夏の窓辺が楽しくなる|なぜ人気?熱帯ミニスイレンの魅力に迫る
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外に出るのもためらわれる夏は、花に接する機会も少なくなりがちな季節ですよね。そんな酷暑のなかでも園芸の醍醐味を余すところなく味わえるのが、近年人気を集めている熱帯ミニスイレンです。室内で「手間なし・簡単・場所いらず」で楽しめる熱帯ミニスイレンの魅力を、長年熱帯スイレンの生産を手掛ける赤塚植物園(三重県津市)さんに聞きました。夏の窓辺が楽しくなる魅力が満載ですよ。
目次
- 日本の酷暑には「熱帯スイレン」がおすすめ
- 人気上昇中のミニスイレンって?
- ミニスイレンの魅力|涼しい室内で好きな器で楽しめる
- ミニスイレンの魅力|至近距離だから気づく、芳醇な香りと美しさ
- 3日間の花時計?不思議なスイレンの花
- 「ムカゴ」を使った裏技教えます
- 窓辺のミニスイレンで涼を感じよう
日本の酷暑には「熱帯スイレン」がおすすめ

春から初夏になると、園芸店の店先で涼を誘うハスやスイレンなどの水生植物。
最もポピュラーな「温帯スイレン」の生育適温は20〜28℃ですが、近年の日本の猛暑では、水温が40℃を超えることも。そんな季節には生育温度が高い「熱帯スイレン」がおすすめ。酷暑に負けず元気に咲き続けてくれます。
とはいえ、水生植物は「栽培が難しそう」「大きな鉢を置く場所がない」とハードルの高さを感じていませんか? そのイメージを覆すのが、近年品切れが続くほど人気を集めているミニタイプの熱帯スイレンです。
今回お話を聞いた人
赤塚植物園の谷口農場長(左)と営業部の奥村さん(右)

1961年の創業以来、多岐にわたる園芸植物の生産・三重県内最大級の園芸専門店「アカツカFFCパビリオン」や四季折々の里山庭園「レッドヒル ヒーサーの森」運営などを手掛ける総合園芸企業。
人気上昇中のミニスイレンって?

ーー赤塚植物園さんでは、通常サイズの熱帯スイレンの他に、小さな器でも開花が楽しめる「ミニミニスイレンシリーズ」を開発・販売されているそうですね。
「もっと手軽にスイレンを楽しんでいただきたい」という想いから商品化しました。熱帯スイレンのなかでも小さい株でたくさん咲く品種を選び、かき氷の器を利用したカップに入れて販売しています。

ミニミニスイレンシリーズ:(左)ミニミニ ドウベン (右)ミニミニ ムラサキシキブ
ミニミニスイレンシリーズ(以降ミニスイレン)を開発したのは10年ほど前なのですが、当時はほとんど反響はありませんでした。ところがこの数年は年々注目を集めるようになり、出荷ピーク時には品切れが起きるほどの人気者になっています。

取材に伺った6月上旬は出荷最盛期。ミニスイレンは一時的に品切れ気味になるほどの人気
ーー人気の理由は何だと思いますか?
コンセプト通り「手軽さ」もあると思いますし、近年の酷暑で室内で花を育てたいというニーズが高まっているのもあるのではないでしょうか。それと、熱帯スイレンって実は、知れば知るほど魅力が多い花なんですよ。
ミニスイレンの魅力|涼しい室内で好きな器で楽しめる
ーースイレンは玄関先などで育てるイメージがありますが、ミニスイレンは室内でも楽しめるのですね。
ミニスイレンは小さな器でも開花するので、室内の窓辺などちょっとしたスペースでも楽しむことができます。暑い夏でも外に出ないで、花の開花や生長を間近に見ることができます。
ーー専用の水鉢などは必要ないのですか?
購入してそのままのカップでもお楽しみいただけますし、身の回りのお気に入りの器に入れて楽しめます。専用のスイレン鉢を用意する必要はありません。スイレンは水深よりも水の表面積の広さのほうが大切なので、できれば浅くても広めの器を選ぶのがおすすめですね。とはいえそれほど神経質になることはなく、ガラスのコップなどでも十分育ちます。

小さい器で育てると花もコンパクトに咲きますが、大きめの器で育てると、株も大きく育ち、大きな花を咲かせてくれるのも面白いところです。

100円ショップなどで買えるジェルボールなどで、涼しさを演出するのもいいですね。
※ジェルボールだけで器をいっぱいにしないでください。水に少し入れる程度がおすすめです。
ーー置き場所や管理で気をつけるポイントはありますか?
管理の手間は普通の草花より逆に少ないですよ。特に室内で育てるミニスイレンなら、虫の発生などもぐんと軽減します。
|置き場所
日当たりが大好きなので、花を楽しむためには室内の窓辺でもいいので半日以上は日の光に当ててあげてください。水温は40℃近くなっても大丈夫なので、夏の西日も心配ありません。
※室内でも楽しめますが、日当たりの良い屋外で育てるとより元気に美しく咲かせることができます。
|水やり
水に沈めて育てるので、草花のように毎日気にする必要はありません。水が蒸発してきたら器いっぱいに足してあげましょう。旅行で2~3日家を空けても水枯れの心配がないのもうれしいポイントです。
|虫
普通の草花のようにアブラムシなどがつきますが、室内で育てることでその発生率はぐっと少なくなります。いつも間近で見ることができるので、仮に虫がついても早めに発見して対処できるので「知らない間に虫だらけ!」といったことはまずないです。虫が心配であれば、オルトランDX粒剤を水の中に振り入れれば防除できます。ボウフラもわきにくくなりますよ。
|肥料
肥料切れすると咲きにくくなってしまうので、1か月に1度のペースで市販の緩効性の化成肥料を1~2粒、土に押し込んであげるとよく咲くようになります。
初夏~秋まで長く楽しめる熱帯スイレン
「夏の花」のイメージが強い熱帯スイレンですが、実は初夏~初秋まで長く楽しむことができます。ミニスイレンの場合、6月に購入すればそのまま放任管理でも8月頃まで開花が楽しめます。花付きが悪くなったり、葉の元気がなくってきたと感じたら、肥料を与えたり、器を大きくすることで、10月頃まで楽しむことができますよ。
ミニスイレンの魅力|至近距離だから気づく、芳醇な香りと美しさ

ーー熱帯スイレンがこんなに甘い香りを放つとは知りませんでした。
スイレンは水面に咲く美しい花姿だけでなく、品種によっては甘く上品な香りも楽しめます。特に熱帯スイレンには芳香性の高い品種が多く、花色とともに香りも大きな魅力となっています。
ーーバラにも負けない甘い香りに驚きました。室内ならはっきりと香りを感じますね。
熱帯スイレンは茎が丈夫で次々と花が咲くので、切り花にして花や香りを楽しむのもおすすめですよ。水揚げがとても良いので、花瓶に挿しておくだけで室内で咲き続けてくれます。花瓶のスイレンにそっと鼻を近づければ、天然アロマの香りで気分もリフレッシュしますよ。

切り花にする際のコツは「開花1日目」の花を切ること。そうすることで、残り2日間きれいに花の開閉を繰り返してくれます。
ーー残り2日もきれいに咲く…とは? 開花のサイクルについてさらに詳しく教えてください。
3日間の花時計?不思議なスイレンの花

熱帯スイレンの花は「午前中に咲いて午後に閉じるサイクル」を3日間繰り返します。
次々と新しい花が上がってくるので、初夏~秋まで長く花は楽しめますが、ひとつの花の寿命は3日間と決まっています。

昼過ぎになり徐々に花が閉じてきたミニスイレン
面白いのは、1日目・2日目・3日目でおしべの形が変わること。その様子で、何日目の花なのかを見分けられます。開花1日目はおしベがピンとまっすぐ。2日目のおしべはやや閉じ気味。3日目のおしべは再び大きく広がります。

先ほど言った「切り花にするなら開花1日目の花を」というのは、この開花特性からきています。ちなみに、切り花にしても「午前に咲いて午後閉じる」習性も変わらないんですよ。
ーー部屋の中にいながら朝の訪れを感じる天然の花時計のようですね。

切り花にしても午後には花が閉じるし、3日間の開花寿命は変わらない。植物の習性はとても不思議
「ムカゴ」を使った裏技教えます
ーー熱帯スイレンは、翌年も楽しむことができますか?
翌年楽しむためには「冬越し」が必要です。寒さには弱いので、冬の間は室内に取り込んで冬越しするのですが、実は裏ワザもあるんです。
熱帯スイレンのなかには、葉の中央部にムカゴ(小さな球根状の芽)を付ける種類があり「ムカゴ種」と呼ばれています。初夏~夏の間にそのムカゴを採って、水を入れた瓶の中に保存。翌年暖かくなったら、そのムカゴを植えて育て、新しい株を楽しむことができます。
熱帯スイレンの「ムカゴ」裏技を見学
実際に農場で、葉からムカゴを採取して殖やす様子を教えてもらいました。

初夏~夏に、摘んだ葉を水に浮かべておくと、葉の中央部にムカゴができます。株から切り離された葉が、生き残ろうとしてムカゴに栄養を集中して、未来を託す・・・。何だかけなげですね。
水温の高い夏時期であれば、1週間もしないうちにムカゴから新芽が展開して根も伸び出すそう。

葉から採取したムカゴ。すでに発根していました。ちなみに親葉は黄色く枯れるまでつけておく方がムカゴは大きく育ちます。

採取したムカゴを水を入れた瓶に入れて保存。翌年このムカゴを植えればまた新しい熱帯スイレンを楽しめるというわけです。まさにタイムカプセル冬越し!
ムカゴで殖やそう!
ムカゴから株を殖やすのも、熱帯スイレンを楽しむ裏技のひとつ。お子さんと一緒にムカゴから育ててみるのも楽しそうですよ。

葉から採取したムカゴをプラカップの土に植えます。ちなみにこのプラカップはプリンのカップで代用可能。このまま水を張った鉢に沈められるアイデアツールです。

植え付けたムカゴをプリンカップごと水に沈めます。葉が水の中にもぐってしまってもすぐに伸びてくるので大丈夫。3週間ほどで一人前の株に生長するそうです。
7月中に始めれば、年内に開花株を殖やすことも可能。間に合わなければムカゴを保存して、ぜひ翌年楽しんでください。
窓辺のミニスイレンで涼を感じよう

少しハードルが高いと思われがちだった水生植物も、室内で育てられる熱帯ミニスイレンなら、ぐっと身近になります。
暑い夏に室内で楽しめる美しい花、午前と午後の花の開閉の変化、3日間だけ咲く特別なインテリア、心を癒す甘い香り。さらにムカゴで簡単に殖やしたり冬越しができる「試したくなる」楽しさ。
酷暑に涼と楽しさをもたらす熱帯ミニスイレン、人気の理由に納得です。
紹介した熱帯スイレンは、赤塚植物園の通販サイト「花の音」で購入できます。






































