バジルとは?育て方~種まき、植え付けから切り戻し剪定、摘心、保存法など
金子三保子
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バジルの種まき、苗選びから植え付け、日々の管理、保存法などバジルの育て方をご紹介します。バジルはイタリア料理には欠かせないハーブの一つです。たくさんあるハーブの中で庭やベランダで育てておくと便利なハーブバジル。育て方の基本を知っておくと1つの苗で秋までたくさんのバジルを収穫できます!
目次
バジルとは?
- 学名:Ocimum basilicum
- 科名・属名:シソ科メボウキ属
- 分類:一年草(多年草)
バジルはシソ科の爽やかな香りのするハーブ。原産地では多年草として扱われている種類もありますが、耐寒性がないため、日本では一年草として扱われていることが多いようです。
バジルの薬草としての主な効用は胃腸の機能の促進として使われます。料理の中でのバジルは、イタリア料理には欠かせないハーブの一つ。フランスでは L’Herbe Royale、ハーブの王様とも呼ばれています。日本でも人気のタイのガパオライスのガパオはホーリーバジルのこと。
日本でも年々バジルの流通量は増え、最近は八百屋さんやスーパーでも葉もの野菜として販売されています。爽やかな香りが食欲をそそり、肉や魚料理の風味付け、サラダ、パスタ、ピザの彩り、バジルを使ったソース、ジェノベーゼソースなど様々な料理に活用されています。
バジルの入手方法~種まきと苗の購入
バジルは種まきかポット苗で購入します。
バジルの種まき
バジルは種の発芽には20℃以上の温度が必要なので、種まきは4月下旬から5月の気温が安定して遅霜の心配がない頃にまきましょう。バジルを地植えにしたい場合はポットで苗を育てた後に定植するか直まきにします。種が重ならないようにまき、バジルは光発芽性*なので覆土はせずに十分に水を与えます。日に当てて乾燥させないように管理します。本葉が2~3枚出てきたら込み合った部分を間引きします。間引きしたバジルのベビーリーフは料理に使いましょう。
*光発芽性とは? 種の発芽に光が必要な植物の性質。
バジルのポット苗
葉っぱの色が生き生きとした緑色で、茎が太く節が詰まっているバジルの苗を選ぶようにしましょう。最近バジル苗の出回りが早まる傾向にあり、4月上旬からバジルの苗が販売されているのを見かけますが、バジルを露地栽培で育てるなら苗の購入はゴールデンウィークの頃以降に買うことをおすすめします。
バジルは寒さには弱いので、寒の戻りで寒さにあたってしまうと葉っぱが黒くなってしまって、最悪の場合枯れてしまいます。東京で4月の中旬くらいまでの夜間の気温が低い日は、バジルにとっては耐えられない寒さだからです。もし4月中旬までにバジル苗を買ってしまった場合は、ゴールデンウィークの頃までは夜間だけ室内に取り込んだ方が安全です。
▼バジルにはたくさんの種類があります!
バジルの育て方・植え付け
バジルはお日様が大好きなハーブです。日当りと風通しの良いところで育てましょう。4月の間は遅霜など気温が急に下がる日もあるので、地植えのバジルの定植は5月以降の方が安全です。
購入したバジルのポット苗はポットから根鉢を崩さないように取り出し、苗の土の表面が浅く潜る程度まで用土で埋め戻します。植え付け後は水をたっぷりと与えましょう。
鉢植えで育てる場合は、最近の培養土は元肥がすでに入っている商品が多いので、入っていない培養土の場合は元肥を入れて植え付けます。
バジルの土と肥料
土
バジルは保水力の高い有機質に富んだ土を好みます。肥えた土なら何もしなくてもすぐに植え付け可能です。
土壌の改良が必要な場合は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
鉢やプランターで楽しむ場合は、市販の有機質の高い培養土かハーブ用の土を利用しましょう。
肥料
肥料は植え付け時と生長期の5月~9月にかけてはハーブ用の肥料を規定の量と頻度で与えます。バジルは肥料切れを起こすと下の方の葉が黄色く変色して落ちてくるので注意しましょう。
バジルの水やり
バジルは水を好み乾燥には弱いため、水切れを起こさないように注意します。「乾いたらたっぷりと」を目安に、朝の涼しいうちに水やりをします。真夏の鉢植えのバジルは水切れを起こしやすくなるので、鉢の土の表面に注目して夕方にバジルがぐったりと水切れをしているようなら、気温が下がる頃に再度水をたっぷり与えましょう。
バジルの育て方・摘心、切り戻し剪定
バジルは暑い地域が原産のハーブなので、気温が高温になってくると次々と新しい葉っぱを出して生長します。そのまま茎を切らずに伸ばしていくと、7月後半から8月にかけてがバジルの花の季節です。一年草扱いのバジルは花を咲かせた後は新しい葉を出すことより、次の子孫を残すために種を付けることにエネルギーが集中します。バジルは花を咲かせると葉は固くなり味も落ちてくるので、バジルの葉を収穫するために育てているなら、適切なタイミングに摘心という剪定作業をしていくことが必要になります。
バジルの摘心
バジルの草丈が20cm程度まで生長したら摘心してわき芽の生長を促します。やり方は地面から数えて2~3節目の少し上を清潔なハサミで切ります。地面から3節くらい育っていれば、いつでも摘心は出来ます。
バジルの切り戻し剪定
バジルは花の咲く時期が7月半ば過ぎから8月なので、花の開花よりも前の7月上旬ごろにモリモリに育った葉っぱを全体的に三分の一~半分くらいに切り戻します。特に伸び切っていないなら行う必要はありません。わき芽の生長を促すのと蒸れやすい季節の蒸れ防止にもなります。剪定した葉は料理などに利用しましょう。
摘心・切り戻しの方法
バジルは茎の両サイドに小さなわき芽ができます。このわき芽が次の茎になっていきます。指でさしている部分(わき芽の上)を摘心剪定します。
茎がたくさん出て葉っぱと葉っぱが触れ合って蒸れそうな時は、葉っぱをすくような意味で一部を切り戻ししてすっきりとした株にするのも梅雨の頃はおすすめです。
摘心完了。小さなわき芽が一番上になりました。しばらくするとこの葉が伸びてきて新しい茎に生長していきます。
バジルの摘心のメリット
バジルは育て方次第で、ワンシーズンで収穫できる葉っぱの量にかなりの違いがあります。摘心をすると、今まで1本だった茎が2本になります。この摘心を繰り返すと茎が倍々に増えるので収穫量も増えます。
摘心をしないでバジルの花を咲かせると、8月ごろに花が咲き、種をつけた後は急に元気がなくなってくるのですが、摘心をするとバジルとしては次の花を咲かせるために(子孫を残すために)新しい葉を出そうとするので、収穫できる時期が伸び収穫量も増えます。摘心すると長くたくさん収穫できるのです。
バジルの収穫
いつから収穫?
5月頃に植え付けた苗は、草丈が20cm程度くらいになるまでは苗を育てる期間です。あまりにも早く芽を摘み取ってしまうと、見た目が不格好になってしまいます。
20cm程度に生長したら、地面から3節程度残したところで摘心し、そこから摘心を繰り返しながら収穫開始です。時期としては本格的な収穫ができるのは7月頃が目安です。摘み取る時には指をさしている芽の上でカットしましょう。
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