山紫陽花(ヤマアジサイ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
山紫陽花(ヤマアジサイ)
学名

Hydrangea serrata

英名
Hydrangea
和名
山紫陽花(ヤマアジサイ)
科名
アジサイ科
属名
アジサイ属
原産地
日本

山紫陽花(ヤマアジサイ)の特徴

山紫陽花は日本の各地で古くから自生している野生種の紫陽花です。丸く小さめの花房と小ぶりな葉が繊細な印象を与えます。細い枝の先に、たわわな花が咲き満開で膨らむ様子は可愛らしさと華やかさを見せてくれます。

山紫陽花は日本の風土に良くあい耐寒性と耐暑性もあり、置き場所も直射日光を避けた日当たりの良い場所から半日陰まで育てやすい植物です。仕立て方によっては鉢植えで小さく育てる事も出来ます。

紫陽花は別名「七変化」と呼ばれる事からも想像がつくように、花色を鮮やかに変化させます。色の変化は土の性質(成分)を吸収する事によって植えられた土によって色を変化させる特徴がある植物です。

山紫陽花は有毒の為、花や葉を口にしない様に注意が必要です。

山紫陽花(ヤマアジサイ)の詳細情報

園芸分類 庭木、落葉
草丈・樹高 50㎝~150㎝
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色 青、紫、ピンク、白、グリーン
開花時期 5月~7月

山紫陽花(ヤマアジサイ)の種類

山紫陽花(ヤマアジサイ)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
開花
剪定

山紫陽花(ヤマアジサイ)の栽培環境

日当たり・置き場所

山紫陽花(ヤマアジサイ)は、半日陰で風通しが良い場所が適しています。

用土

黒土を中心として腐葉土と、通気性を良くするために鹿沼土を混ぜ合わせた用土が適しています。

山紫陽花(ヤマアジサイ)の育て方のポイント

水やり

山紫陽花(ヤマアジサイ)は水切れを嫌うため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。

夏の水やりは基本は朝に与え、土の乾燥が激しい場合は夕方にも与えましょう。

冬は土の表面が乾く頃にたっぷりと与えます。葉が落葉しますが、枯れているわけではないので水やりを忘れないようにしましょう。

肥料

開花前の葉が出はじめる前の3月頃に根から離れた場所に与えましょう。根から近すぎると、根がやけてしまうため遠くに離して入れる事が大切です。また、開花後9月頃に肥料を与えます。

病害虫

うどんこ病、斑点病、モザイク病、アブラムシ、カイガラムシ等。

山紫陽花(ヤマアジサイ)の詳しい育て方

選び方

葉が沢山ついてきれいな葉の色をした、花の先が萎れてない株を選びましょう。葉の先が黄色くなっているものや葉がポロポロと落ちてしまう株は、根詰まりや根腐れなどを起こしている事があります。

剪定・切り戻し

<夏の剪定>
5月~7月に咲き終わった紫陽花はなるべく7月の終わり頃までに花先を剪定する様にしましょう。

剪定をする場所は花が終わった枝の2節目を剪定します。 背丈を小さく育てたい場合は2節目よりも深く剪定しても大丈夫ですが、あまり深く切り詰め過ぎると花芽が付きにくくなりますので、剪定の場所がわかりにくく迷ってしまった場合は紫陽花全体の1/3を目安に剪定するとよいでしょう。

<冬の剪定>
冬に行う剪定の時期は2月~3月、真冬から早春にかけての休眠期に剪定します。 この季節に行う剪定は次に花が咲く季節の為に花芽が出来ない細い枝や、前年に花をつけた古い枝を根元から剪定します。この時の注意点は新しく出ている芽の枝先は切らないようにする事。次の花が咲かなくなってしまいます。

<剪定をしない場合>
山紫陽花は秋色になる花を楽しむ事が出来る品種もあります。 その場合は開花が終わった後の剪定はせずに、そのまま花色の変化を楽しむ事もできます。 その場合、花は切らずにそのまま育てているとノーブルな色合いの秋色紫陽花に変化してきます。 その際に気をつける事は直射日光に当てない事、湿度を乾燥気味にすることがコツです。 剪定をせずに秋色紫陽花を楽しんだ株からも季節になれば花芽が出てきますが、丈が大きくなり花数は少なくなります。

植え替え・鉢替え

2~3年に一度、鹿沼土と黒土、腐葉土などを混ぜて通気性の良い土に植え替えます。

山紫陽花(ヤマアジサイ)は5月~7月に小さな花が手毬状に集まった直径3㎝程の房になり可愛らしい花を咲かせます。

夏越し

乾燥を嫌う為、夏は土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与え、乾かさない様することが肝心です。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

山紫陽花は挿し木で増やす事ができます。

節を3つ残して剪定し、上2節は葉を残して葉先を半分くらい斜めにカットし、下1節は葉を落とし水に浸します。

挿し木をする鹿沼土などの用土を植木鉢に準備し、全体的に土を湿らせておきます。

湿らせた土に挿し木する枝を節1つ分差し込みます。

挿し木後は日の当たらない日陰で管理し、土が乾かない様に水が切れない様に管理します。1ヶ月後位に芽が出てきたら根がついた事になります。新芽が数枚出るまでは日陰で管理し、新芽が生き生きと生長し始めたら、少しずつ日に当てると良く育ちます。

土の成分によって色が変わる紫陽花

紫陽花は土によって花の色が変化する性質をしているので、土壌の酸度(ph)の調整によって色が変化します。花の色を調整するには、この酸度のコントロールが必要になってきます。酸性が多い場合は青色の花に、アルカリ性が多い土ではピンク色に変化します。

アルカリ性の土ではピンクの花に

山紫陽花はアルカリ性(石灰)の多い土壌では、花の色がピンク色になります。ピンク色を保ちたい場合は、開花する前の4月~5月頃に(一年に一度だけ)山紫陽花の株元に一握りの苦土石灰を巻くと効果的でピンク色の花を保つ事ができます。もともと山紫陽花は弱酸性の用土を好む為、アルカリが強すぎると根を傷めてしまうので加減が必要です。

酸性の土では青色の花に

山紫陽花は酸性の多い土壌では青色に変化します。日本の土壌は火山の影響と雨が多く降り、空気中に含まれる二酸化炭素を吸収した雨が酸性を含む雨のため、庭植えや外で管理すると青色に変化しやすくなります。より鮮やかな青色に花色を保ちたい場合は、4月~5月の開花前に、500倍~1000倍に薄めた硫酸アルミニウムを3週間おきくらいに2回程与えるのも効果的です。

紫の紫陽花にしたい場合は?

紫の山紫陽花にしたい場合は、つい紫はピンクと青色を混ぜたもの?と思いがちですが、アルカリ性と酸性が程よく混ざった中性の土壌の場合は紫になるわけではなく、ピンクの山紫陽花を(アルカリ性)を酸性の土に植え替えると赤みがかった紫色に、青色の紫陽花(酸性)をアルカリ性の土に植え替えると青みがかった紫色に変化します。

白の山紫陽花の場合の土壌の成分は?

白の場合は、もともと色が変化する性質ではないため、土壌の成分で色が変わる事がありません。山紫陽花が本来好む弱酸性の土壌を準備して植えると綺麗な白色に育ちます。市販の紫陽花用の土を使うと簡単に準備することができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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