バジルの育て方|植物図鑑
- 植物名
- バジル
- 学名
Ocimum basilicum
- 英名
- Basil
- 科名
- シソ科
- 属名
- メボウキ属
- 原産地
- 熱帯アジア
バジルの特徴
バジルはシソ科の爽やかな香りのするハーブ。原産地では多年草として扱われている種類もありますが、耐寒性がないため、日本では一年草として扱われていることが一般的です。
バジルの薬草としての主な効用は胃腸の機能の促進として使われます。料理の中でのバジルは、イタリア料理には欠かせないハーブの一つ。フランスでは L’Herbe Royale、ハーブの王様とも呼ばれています。人気のタイのガパオライスのガパオは、本来はホーリーバジルのことですが、日本ではスイートバジルが使われることが多いようです。
日本でも年々バジルの流通量は増え、最近は八百屋さんやスーパーでも葉もの野菜として販売されています。爽やかな香りが食欲をそそり、肉や魚料理の風味付け、サラダ、パスタ、ピザの彩り、バジルを使ったソース、ジェノベーゼソースなど様々な料理に活用されています
バジルにはたくさんの種類があり、新品種も続々と登場しています。最も一般的な品種、スイートバジルをはじめ、葉がダークカラーなものや小葉の品種、斑入り種などもあります。最近の新品種では、シナモンバジルなど、本来のバジルの香り以外の香りがするものもあります。
バジルの詳細情報
園芸分類 | ハーブ |
---|---|
草丈・樹高 | 20~60㎝ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白、ピンク |
開花時期 | 7月~9月 |
バジルの種類

ダークオパールバジル
葉がダークカラーのバジル。

シナモンバジル
メキシコで作られた栽培品種で、バジルとシナモンの香りがする品種。

ブッシュバジル
子葉タイプのバジル。

ジェノベーゼバジル
一般的なバジル類は、花を咲かせると葉が固くなり風味が落ちますが、ジェノベーゼバジルは開花後も風味が落ちないのが特徴。

レモンバジル
スイートバジルとレモンの香りを併せ持つバジル。

ホーリーバジル
「万能ハーブ」「神聖なハーブ」「不老不死の霊薬」とも呼ばれ、古くから優れた薬効のあるバジルとされています。

斑入りバジル
葉が斑入りのバジル。観賞用のカラーリーフとしても使われています。
バジルの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
バジルの栽培環境
日当たり・置き場所
バジルは、日当り、風通しの良いところで栽培しましょう。4月は遅霜など気温が急に下がる日もあるので、地植えは5月以降の方が安全です。
温度
バジルの種が発芽するには20℃以上が必要です。4月から5月上旬までは夜に冷え込みそうな日は、夜のみ室内に取り込みます。耐えられない寒さにあうと、葉が黒くなり枯れこむことがあります。
用土
保水力の高い有機質に富んだ土が適しています。地植えにする場合は保水性の高い培養土をすき込むか、完熟堆肥と腐葉土を十分にすき込むとよいでしょう。
プランター栽培は、野菜用の培養土かハーブ用の土を利用しましょう。
\ハーブの土を使う時も鉢底石を使おう!/
バジルの育て方のポイント
水やり
鉢植えのバジルは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。バジルは水を好み乾燥には弱いため、水切れを起こさないように注意します。
地植えで乾燥が気になる場合は腐葉土やバークなどでマルチングをしておくと乾燥の防止になります。
肥料
植え付け時と生長期の5月~9月に有機質の緩効性肥料を規定の量、頻度で与えます。肥料切れを起こすと下の葉が黄色く変色して落ちてくるので注意しましょう。
バジルの詳しい育て方
選び方
春の野菜苗が出回る時期にバジルの苗も出回ります。茎が太く節が詰まっており、葉の色が鮮やかなものを選ぶようにしましょう。
苗の出回りが早まる傾向にあり、4月上旬から販売されているのを見かけますが、ハウスなどで育てるのではなく露地栽培するなら、苗の購入はゴールデンウィークの頃以降がおすすめです。もし、4月前半に購入した場合は、気温が安定するまでは夜間は室内に入れるなどの工夫が必要です。
バジルは品種がとてもたくさんあるハーブです。品種によって、花丈、葉の大きさや色などが違うので好みのものを選びましょう。
種まき
バジルは種の発芽には20℃以上の温度が必要です。4月下旬から5月の気温が安定して遅霜の心配がない頃にまきましょう。
地植えの場合はポットで苗を育てた後に定植するか、直まきにします。種が重ならないようにまき、光発芽性なので覆土はせずに十分に水を与えます。発芽したら日に当てて乾燥させないように管理します。
本葉が2~3枚出てきたら込み合った部分を間引きします。間引きした若葉は、ベビーリーフとして料理に使うことができます。
植え付け
バジルは寒さに弱いハーブです。苗の出回りが早まる傾向にあり、4月上旬から販売されているのを見かけますが、4月の間は遅霜のような気温が急に下がる日もあるので、地植えの定植は5月以降の方が安全です。
摘芯(摘心)・摘果
バジルの草丈が20cm程度まで生長したら摘心してわき芽の生長を促します。やり方は地面から数えて3節目あたりの芽の上を清潔なハサミで切ります。
この摘心を繰り返すと茎が倍に増えるので、収穫量も増えます。摘心をしないで花を咲かせると、8月ごろに種をつけた後は急に元気がなくなります。摘心をすると次の花を咲かせるために新しい葉を出そうとするため、収穫できる時期が伸び収穫量も増えます。
剪定・切り戻し
バジルは花を咲かせると葉は固くなり味も落ちます。葉を収穫するために育てているなら、花を咲かせないように適切なタイミングに剪定が必要です。
草丈20cm以上に伸びた枝のわき芽の上を剪定します。込み合っている茎なども間引いて風通しの良い株にしましょう。
花
7月~9月に花が開花します。葉を収穫するために育てる場合は、花を咲かせない方が長い期間収穫できます。
収穫
草丈が20cmになったら収穫を開始できます。必要な分を茎ごとカットして収穫します。収穫する時間帯は朝か夕方にしましょう。
夏越し
バジルは暑い国が原産のハーブなので問題なく夏越しできますが、花を咲かせないように切り戻しをすると秋までたくさんの葉を収穫することができます。
冬越し
日本ではほとんどのバジルの品種は一年草として扱われ、木枯らしが吹く頃になると葉が黒くなり枯れます。多年草として扱うには、冬の間は室内で管理が必要です。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
種、挿し木、水挿しで増やすことができます。
種を採る際は、色々な品種のバジルを近くで育てていると交雑しやすいので注意しましょう。