ユリ(百合)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ユリ(百合)
- 学名
Lilium
- 英名
- Lily
- 和名
- 百合
- 科名
- ユリ科
- 属名
- ユリ属
- 原産地
- 北半球
ユリ(百合)の特徴
ユリは、ユリ科ユリ属の球根植物の総称です。北半球の温帯を中心に、約100種が分布しており、日本には約15種が自生しています。ヨーロッパでは、バラの次に人気のある花とされ、古くから栽培されてきました。
日本のユリは美しい品種が多いため、ヨーロッパに渡り、大変な人気を博したといいます。奄美や沖縄原産のテッポウユリは、ヨーロッパに伝わると、美しさと強健さからマドンナリリーに取って代わり、教会で使用されるようになりました。ヤマユリは、花の大きさと香りが高く評価され、多くの園芸品種の親になっています。ほかにも、日本のユリを親とした園芸種がたくさん作出されています。
オリエンタルハイブリッドという園芸品種のグループは、日本のヤマユリ、ササユリ、カノコユリを親として作出されました。香り高く、美しいことで有名なカサブランカは、このグループになります。アジアンティックハイブリッドは、アジア原産のオニユリ、イワトユリなどを中心に作出されたグループで、オレンジ色のユリが多いのが特徴。ロンギフロールムハイブリッドは、日本のテッポウユリやタカサゴユリを中心に交配して作出されたグループです。
ユリ(百合)の詳細情報
園芸分類 | 球根 |
---|---|
草丈・樹高 | 50~150cm程度 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
花色 | 白、ピンク、黄、オレンジ、赤、黒、複色 |
開花時期 | 6月~8月(品種による) |
ユリ(百合)の種類
テッポウユリ
- 学名:Lilium longiflorum
テッポウユリは、日本原産の品種。真白な花が美しい品種です。
ササユリ
- 学名:Lilium japonicum
ササユリは、淡いピンクの花をうつむくように咲かせる、可憐なユリです。
オニユリ
- 学名:Lilium lancifolium
オニユリは、反り返るような花びらと、斑点が特徴の品種。根は百合根として食用にされます。中国から渡来したと考えられています。
カサブランカ
- 学名:Lilium ‘Casa Blanca’
カサブランカは、日本のヤマユリを親に作出された園芸種。香りが良く、真白で大きな花が特徴で、ブライダルにもよく使用されます。
ヤマユリ
- 学名:Lilium auratum
ヤマユリは、日本原産で大輪の花を咲かせるユリ。オリエンタルハイブリッドの親となったユリです。
カノコユリ
- 学名:Lilium speciosum
カノコユリは、花びらにある鹿の子絞りのような斑点が特徴のユリです。
ユリ(百合)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開花 | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
肥料 |
ユリ(百合)の栽培環境
日当たり・置き場所
明るい半日陰を好みます。直射日光には弱い品種が多いので、真夏は風通しの良い半日陰になるような場所が向いています。
鉢植えは、梅雨の時期は土が雨で濡れ続けないように、軒先などに移動しましょう。
用土
水はけ良く肥沃な土壌を好みます。
鉢植えは、市販の園芸用培養土で良く育ちます。
ユリ(百合)の育て方のポイント
水やり
株元の乾燥を嫌います。表土が乾いたら、たっぷりと水やりをします。
肥料
芽吹いたら、緩効性肥料を施します。また、花後にもお礼肥として緩効性肥料を施します。
病害虫
アブラムシの被害にあうことがあります。見つけ次第、駆除しましょう。
ユリ(百合)の詳しい育て方
選び方
葉の色つやが良く、根元にぐらつきがないものを選ぶようにしましょう。
球根は、カビや傷がなく、ずっしりと重さのあるものを選んでください。
植え付け
植え付け適期は10月~11月です。ユリは、球根から伸びだした茎からも根を出すので、深植えにします。庭植えなら、20~30cmの深さに植え付けましょう。鉢植えも、大きめの鉢の中間くらいの深さに植え付けます。
仕立て方
花の大きな品種は、支えきれず茎が倒れてしまう心配があります。つぼみが大きくなり始めたら、支柱を立てるようにしましょう。
剪定・切り戻し
ユリは花が終わると種子を作ろうとします。翌年も花を楽しみたいのであれば、早めに花がらを切り取りましょう。種子を作らないようにすることで、球根に栄養が回ります。
植え替え・鉢替え
植え替え適期は、10月~11月です。鉢が窮屈になってきたと感じたら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
花
品種によっても差がありますが、ユリは、6月~8月に可憐な花を咲かせます。
夏越し
ユリは株元が乾燥するのを嫌います。夏の乾燥が続くようなときは、マルチングを施すようにしましょう。
冬越し
冬は休眠して越冬します。霜が心配な地域では、マルチングを施すようにしましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
オニユリのむかご
分球や鱗片から増やす方法と、むかごや種から増やす方法があります。むかごや種は、植え付けから開花株に育つまで数年かかります。