サンザシ(山査子)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- サンザシ(山査子)
- 学名
Crataegus cuneata
- 英名
- Hawthorn, Mayflower
- 和名
- 山査子(サンザシ)
- 科名
- バラ科
- 属名
- サンザシ属
- 原産地
- 中国
サンザシ(山査子)の特徴
サンザシは、中国原産のバラ科の落葉低木です。サンザシとは、厳密には Crataegus cuneata を指しますが、セイヨウサンザシも含めた総称としても使用されています。
サンザシは、5月~6月に小さくかわいらしい花を咲かせ、9月~10月に直径1~1.5cmくらいの赤い果実を実らせます。樹高2m程度、枝に3~8mmの小さなトゲがあり、葉は3~7cmの楕円形で縁に鋸歯、花色は白やピンクなど、咲き方は一重咲きから八重咲まであります。日本には江戸時代に薬用植物として渡来しましたが、花や実の観賞を楽しむ庭木として広く栽培されています。比較的小さな頃から花実を付けるので、盆栽としても人気があります。サンザシという名前の由来は、中国名の「山査」の実を生薬にしたことから「山査子」となったそうです。
セイヨウサンザシは、ヨーロッパから北アフリカ原産の品種で、八重咲きや枝垂れ咲き、濃いピンクの花をさかせるものなど、多くの園芸品種が作出されています。イギリスでは、5月に咲く花として Mayflower(メイフラワー)や、Hawthorn(ホーソーン)という名前で呼ばれます。thorn とはトゲという意味で、サンザシの特徴にちなみます。
サンザシの果実は、酸味が強く生食に不向きなため、ジャムや果実酒などに加工されて流通しています。中国には、サンザシを加工したお菓子があります。枝にトゲがあるので、手入れの際には手袋を着用するようにしましょう。
サンザシ(山査子)の詳細情報
園芸分類 | 果樹 |
---|---|
草丈・樹高 | 50~200cm程度 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
花色 | 白、ピンク |
開花時期 | 5月~6月 |
サンザシ(山査子)の種類
セイヨウサンザシ
- 学名:Crataegus monogyna(ヒトシベサンザシ)
- 学名:Crataegus laevigata(セイヨウサンザシ)
セイヨウサンザシは、ヒトシベサンザシやセイヨウサンザシの総称。園芸品種が多く作出されており、咲き方や花色の種類が豊富で美しいことから、庭木として人気があります。
クロミサンザシ
- 学名:Crataegus chlorosarca
クロミサンザシは、長野県、北海道、サハリンに自生する、バラ科サンザシ属の落葉高木。果実が熟すと黒くなるのが特徴です。
オオバサンザシ
- 学名:Crataegus maximowiczii
オオバサンザシは、北海道、サハリン、朝鮮半島、中国に自生する、バラ科サンザシ属の落葉低木。果実は赤く熟します。
セイヨウサンザシとは
セイヨウサンザシは、ヨーロッパから北アフリカ原産の落葉低木。原種の花は白の一重咲きですが、多くの園芸品種が作出されています。一重咲きや八重咲き、枝垂れ咲き、花色も白の他、濃いピンクや赤に近いピンクなど、花が美しいことから、庭木として人気があります。また、枝に鋭いトゲがあることから、生垣としても好まれています。
ヨーロッパでは、イエス・キリストのイバラの冠は、セイヨウサンザシの枝から作られたと伝わっており、厄除けやおまじないに使用されるなど、多くの民間伝承があります。
サンザシ(山査子)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
結実 | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え |
サンザシ(山査子)の栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所を好みます。
用土
排水性、保水性の良い、肥沃な土壌を好みます。
鉢植えは、市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
サンザシ(山査子)の育て方のポイント
水やり
根付いてからは降雨にまかせます。乾燥が続くようなときは様子を見て水やりしてください。
鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
肥料
植え付け時に腐葉土や元肥、落葉している休眠期に寒肥を施します。
サンザシ(山査子)の詳しい育て方
選び方
葉の色つやが良く、主幹が安定しているものを選びましょう。サンザシは結実しない花の観賞を楽しむ品種もあるので、収穫目的であれば確認してから選ぶようにしてください。
植え付け
落葉樹の植え付けは、葉を落としている休眠期に行います。植え付け適期は、厳寒期を避けた、11月~12月、2月です。根鉢より一回り大きな穴を掘り、腐葉土や元肥を混ぜ込んでから、根を傷つけないように植え付けます。植え付け後はたっぷりと水やりしましょう。
剪定・切り戻し
剪定は、落葉している休眠期に行います。長く伸びた枝の途中から出てくる短い新梢に花を咲かせるので、新梢は残して、伸びすぎた枝や、混みあった枝を整理するようにしましょう。
植え替え・鉢替え
植え替え適期は、厳寒期を避けた、11月~12月、2月です。鉢底から根が見えるようになったら、一回り大きな鉢に植え替えます。
花
サンザシの花が咲くのは、5月~6月です。直径1cm程度で白やピンクの小さくかわいらしい花を咲かせます。八重咲きの花を咲かせる品種もあります。
収穫
9月~10月に果実が赤く熟したら収穫しましょう。サンザシの果実は酸味が強く生食には不向きですが、ジャムなどに加工して楽しむことができます。
食用にしなくても、色づいた果実が付いた枝を切り花として花瓶に飾って楽しむこともできます。赤く色づいた果実は華やかなインテリアになります。
冬越し
冬は落葉して休眠します。霜が心配な地域ではマルチングを施し、根を傷めないようにしましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
取り木や接ぎ木で増やすことができます。