バジルの種類と選び方、特徴を知ってお気に入りのバジルを選ぼう!

金子三保子
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バジルは料理やソースなどの調味料に利用される爽やかな香りのハーブ。最近は様々なハーブが苗や野菜として流通していますが、中でもバジルは種類が豊富なハーブのひとつです。
今回は流通しているバジルの中からピックアップした品種の味、見た目、香りなどの特徴や利用法をご紹介します。気になったバジルを育ててみませんか?
目次
バジルとは?
バジルはシソ科の爽やかな香りのするハーブ。原産地では多年草として扱われている種類もありますが、日本では一年草として扱われていることが多いようです。
バジルの薬草としての主な効用は胃腸の機能の促進として使われます。料理の中でのバジルは、イタリア料理には欠かせないハーブの一つ。フランスでは L’Herbe Royale、ハーブの王様とも呼ばれています。その他、日本でも人気のタイのガパオライスのガパオはホーリーバジルのこと。日本でも年々バジルの流通量は増え、最近は八百屋さんやスーパーでも葉もの野菜として販売されています。
爽やかな香りが食欲をそそり、肉や魚料理の風味付け、サラダ、パスタ、ピザの彩り、バジルを使ったソース、ジェノベーゼソースなど様々な料理に活用されています。
苗の流通も年々種類が増える一方で、一口にバジルと言っても種類によっては違う趣があります。今回は苗として流通しているバジルの種類の中から代表的な品種の特徴をご紹介します。気になったバジルをおうちで育ててみませんか?
バジルの種類と特徴
料理におすすめ!スタンダードな香りのバジル
スイートバジル
葉もの野菜としても苗としても最も流通しているスイートバジル。バジルと言えば一般的にはスイートバジルを言い、一番手に入りやすいバジルです。ピザ、バスタ、肉や魚料理などを始め、ジェノベーゼソースやドレッシングなど利用範囲は様々。まずはこれから育てる方が多いのでは。スイートバジルの花の色は白です。
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スイートバジル
- スイートバジルは、イタリア料理には欠かせないハーブの一つです。バジルはハーブの王様とも呼ばれ、名前の由来も「王らしい」という意味の「basilicum」に由来しています。たくさんの種類があるバジルですが、スイートバジルはその中でもっともスタンダードな品種です。爽やかな香りが食欲をそそり、生ではもちろんのこと、ジェノペーゼソースやパスタ、ピザの彩りに最適です。草丈は摘心せずに育てると1m近くに達し、艶やかな柔らかい葉が生い茂り、7月ごろから9月にかけてシソ科らしい花穂をつけ可憐な白い花を咲かせます。 スイートバジルは温暖な国では多年草ですが、日本では越冬できないために一年草として扱われます。
ジェノベーゼバジル
ジェノベーゼバジルはイタリア原産のバジルで、イタリア料理によく使われるジェノベーゼソース作りに適したバジルです。ジェノベーゼソースとは、バジル、松の実、ニンニク、塩、パルメザンチーズ、オリーブオイルで作るソースのことでパスタを始めとして様々な料理に使えるソースのことです。
一般的なバジル類は、花を咲かせると葉が固くなり風味が落ちていきますが、ジェノベーゼバジルは開花後も風味が落ちないのが特徴です。見た目はスイートバジルとよく似ています。ジェノベーゼバジルの花の色は白です。
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料理の飾りつけ、彩に最適なブッシュバジル
ブッシュバジルはスイートバジルの葉を小さくしたような小葉のバジルです。使い方は一般的なバジルと同様です。花の色は白です。
葉が小さいので料理の飾りつけに刻まずに利用できるのが利点です。
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葉の色が印象的な赤バジル、紫バジル
赤バジル、紫バジルと呼ばれるバジルは通称で、色々な品種が存在します。中でも最も流通量が多いのはダークオパールバジル。ダークオパールバジルはスイートバジルの園芸品種で、深い紫色をしたバジルです。味や風味はほぼスイートバジルと同じと言われていますが、私的には若干風味や香りが違う気がします。味覚や嗅覚の感じ方は個人差があるので、機会があれば嗅ぎ比べ、味比べをしてみてはいかがでしょうか。
ダークオパールバジルを使ったハーブビネガー
ダークオパールバジルの使い方は、スイートバジルと同様、料理や調味料として使うことができます。お酢につけるとダークオパールバジルの色が溶け出て美しい色のハーブビネガーを作ることができます。
食用の他、葉の色の美しさからカラーリーフとして、庭や花壇、寄せ植えなどの観賞用にも使われています。株はよく分枝し、夏になると茎先に穂状の花を伸ばし、唇型の淡いピンクの小さな花が開花します。花は切り花としても流通しています。ダークオパールバジルの色は、季節や気温によって色合いが変わります。また個体差もあります。
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ダークオパールバジル
- ダークオパールバジルは、スイートバジルの園芸品種で、深い紫色をしたバジルです。見た目の色から赤バジル、赤バジリコ、紫バジルとも呼ばれます。味や風味はほぼスイートバジルと同じですが、厳密にいうと若干風味や香りが違います。味覚や嗅覚の感じ方は個人差があるので、機会があれば嗅ぎ比べ、味比べをしてみてください。 ダークオパールバジルの使い方は、スイートバジルと同様、薬用、料理や調味料の香りづけに使うことができる他、色の美しさからカラーリーフとして庭や花壇の植栽や寄せ植えなどに使われています。株はよく分枝し、夏になると茎先に穂状の花を伸ばし、唇型の淡いピンクの小さな花が開花します。花は切り花としても流通しています。 ダークオパールバジルの色は、季節や気温によって色合いが変わります。また個体差もあります。
プラスの香りで選ぶバジル
最近よく見かけるようになったバジルの香り以外の香りもするタイプ。その香りの特徴を生かした使い方をしたい方におすすめ。
レモンバジル
香りはスイートバジルとレモンの香りを併せ持ち、とてもさわやかな香りがします。葉を嗅いだ瞬間はバジルの香り、嗅ぎ続けているとレモンの香りの方が強いくらいです。その香りから別名シトラスバジルとも呼ばれます。
レモンバジルの使い方は、スイートバジルと同様、薬用、料理や調味料の香りづけに使うことができます。レモンの香りが強いので、サラダにレモン風味をプラスしたい時に便利です。その他、ドレッシング、ハーブビネガー、お茶、ハーブウォーターなどに使うと、香りの良さを生かすことができます。花の色は白です。
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レモンバジル
- レモンバジルはシソ科の一年草のハーブです。香りはスイートバジルとレモンの香りを併せ持ち、とてもさわやかな香りがします。葉を嗅いだ瞬間はバジルの香りがしますが、嗅ぎ続けているとレモンの香りの方が強いくらいです。その香りから別名シトラスバジルとも呼ばれます。 レモンバジルの使い方は、スイートバジルと同様、薬用、料理や調味料の香りづけに使うことができます。レモンの香りが強いので、その特徴からサラダにレモン風味をプラスしたい時に便利です。その他、ドレッシング、ハーブビネガー、お茶、ハーブウォーターなどに使うと、香りの良さを生かすことができます。 株はよく分枝し、夏になると茎先に穂状の花を伸ばし、唇型の白い小さな花が開花します。花は切り花にもなります。
シナモンバジル
シナモンバジルはメキシコで作られた栽培品種で、シナモンの香りがするバジルです。料理や薬草としての他、鑑賞用にも向きます。草姿はスイートバジルに似ていますが、茎の色は赤紫色で株はよく分枝し、夏になると茎先に穂状の花を伸ばし、唇型の薄紫色の花が開花します。
スイートバジルと同様に利用できますが、シナモンの香りを生かしてお茶、ソースやハーブビネガー、ドレッシングなどの調味料、デザートなどにも利用できます。
シナモンバジルは観賞用として流通している場合があります。食用と観賞用では使用している薬剤が違う場合があるので、食用で利用する場合は必ず確認してから購入しましょう。
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ガーデニングの植栽にも使えるバジル
斑入りバジル
斑入りバジルは、最近流通が始まった葉にきれいな斑が入ったバジルです。スイートバジルより若干強い香りがしますが、利用法は一般的なバジル同様、料理に使うことができます。とてもきれいな葉なので、料理の他、庭や花壇の植栽として隣の花を引き立てるカラーリーフとしても活躍します。
斑入りバジルは観賞用として流通している場合があります。食用と観賞用では使用している薬剤が違う場合があるので、食用で利用する場合は必ず確認してから購入しましょう。
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カラーリーフとして
赤バジル、紫バジルで紹介したダークオパールバジルは、鑑賞用のカラーリーフとしても流通しています。
薬効の強いバジル
ホーリーバジル
ホーリーバジルはインドの伝統医術・アーユルヴェーダで用いる薬草として知られています。「万能ハーブ」「神聖なハーブ」「不老不死の霊薬」とも呼ばれ、古くから優れた薬効を認められています。代表品種は、クリシュナトゥルシー、カプーア・トゥルシー、ヴァナ・トゥルシー(ツリーバジル)、オオヤトゥルシーなどがあります。品種によって薬効や花の色を含めた見た目、丈などが違います。
ホーリーバジルは多年草ですが、露地での越冬が難しい地域が多い日本では一年草として扱われています。強い香りとスパイシーな風味はありますが、クセがないため一般的なのバジルの代用品にもなります。最近人気のタイ料理、ガパオライスのガパオはホーリーバジルのことですが、葉もの野菜としての流通はまだ少ないからか、日本だとスイートバジルで代用されていることが多いようです。
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ホーリーバジル(トゥルシー)
- ホーリーバジルはインドの伝統医術・アーユルヴェーダで用いる薬草として知られています。和名も「カミメボウキ(神目箒)」とおごそかです。 発芽率が高く、約60cmと大きく生長しお茶から炒め物まで幅広く用いることのできる使い勝手のよいハーブです。ホーリーバジルは多年草ですが、露地での越冬が難しい地域が多い日本では一年草として扱われることが多いようです。 ホーリーバジルは強い香りとスパイシーな風味はありますが、クセがないためアジア料理だけでなく普通のバジルの代用品にもなります。日本でも最近人気のタイ料理、ガパオライスのガパオはホーリーバジルのことです。 ホーリーバジルは「万能ハーブ」「神聖なハーブ」「不老不死の霊薬」とも呼ばれ、古くから優れた薬効を認められています。
たくさんのバジルを収穫するための秘訣!摘芯と剪定
バジルは暑い地域が原産のハーブなので、気温が高くなってくると次々と新しい葉を出して生長します。そのまま切らずに伸ばしていくと、7月後半から8月にかけてがバジルの花の季節です。
一年草扱いのバジルは、花を咲かせた後は新しい葉を出すことより、次の子孫を残すために種を付けることにエネルギーが集中します。一般的なバジルは花を咲かせると葉は固くなり味も落ちます。バジルの葉を収穫するために育てているなら、適切なタイミングに摘芯という剪定作業をしていくことが必要です。
摘芯、切り戻し剪定のやり方は簡単です!写真の指でさしている、新しい脇芽の上をカットします。こうやって新芽の上でカットすると、1本だった茎が2本に枝分かれして生長し茎数が多くなる=葉がたくさんあるバジルに生長します。
葉を収穫する時は、次の芽を意識して収穫していきましょう。
食用のバジルの苗を購入する時に気を付けたいこと
バジルを育てる場合、品種名と利用用途(食用か観賞用か)がきちんと書かれている苗を選ぶと安心です。
最近はたくさんの種類のバジルが流通し、中には「観賞用」として限定されているものもあります。園芸用の苗と食用の苗では、使用している薬剤が違うことがあります。プランツタグを確認するか、不安な場合はお店の方に「食用にできるか?」を確認してみましょう。
おうちで育てていると必要な時に必要な分だけ収穫できるバジル。お気に入りの種類を見つけて育ててみませんか?
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バジル
- バジルはシソ科の爽やかな香りのするハーブ。原産地では多年草として扱われている種類もありますが、耐寒性がないため、日本では一年草として扱われていることが一般的です。 バジルの薬草としての主な効用は胃腸の機能の促進として使われます。料理の中でのバジルは、イタリア料理には欠かせないハーブの一つ。フランスでは L’Herbe Royale、ハーブの王様とも呼ばれています。人気のタイのガパオライスのガパオは、本来はホーリーバジルのことですが、日本ではスイートバジルが使われることが多いようです。 日本でも年々バジルの流通量は増え、最近は八百屋さんやスーパーでも葉もの野菜として販売されています。爽やかな香りが食欲をそそり、肉や魚料理の風味付け、サラダ、パスタ、ピザの彩り、バジルを使ったソース、ジェノベーゼソースなど様々な料理に活用されています バジルにはたくさんの種類があり、新品種も続々と登場しています。最も一般的な品種、スイートバジルをはじめ、葉がダークカラーなものや小葉の品種、斑入り種などもあります。最近の新品種では、シナモンバジルなど、本来のバジルの香り以外の香りがするものもあります。