フロックスとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
フロックス
学名

Phlox

和名
オイランソウ(Phlox paniculata)
別名・流通名
宿根フロックス
科名
ハナシノブ科
属名
フロックス属
原産地
北アメリカ

フロックスの特徴

フロックスはハナシノブ科の園芸品種がとても多い草花です。フロックス属は種類が豊富な植物ですが、園芸店で「フロックス」の名で販売されているのは、大きく分けると「一年草」と「宿根草」があり、それぞれ開花時期や草丈などが違います。

一年草のフロックスPhlox drummondiiの開花時期は、春から初夏です。花色がとても豊富で、最近はベージュなどのシックな色や、スターフロックスと呼ばれる星形の咲き方がユニークな品種もあります。上にも伸びますが、横に広がるように分枝しながら生長し、適切な手入れをすると一株でもたくさんの花が次々と開花します。

「宿根フロックス」の名で流通しているフロックスPhlox paniculataの開花時期は、初夏から秋です。株元からたくさんの茎を出し、まっすぐ茎を伸ばし、頂点に花をつけます。暑さに強く、植えっぱなしで毎年開花し、長期間開花し続けるため、初夏から秋の庭や花壇を華やかにしてくれます。以前は草丈が高いものが主でしたが、近年は矮性種も登場しています。

宿根系のフロックスは春に咲く種類もありますが、こちらの図鑑ではPhlox paniculataをご紹介しています。

フロックスの詳細情報

園芸分類 草花
草丈・樹高 30~40cm(一年草)、50~120cm(宿根草)
耐寒性 強い
耐暑性 弱い(一年草)、強い(宿根草)
花色 白、ピンク、赤、紫、ベージュ、アプリコット、複色
開花時期 3月~7月(一年草)、6月~10月(宿根草)

フロックスの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
開花(一年草)
開花(宿根草)

フロックスの栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しの良い環境が適しています。

用土

乾燥気味を好むので、水はけの良い土が適しています。

鉢植えは、草花用の培養土で栽培可能です。

フロックスの育て方のポイント

水やり

地植えは、根付いてからの水やりは必要なく、降雨に任せます。

鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。

うどん粉病の害にあいやすいため、葉が常に濡れているような状態にせず、水やりは株元の土に与えることを意識して与えましょう。乾燥気味を好みますが、完全に水切れを起こすと、急に弱るので注意します。

肥料

多花性の植物なので、定期的に追肥します。肥料が足りないと、葉が黄色くなったり花付きが悪くなります。

病害虫

病気
葉が常に濡れている状態だと、うどんこ病になることがあります。水やりは鉢の表面に与えることを意識し、葉に極力水がかからないようにするとよいでしょう。

害虫
窒素分の多い肥料を与えすぎるとアブラムシがつくことがあります。

フロックスの詳しい育て方

選び方

葉が生き生きとした、つぼみがたくさんついた苗を選びましょう。

フロックスは品種がとても多い草花です。一年草はフロックス、宿根草は宿根フロックスの名で流通していることが多いですが、中にはフロックスの名で販売されていることもあります。どちらかを確認してから育てましょう。

品種によって30~120cmと、草丈にかなり違いがあります。育てる場所に合った草丈の品種を選びましょう。

種まき

一年草のフロックスの種まきは、温暖地では9月~10月、寒冷地では春がまきどきです。

たくさんの量が必要な場合は、育苗トレーに種をまいてからポットに移植します。少量でよい場合は、ポットに数粒ずつまき、良い芽を残して育苗すると移植の手間が省けます。直まきも可能です。いずれも種をまいたら、軽く土をかぶせて発芽を待ちます。

植え付け

一年草
庭への植え付けは、本格的な寒さが来る前の秋か、霜の心配がなくなったころに行いましょう。

宿根草
庭への植え付けは、3月~5月と10月です。数年後をイメージして、隣の植物との間隔は広めに取りましょう。鉢植えは、根を傷めなければ真夏以外なら植え付け可能です。

摘芯(摘心)・摘果

一年草
種から育てる場合は、摘心(ピンチ)をしながら育苗すると、茎の数が増えて花が多くなります。

▼こちらでフロックスを使って摘心について詳しくご紹介しています


一年草

フロックス

3月後半くらいから梅雨入りくらいまで開花します。終わった花をまめに摘み取ると、開花期間が延び、ワンシーズンでたくさんの花を楽しむことができます。

宿根草

宿根フロックス

6月~10月が開花時期です。すべての花が終わった花茎は株元でカットします。

収穫

一年草、宿根草とも切り花として楽しむことができ、流通もしています。

冬越し

宿根草

秋の花が一通り終わったら、株元で茎を剪定します。冬の間は、地域によって株が確認できる場合とできない場合があります。掘り返さないようにプランツタグなどを立てておくと目印になります。春になると芽吹き始め、新しい茎を伸ばします。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

一年草は種まき、宿根草は株分けで増やすことができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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