胡蝶蘭(コチョウラン)を贈る際のマナー|立札や花色・選び方のポイント
LOVEGREEN編集部
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花持ちが良く、管理も容易で、花言葉も「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」など、贈り物にはぴったりの胡蝶蘭。
誕生日祝いから引っ越し祝い、還暦祝いといった個人ギフトから仏花、そしてお取引先とのビジネスシーンまで。様々な用途にも対応可能な心強い花ですが、失敗しないためには用途に応じて色や大きさ、予算などを使い分けることが重要です。
胡蝶蘭選びのポイント、贈る際のマナーや注意点について解説します。
目次
- 胡蝶蘭(コチョウラン)の花色の選び方:花言葉・贈る相手・ふさわしいシーン
- 胡蝶蘭(コチョウラン)選びのポイント
- 胡蝶蘭(コチョウラン)の相場はどれぐらい?
- 胡蝶蘭(コチョウラン)を法人用に贈る際のマナーと注意点
- 胡蝶蘭(コチョウラン)を贈る際のタブー
胡蝶蘭(コチョウラン)の花色の選び方:花言葉・贈る相手・ふさわしいシーン
それではまず、胡蝶蘭選びの基本となる花色について見ていきましょう。胡蝶蘭の花色は大きく分けて、以下の4つに分けられます。
・白
・ピンク
・黄色
・紫
花色によって花言葉もまた違ってくるため、花色を選ぶ際は花言葉で選んでみても良いかもしれませんね。
胡蝶蘭(コチョウラン)の色:白(ホワイト)
穢れの無い純白が美しい、白。「平和」や「純粋さ」の象徴であり、「潔白」という言葉にも使われているように、相手への忠誠心を示す色でもありますよね。
そのような白の胡蝶蘭の花言葉は「清純」。気品高く純粋なイメージから、結婚式を挙げる際に花嫁が持つブーケや式場の装飾などにもよく使われています。友人や知人の結婚式に参列した方が、白い大きな胡蝶蘭の清楚さに惹かれ、憧れを抱くケースも多いようです。
また、胡蝶蘭の中では最もオーソドックスな色でもあるため、開業祝いや開店祝い、就任祝いなどのビジネスシーンでも幅広く用いられています。とりわけ、白の大輪品種はその豪華さから、選ばれる傾向にあります。
一方、同じ白の胡蝶蘭の中でも最近人気を博しているのが、リップ部分(中央部にある、唇のような形をした部分)のみ色が入った品種。一般的には、ピンクなど赤系のコントラストが効いた色がワンポイントで入るので、派手過ぎず、清楚ながらも華やかさがあります。
「紅白」として縁起も良いため、ビジネスシーンでも特におめでたいシチュエーション、例えば選挙における当選祝いなどで贈ると、相手から好まれるでしょう。
ちなみに、仏花として胡蝶蘭を求めるのであれば、宗教上問題になることが少ない、定番の「白」が基本です。
もう少し詳しく述べると、
・四十九日前は白
・四十九日後は白や淡い色、または故人が好んだ色
などが良いとされています。
胡蝶蘭(コチョウラン)の色:ピンク
可愛さがありながらも気品があり、その凛とした佇まいに柔らかさと華やかさを添えてくれるピンク。女性らしいイメージがありますよね。
そんなピンクの胡蝶蘭の花言葉は、「あなたを愛しています(I love you)」という、なんともロマンチックな言葉。大切な記念日など、特別なシチュエーションに男性から女性へ贈るのはもちろん、日ごろの感謝を込めて「母の日ギフト」として贈るのもオススメです。
また、最近では「フラワーホワイトデー」と呼ばれ、バレンタインデーと同じくホワイトデーにも花を贈るのが一般的になっています。お菓子やプレゼントに添えて、胡蝶蘭を贈るのも素敵かもしれませんね。
胡蝶蘭(コチョウラン)の色:黄色(イエロー)
見た瞬間に元気になれる、幸せのシンボル黄色。淡い色合いも素敵ですし、ビビッドな原色系の黄色は一つあるだけその場がパッと明るく華やぎますよね。
そんな注目度が高まっている黄色には、「活発さ」や「幸福」に加えて、金運アップなどの印象から「商売繁盛」の意味も。開業・開店祝いにはぴったりですし、長寿祝いにも最適。
白やピンクなどの定番色以外を贈ってみるのであれば、黄色がオススメです◎
胡蝶蘭(コチョウラン)の色:紫(パープル)
ちょっと珍しい、紫色(パープル)の胡蝶蘭。紫は昔から「最も位の高い色」とされており、高貴で気品高いイメージがありますよね。
古希祝い(70歳)や喜寿祝い(77歳)など、長寿を祝うおめでたいシチュエーションでもよく用いられている紫。まるでピンクのような淡い紫色はたまにありますが、濃い紫色はまだまだ流通量の少ない、希少品種です。
目上の方への贈り物はもちろんのこと、センスのある方や、ちょっと個性的なものがお好きな方へのギフトにもオススメです。
胡蝶蘭(コチョウラン)選びのポイント
それでは、色に続いて大きさやサイズ、本数などの細かいポイントについて見ていきましょう。
胡蝶蘭(コチョウラン)のサイズ
胡蝶蘭を贈る際、色と並んで悩むのがサイズですよね。
個人・法人ギフトによっても異なってきますが、個人ギフトの場合は3号(直径9cm)から5号(直径15cm)ぐらいが適切。大きすぎても場所を取ってしまいますし、自宅のリビングやダイニングテーブルの上に置いて飾ることを考えると、これぐらいのサイズがちょうど良いかもしれません。
贈る方の家に行ったことがある場合は、どこに飾ってもらえそうか予め検討しておくと、間違いがないでしょう。
法人ギフトの場合、ボリュームのある豪華なものが好まれる傾向にあります。ただし、店舗や会社のオフィスといえど、やはり大きすぎてはスペースに困ってしまいますので、6号(直径18cm)から10号(直径30cm)が適切です。
判断がつかない場合は、ほど良いボリューム感があり、机上にも置けるサイズの6号が無難かもしれません。
胡蝶蘭(コチョウラン)を贈る本数は縁起の良い奇数(3・5・7本)がベスト
胡蝶蘭のサイズを図る判断材料の一つとして、花茎の本数もまた重要です。
一般的には、ミニマムなサイズ感が可愛い1本立ての「マイクロ胡蝶蘭」から、法人用の大きいものでは10本立てまで、様々なものが出回っています。
もちろん、ボリュームや次章で述べる予算によって選んでも良いですし、「縁起の良さ」で選ぶのも一つの手。というのも、日本では昔から「奇数=縁起の良い数」とされてきたため、中でも3本・5本・7本仕立ては人気があります。
特に目上の方への贈り物や、大切な取引先とのシーンでは、奇数の本数というのも視野に入れて考慮すると良いかもしれませんね。
胡蝶蘭(コチョウラン)の相場はどれぐらい?
さて、気になる胡蝶蘭の相場。高そうなイメージがありますが、サイズによっては3,000円から手に入ります。
下記はあくまで参考となりますが、一つの目安として贈る相手との関係値によっても検討してみてください。
個人ギフトの場合
友達へのプレゼント
|
3,000円~1万5,000円
|
知人へのお祝い(引っ越し祝いなど)
|
2~3万円
|
家族や親戚へのお祝い
|
2~5万円
|
法人ギフトの場合
一般 | 約3万円 |
大企業 | 3~5万円 |
上場祝い | 3万以上 |
昇進・就任祝い | 3~5万円 |
胡蝶蘭(コチョウラン)を法人用に贈る際のマナーと注意点
法人用ギフトとして、店舗や会社のオフィスに直接納品してもらう場合、贈る時間帯や立札のマナーにはとりわけ気を付ける必要があります。法人ギフトで胡蝶蘭を贈る際のマナーと注意点について解説します。
胡蝶蘭(コチョウラン)を贈る時間帯
まず胡蝶蘭を贈る時間帯についてです。贈るシーンによっても異なりますが、基本的には当日の午前中が最も良いとされています。
しかしながら、当日はバタバタしているので、避けた方が良い場合も。そのような場合は、次の表を参考にし、時間指定で「午前着」にしておきましょう。
贈るシーン | 贈るタイミング | 注意点 |
開店祝い・開業祝い | 1週間前~当日 | 当日だと受け取ってもらえない可能性があるため、先方に確認しておくと良い。当日きちんと飾ってもらいたい場合は、前日までに贈る。 |
就任祝い・昇格祝い | 就任・昇格の当日~1週間以内 | 当日だとやはり受け取ってもらえない可能性があるため、本人に確認しておく。サプライズの場合は、秘書や会社の他の知人に聞く方法も。 |
記念すべきその日を祝うということで、期日に届くことは大前提。遅れてしまっては、元も子もありませんよね。配送の状況や思わぬトラブルによっては、到着が遅くなってしまう可能性もあるため、時間指定で「午前中」で依頼しましょう。
何かあったとしても、配送が翌日になってしまうリスクは最小限に抑えることができます。
万が一配送が遅れてしまった場合は?
いくら前もって用意をしていても、時間通りに届く保証はありません。また、中には前日になって、祝い花(胡蝶蘭)を手配し忘れていたことに気づくケースもあるかもしれませんね。
そのような場合は、「祝御開店」「祈御発展」 「祝御開業」などの文言で贈るという方法もありますので、視野に入れておくと良いでしょう。
胡蝶蘭(コチョウラン)の立札はどうするべき?
法人ギフトにおいて、胡蝶蘭の美しさと同様に重要視されるのが、立札の存在です。
一般的に、贈られた胡蝶蘭は、その華やかさから店頭やエントランスなど人目に付くところに飾られることが多いため、立札の文言には細心の注意を払う必要があります。
立札の記載方法について、開業祝いや昇進祝いなどのシーン別に解説します。
※なお、贈り主・贈り先の名前は、下の名前も含めたフルネームで記載します。
立札・メッセージカード | 赤字の文言(冒頭:最も人気のある文言) | 贈り主・贈り先の記載 | |
基本の立札 |
立札 |
「祝」「御祝」 |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(店名+役職名+名前) |
開店祝い |
立札 |
「開店御祝」 「祝御開店」 「祝御開設」(事務所など、移転に近い形で開店する場合)など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(店名+役職名+名前) |
開院祝い |
立札 |
「開院御祝」 「祝御開院」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(院名+役職名+名前) |
開業祝い | 立札 |
「開業御祝」 「祝御開業」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
移転のお祝い | 立札 | 「移転御祝」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
当選祝い |
立札 |
「祝御当選」 「○○(役職名)当選祝」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
上場祝い | 立札 |
「祝上場」 「祝一部(二部)上場」 「祝東証一部(二部)上場」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
就任のお祝い | 立札 |
「就任御祝」 「○○(役職)就任御祝」 「祝御就任」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
昇進・栄転祝い | 立札 |
「昇進御祝」 「就任御祝」(昇進の結果、就任になる場合) 「祝御昇進」 「祝御栄転」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
創立記念日祝い | 立札 |
「祝〇周年」 「創業〇周年御祝」 「創立〇周年御祝」「設立御祝」など (数字は漢数字・算用数字どちらも可) |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
結婚祝い | 立札・メッセージカード |
「結婚御祝」 「祝御結婚」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(相手の名前) |
出産祝い |
メッセージカード |
「出産御祝」 「祝御出産」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
誕生日祝い | メッセージカード |
「誕生日御祝」 「祝誕生日」 「誕生御祝」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(企業名+役職名+名前) |
退職祝い | 立札 |
「退職御祝」 「退職祝」 「祝退職」 「祝定年御退職」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみが基本 |
叙勲・受賞祝い | 立札 |
「御受賞御祝」 「叙勲御祝」 「祝叙勲」 「祝○○(賞の名称)」など |
贈り主(企業名+役職名+名前)のみ または贈り主+贈り先(相手の名前) |
供花 | 立札(木札) |
「供」 「敬供」 またはなし (黒字で記載) |
贈り主(企業名・企業名+役職名+名前・企業名+部署/所属名+一同)のみが基本 |
胡蝶蘭(コチョウラン)を贈る際のタブー
それでは最後に、胡蝶蘭を贈る際のタブーについて解説します。以下は非常に失礼となりますので、注意するようにしましょう。
赤一色のみはNG
様々な花色がある胡蝶蘭。
最近ではビビッドな色合いとして赤色の胡蝶蘭なども登場してきていますが、企業経営の「赤字」や「火事」など、縁起の悪いことを想像してしまうため、贈り物には適していません。
どうしても赤を入れたい場合などは、先述の「白がメインで、リップの色のみ赤」など紅白にすると、良い印象になるのでベストです。
開院祝いには注意
開院祝いとして胡蝶蘭を贈ることはよくありますが、中には衛生上の観点や、花粉によるアレルギーの可能性を懸念し、断られる場合があります。そのため、開院祝いとして贈ることを検討している際は、事前に先方に確認するようにしましょう。
昇進・昇格・就任・栄転等の違いに気を付ける
昇進・昇格はまだ聞いたことがあっても、「栄転」といった言葉にはあまり聞きなれない方もいるのではないでしょうか?それぞれの意味の違いに注意し、誤った文言で記載し恥をかいてしまうことのないようにしましょう。
名称 | 意味 |
昇進 |
上位の職位にあがること。 例)主任→係長→課長→次長→部長→本部長 例)事業部長→常務→専務→社長→会長 例)リーダー→マネージャー など |
昇格 |
上位の等級に上がること。 例)課長1等級→課長2等級 など |
就任 |
役員以上に昇進すること、あるいは外部から部長以上のクラスの人員を雇うこと。 例)取締役・代表取締役・執行役員など |
栄転 | 昇進・昇格に際して、転居を伴うこと。 |
胡蝶蘭を贈る際には、様々なマナーが存在しますので、これらを参考に相手にぴったりな胡蝶蘭を贈りましょう。きっと、喜んでくれるはずです。
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