ぶり
葉の光沢
- ツツジの葉は表面及び裏側に産毛のような毛がある
- サツキの葉は表面がツルリとしていて光沢がある
ツツジとドウダンツツジの違いと見分け方
ドウダンツツジは名前にツツジと付きますが、実は全くの別種。ドウダンツツジとツツジの違いと見分け方についてお話します。
ドウダンツツジとは
- 学名・属名:Enkianthus perulatus
- 科名:ツツジ科ドウダンツツジ属
- 分類:落葉低木
ツツジとドウダンツツジの違い
属の違い
ツツジとドウダンツツジは同じツツジ科の仲間。大きく分けるとツツジ科ですが、その中で属が分かれます。
- ツツジはツツジ属
- ドウダンツツジはドウダンツツジ属
分類の違い
- ツツジは品種により、落葉低木と常緑低木がある
- ドウダンツツジは落葉低木
ツツジとドウダンツツジの見分け方
花
- ツツジの花はラッパのようなフォルム
- ドウダンツツジの花はスズランのような釣鐘型
花色
- ツツジの花色はピンクやオレンジ、黄色、白と多様
- ドウダンツツジの花色は白、サラサドウダンなどピンク色の品種もある
葉
- ツツジの葉は3~5cm程度と大きく、葉には産毛のような細かい毛がある
- ドウダンツツジの葉は1~2cm程度と小さく、薄くて光沢はない
ツツジの育て方
場所・用土
ツツジの根は浅く横にはるので、排水が良い所に浅植えにし、乾かしすぎないように注意しましょう 。
酸性土壌を好みます。鉢で栽培する場合は、酸度調整をしていないピートモスや鹿沼土を配合すると根張りが良くなります。
水やり
ツツジ類は根が細く浅く張るので水切れに弱く、高温で乾燥が続く夏の日には涼しい早朝か夕方、冬は暖かい日中に水やりを行います。
肥料
花後のお礼肥えと9月頃の枝が充実する時期、1月の休眠期にそれぞれ肥料を株元にばらまきすると、翌年の花つきが一段とよくなります。
病害虫と対処法
ツツジグンバイムシやハダニの被害にあうことがあります。見つけ次第、捕殺あるいは薬剤を散布するなどしましょう。
ツツジの剪定
ツツジの剪定は6月くらいまでに済ませます。ツツジは夏には翌年の花芽を作るので、新しい花芽を切ってしまわないように、花が終ったら早めに剪定するようにしてください。樹形を整えるほか、込み合った枝を整理して風通しを良くしましょう。
桜が終った頃に身近な場所で色鮮やかな花を見せてくれるツツジ。ツツジと一口に言ってもたくさんの種類があります。詳しくなって、もっとツツジの魅力を知ってください。
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