ひまわりの育て方~種まき、植え替え、種の収穫など知っておきたいポイント

金子三保子
このライターの記事一覧

ひまわりの育て方で知っておくとよいポイントをご紹介します。夏を代表する花・ひまわりは、育てるより鑑賞する花としての方が有名かもしれませんが、育て方のポイントを知れば初心者でも簡単に栽培できる花です。おうちでひまわりを育ててみませんか?
目次
- ひまわりの入手方法
- ひまわりの種まきと苗からの育て方
- ひまわりの育て方|植え方と栽培場所
- ひまわりの土と肥料
- ひまわりの水やり
- ひまわりの病害虫
- ひまわりの日々の育て方・剪定
- いろんな種類のひまわり
- ひまわりの種
ひまわりの入手方法
ひまわりの流通は種と苗の2通りがあります。種まきの時期は4月~6月なので、種は3月くらいまでに準備しておきましょう。一口にひまわりと言っても、背丈や色など、とてもたくさんの品種があります。植える場所に合った種を選びましょう。ひまわりの苗は、初夏から夏にかけて流通しています。
ひまわりの種まきと苗からの育て方
ひまわりの種の選び方
芽が出たばかりのひまわり
ひまわりは、種から栽培することも比較的簡単です。最近のひまわりは色々な品種があるので、こだわった色や咲き方のひまわりを育ててみたい方は、ひまわりを種から育ててみてはいかがでしょうか。
ひまわりは高性種から矮性種など丈も様々です。また、1本立ちで咲くタイプから分枝して咲くタイプのものなど、生長の仕方も色々とあります。自分の栽培スペースにあわせた背丈、生長の仕方のひまわりを選びましょう。
種まきの時期はいつ?
ひまわりの種まきの時期は4月~6月。十分に暖かい気温になってからまきましょう。
写真は開花間際のひまわり。むちっとしたつぼみが膨らみ始め、花びらに徐々に色が乗ってきます。4月に種をまくと一番花は6月中旬~後半くらいです。
種のまき方
ひまわりは直根性のため、直まきが適しています。直まきする場合は、深さ1~2センチ程度の穴をあけて種を2~3粒まきます。株と株の間は、高性種は50~60センチ、普通種は15~20センチ程度あけるとよいでしょう。種まきの時期は、発芽適温が20度から25度と高めなので、4月下旬以降に種まきをすると発芽率が高いでしょう。
苗として育てる場合は、ポット苗に数粒ずつ種をまき、発芽した芽の中から良い芽を残して、残りの芽を間引く方法だと、発芽した芽を移植する手間が省けます。苗はしばらく育苗し、根が回ってきた頃が植え付け時です。植え付ける際は根をいじらないように注意しましょう。
ひまわりの種の性質
ひまわりの種は嫌光性なので、種をまいたら必ず覆土をすることが大切なポイントです。種には発芽に光が必要なものと光を嫌うものがあります。ひまわりのような光を嫌うタイプの種は、光を直接受けていると発芽しません。
ひまわりの摘芯
ひまわりの本葉が5~6枚くらいになったら、芽の先を摘むと脇芽が出て丈が抑えられた花数の多い株になります。その分、ひとつひとつの花は小さくなります。
ただし、1茎1花の1本立ちタイプのひまわりは摘芯は行いません。
最近のひまわりの品種は分枝性のものや矮性種もあって、摘芯をしないでも枝分かれして、たくさんの花が咲くものもあります。それらは摘芯の必要はありません。このことは種の袋にそれぞれの品種の特徴が記載してあります。品種にあった育て方をしましょう。
ひまわりを苗から育てる
ひまわりの苗は初夏~8月ごろまで出回っています。本葉が5~6枚までがひまわりの移植のタイミングなので、苗を購入する際はあまり大きくなりすぎていないものを選びましょう。ひまわりの苗の選び方は、葉っぱが生き生きとした緑色で、つぼみがついているもの、花や葉の表と裏をよく見て病害虫の害がないかをチェックして健康な苗を選ぶようにします。
ひまわりの育て方|植え方と栽培場所
ひまわりの栽培場所
ひまわりはお日様が大好きな花です。日当たりと風通しの良い場所に植えましょう。風通しが悪いと病害虫の害にあいやすくなります。
ひまわりの根の性質と植え方
ひまわりを植える際に覚えておいた方がよい性質があります。それは、ひまわりは直根性の根の性質であることです。直根性のひまわりは移植を嫌うため、何度も植え替えたりすることはできないと思った方がよいでしょう。ポット苗から植え替える時は、根をほぐしたりしないでそのまま植え替えましょう。
直根性とは・・・
根っこが地中深く枝分かれすることなく、まっすぐに伸びていく性質のことをいいます。
地中深く伸びた後に分岐するものもありますが、基本的には太い根が下に伸びていく性質です。そのため直根性の植物は、太い根を少しでも痛めてしまうとダメージが大きく、うまく根付きません。このことから植え替えの時に注意が必要な植物と言えます。買ってきた苗を植え付ける際には、根をほぐさず、そのまま土に埋める感じで植え替えましょう。
ひまわりの土と肥料
ひまわりは土質を特に選ばなくても育つ丈夫な花です。土地が肥えているなら肥料がなくても育つ場合もあります。鉢植えの場合は、水はけが良く、排水性と適度な保水性のある土が適しています。市販の草花用培養土でも問題なく育ちます。
肥料は植え付け時に元肥として緩行性の肥料を施します。以後、使用している肥料の頻度を守って、追肥を行います。肥料が切れると下葉が黄色く枯れこんでくるので目安にしましょう。逆に与えすぎても虫がつきやすくなったりする場合があります。
地植えの場合は、ひまわり以外の草花がきれいに咲いている土であれば、無肥料でも育つ場合があります。一方、鉢植えの場合は、限られた土で栽培するため、追肥が必要な場合が多いので、花つき、葉の色つやなどを見ながら、様子を見て追肥しましょう。
ひまわりの水やり
ひまわりの水やりは、表面の土が乾いたらたっぷりと水を与えます。いつもじめじめしているのを嫌うので、水のやりすぎには注意しましょう。
ひまわりの病害虫
ひまわりは梅雨時にべと病にかかりやすくなります。確認でき次第薬剤散布を行います。予防として、株元にマルチングをするのも効果があります。害虫はハダニやオンシツコナジラミが発生しやすいです。
病害虫は高温多湿な時期に発生しやすいので、常日頃から葉っぱの状態に異変がないかをまめにチェックして、異変があるときは早急に対処することが大切です。
ひまわりの日々の育て方
ひまわりの剪定
ひまわりの次のつぼみ
花びらが散ってきたら、つぼみのすぐ上の矢印部分を剪定します。終ったひまわりをそのままにしておくと種をつけることにエネルギーが回ってしまうので、早めに剪定した方が次の花のためになります。ただし種を採りたい場合は、終わった花をそのままにしておくと中心部分が種になります。また、花だけでなく黄色くなった葉っぱは早めに取り去りましょう。
分枝して咲くタイプのひまわりは、茎の至るところから脇芽を出します。終わった花を切る時は、次の花芽まで切らないようにしましょう。
支柱立て
背丈が高くなるひまわりは、支柱を立てて、風などで倒れるのを防止しましょう。
いろんな種類のひまわり
ひまわりとひとくちに言っても、最近では種類がとても豊富な花のひとつとなりました。色、咲き方、小輪から大輪まで大きさもいろいろ、中にはこれがひまわり?というものもあります。たくさんの品種の中から、いくつかご紹介します。
黄色いひまわりも中心の色やフォルムが違うと印象はがらりと変わりますね。
中心がグリーンのひまわり。ガーベラにも似ています。
モネのひまわり
ひまわり・東北八重
八重咲のひまわり。花びらは何枚あるのでしょう?
ひまわり・テディベア
ひまわり・ジェイド
白に近い黄色で上品な雰囲気もあるひまわりです。
赤系やブラウン系のひまわりも最近人気です。
ひまわりと言えば、明るいイメージですが、レッド~ブラウン系はシックな雰囲気。
ご紹介したのはほんの一部。こだわりのひまわりの種類を庭に植栽してみてはいかがでしょう?
ひまわりの種
ひまわりの種のつき方
ひまわりは、花が終わると花びらが落ちて、写真のような状態になります。この中心部分が時間をかけて種になっていきます。
ひまわりの種の収穫時期
ひまわりの種は、開花後、約1.5か月~2か月かけて種になります。
花びらが落ちてすぐは、種はまだできていない状態です。葉っぱが次第に枯れてきて、花首が徐々に下を向いてきたら種ができ始めている合図です。色は最初の頃の色より黒っぽくなり、固くなってきたら花茎ごと収穫して数日間、天日干しをして乾燥させます。
乾燥後、トウモロコシを一粒一粒取るときの要領で種を取り出します。
取り出したひまわりの種は、完全に乾燥させるために、再度天日干しで数日乾燥させます。この処理が甘いと、カビが生えたりするので注意しましょう。収穫した種は密閉容器や袋に入れて冷暗所で保存します。
夏の花と言えばひまわり。最近はたくさんの咲き方、色あいなど種類が豊富なので、お気に入りのひまわりを庭で育ててみてはいかがでしょうか。
ひまわりの関連記事