赤い実のなる木30種を春、夏、秋、冬の季節別に紹介!食べられる実や毒のある実まで

山田智美
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赤い実のなる木をどれくらいご存知ですか。食べられる赤い実のなる木、毒のある赤い実のなる木も含めて、季節ごとに赤い実のなる木をご紹介します。シンボルツリー選びの参考にもなります。
目次
春~初夏に赤い実のなる木3種
ナワシロイチゴ
- 分類:落葉低木
- 結実期:6月
ナワシロイチゴは春にピンク色の可愛らしい花を咲かせる落葉低木です。低木といっても枝を低く、地面を這うようにほふくさせます。初夏に赤く色づくナワシロイチゴの実は、半透明で宝石かイクラのようです。
クサイチゴ
- 分類:落葉低木
- 結実期:5月~6月
クサイチゴは初春から春にかけて、山林や藪の中で白い花を咲かせる、バラ科の落葉低木です。5月~6月に赤く色づいたクサイチゴの実は、小さな粒の集合して親指の爪ほどの大きさになります。ビーズ細工のようで可愛らしい実です。
ラズベリー
- 分類:落葉低木
- 結実期:5月~6月
ラズベリーは春に5枚の花びらの可愛らしい花を咲かせ、初夏に真赤な実を付ける、バラ科の落葉低木です。ラズベリーは和名をキイチゴ、フランス名はフランボワーズと呼ばれるベリーです。小さな粒を集合させた果実は香りがよく、ほどよい酸味と甘みがあります。
ラズベリー
- ラズベリーの日本名はヨーロッパキイチゴ、西洋キイチゴといいますが、フランス語のフランボワーズともよばれています。白い可憐な花を咲かせたあとに赤色・黄色・紫色などの可愛い宝石のような実をつける樹高1~1.5mの小低木です。その色鮮やかな果実は甘酸っぱく香りが高いので生食の他にも、ケーキやタルトなどの洋菓子に使用されます。 ラズベリーは自家結実性なので1本だけでも実がなります。ラズベリーの中には、1年に1度実がなる一季なり性と1年に2回実がなる二季なり性のタイプがあります。一般的にはトゲがあるので少し注意が必要ですが、種類のよってはトゲのない品種もあります。地下茎で増え繁殖力が強いのも特徴です。花芽は「混合花芽」という1つの芽の中に葉枝と花芽の両方を持っており、7月頃に分化します。寒冷地に適しているので、暖地は栽培に向いていません。
夏に赤い実のなる木2種
スグリ
- 分類:落葉低木
- 結実期:6月~7月
スグリは初夏に宝石のような半透明の美しい実を付けるスグリ科の落葉低木です。スグリの実の色には、赤や白、黒、グリーンなどがあります。
ユスラウメ
- 分類:落葉低木
- 結実期:6月~7月
ユスラウメは春に梅に似た小さな花を咲かせるバラ科の落葉低木です。初夏にさくらんぼのような直径1㎝程度の真赤な実を枝の先にたわわに実らせます。新芽の明るいグリーンも美しく、花も実もない時期も楽しめます。
秋に赤い実のなる木11種
ツルコケモモ
- 分類:常緑低木
- 結実期:9月~10月
ツルコケモモはつるのように枝を伸ばす。ツツジ科の常緑低木です。春に小さな花を咲かせ、秋に結実します。赤く熟した実は直径1から1.5㎝程度。酸味が強く生食には向きませんが、ジャムや果実酒にして楽しめます。
サンザシ
- 分類:落葉低木
- 結実期:9月~10月
サンザシは春に梅に似た花を咲かせる、バラ科の落葉低木です。花色は白やピンクがあります。秋に赤く熟すサンザシの実は、酸味が強く生食には向きません。ジャムや果実酒にして利用されます。
クラブアップル(ヒメリンゴ)
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月~11月
クラブアップルとは和名をヒメリンゴとも言い、小さなリンゴの実をつけるバラ科の落葉高木の俗称です。クラブアップル(ヒメリンゴ)は実が小さく、酸味も強いので、生食には向きません。ジャムやコンポートなどにして利用されます。
イチゴノキ
- 分類:常緑低木
- 結実期:10月~11月
イチゴノキは春に花を咲かせ、晩秋に赤い実をつける、ツツジ科の落葉低木です。イチゴノキの名前の由来は果実がイチゴに似ているからだと言わています。真赤に色付いたイチゴノキの実はクサイチゴの実によく似ています。
イチゴノキ
- イチゴノキは、イチゴのような果実がつくことから名前がつけられましたが、イチゴの属するバラ科ではなく、ツツジ科の常緑低木です。別名、ストロベリーツリーという名前で流通していることもあります。 11月~12月に同じツツジ科のドウダンツツジやブルーベリーの花に似た、白くて小さな壺型の花が開花します。果実になるのは翌年の秋で、実になるまでに1年近くかかります。そのため、花と実を同時に見ることができる珍しい花木です。ツツジ科の植物は酸性土壌を好むのが一般的ですが、イチゴノキはアルカリ土壌でも植栽可能です。 比較的ゆっくりと生長しますが、最終的には5m近くの樹高になることもあります。育てやすく、花も実もかわいらしいため、近年、マンションのエントランスの植栽などでも見かけるようになりました。
ハナミズキ
- 分類:落葉高木
- 結実期:9月~11月
春に白やピンクの花を咲かせ、秋に赤く色付いた実を付けるハナミズキは、ミズキ科の落葉高木です。秋にはどんぐりのような形状の赤い実を枝の先に数個実らせます。ハナミズキは、春の花、夏の新緑、秋の紅葉と果実と四季を通して楽しめる魅力的な庭木です。
- ハナミズキはミズキ科の落葉樹で、桜(ソメイヨシノ)が咲き終わるころ、白やピンクの美しい花が開花します。北米原産でアメリカを代表する花のひとつで、別名「アメリカヤマボウシ」とも呼ばれています。 昔は桜やイチョウなどが多かった街路樹ですが、令和4年4月現在、東京都内の街路樹で一番多いのがハナミズキです。樹齢が古くなると10m以上まで生長しますが、桜やイチョウほど大きくならないのも最近の街路樹として利用される原因かもしれません。現在は全国各地に分布し、極端に寒さの厳しい地域以外なら栽培可能です。寿命は桜と同じく80年程度と言われています。 花だけでなく、花が終わった後に出てくる葉も美しく、枝は横に広がるように生長します。 秋になると赤い実がなり、紅葉した後に落葉します。落葉樹の中では、色づきだすのと葉が落ちるのが早いほうです。自然樹形が美しく、花、葉、実、紅葉、樹形と、一年を通して見どころの多い樹木なので、街路樹のほか庭木にもよく利用されます。
ノイバラの実
- 分類:落葉低木
- 結実期:9月~11月
ノイバラは春に可憐な白い花を咲かせ、秋には小さな赤い実をつけるバラ科の落葉低木です。ノイバラは、枝の先に直径5mm程度の小さな実を複数付けます。ノイバラの実はドライフラワーにして長く楽しむことができます。
ガマズミ
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月
ガマズミは春に真白な花を咲かせ、秋に真赤な実を付ける、レンプクソウ科の落葉高木です。秋に実る赤い果実は、小さな実を集合させたような形状をしていて、秋の陽射しに照り輝く姿は宝石のようです。ガマズミの果実は酸味が強く、生食には向きません。果実酒などに利用されます。
アロニア
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月~11月
アロニアは北アメリカ原産のバラ科の落葉高木です。アロニアには赤い実を付ける品種と黒い実を付ける品種があります。赤い実を付けるアロニア・アルブティフォリアのほうが果実自体が小さく、風情があります。
- アロニアは北米原産の落葉低木です。四季を通して観賞価値が高く、日本の風土で育てやすい為、人気の庭木です。春には白から薄紅色の小さな花を房状に咲かせ、夏にはグリーンのきれいな葉、秋には赤や黒の果実を結実させます。 アロニアには大きく分けて2種類あり、赤い果実をつけるのがAronia arbutifolia(アロニア・アルブティフォリア)、黒い果実を結実させるのがAronia melanocarpa(アロニア・メラノカルパ)です。この黒い果実をつけるアロニア・メラノカルパは、最近チョコベリーやブラックチョコベリーと呼ばれ、人気の果実です。 アロニアはあまり枝が暴れるようなこともなく、すっと真直ぐで華奢な樹形が美しいので、庭の中で主要な場所に植えると庭全体に軽やかな印象を作ってくれます。株立ちに仕立ててあるものも出回っています。株立ちのアロニアは、風が抜けるような柔らかさがあります。
ヨウシュカンボク(ビバーナム・コンパクタ)
- 分類:落葉低木
- 結実期:10月~11月
ヨウシュカンボク(ビバーナム・コンパクタ)は春に白い花が咲き、秋に真赤に熟す実が美しい落葉低木です。切り花でもビバーナム・コンパクタ、あるいはコンパクタベリーという名前で流通しています。
ウメモドキ
- 分類:落葉低木
- 結実期:10月~11月
ウメモドキは冬に小さな赤い実を付けるトチノキ科の落葉低木です。庭に色が少なる秋から冬に赤い果実を枝に実らせて、庭を賑やかに彩ってくれます。
イイギリ
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月~11月
イイギリは高木の上の方に赤い実を下げるように実らせる、イイギリ科の落葉高木です。イイギリの実はブドウのような房状で、熟すと真赤に色付きます。秋も深まり、葉がすべて落ちてからも実だけが枝に残っていることもあります。
冬に赤い実のなる木6種
コトネアスター
- 分類:落葉、または常緑低木
- 結実期:11月~1月
コトネアスターは地面を這うように枝を伸ばして生長していく、バラ科の落葉あるいは常緑低木です。春に白い小さな花を咲かせ、冬に真赤な直径1㎝足らずの実を付けます。地表を覆うように生長していくので、グランドカバーとしても人気があります。
- コトネアスターはヨーロッパからアジアまで広範囲に分布する、バラ科の落葉または常緑の低木です。地面を這うように横に大きく枝を広げる姿が美しく、グランドカバーとしても人気があります。斜面や高さがある場所に植えると、大きく枝垂れるように枝が広がっていく様が見事です。 コトネアスターは秋から冬に直径1㎝に満たない小さく真赤な果実を実らせます。コトネアスターの果実は食用にはできませんが、冬の色の少ない景色の中に鮮やかな彩りを与えてくれます。 コトネアスターは冬の赤い果実ばかりが注目されがちですが、花も見事です。コトネアスターの花は初夏、5~6月頃に開花します。真白で小さなユキヤナギのような可愛らしい花です。
ナンテン(南天)
- 分類:常緑低木
- 結実期:11月~2月
ナンテン(南天)は冬に色付く赤い実が印象的な、メギ科の常緑低木です。冬の寒い最中に赤果実を実らせることから、縁起がよいとされ、庭木として人気があります。お正月飾りにもよく利用されます。
- 南天(ナンテン)は、赤い実がお正月の花材として欠かせないメギ科の常緑低木で、古典園芸植物の一つです。日本では関東以西で自生し、栽培も容易です。初夏に白い花が開花しますが、一般的には赤い実の季節の冬が鑑賞期で、もっとも目立つ時期です。 南天(ナンテン)は、冬でも濃い緑が茂る様子や赤い実をつける特徴から縁起物として好まれ、古くから魔除け、厄除け、無病息災を願い、多くの家庭で栽培されてきました。 和名の「南天」は、難を転じる「難転」や「成天」の意味合いで、不浄をはらうために玄関やお手洗い、鬼門と呼ばれる方角に方位よけとして植えられるようになりました。 南天(ナンテン)は観賞するだけでなく、実を焼酎、氷砂糖とともに漬け込んだ南天酒は咳止めや喉の痛みなどの民間薬として利用されてきたほか、「南天のど飴」として販売されています。 お赤飯や煮物、魚など、料理の上に乗せられる南天(ナンテン)の葉は、縁起物としてだけではなく、防腐や殺菌を目的として使われています。
万両(マンリョウ)
- 分類:常緑低木
- 結実期:12月~3月
万両(マンリョウ)は冬に赤い実を付けるサクラソウ科の常緑低木です。真赤な小さな実を数個まとめて枝から下げるように実らせる様子が縁起がよいとされ、万両と名付けられました。
千両(センリョウ)
- 分類:常緑低木
- 結実期:11月~1月
千両(センリョウ)は冬に真赤な実を付ける、センリョウ科の常緑低木です。万両(マンリョウ)との見分け方は、千両(センリョウ)は枝の先端に上向きに粒々とした赤い実を付けます。対して万両(マンリョウ)は枝から下げるように実を付けます。実の付き方で、見分けられます。
- センリョウ(千両)は、山林の湿った半日陰地に自生し、晩秋に赤い実をつけるセンリョウ科の常緑低木です。極端な乾燥には注意が必要ですが、丈夫で育てやすい樹木です。 初夏に新梢の先端に穂状に小さく黄緑色の花が咲いたあと、直径5~6mmのツヤツヤした実をつけ、晩秋に赤く熟します。別名「草珊瑚(クササンゴ)」と呼ばれるほど鮮やかな色合いの実は、花が少なくなる冬に、庭木として明るい彩りを添えてくれます。 古くからナンテン(南天)やマンリョウ(万両)とともに縁起の良い木として親しまれ、お正月用の生け花の花材にも使われてきました。全国の花の卸売市場では、12月の半ばごろ、年に一度「千両市」というセリが行われ、そこで仕入れたセンリョウ(千両)が12月後半から店先に並びます。 センリョウ(千両)は、もともと仙蓼(センリョウ)と呼ばれていましたが、江戸時代に千両へと変わりました。その理由は、同じ赤い実をつける縁起の良いマンリョウ(万両)に似ているものの、マンリョウ(万両)より実つきが少ないためセンリョウ(千両)と呼ばれるようになったと言われています。
セイヨウヒイラギ
- 分類:常緑高木
- 結実期:11月~1月
セイヨウヒイラギはヒイラギに似たギザギザとした葉を持つ、モチノキ科の常緑高木です。冬に赤い実を付けます。光沢のあるグリーンの葉と赤い実のコントラストが美しい庭木です。セイヨウヒイラギは、果実がクリスマスの頃に赤く色付くことから、クリスマスホーリーという別名もあります。
アオキ
- 分類:常緑低木
- 結実期:12月~4月
アオキは耐陰性の強い、アオキ科の常緑低木です。葉が大きく光沢があり深いグリーンをしています。斑入り種などもあります。日当たりの悪い場所で元気に育ってくれる、シェードガーデンの味方です。冬にはアーモンド形の赤い実を付けます。
食べられる赤い実のなる木5種
ジューンベリー
- 分類:落葉高木
- 結実期:6月
ジューンベリーは春に桜に似た、桜よりも小さな白い花を枝いっぱいに咲かせる、バラ科の落葉高木です。春の開花後、6月に真赤な直径1㎝程度の実を付けます。ジューンベリーの実は黒に近い赤まで熟してから食べると、酸味はなく甘く、生食できます。他にもジャムやコンポートにして利用されます。
ジューンベリー
- ジューンベリーは、名前の通り6月に赤い果実をつける落葉小高木。春に咲く白い花、新緑の葉、初夏の小さな宝石のような果実、秋の紅葉と四季折々に楽しむことのできる果樹です。果実はほんのりとした酸味と甘み、芳香があります。耐寒性・耐暑性があり、自家結実性があるので1本で収穫することができます。 ジューンベリーの花は直径1~2㎝程度と小さく、花びらが5枚あり桜のような形状をしています。花の見頃は3月下旬から4月地上旬頃、桜のソメイヨシノが咲き始めるよりも少し早く満開を迎えます。華奢な枝の先に小さな花をたわわに咲かせるのが特徴です。風で散ってしまう花びらの儚さも魅力の一つです。 ジューンベリーの果実の食べ頃は5月後半~6月です。4月に花が終わった後、段々と果実が色づき始め、5月には真赤になります。さらにもう少し辛抱強く待って、黒んずんだ赤になった頃がジューンベリーの果実の食べ頃です。 ジューンベリーはシンボルツリーとしてよく使われる他、街路樹としても植栽されています。白い花とかわいい赤い実、紅葉、樹形が美しいことなど、1年を通して楽しみがたくさんあることが庭木として好まれる理由です。
サクランボ
- 分類:落葉高木
- 結実期:5月~7月
サクランボは春に桜の花を咲かせ、初夏に結実する、バラ科の落葉低木です。サクランボという名前は桜ん坊のことで、名前の通り桜の果実です。ただし、すべての桜の果実が食べられるわけではなく、サクランボが実る品種というものがありますので、購入時に確認してください。
さくらんぼ
- 春に桜そっくりな白い清楚で可憐な花を咲かせ、初夏には輝くルビーのように愛くるしく美しい実を成らせて私たちの目を楽しませてくれるさくらんぼ。その果実は噛めば口の中ではじけるような食感とともに甘酸っぱい味覚が軽やかで可愛い香りともに広がります。 一般には木は桜桃、果実はさくらんぼと呼びわけられています。ソメイヨシノなどの花を鑑賞する桜との違いは、桜は白や桃色の花ですが、さくらんぼの花は真っ白で花粉の量が多く花の下にくびれがあり、かたまって咲くのが特徴です。また、ほとんどの木は相性の良い他の品種の花粉を受粉しないと結実しません。さくらんぼの名前は「桜の坊(桜の実)」が由来とされています。
ヤマモモ
- 分類:常緑高木
- 結実期:6月~7月
ヤマモモは初夏に真赤な実を付ける、ヤマモモ科の常緑高木です。雌雄異株で、雌株にしか果実は付きません。とても大きな木にの上の方に果実をつけるので収穫は困難ですが、黒に近い赤まで熟した実は甘く、塩を振って食べます。果肉部分は少なく、中には大きな種が入っていて、勢いよく噛むと固いので気をつけてください。
リンゴ(セイヨウリンゴ)
- 分類:落葉高木
- 結実期:9月~11月
リンゴは春に桜に似た花を咲かせ、秋に真赤な実を付ける落葉高木です。果樹として人気があります。食用になるリンゴは正確にはセイヨウリンゴという種類です。
ヤマボウシ
- 分類:落葉あるいは常緑高木
- 結実期:9月~10月
ヤマボウシは春にハナミズキに似た花を咲かせる、ミズキ科の落葉あるいは常緑高木です。秋に朱に近い赤い実を実らせます。ヤマボウシの実は外側の固い果皮を剥き、内側の柔らかい果肉を食べることができます。
- ヤマボウシは、6月~7月に白い花を咲かせる落葉高木。初夏の白い花、美しい若葉や青葉、赤い実、紅葉と四季折々の表情を楽しめる樹木です。本州から九州の山地に自生し、樹高は5~15mほどになります。白い花のように見える部分は総苞 (そうほう)と呼ばれる部分で、ハナミズキ同様、葉が変化したものです。 葉はだ円形で、やや波うっています。基本種は落葉樹ですが、常緑性の常緑ヤマボウシもあります。大きく広げた枝の先に一面に咲く花は、美しく見ごたえがあります。夏は青々とした葉が日陰を作り、常緑種を選べば、お庭の目隠しの役割も果たしてくれます。 自然樹形が美しく手間がかからないヤマボウシは、シンボルツリー、庭木、公園樹、街路樹など様々な用途で利用されています。
毒のある赤い実のなる木3種
ピラカンサ
- 分類:常緑低木
- 結実期:11月~2月
ピラカンサは春に小さな白い花を枝いっぱいに咲かせ、冬に真赤な実をたわわに実らせる、バラ科の常緑低木です。低木といっても放っておくと3m程まで大きくなります。ピラカンサの実には有毒成分が含まれていると言われいます。きれいな色をしていますが、食べないように気をつけてください。
ピラカンサ
- ピラカンサは庭木や生垣として人気のあるバラ科の常緑低木です。春の終わりから初夏には小さな真白な花を枝いっぱいにたわわに咲かせます。秋から冬にかけては枝をしなるらせるほどにたくさんの果実を実らせます。あまり手をかけずとも毎年結実してくれるので、庭木として人気の樹種です。枝には細かいトゲがあり、常緑ということもあって、生垣として利用されることも多々あります。 ピラカンサというのは、ピラカンサ属の樹木数種類を指して使われる呼称です。赤い果実を付けるトキワサンザシ(Pyracantha coccinea)の他、黄色い果実のタチバナモドキ(Pyracantha angustifolia)などがあります。
ヒョウタンボク
- 分類:落葉低木
- 結実期:6月~7月
ヒョウタンボクは春にスイカズラによく似た花を咲かせ、初夏には真赤なきれいな実を付けるスイカズラ科の落葉低木です。ヒョウタンボクの名前の由来は、初夏に結実する実が枝の両脇に2つ並んで付くところからヒョウタンを連想させるからだそうです。ヒョウタンを連想させるかどうかは人それぞれですが、初夏に色付く果実は赤く半透明で美しく、観賞価値があります。ただし、ヒョウタンボクの実は有毒です。間違って食べないように気をつけてください。
イチイ
- 分類:常緑低木
- 結実期:6月~7月
イチイは初夏に赤い実を付ける、イチイ科の常緑低木です。オンコという別名でよばれることもあります。針のような濃いグリーンの葉の間から中心部が少しくぼんだ赤い実を覗かせます。イチイの種子は有毒ですので、間違って食べないようにしてください。
赤い実のなる木を探してみよう
グリーンの葉に赤い実は補色の組み合わせでとても目を惹きます。春から初夏の若葉の季節の赤い実も、秋から冬の葉が落ちてから枝に残る赤い実も、どちらも美しく見ごたえがあります。赤い実のなる木をお庭のシンボルツリーとして迎えれば、家族の記憶にも残るでしょう。
赤い実のなる木は身近にもたくさんあります。赤い実がなる木を探してみませんか。
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